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骨端線とは?手のレントゲン画像から身長を予測!

[2022.08.22]

 

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今回お話しさせていただくのは、骨端線についてです。 

身長予測をする上でとても大事なポイントですが、そもそも骨端線とは何なのでしょうか?

意外と説明できる人は多くはないと思います。

 

また、骨端線がある手のレントゲン画像を見たいという方もいらっしゃいますよね?

 

今回は骨端線とは何なのか、また実際の手のレントゲン画像を用いて身長を予測する過程を詳しく説明していきます。

 

 

 

 

 

 

 

骨端線とは 

 

骨端線とは、成長期の骨の末端に位置し、新しい骨組織を作り出して骨を伸ばす重要な役割を持つ軟骨細胞のことです。

 

難しいので簡単に説明しますね。

 

骨端線は「骨」の「端」の「線」という記載になります。 

骨があったら、端っこのところに骨端線というものが存在します。 

 

 

その骨端線の部分が、小さい頃に伸びるわけですね。 

そのおかげで身長が伸びるということで、骨端線があれば身長がまだ伸びると言えます。 

ただし骨端線が閉じてしまうと身長が伸びないということで、その骨端線って何?というところを実際にモニターさんのレントゲン画像を用いて説明していきます。 

 

骨端線のレントゲン画像を用いて解説:13歳6ヶ月

 

それでは実際のモニターさんのレントゲン画像を使用しながら、骨端線について解説していきます。 

 

まずは13歳6ヶ月の男の子のレントゲン画像を見てみましょう。 

赤○の隙間が骨端線になります。 

また、その隙間を作っている2つの骨は同じ骨になります。 

 

 画像1 

 

この骨の端っこに線がある、だから骨端線という表現になります。 

 

また、この骨は第2中手骨と言いますが、骨の端っこである赤○が骨端線になるわけです。 

 

画像2 

 

なのでこの13歳6ヶ月の男の子に関して言うと、赤○のところが骨端線になります。 

 

画像3 

 

まず皆さんが疑問に思うのが、 

・なぜ手のレントゲンを撮るのか? 
・なぜ手で骨端線を評価するのか? 

という点が気になると思います。 

 

骨端線は骨には全部あると思っていただいていいぐらいです。 

無いものもあると思いますが、基本的に骨端線は全て存在するという風な理解でも十分だと思います。 

ではなぜ手で撮るのか? 

膝を伸ばしたいんだから膝で撮った方がいいんじゃないか、そういったこともおそらく思うと思います。 

それは一理間違ってはいなくて、そういった方法も可能だと思います。 

 

ただし一般的にこういった我々の世界だと手を撮ります。 

特に左手という風に言われています。 

なぜかと言うと、1枚のレントゲンを撮ると数多くの骨を見ることができるからです。 

 

私たちは全ての骨を1個ずつ評価、グレーディングをしていきます。 

具体的に言うとA評価・B評価・C評価・D評価など、細かく見ていくわけです。 

なので、たった1枚のレントゲンで非常に多くのスケーリングが行えるということです。 

 

これが膝だと、骨端線の数はかなり少ないです。 

例えば試験の問題もある程度50問とか100問ぐらいあると、順位がバラつきますよね。 

しかし5問しか問題がなかったら、クラスの中で順位って結構同率1位・同率2位が多すぎて、スケーリングに向いていないですよね。 

なので基本的には、1枚で数多くの骨を見ることができる手を撮影することが好まれています 

 

ということで、先程紹介した画像は13歳ですので、他のレントゲン画像も少し見てみましょう。 

 

骨端線のレントゲン画像を用いて解説:14歳6ヶ月

 

次は少し年齢が進んだ方の画像を見ていきましょう。 

受診時が14歳6ヶ月になります。 

 

画像4 

 

前の方の画像と少し様子が違うのが分かりますか? 

先程観察した第2中手骨を比べてみましょう。 

 

 

画像5 

 

骨の端っこに先程は線がありましたが、14歳6ヶ月の方にはその線が無いのがお分かりでしょうか。 

親指も見てみましょう。 

 

 画像6 

 

ここは全部、骨端線が閉じていることが分かります。 

こういった方は先程よりも、骨年齢が進んでいるという評価になります。 

今回の子の方に関して言うと、15歳0ヶ月という風に評価しました。 

14歳6ヶ月の実年齢に対して、骨年齢が15歳0ヶ月ということですね。 

 

骨年齢は骨端線と少し違う単語になりますが、骨端線は1個1個が単純に開いているか開いていないか、骨年齢はそれらをスケーリングしていった時に総合的に見て何歳程度かということを示しています。 

 

いずれ骨端線は皆さん閉じるわけですから、どの程度閉じているか。 

例えば10本中8本閉じているのか、10本中9本閉じているのか、10本中10本閉じているのか、そういったところを区別し、骨端線が閉じている割合で骨年齢を算出することができます 

 

骨年齢は少し分かりにくいかもしれません。 

いつおお伝えしている通り、「身長があとどれだけ伸びますか?」と質問を受けたら、私はきっとこう答えます。 

ALP×骨端線」もしくは「ALP×骨年齢」、そういった評価が適切かなという風に考えています。 

 

ALPは車でいう速さ、時速に該当します。 

時速が速ければ速いほど身長を伸ばすのと同じで、ALPは高い方がいいです。 

 

それに対して、時間に該当するのが骨年齢になります。 

骨年齢は当然ですが、時間が長い方がいいです。 

試験の時間も長いほうが皆さんも問題をたくさん解けると思いますので、できるだけ長い方がいいですよね。 

つまり、骨年齢は若い方がいいです。 

 

今回であれば14歳6ヶ月の実年齢に対して骨年齢は15歳0ヶ月ということは、一般的な14歳6ヶ月のお子様よりも、6ヶ月程度伸ばすための時間がないということになります。 

ただこのお子さんも指先の方は結構閉じてしまっていますが、手首の骨に関して言うとまだ骨端線が残像していますので、まだ身長が伸びるという評価もここから分かります。 

 

画像7 

 

骨端線のレントゲン画像を用いて解説:5歳11ヶ月

 

今度は一気に若い子の画像を見てみましょう。 

このお子様は5歳11ヶ月です。 

 

 

画像8 

 

先程と全然違うのが分かると思います。 

これは直接的にはスケーリングには該当しないのですが、赤○の部分がさっきと全然違うのは分かりますか? 

 

画像9 

 

ここの部分は手根骨と言います。 

14歳6ヶ月の画像を見比べてみましょう。 

 

画像10 

 

この手根骨の部分が、すごくスカスカであることが分かりますよね。 

そして14歳6ヶ月の子は、手根骨が十分に増生していることも分かります。 

ここはスケーリングに該当しませんが、印象を見る時に私もよく見ますので、こういったところがやはり全然違うのが分かります。 

 

ここら辺を少し細かく説明していきたいと思います。 

赤○の部分は橈骨と呼ばれるような骨ですね。 

 

画像11 

 

この橈骨を更に細かく見てみると、赤○のところがうっすら線があります。 

 

画像12 

 

こういったうっすら線があるというのも、1つの細かいサインになります。 

 

骨というのは元々赤○のような小さな骨なんです。 

 

画像13 

 

こういう風に点からスタートするわけですね。 

生物はほとんどの場合はそうでしょうかね。 

受精卵もほぼ点からスタートするようなものが、だんだん立体構造物になっていくわけです。 

その立体構造物になっていく姿が、画像12のように分かるわけですね。 

 

画像12のように縁どりで線が見えるというのは、立体構造化しているという意味になります。 

この線をE評価としましょう、F評価としましょう、というようにスケーリングされるわけですね。 

例えばテストの点で言うと文章問題ですね。 

すごく綺麗に書けている人は、10点満点中10点と評価するかもしれないし、ちょっと十分じゃないけどもまぁまぁいいでしょうという場合は10点中6点とか、そういう風に評価するのと同じようにして、我々はこの骨1個1個をしっかりと評価していく形になります。 

 

例えばここの骨端線を見てみましょう。 

 

画像14 

 

こういったものを評価する時は、親の骨と離れている子の骨の長さを測定します。 

 

画像15 

 

親の骨が0.94cmのサイズ感に対して、子の骨は0.84cmということで、この場合だと親の骨よりも子の骨の方が小さいので、こういったものも評価対象になってきます。 

特に丸みを帯びていて、立体構造物としてはまだまだ弱い状態です。 

ここからさらに立体構造化していくという時期になりますので、まだまだ骨年齢が若いということが分かります。 

 

また基本的には、骨端線は指の先から閉じていきます。 

 

骨端線のレントゲン画像を用いて解説:8歳4ヶ月

 

次は8歳4ヶ月の画像です。 

 

画像16 

 

ぱっと見た感じで分かりますよね。 

手根骨の増生が進んでいます。 

 

画像17 

 

先程のお子さんが5歳11ヶ月に対し、このお子さんが8歳4ヶ月なので3年ぐらい進んでいるわけですが、骨が全然違うのがお分かりいただけますでしょうか? 

 

画像18 

 

こちらの骨では、先程はわずかに点が見える程度でしたが、少し形を帯びてきているのが分かると思います。 

 

画像19 

 

こちらの橈骨も同じです。 

赤○の線が強くなってきて、より立体構造化が進んでいるという表現ができると思います。 

 

画像20 

 

親指の骨も比較してみると、こちらは比率が意外と変わらないのは分かりますでしょうか? 

こういったところはあまり変わらないかもしれない、という表現ですね。 

 

画像21 

 

手根骨に関しては増生がすごく進んでいる、という評価になります。 

 

画像22 

 

まだこの年齢だと指の先もまだ十分に開いています。 

 

画像23 

 

ただし詳しく見てみると、うっすら線が見えるのが分かります。 

これも立体構造化しているという意味ですので、立体構造化している評価になります。 

もう一度5歳のレントゲンを見てみましょう。 

 

画像24 

 

先程と違うのがお分かりいただけますよね。 

 

ここで13歳6ヶ月のお子さんの指の先を見てみましょう。 

 

画像25 

 

まだしっかりと開いているのが分かりますね。 

しかし赤○のところに線が出てきて、立体構造化が進んでいることが分かります。 

また親の骨と子の骨を比較すると、子の骨が大きくなっていることから、成熟度が進んでいるのが分かります。 

こういったのを1個ずつ評価していくわけですね。 

 

さらに年齢が進んだ方、14歳6ヶ月の指の先の画像を見てみましょう。 

 

画像26 

 

さっきは分離していたのに対して、全く分離していないのが分かりますね。 

こういう風にして骨端線が閉じていくという経過になります。 

 

骨端線損傷

 

骨端線損傷とは、骨端部と骨幹端の間にある成長軟骨帯が損傷を受けることで、骨の長径の成長が障害される状態です。 

骨端線損傷は、完治させなければ将来の骨の成長に影響が出る可能性があります。

また、骨端線損傷は関節の近くの骨折になるため、関節に変形が生じることもあり注意が必要です。

 

まとめ

 

今回は骨端線について解説していきました。 

これはかなりハイレベルな内容になりますが、このように細かく骨端線を1個ずつ評価することで骨年齢が算出される、そしてその骨年齢というのとALP、つまり血液検査をかけ合わせることによって最終身長をより正確に予測していくことができます。 

 

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