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【男子実年齢14歳4ヶ月】骨年齢15歳3ヶ月やや早熟例の身長モニター動画【身長先生】

[2023.09.13]

 

 

2024年2月22日KADOKAWA出版より発売中

 

 

医師医学博士、整形外科専門医・身長先生こと田邊です。

今回も全身全霊で身長に関することを配信していきます。

 

今回の14歳男子のモニター企画です。

実際のカウンセリングのような流れで説明していきます。

 

 

 

 

 

 

カウンセリングの流れ

 

それでは実際にカウンセリングを行っているような形で説明していきます。

 

目標身長

 

まずは最初に皆さんにお伺いしているのは目標の身長をお伺いしています。

目標によってご提案内容も変わります。

目標が高ければ当然ご提案も高くなりますし、目標が高くなければそこまでやらなくても良いでしょうという説明になります。

 

目標の身長を決めるときはご両親の身長が大事になってきます。

学歴などと一緒という風に私はお話をしています。

なぜそんなに良い学校に行く必要があるの?というのはお子さんにはわかりません。

 

身長も「高くある必要はない」というお子さんも多いです。

その辺りはご両親が責任を持って将来の身長を決めていただくことをお勧めします。

 

身長を伸ばしたい理由

 

身長は伸ばせる時期が限られます

運命は時に残酷です。

思うように行くわけではありません。

 

1cmを大事にしてください。

1cmの積み重ねが5cm、10cmに繋がります。

身長は一生ものです。

 

診察にかかる時間

 

通常、診察は30〜60分程度とお話ししています。

比較的時間が長いのでリラックスして聞いてください。

まずは集中して話を聞いていただき、最後に質問をまとめてお受けします。

 

最終身長予測

 

では早速ですが、今回は14歳4ヶ月・175.2cmの男子のデータを一緒に見ていきましょう。

まずは最終身長を予測していきます。

最終身長を予測するときは以下の6個の項目を総合していきます。

 

・①現在の身長

・②過去の身長

・③レントゲン検査

・④思春期症状

・⑤ご両親の身長

・⑥採血データ

 

①現在の身長

 

まず平均的に伸びていったらどうなるのか、成長シートを用いて見ていきましょう。

 

成長シートご希望の方は、身長先生の公式LINEからご自身でダウンロードすることができます。

 

 

簡単に身長が予測できるようなシートになりますので、ぜひお試しください。

 

表1

【男子実年齢14歳4ヶ月】骨年齢15歳3ヶ月やや早熟例の身長モニター動画【身長先生】

 

表の横軸が年齢となっています。(表1)

今回ですと14歳4ヶ月ですので14歳0ヶ月と14歳6ヶ月の間の部分になります。

そこから左に向かって線を引き、175.2cmのところを見つけます。

 

今回は174.4cmと175.3cmの間にいらっしゃるということになります。

そこから平均的に伸びていくと仮定し、表の真下に下りていきます。(表2)

 

表2

【男子実年齢14歳4ヶ月】骨年齢15歳3ヶ月やや早熟例の身長モニター動画【身長先生】

 

このまま成長すると平均的には180.3cm〜181.0cmあたりになることが予測されます。

ただこれは平均的な伸び率ですので、伸び率が低い子もいれば高い子もいます。

 

②過去の身長

 

今日の身長に対して昔の身長を見ていきたいと思います。

早熟なのか晩熟なのかを確認します。

 

表3

【男子実年齢14歳4ヶ月】骨年齢15歳3ヶ月やや早熟例の身長モニター動画【身長先生】

 

今回の場合はぐっと伸びて、ぐっと落ちてくる典型的な早熟タイプです。(表3)

ですので、最初の数字181cmよりは低くなるでしょうという説明になります。

 

ここで早熟のよくあるグラフの特徴を3つ記します。

 

αとβの角度は類似する

直線的に成長する

18歳までは伸びない

 

実際に今回の成長データを見てみましょう。

 

表4

【男子実年齢14歳4ヶ月】骨年齢15歳3ヶ月やや早熟例の身長モニター動画【身長先生】

 

上る角度をα、下る角度をβとし、比較すると類似していることが分かります。(表4)

そしてさらに一回直線的になると直線的に成長することが多いです。

表4の通り、今回も下りを見ると直線的に成長していますよね。

 

ですので、これからもこういった方向性に向かって伸びていくと予想されます。

最後は18歳までは伸びないというのは当たり前ですが、18歳までのグラフなのでそこまでは伸びません

 

細かく見ていきましょう。

赤く囲った部分を見てください。

18歳の時点では175.4cm、右斜め上の部分を見ても175.7cm、176.3cm、176.0cm、175.5cm、175.8cm、175.5cmとなっています。

 

つまりほとんど身長は伸びていません。

成長曲線から言うと、成長の伸び率としてはかなり鈍化していることが推察されます。

 

また、思春期後半の伸び率の概算(年間成長率3cm未満の場合)というものがあります。

今回もですが思春期後半の場合、前年の成長率の半分が次の年の期待値と言われています。

一年前の細かいデータがなかったので、割愛させていただきます。

 

例えばこれまでの1年で3cm伸びている子であれば、その次は1.5cm伸びるということを説明します。

そのようなところを皆さんも計算していただくと良いのではないかと思います。

 

③骨年齢からの予測

 

今回骨年齢を評価すると15歳3ヶ月となりました。

実年齢が14歳4ヶ月ですので、おおよそ1年程度骨年齢が進んでいます

 

ではレントゲンを説明していきます。

実際の診察ではなかなか説明する時間がないので、この記事はすごく参考になると思います。

骨端線といって骨の中央と端の間にある成長する軟骨部分に注目していきましょう。

 

【男子実年齢14歳4ヶ月】骨年齢15歳3ヶ月やや早熟例の身長モニター動画【身長先生】

図1

 

赤丸部分に注目してください。(図1)

末節骨の骨端線が完全に閉じている時点で14歳以上という説明になります。

 

【男子実年齢14歳4ヶ月】骨年齢15歳3ヶ月やや早熟例の身長モニター動画【身長先生】

図2

 

図2のように中節骨と基節骨の骨端線も閉じている状態になります。

 

【男子実年齢14歳4ヶ月】骨年齢15歳3ヶ月やや早熟例の身長モニター動画【身長先生】

図3

 

図3のように中手骨の骨端線が閉じているのを確認すると15歳以上ということになります。

 

【男子実年齢14歳4ヶ月】骨年齢15歳3ヶ月やや早熟例の身長モニター動画【身長先生】

図4

 

図4の右の赤丸部分を見てください。

橈骨の骨端線が残っているので15歳以上ということが分かります。

 

次に左の赤丸部分を見てください。

この尺骨の骨端線が閉じてくると15歳、半分であれば6ヶ月くらいという評価になります。

今回のレントゲンを見るとかなり進んでいるため15歳3ヶ月と評価しました。

 

このようにしてレントゲン画像を見て成熟度を判定していきます。

ということで今回は実年齢が14歳4ヶ月に対して、骨年齢が15歳3ヶ月であり早熟身長が低くなるという説明になります。

 

どれくらい低くなるのかと言うと表4の緑で記した、174.5〜175.3cm程度となります。

身体の全てが15歳3ヶ月と仮定した時、同じ身長であればどのように伸びていくのかというと178.0〜178.8cmになるという説明にあんります。

 

また側弯症の有無もチェックします。

背骨自体が曲がっていないかどうかということです。

以前はチェックしていませんでしたが、現在はチェックするようにしています。

 

④思春期症状

 

今回の方は忘れてしまったということで記載はありませんでしたので、こういうところは分りませんでした。

ですが、思春期症状を見ながら晩熟なのか早熟なのか判断していきます。

 

思春期症状の目安は以下のものがあげられます。(写真1)

 

【男子実年齢14歳4ヶ月】骨年齢15歳3ヶ月やや早熟例の身長モニター動画【身長先生】

写真1

 

思春期症状の目安としてはこういったところですね。

声変わりが一番皆さん分りやすいと思いますので、是非こういったところを覚えていただくと良いと思います。

12歳未満で始まった人は早熟ということで、平均的な伸び率よりは下がります。

 

晩熟の目安の15歳以上というのは厳しすぎかと思います。

13歳以上で声変わりしていれば比較的晩熟と判断しても良いかもしれません。

ただ14歳以上だとほぼ確定だとは思います。

 

思春期症状を忘れてしまったということですが、データとしては重要です。

 

⑤ご両親の身長

 

ご両親の身長から計算することができます。

男の子=((父親の身長+母親の身長+13)÷2)±9で求められます。

今回の場合は計算すると175.25cmとなります。

 

データを見ても遺伝身長に向かうのではないかと予測できます。

 

①〜⑤を踏まえて総合的な最終身長予測

 

では最終身長は何cmになるのでしょうか?

おそらく表4に示した通りに行くことは間違い無いと思います。

 

しかしその中で骨端線が完全に閉じているわけでは無いので、急に止まるということもないと思います。

遺伝身長あたりというのは厳しすぎるかというところで、平均的な伸び率より低くなるでしょう。

骨年齢くらいのところで考えると177.1〜179.5cmと私は予測します。

 

ということで今回は177.1〜179.5cmくらいの予測になりますと説明します。

 

⑥採血での補正

 

加えて採血の結果を見て予測を補正します。

採血結果は一週間後に出ますが、今回は既に出ているので説明していきます。

 

最終身長を予測するにおいて最も重要になるのはALP(骨代謝)になります。

皆さんはALPをご存知ですか?

 

簡単に例えると、「車がどれだけ走りますか?」というもので距離=速さ×時間で求められますよね。

それと同じで「身長がどれだけ伸びますか?」というのも身長=ALP×骨年齢で表現できるかもしれません。

ALPが速さ、骨年齢が時間に該当します。

 

今回の結果ではALPは280、骨年齢は15歳3ヶ月でした。

この数字を用いて考えていきましょう。

ALPは思春期到来後に参考にする値です。

 

思春期が始まる前はあまり気にしなくでいいです。

このように後半になると非常に重要となってきます。

身長の伸びがピークである時は500〜600くらいで、成長期は350以上、最終身長に近いと175以下、大人になると113以下となります。

 

こう見ると175以上あるので完全に止まっているわけではなさそうなので、やはり175cmで止まらずもう少し上乗せしてもいいのではないかという説明になります。

つまり先程の予測が正しいと考えられます。

 

例えばALP175であれば遺伝身長程度で、逆にALP350であれば現状のデータは悪いですが180cm辺りになる可能性もあります。

 

他の項目を見ていきましょう。

 

・亜鉛:55 (基準値80〜130)

・鉄(フェリチン):50 (100以上を目指すべき)

・ビタミンD:26.8 (40以上を目指すべき)

 

この結果から栄養を補充していくとより良い状態を作ることができます。

 

最終身長予測まとめ

 

今回に関して言うと最終予測が177.1〜179.5cmと予測されます。

それに対して目標が180cmであれば、当然治療していく必要があります。

逆に目標が176cmであれば治療しなくて良いという説明になります。

 

身長治療内容

 

目標が180cmであった場合を仮定して、身長治療についてお話しします。

 

①治療の概略

 

身長の悩みは個人的な価値観であり病的な意義を持つものではありません。

私の方から注射を打ちなさい、薬を飲みなさいなどを強制する内容でもありません。

美容クリニックのようにアップセルしたり、そういったことは一切ありませんのでご安心ください。

 

ただ身長を伸ばしたいという価値観があるのであれば、一緒に頑張っていきましょう。

また、治療効果は絶対ではなく年齢が高くなるにつれて治療効果は低くなります

特に14歳以上になると治療効果は低いと説明しています。

 

今回に関しても14歳4ヶ月という年齢からすると、決して良い時期ではありません。

当院では男子14歳以上女子13歳以上の治療はあまりお勧めしていません。

 

また副作用の可能性、自費診療であるため高額になる可能性もごさいます。

治療は大きく分けて「成長ホルモン補充療法」「思春期コントロール治療」「栄養補充療法」になります。

 

通常は1年以上、2〜5年で治療を行っていきます。

医師が不適切であると判断した場合は希望があってもお断りすることがあります

 

②治療内容

 

治療内容に関して言うと、

 

成長ホルモン補充療法

思春期コントロール療法

栄養補充療法

 

があげられます。

 

成長ホルモン補充療法についても何ページにもわたり繰り返し説明をおこないます。

どういった効果があるのか」「どういった副作用があるのか」「どういった投与をすべきなのか」このようなことを細かくお話しします。

 

大切なところだけをお話しさせていただきます。

今回このお子さんが治療した場合、そのくらいの効果を得られるかと言うと+1〜3cmくらいというところであり、あまり伸ばせる時期ではありません。

 

治療期間に関しても丸々1年できないかなという時期になってきます。

おそらく最大でも9ヶ月程度です。

 

早熟のお子様・年齢が高いお子様は治療効果が低くなることが多いです。

今回はこれに当てはまるので数値が低くなっています。

 

例えばこれが思春期が始まる前の男子であれば+3〜7cmの可能性もあります。

このように治療時期が遅くなるほど効果が少なくなってしまいます

 

③治療期間

 

治療期間に関して言うと普通は最低1年間で推奨2年程度、最長3年以上行いますが、今回の場合は最長で9ヶ月となります。

実際のところ9ヶ月行うかどうかという選択になってくると思います。

 

皆さんに覚えていただきたい知識があります。

成長ホルモン治療に関して言うと最初の1年間が最も治療効果が高いということです。

 

今回の場合は残された期間は9ヶ月しかないのです。

ですが、治療効果が高い9ヶ月が残っていると考えてください。

 

④治療の費用

 

成長ホルモン治療の費用に関しては体重に依存します。

目安を以下に記載します。

 

・20kg:14万円〜/月(年間168万円〜)

・30kg:21万円〜/月(年間252万円〜)

・40kg:28万円〜/月(年間336万円〜)

・50kg:35万円〜/月(年間420万円〜)

 

例えば今回であれば65kgですので、年間420万円程度かかります。

成長ホルモン治療は非常に値段が高いので、是非覚えておいてください。

 

思春期症状コントロール薬であるプリモボランという薬を飲む方もいらっしゃいます。

飲み薬を飲むと+1〜2cmほど伸びます。

金額的には年間36万円程度です。

 

あとは栄養補充です。

今回であれば亜鉛・鉄・ビタミンD・アミノ酸を飲んでいただきます。

今のところ年間37万円程度かかります。

 

こういったことを全てトータルして行えば、+3cmをここからでも目指せます

今回の目標が180〜181cmという場合ですと、治療を頑張って全て行ってみると良いのではないでしょうか。

 

もちろん高額になるので、そこまで希望されない場合は栄養補充だけで大丈夫です。

栄養補充も希望されない場合は、ご自身で経過を見ていただくこととなります。

 

⑤通院期間

 

通常、成長ホルモン治療の場合は3ヶ月毎に来ていただいています。

サプリメントの場合は4ヶ月毎、最大1年毎に計画を見ていきます。

 

 

身長治療

当院の身長治療について

 

まとめ

 

今回はやや早熟な14歳4ヶ月のお子様のデータを用いて、最終身長の予測や治療の流れ・方法などを全身全霊で説明してきました。

みなさん、参考になりましたでしょうか?

 

これに加えて実際にご来院いただくと、どういった生活習慣を送るべきなのかなども無料でご説明させていただきます。

20〜30分くらいでカウンセラーが説明してくれます。

 

以下の動画で生活習慣に関する内容を説明していますので、是非皆さんご参考にして身長を伸ばすのに役立ててください

それでは今回はこれで終わりにさせていただきます。

 

 

 

ブログ記事

>>身長を伸ばす生活習慣【完全版】

 

 

 

成長シートご希望の方は、身長先生の公式LINEからご自身でダウンロードすることができます。

 

 

簡単に身長が予測できるようなシートになりますので、ぜひお試しください。

 

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