身長が伸びる前に体重が増える?成長スパートのサインを解説!| 低身長治療・再生医療なら東京神田整形外科クリニック

「最近、子どもの体重が増えてきたけれど、身長はあまり伸びていない…これって大丈夫?」と思っている保護者の方も多いかもしれません。
実は、成長期には身長が急に伸びる前に体重が増える「成長スパート」の時期があり、これは健康な成長のサインです。
この記事では、身長が伸びる前に体重が増える理由や成長スパートのサイン、身長を伸ばすための生活習慣や記録方法をわかりやすく解説します。
身長が伸びる前に体重が増える?「成長スパート」が訪れるサイン
成長期の子どもは、身長がぐんと伸びる前に一時的に体重が増えることがあります。これは多くの場合「成長スパート」の前触れとされ、心配しすぎる必要はありません。ここでは、そのサインや体の変化をわかりやすく紹介します。
成長スパートとは
子どもの身長は成長の段階によって伸び方が大きく異なり、その中でも急激に伸びる時期を「成長スパート」と呼びます。成長には大きく分けて乳幼児期にあたる「一次成長期」と、思春期前後から訪れる「二次成長期」があり、特に二次成長期の中盤で起こる急な伸びが成長スパートです。
この時期には、1年間で8〜10センチ以上伸びることもあり、成長ホルモンや性ホルモンの作用によって骨端線(骨の端の軟骨)が急速に伸びていきます。男子と女子では始まる時期が異なり、一般的に女子の方が1〜2年早く始まるとされています。
また、この成長スパート期の生活習慣や栄養の摂り方は、最終的な身長に影響を与えると考えられており、家庭でのサポートが重要だと言われています。
参考:文部科学省「成長スパートってなに?」
身長が伸びるまえに体重は増える?成長スパートが訪れるサイン
成長スパートが始まる前には、一時的に体重が先に増えることがあります。これはホルモン分泌の変化や骨が伸びる準備によるもので、「少し太ってきたかな?」と感じるタイミングが、実は身長が伸びる直前のサインだったということもあります。
この時期には、次のような変化が見られます。
サイン |
解説 |
体重の増加 |
脂肪や筋肉の蓄積が進み、成長に必要なエネルギーが備わってくる |
食欲の増加 |
ホルモンの働きで代謝が活発になり、必要な栄養を補おうとする |
睡眠時間の延長 |
成長ホルモンは主に深い睡眠時に分泌されるため、自然に睡眠時間が長くなる |
疲れやすさ |
急激な成長準備やホルモン変化で体が一時的に負担を感じる |
これらのサインが重なって見られる場合は、成長スパートの可能性を考えて生活習慣や栄養の見直しを意識するとよいでしょう。
成長スパートが訪れたときの身長と体格の変化
成長スパートが始まると、身長だけでなく体格にもさまざまな変化が現れます。ここでは、その時期に見られる主な特徴を身長の変化と体格の変化に分けて解説します。
身長の変化
成長スパート期には、年間で8〜10センチ以上伸びることもあり、特に男子ではこの期間に一気に背が高くなります。たとえば、半年ほどで同級生と肩の高さが大きく変わることもあり、見た目の印象や周囲からの評価ががらりと変わる時期です。
この急激な伸びは、骨端線と呼ばれる骨の両端にある軟骨部分が活発に働き、骨が急速に長くなることで起こります。骨端線は加齢やホルモン変化によって次第に閉じていきますが、成長スパート期はその活動が最も盛んな時期であり、骨の長さが効率的に伸びるタイミングと言えます。
また、成長スパートは永遠に続くわけではありません。一定期間を過ぎると身長の伸びは少しずつゆるやかになり、やがて止まっていきます。もし数か月単位で計測しても伸び幅が小さくなってきた場合は、成長スパートが終わりに近づいている可能性があります。こうした変化に気づくためにも、定期的に身長を記録して成長のペースを把握しておくことが大切です。
参考:文部科学省「成長スパートってなに?」
体格の変化
成長スパート期には、身長の変化とともに体格にも特徴的な変化が現れます。多くの場合、成長が始まる直前には体脂肪や筋肉量が増え、一時的に全体的にふっくらとした印象になります。その後、身長が急激に伸びることで体が縦に引き伸ばされ、スラッとした体型へと変化していきます。
さらに、男子では肩幅が広がり、体つきがよりがっしりとしてくる傾向があります。手足も長くなり、全体のバランスが大人に近づきます。顔つきにも変化が見られ、あごのラインがシャープになったり、表情が大人っぽく見えたりすることもあります。
こうした体格の変化は、身長の伸びと連動して起こることが多く、両方をセットで観察することで成長スパートを見逃しにくくなります。日常的に写真や数値を記録しておくと、後から見返した際に成長の軌跡を実感しやすくなります。
身長を伸ばすためにできること
身長を最大限に伸ばすためには、成長スパート期の生活習慣が重要です。ここでは、日常生活で意識したい睡眠・食事・運動などのポイントを紹介します。
質の良い睡眠をとる
成長スパート期に身長をしっかり伸ばすためには、質の良い睡眠が欠かせません。成長ホルモンは就寝後の深いノンレム睡眠時に最も多く分泌されるとされ、このタイミングで骨端線に刺激が加わり、骨が伸びやすくなります。十分な睡眠を取らないと、この刺激が不足し、成長のチャンスを逃す可能性があります。
年齢別の理想的な睡眠時間は以下の通りといわれています。
- 3〜5歳:10〜13時間
- 6〜13歳:9〜11時間
- 14〜17歳:8〜10時間
これらを確保するためには、就寝時刻の逆算が必要です。たとえば、翌朝6時半に起きるなら、小学生は20時半〜21時頃、中高生は22時前には就寝できるようにします。
また、寝る1時間前にはスマホやゲーム、強い照明を避けることで、メラトニンの分泌が妨げられず、深い睡眠に入りやすくなります。保護者が生活リズムを整え、就寝環境を整備することが、子どもの成長を後押しします。
バランスの摂れた食事をとる
成長スパート期に身長をしっかり伸ばすためには、特定の栄養素だけでなく、全体のバランスを意識した食事が大切です。
骨の伸びには「タンパク質・カルシウム・亜鉛」の3つが特に重要で、さらにビタミンDやマグネシウムがそれらの働きを補助します。
タンパク質は筋肉や骨の基礎を作り、カルシウムは骨の材料となり、亜鉛は成長ホルモンの分泌に関わるとされています。
また、炭水化物や脂質もエネルギー源として不可欠です。タンパク質ばかりを重視するとエネルギー不足になり、かえって成長の妨げになることがあります。栄養摂取においては、何事もバランスが重要と考えられます。
間食で糖質ばかりを摂りすぎると、インスリンの分泌が過剰になり、成長ホルモンの働きが抑えられることも指摘されています。おやつや補食では、糖質だけでなくタンパク質やミネラルを含む食品を取り入れるよう意識することで、成長を後押しする食習慣につながります。
適度に運動する
成長スパート期には、適度な運動が骨の成長を促すといわれています。骨の端にある骨端線は、物理的な刺激によって骨形成が活性化しやすくなります。特に走る、跳ぶといった全身を使う運動は、骨端線への刺激を効率的に与えるため効果的です。
理想的なのは、週3回程度、各60分程度の運動習慣です。有酸素運動(ランニングやサッカーなど)と自重トレーニング(スクワットや腕立てなど)を組み合わせることで、全身の筋力と持久力がバランスよく向上します。
また、運動には「食欲を増進させる→栄養をしっかり摂る→睡眠の質が高まる」という好循環があります。このサイクルが成長ホルモンの分泌を助け、身長の伸びをサポートします。
ただし、自重を超えたウエイトトレーニングは、骨の伸びを阻害してしまう可能性もあり注意が必要です。成長期の運動では、ダンベルなどの使用は控え自重でできる全身運動にとどめておき、体に無理のない範囲で行うことが大切です。
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023」
小児身長治療を検討する
身長の伸びに不安がある場合は、生活習慣の改善に加えて、専門の医療機関で相談することも選択肢のひとつです。特に、同年代の子どもと比べて明らかに身長が低い、または成長のペースが極端に遅いと感じる場合には、「体質性低身長」やホルモンバランスの影響など、医学的な要因が関わっている可能性もあるといわれています。
小児身長治療では、まず「身長診断」を行い、現在の成長状態や骨年齢を確認します。この診断によって、今後の身長の伸びの見通しを評価し、その結果をもとに必要に応じて成長ホルモンの分泌を促す内服薬や注射治療などを提案します。
治療は成長のタイミングを見極めておこなう必要があります。
もし「専門医に一度診てもらいたい」と感じた場合は、東京神田整形外科クリニックの小児身長治療を検討してみてください。
成長期という限られた期間を最大限に活かすために、親子の不安や疑問に寄り添いながら、丁寧なカウンセリングと個別診察を行っています。
まずは気軽にご相談ください。
身長を正しく記録すると成長スパートを見逃さない
身長の変化を正しく記録しておくことは、成長スパートのタイミングを見極めるうえで大切です。ここでは、効果的な測定方法と記録のポイントを紹介します。
身長の測定方法
身長を正しく把握するためには、できるだけ誤差を減らす測定方法を心がけることが大切です。家庭で測る場合でも、固定式の身長計を使うことをおすすめします。測定は毎月同じ日、できれば朝食前に行い、条件をそろえることで数値のブレを最小限に抑えられます。
姿勢は、壁や床が水平であることを確認し、かかと・臀部・肩甲骨・後頭部の4点を壁にしっかりつけます。目線はまっすぐ前を向き、あごを引いた状態で計測します。この姿勢を守ることで、より正確な測定が可能になります。
記録は0.1センチ単位まで残すことが望ましく、前月と今月の差を「前月▲〇センチ→今月+△センチ」という形で追うと、成長の変化を客観的に把握できます。こうした記録の積み重ねが、成長スパートを見逃さないための有効な手段となります。
体重の測定方法
体重を正しく記録するためには、測定条件を毎回そろえることが大切です。家庭では、食前・排尿後・同じ衣服(または裸)で、毎月決まった日に測定すると誤差を最小限にできます。できれば体脂肪率も測定できる家庭用の体組成計を使うと、より多角的に成長を把握できます。
成長スパート前は「体重増加・体脂肪率のわずかな上昇」、スパート中は「体脂肪率の低下」という変化がよく見られるとされます。このため、体重だけでなく体脂肪率も併せて観察することで、成長段階をより正確に推測できます。
また、身長と体重の記録はグラフ化することで傾きの変化が視覚的に分かりやすくなります。アプリやスプレッドシートを活用すれば、自動でグラフを作成でき、日々の成長の流れを簡単に確認できます。
身長が伸びる前に体重が増えるのかに関するよくある質問
ここでは、「身長が伸びる前に体重が増える」という現象について、多く寄せられる疑問とその答えを分かりやすく紹介します。
太ったら身長が伸びるのですか?
結論として、「体重が増えたからといって必ず身長が伸びるわけではありません」。成長スパート前には、骨が伸びる準備として生理的に体重が先に増えることがありますが、これは健康な成長の一環と考えられています。一方で、カロリー過多による肥満は別の問題です。
この区別には、年齢別のBMI基準である「BMI-for-age曲線」を活用するとよいでしょう。
男子BMI曲線
女子BMI曲線
参照:日本小児内分泌学会「日本人小児の体格の評価」
この曲線上で適正範囲に収まっている場合は、成長の準備段階である可能性が高いといえます。しかし、適正体重域を大きく超える肥満状態では、成長ホルモンの分泌が抑制されたり、思春期早発を招いたりすることで、かえって身長の伸びが鈍くなるリスクがあるとされています。
そのため、体重の増加が「成長の兆し」なのか「単なる肥満」なのかを見極めることが重要です。
身長が伸びるピークは何歳ですか?
国内データによると、年間で最も身長が伸びる時期(最大年間伸長速度=PHV)の平均は、女子で約11.5歳、男子で約13.5歳とされています。ただし、このピークは個人差が大きく、±2年ほど前後することがあります。
成長のタイミングを推測する方法のひとつとして、第2次性徴の現れを目安にする方法があります。女子では初潮の時期、男子では声変わりの時期が、そのピークの前後を示す重要なサインです。
さらに正確に成長の余地を判断したい場合は、骨年齢検査を行うことで、骨の成熟度から残りの伸びしろを客観的に評価することが可能です。こうした評価を組み合わせることで、個々の成長計画をより適切に立てられます。
参考:文部科学省「成長スパートってなに?」
身長が伸びる時のサインはなんですか?
身長が急に伸びる前には、生活面や体の変化としていくつかの兆候が現れることがあります。代表的なものは以下の通りです。
- 食欲が急に増える
- 睡眠時間が長くなる
- 疲れやすくなる
- 靴や制服が急にきつく感じられる
こうした兆候が見られた場合は、月1回の計測を週1回に切り替えることで、伸び幅をリアルタイムで可視化できます。実際の数値で変化を確認できると、本人のモチベーション維持にもつながります。
このような予兆を早めに捉えることで、生活習慣の見直しや必要に応じた治療相談のタイミングを適切に判断できるようになります。
まとめ
成長スパートは、身長が急激に伸びる大切な時期であり、その前触れとして一時的に体重が増えることがあります。体重増加は必ずしも太ったことを意味せず、骨や筋肉が伸びる準備段階で起こる自然な現象である場合も多いです。ただし、過剰な肥満は成長ホルモンの働きを妨げる可能性があるため注意が必要です。
この時期は、質の良い睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動といった生活習慣が身長の伸びを後押しします。また、身長や体重を正しく測定・記録することで、成長のタイミングを逃さず把握できます。
もし成長のペースや体格に不安を感じる場合は、生活習慣の改善と併せて、専門の医療機関での相談をご検討ください。
・両親の身長が低く、子どもの発育に不安がある
・身長を伸ばしたいが適切なサポート方法を知りたい
・他の医院では、「特に治療の必要はありません」と断られた
東京神田整形外科クリニックの小児身長治療ならば、将来160センチまで成長する予定のお子さんが、しっかり治療を受ければ最大で+15センチぐらいの身長を目指せます。
5〜15歳のお子さんを対象に治療を提供しておりますので、今後も身長について悩まれるときは、ぜひご検討ください。
また、身長先生こと、医院長の田邊がお子さんの将来の身長を予測する「身長先生の身長診断」も完全予約制でご用意しています。お子さんの身長を伸ばしていきたいと考えるときは、ご確認ください。
監修者
院長 (全日出勤)
田邊 雄 (たなべ ゆう)
経歴
2011年 金沢医科大学卒業
2018年 日本整形外科学会認定整形外科専門医取得
2018年 順天堂大学博士号取得
2020年 東京神田整形外科クリニック開業
再生医療リードドクター (毎週月曜日、第1・3・5土曜日勤務)
横田 直正 (よこた なおまさ)
経歴
平成11年3月 国立浜松医科大学医学部卒業
平成11年4月~平成18年12月 東京大学医学部整形外科在籍
平成11年5月~平成11年12月 東京大学医学部付属病院整形外科
平成12年1月~平成12年6月 東京逓信病院麻酔科
平成12年7月~平成13年6月 三楽病院整形外科
平成13年7月~平成14年12月 都立広尾病院整形外科
平成15年1月~平成16年6月 東芝林間病院整形外科
平成16年7月~平成17年9月 多摩北部医療センター整形外科
平成17年10月~平成18年9月 都立墨東病院リウマチ膠原病科
平成18年10月~平成19年12月 東京逓信病院整形外科
平成19年7月~平成27年2月 太秦病院整形外科リウマチ科
平成27年3月~平成29年3月 富士見病院整形外科
平成28年6月~平成29年3月 東京ひざ関節症クリニック銀座(院長)
平成29年4月~令和3年4月 東京ひざ関節症クリニック新宿(院長)
令和3年5月~ 総合クリニックドクターランド、新山手病院など
医師 (水曜日勤務)
斎藤 吉由 (さいとう よしゆき)
経歴
1989年 久留米大学 医学部卒業
1990-2000年 久留米大学整形外科医局
2000年-
クリニックヨコヤマ 副院長
泉ガーデンクリニック 整形外科医長
東京ミッドタウンクリニック 整形外科部長
医療法人財団 百葉の会 銀座医院 副院長 等を歴任