低体重だと低身長になる？成長との関係性| 低身長治療・再生医療なら東京神田整形外科クリニック
子どもの身長や体重が平均より低いと「低体重だと低身長になるのでは？」と不安に思う方もいるかもしれません。
実は、低体重と低身長には栄養状態や出生時の体重などが関係するケースがあり、医学的に正しい知識を得ることが安心につながります。
この記事では、低体重と低身長の関係性、子どもの成長の特徴や体重の判断基準、治療や費用に関するよくある疑問について解説します。
低体重だと低身長になるの？
子どもの体重が少ないと「このまま身長も伸びにくいのではないか」と心配になる親御さんは多いです。
実際には、低体重と低身長のあいだには栄養や出生時の背景などが影響している場合があると言われています。
ここでは、どのようなときに関係が見られるのかをわかりやすく解説していきます。
栄養不足による低体重が低身長に関わることもある
子どもが低体重であると、成長への影響を心配する保護者は少なくありません。
実際に、低体重と低身長が関連するケースはあるといわれています。
その背景には、体重が少ないことで成長に必要な栄養が十分に確保できず、骨や筋肉の発達に影響を及ぼす可能性があることが挙げられます。
栄養が不足している状態では、成長ホルモンが正常に働いていても、骨や筋肉をつくる材料が足りないために、思うように身長が伸びにくいことがあります。
特に、タンパク質やカルシウム、亜鉛、ビタミンDといった栄養素は、成長の過程で欠かせない役割を持つとされています。
このように、低体重が続くことは低身長と結びつく可能性があるため、日々の食事から栄養バランスを整えることが重要です。
食生活の見直しが、健やかな成長を支える第一歩になるといえるでしょう。
低体重で生まれたことにより低身長となる疾患もある（SGA性低身長）
赤ちゃんが在胎週数に比べて小さく生まれることを「SGA（子宮内発育遅延）」と呼ぶことがあります。
多くの場合、出生後の成長によって同年代の平均に近づいていくといわれていますが、一部の子どもでは成長の追いつきが十分でなく、そのまま低身長に進むケースも報告されています。
このように、出生時の体重が小さいことが背景となり、その後の成長に影響が残る場合を「SGA性低身長」と呼ぶことがあります。
これは特別な成長の特徴として医学分野で扱われており、注意深く経過を見守る必要があるとされています。
出生時の体重だけでなく、成長の過程を長期的に観察することが大切です。
定期的に身長や体重の変化を確認し、必要に応じて専門的な相談を検討することが安心につながるでしょう。
子どもの成長の特徴
子どもの成長には、年齢ごとに大きな特徴があるといわれています。乳幼児期は体全体がぐんと伸びる時期であり、学童期に入ると成長のスピードはいったん落ち着きます。
その後、思春期を迎えると「成長スパート」と呼ばれる急激な身長の伸びが訪れるのが一般的です。
特に男の子の場合は11〜13歳頃に成長スパートが見られることが多く、体つきも大きく変わっていきます。
この成長の過程には、成長ホルモンの働きが大きく関わっているとされています。
成長ホルモンは夜間の深い眠りのときに多く分泌され、骨の伸びや筋肉の発達を助ける役割を果たします。
そのため、十分な睡眠をとることは子どもの成長を支える上で欠かせません。
また、適切な栄養や運動習慣も成長ホルモンの働きを支える要素といわれています。
低体重が続くと栄養が不足し、せっかく分泌された成長ホルモンが十分に作用できない場合があると考えられています。
つまり、生活習慣と体の栄養状態は、子どもの健やかな成長に直結しているといえるでしょう。
参照：文部科学省「成長スパートってなに?」
子どもの体重【肥満・痩せ】の判断方法
子どもの体重は、大人のように単純に身長と体重のバランスだけで判断するのではなく、年齢や性別ごとの基準を用いて評価することが大切だといわれています。
その目安として活用されるのが「肥満度」や「BMI（体格指数）」です。
これらは、成長期にある子どもが現在どの位置にいるかを確認するための指標となります。
肥満度は、標準体重に対して実際の体重がどの程度多いか少ないかを％で示すものです。
たとえば、＋20％以上を肥満傾向児、−20％以下を痩身傾向児とする基準が学校保健統計調査でも用いられています。
また、近年の統計では「＋20％以上30％未満」を軽度肥満（やや肥満）と定義する区分も示されており、より詳細に評価することができるようになっています。
わかりやすく整理すると、次のようになります。
|
区分 |
肥満度（％）の目安 |
判定基準の例 |
|
痩せ（痩身傾向児） |
−20％以下 |
標準体重よりかなり少ない |
|
正常 |
−20％超〜＋20％未満 |
標準体重の範囲内 |
|
軽度肥満（やや肥満） |
＋20％以上〜30％未満 |
標準体重をやや上回る |
|
肥満（肥満傾向児） |
＋30％以上 |
標準体重より大幅に多い |
このような基準を活用することで、子どもの体重がどの範囲にあるのかを客観的に把握できます。
ただし、数値だけにとらわれず、成長のスピードや体のバランス、生活習慣とあわせて考えることが大切だといえるでしょう。
参照：文部科学省「学校保健統計調査」
肥満
子どもの肥満は、単に体重が重いからといって判断されるものではなく、身長に対してどの程度体重が多いかという基準によって評価されます。
その際に用いられるのが、肥満度やBMIといった指標です。
これらの数値を活用することで、標準体重とのバランスを正しく把握できるといわれています。
肥満の状態が続くと、将来的に高血圧や糖代謝異常といった生活習慣病につながるリスクが高まることが指摘されています。
そのため、早い段階で生活習慣を見直し、食事の工夫や適度な運動を取り入れることが重要です。
特に子どもの場合は、成長期であるために体の変化が大きく、生活の影響を強く受けやすいとされています。
肥満度が基準を超えるような場合には、日常の生活リズムや食事内容を振り返り、健やかな成長につながる工夫を心がけていくことが大切です。
痩せ
子どもの痩せも、肥満と同じように年齢や身長に対して体重がどの程度少ないかを基準に判断されます。
単に見た目が細いからといってすぐに「痩せ」と考えるのではなく、標準体重との差を数値で確認することが大切だといわれています。
痩せている背景には、食事量が少なかったり、特定の食品を避ける偏食があったりする場合があります。
また、成長期に必要な栄養が不足していると、体の発育や体力面に影響することもあると考えられています。
さらに、まれに病気が隠れているケースもあるため、単なる体格の個人差と決めつけず、子どもの生活習慣や体調の変化を注意深く見守る姿勢が欠かせません。
日常的に食事や睡眠、運動のバランスを意識することが、健康的な成長を支える基本になるでしょう。
低体重や低身長に悩むときは小児身長治療が選択肢
子どもの身長や体重のことで不安を抱えている保護者の方にとって、「どこから相談すればよいのか」「どんな方法があるのか」と疑問に思う場面は多いのではないでしょうか。
東京神田整形外科クリニックでは、体質性低身長（病気ではないが平均より低めで推移しているケース）や「もっと伸ばしたい」という希望を持つ方を対象とした外来を設けています。
当院での流れは、まず初回に身長や体重のデータを基にした診断から始まります。
次のステップとしては、生活習慣の改善や栄養指導など、身長を伸ばすための土台づくりです。
その後必要に応じて、成長ホルモン補充療法をはじめとする医療的なサポートも検討されることがあります。
治療の期間は少なくとも1年以上が推奨され、2年、3年と継続して取り組むケースもあります。
成長ホルモン治療では、体重に応じて投与量が決まるため費用は幅がありますが、目安として体重20kgの場合は月14万円から、体重50kgの場合は月35万円程度とされています。
将来の最終身長から＋15cmを目指せる可能性もあり、成長期に取り組む意義は小さくありません。
さらに、思春期の早期進行による影響が心配な場合には、プリモボランやリュープリンなど、成長のタイミングを調整する治療法もあります。
また、亜鉛やビタミンDなど不足しやすい栄養素を補う指導も行っています。
小児身長治療には、複数の選択肢があり、生活習慣から医療的アプローチまで幅広く対応できることが特徴です。
お子さんの身長のことで、何か気になることがある場合は、いつでも当院までご相談ください。
低身長治療の費用に関するよくある質問
子どもの身長治療を検討するとき、多くの保護者の方が最初に気になるのが費用についてです。
どのくらいの期間、どのくらいの金額が必要になるのかは、ご家庭にとって大きな関心事といえるでしょう。
ここでは、低身長治療にかかる費用について、よく寄せられる質問をもとにわかりやすく解説していきます。
低出生児は身長が低くなりますか？
早産や胎児発育不全によって低出生体重児として生まれた場合、成人後の身長が低めになりやすいことが国内外の研究で報告されています。
これは出生時の体格が、その後の成長や最終的な身長に影響を与える可能性があるためと考えられています。
さらに、一部の研究では、身長が低い方が高血圧や冠動脈疾患、脳血管障害といった生活習慣病のリスクが高まる傾向があることも示されています。
加えて、平均寿命が短くなる傾向があるという結果も、複数の国や人種を対象にした調査から得られています。
このような背景から、低出生体重児として生まれた子どもの成長を見守る際には、身長だけでなく将来の健康面にも配慮しながら、生活習慣や栄養の管理を意識することが大切だといえるでしょう。
参照：国立成育医療研究センター「日本人の平均身長は低下傾向」
身長が伸びているのに体重が増えないのはなぜですか？
子どもの身長が順調に伸びているにもかかわらず体重が増えない場合には、いくつかの要因が考えられます。
まず、食事の量や内容が不足しており、成長に必要なエネルギーや栄養素を十分に補えていない可能性があります。
また、消化や吸収の働きに問題があると、摂取した栄養が体に行き渡りにくくなることもあります。
さらに、日常的に活動量が多い子どもでは、摂取したエネルギーが消費に追いつかず、体重が思うように増えないケースも少なくありません。
身長と体重はどちらも成長を示す大切な指標であり、両者のバランスを意識して見守ることが大切です。
このような場合には、生活習慣や食事内容を振り返りながら、成長の全体像を丁寧に確認していくことが安心につながるでしょう。
未熟児で生まれた子どもの身長はいつみんなに追いつきますか？
未熟児として生まれた子どもの多くは、成長のスピードが緩やかであっても、2〜3歳頃までに同年代の平均身長に追いつくといわれています。
出生時に小さかった体が少しずつ育ち、成長曲線に近づいていくことが一般的です。
ただし、すべての子どもが同じように追いつくわけではありません。
中には成長の遅れが続き、そのまま低身長につながるケースもあるとされています。
そのため、発育の様子を定期的に確認しながら、栄養や生活習慣を整えることが大切です。
子どもの成長は個人差が大きいため、月齢や年齢ごとの変化を注意深く見守り、必要に応じて専門的なアドバイスを受けることが安心につながるでしょう。
参照：厚生労働省「低出生体重児保健指導マニュアル」
まとめ
低体重と低身長には、栄養状態や出生時の背景などが関わる場合があるといわれています。
体重が少ないことで成長に必要な栄養が不足すると、骨や筋肉の発達が十分に進まず、身長の伸びに影響する可能性があります。
また、SGA性低身長のように、出生時の体格が将来の身長に関係することも報告されています。
ただし、子どもの体格や成長には幅広い個人差があります。
そのため、数値だけにとらわれず、日々の変化を丁寧に見守り、必要に応じて専門的なサポートを検討することが、健やかな未来へとつながる第一歩になるでしょう。
・両親の身長が低く、子どもの発育に不安がある
・身長を伸ばしたいが適切なサポート方法を知りたい
・他の医院では、「特に治療の必要はありません」と断られた
東京神田整形外科クリニックでは、体質性低身長のお子さんを対象とした専門的な外来を設け、生活習慣の改善から成長ホルモン補充療法、栄養指導など、幅広いサポートを行っています。
将来160センチまで成長する予定のお子さんのとき、しっかり治療を受ければ最大で+15センチぐらいの身長を目指せます。
5〜15歳のお子さんを対象に治療を提供しておりますので、今後も身長について悩まれるときは、ぜひご検討ください。
また、身長先生こと、医院長の田邊がお子さんの将来の身長を予測する「身長先生の身長診断」も完全予約制でご用意しています。お子さんの身長を伸ばしていきたいと考えるときは、ご確認ください。
監修者
院長 (全日出勤)
田邊 雄 (たなべ ゆう)
経歴
2011年 金沢医科大学卒業
2018年 日本整形外科学会認定整形外科専門医取得
2018年 順天堂大学博士号取得
2020年 東京神田整形外科クリニック開業
再生医療リードドクター (毎週月曜日、第1・3・5土曜日勤務)
横田 直正 (よこた なおまさ)
経歴
平成11年3月 国立浜松医科大学医学部卒業
平成11年4月～平成18年12月 東京大学医学部整形外科在籍
平成11年5月～平成11年12月 東京大学医学部付属病院整形外科
平成12年1月～平成12年6月 東京逓信病院麻酔科
平成12年7月～平成13年6月 三楽病院整形外科
平成13年7月～平成14年12月 都立広尾病院整形外科
平成15年1月～平成16年6月 東芝林間病院整形外科
平成16年7月～平成17年9月 多摩北部医療センター整形外科
平成17年10月～平成18年9月 都立墨東病院リウマチ膠原病科
平成18年10月～平成19年12月 東京逓信病院整形外科
平成19年7月～平成27年2月 太秦病院整形外科リウマチ科
平成27年3月～平成29年3月 富士見病院整形外科
平成28年6月～平成29年3月 東京ひざ関節症クリニック銀座（院長）
平成29年4月～令和3年4月 東京ひざ関節症クリニック新宿（院長）
令和3年5月～ 総合クリニックドクターランド、新山手病院など
