身長が伸びなくなる食べ物?思春期早発症に関係ある食品を論文で解説
身長を伸ばす上で食事のことを無視するわけにはいきませんね。
しかし、食べ物ならば何でもいいというわけではありません。
身長が伸びる食べ物、身長が伸びなくなる食べ物があるとしたら気になる方は多いと思います。
身長を伸ばしたければ、身長が伸びやすくなる食べ物を食べて、身長が伸びにくくなる食べ物は避けるべきですよね。
この記事では、身長が伸びなくなる食べ物が存在するのかどうか、論文を用いて詳しく解説していきます。
この記事は身長先生のYouTubeチャンネル内にて、動画【絶対禁止!】身長が伸びなくなる食べ物発表します【身長先生に聞け39】内で視聴者の方から寄せられた質問に答えた内容をもとに作成しています。
Q1.大豆製品は身長にどのくらい影響ある?
食物アレルギーがとてもひどく卵、乳が取れず、食も細いため大豆製品を多くとっていました。
イソフラボン摂取量で言うと豆腐等も含めて60mg程度。
男子15歳0ヶ月で晩熟チェックでいうと超晩熟に該当。
ここ2年で6〜7cmずつ伸びていました。
つい先日女性ホルモンが骨端線を閉じる働きをすると分かり、気になったのですが、大豆製品はどの程度影響を与えますか?
まだまだ伸びると思っていたのですが(今162cmです)、最近は大豆製品を控えてむりやり牛肉をたくさん食べさせています。
A.
今回の質問は大豆が骨端線を閉じる働き、すなわち身長が伸びなくなる食べ物なのか?ということになります。
鍵となるキーワードはイソフラボンです。
イソフラボンについて説明させていただきたいと思います。
更年期の女性向けに、イソフラボン配合という文字が書かれた健康食品がよく売られていますよね。
それはどうしてかというと、イソフラボンは体内に女性ホルモンを補充することが目的とされているからです。
もしそれが本当に正しいとすれば、思春期が始まる前のお子様がイソフラボンをたくさん摂取すると、体内で女性ホルモンに変換されて骨端線が早く閉じる、もしくは思春期が早く来てしまう、そういった原因になるのではないかという論調が成り立つわけです。
そしてそれが本当に正しいのか、イソフラボンが入っている食品は身長が伸びなくなる食べ物なのか、今回も検討していきたいと思います。
今回は3つの論文を説明していきます。
1つ目の論文
最初の論文です。
High serum isoflavone concentrations are associated with the risk of precocious puberty in Korean girls
韓国のお子様の血中濃度のイソフラボン濃度が高いと、もしかしたら思春期早発症になるかもしれない、という論文です。
思春期早発症とは思春期症状が低年齢の頃から発現し、早期に体が完成してしまうため、一時的に身長が伸びた後小柄のままで身長が止まってしまう疾患です。
思春期早発症についてはこちらで詳しく説明しています。
この論文の説明は以下の内容です。
2011年に書かれた論文で、韓国のDaegu Universityのキム先生という方書いてくださった論文になります。
約8歳程度のお子様、しかも女の子が対象になっています。
特に単純に早熟というレベルではなくて、病的にすごく早かった108名と、特に思春期が早くなかった91名のお子様を比較して、血中濃度のイソフラボンがどうだったか、というのを検討した内容になっています。
結論から言うと、思春期早発症の人の採血結果を見てみると、30nmol/lよりも多い人の割合が多かった、ということでこの論文からはやはりイソフラボンの摂取量は多くないほうがいいというような結論になってきます。
Conclusion(結論)
These results suggest that elevated serum isoflavones may be asociated weth the risk of CPP in Korean girls.
この論文からは、血中濃度が上がるぐらいイソフラボンを摂取すると女の子にとっては良くないでしょう、という結論になっています。
Korean girlsということも、後で説明しますがポイントになってきます。
ショックを受けた皆さん!
安心してください。
他の論文も見ていきましょう。
2つ目の論文
次の論文は過去の記事でも紹介しています。
Relation of isoflavones and fiber intake in childhood to the timing of puberty
引用元:The American Journal of Clinical Nutrition
イソフラボンを摂取することによって思春期に入るタイミングにどう影響するか?というのを検討していただいた論文になります。
こちらの論文はドイツのドルトムントにある、子供栄養研究所で研究された内容ですね。
そこのGuo Cheng先生が2010年に発表された論文です。
Conclusion(結論)
Girl, but not boys, with higher prepubertal isoflavone intakes appear to enter puberty at a later age.
女の子の場合、イソフラボン摂取によって思春期を遅らせる可能性がある、という結論になっています。
さっきと逆じゃないかと思いますよね。
ここが結構ポイントになってきます。
例えばですが先ほど更年期の女性の話をしましたが、イソフラボンは女性ホルモン様物質であって女性ホルモンではないわけです。
ここがポイントになります。
人間は結構面白いところがあって、例えば類似物質、一応そういった薬が世の中にあるのですが、男性ホルモンのような物質を飲み薬として飲むと体が「男性ホルモン出ているんだ!」と勘違いします。
そうすると逆に自分の男性ホルモンのボリュームを落とせるということです。
イソフラボンもそういったような可能性があるわけです。
例えば、イソフラボンを摂取することによって「あ!私は女性ホルモン出ているんだ!だからもう出さなくていいんだ」そういうふうに勘違いをしてくれれば、逆に言うとイソフラボンの分泌量が減って思春期のタイミングを遅らせる可能性がある、こういった論文が当然出てくるような形になります。
分かりにくいかもしれませんね。
何度もお伝えしている通りですが、大豆(イソフラボン)というのは身長にとってプラスなのかマイナスなのか正直言って分かりません。
結論から言うと、分からないので分からないとして取り扱うことになります。
今の論文は1個ずつプラス意見とマイナス意見を紹介したわけですが、次の論文を見ていきましょう。
3つ目の論文
Assosiation between a soy-based infant diet and the onset of puberty:A systematic review and meta-analysis
引用元:PLOS ONE
システマティックレビューとは、類似する論文を収集して評価を行うことです。
メタアナリシスは複数の研究結果を集めて解析を行うことです。
こちらの論文はブラジルのSao Paulo State Universityの内科の先生が書いてくださった論文ですね。
思春期とイソフラボンが関係あるかということについて、8つの研究を含めて大豆をいっぱい食べている子供たち598人、全然大豆を摂取していない2957人、そういった論文をたくさん見て解析してくださったそうです。
Conclusion(結論)
We did not find any association between a soy-based infant diet and the onset of puberty in boys or girls.
そういった関連性は認められなかった、大豆を摂取しても問題ない、そういったような論調になってくるわけです。
3つの論文を踏まえて
この3つの論文を通して分かりますが、この一番最後のシステマティックレビューは、医学的エビデンスレベルという単語になります。
私はすごく「エビデンス」と言うような人間ではないと思っていますが、システマティックレビューとかメタアナリシスはエビデンスレベルが高くて、信頼性が高いという表現をします。
ただし今回のこういったような内容に関して言うと、はっきりと絶対こういった結果がシステマティックレビューで出てくるのは、専門家の私たちからすると非常に当たり前です。
なんでかと言うと、イソフラボンとはそういった性質を持つ食材だからです。
プラスの意見とマイナスの意見がそもそも混在しているようなものをたくさん集めていったら、有意差が出ない、そういったような結論になっていくのは当然になってきます。
少し難しかったかもしれませんが、結論から言うと、プラスの意見とマイナスの意見があるということで、それは今までと変わりません。
その中でも、もしかしたらマイナスの意見があるかもしれない、もしかしたらプラスの意見があるかもしれないというところになります。
そこでもう1個さらに深堀りしていくと、イソフラボンと身長の関連性にはおそらく人種差・男女間の差があると思われます。
おそらく女性の方が影響される率が高いと思われます。
さっきの論文を見ても、両方とも女の人が対象となっていたりして、早熟・晩熟の両方とも女の人がターゲットでしたね。
なおかつ人種によってもおそらく違うのではないかと推察されます。
例えば先ほどの韓国の論文で、どっちかというと「早熟になる説」でしたよね。
一方でもう1個の方がドイツであり、ヨーロッパの方は逆に「晩熟になる説」になります。
もしかしたら人種差があるかもしれない、そういった事も言えるわけになります。
さらにお伝えできるポイントとしては、データの出元が分からなくなってしまって申し訳ないのですが、地域によるイソフラボンの摂取量はこちらになります。
・アジア人の摂取量
1日あたり25〜50mg
・西洋諸国の摂取量
1日あたり2mg未満
このように、基本的にはアジア人の方が大豆の摂取量が多いそうです。
納豆や豆腐や味噌汁、そういったものも大豆由来なわけですから、このような傾向になりますよね。
そういった側面からすると根本的にアジア人の方が身長が低いわけですから、もしかしたらマイナスなのかな?とか、そういったことも考えたりするわけです。
ということで、今回の質問を答えるとするならば、イソフラボンの摂取量が60mg程度ということですが、それは確かに少し多いかもしません。
ただし男子の場合だと基本的にはあまり関係ないというデータが多いので、多分大丈夫だと思います。
逆説的にコメントの内容を見させていただくと、60mgもすごく積極的に取っていたおかげで超晩熟になった、というような説も出てくるわけになります。
もしかしたら人によって摂取するといいタイプと、摂取するとダメなタイプと、そういった方がいらっしゃるかもしれません。
ただし今の医学の時点だとそういった見極めが非常に難しいので、私の方でカウンセリングに来ていただいている方に関して言うと、少なくとも毎日納豆や豆腐を食べさせるとか、イソフラボンを含むような大豆由来のソイプロテインを毎日飲ませるとか、そういったことは必要ないでしょうと言えます。
少し食べて何か問題があるようなものじゃないと思います。
例えば本当に味噌汁を飲んで身長が低くなるなら、日本人の平均身長はもっと低くなっていると思います。
そこまででもないことを考えると、そんなに大きな影響はないでしょう。
大豆は過剰摂取しなければ問題ないと思います。
納豆や豆腐、味噌汁が身長が伸びなくなる食べ物、というわけではないのでご安心ください。
ただ60mgだと確かに多い気がしますので、もう少し減らしていただいて、日本人の平均的な摂取量に抑えていくのはいいかもしれません。
「牛肉をたくさん食べさせています」ということですが、動物性タンパク質は身長に影響する可能性があるので積極的に摂取すると良いと考えます。
タンパク質に関することはこちらの記事にて紹介しています。
どんな食べ物からタンパク質を摂取するのが良いのか、子ども向けのジュニアプロテインは飲んだほうが良いのか、気になる方はぜひご一読ください。
Q2.手っ取り早くお腹を満たせる身長が伸びる食べ物は?
夜食について質問です。
塾へ行く前に夕飯は食べるとして、塾が9時までなので終わるとお腹がすきます。
手っ取り早くお腹を満たし、なおかつ身長を伸ばすのに良い一品はなんですか?
カロリー控えめだとうれしいです。
よろしくお願いいたします。
A.
夜に塾に行かなくちゃいけない、こういう子が多いですね。
21時までって遅いですよね。
朝学校に行って、夕方に部活やって、夜は塾に行って、本当に大変だと思います。
その中で手っ取り早くお腹を満たすには、いくつかポイントがあると思います。
今回はビタミンの話をしてみましょうか。
皆さんは2種類のビタミンがあるのをご存知ですか?
・脂溶性ビタミン
・水溶性ビタミン
この2種類です。
脂溶性というのは油って意味ですね。
脂溶性ビタミンは比較的体の中にへばりつくイメージですね。
油なのでドロドロしているんですかね。
なので、脂溶性ビタミンは血中濃度が比較的安定しやすいです。
ビタミンDとかを2日に1回ずつ摂取していっても、意外と血中濃度が安定するんですね。
それに対してビタミンB・Cは水溶性ビタミンなので、比較的流れ出てきます。
水溶性なのでおしっこでどんどん流れて、どんどん排出されていきますので、水溶性ビタミンは比較的頻回に摂取していく必要があります。
なので、ビタミンDとかは夕食に摂取してもらって、夜食としてはビタミンB・Cとか、そういったものを含むものもいいかもしれません。
「手っ取り早くお腹を満たす」というところで、食品添加物の問題があるので、そこはちょっと考えなくてはいけませんが、ビーフジャーキーがタンパク質・鉄分・亜鉛を摂取できます。
保存食でもありますから非常に便利だと思いますが、なかなかお腹を満たすという表現にはならないかもしれないですが、参考にしてみてください。
コンビニで買える身長が伸びる食べ物を紹介した記事があるのでそちらもお役に立てるかと思います。
身長が伸びるセブンイレブン神商品3選!この食べ物と飲み物がおすすめ!
Q3.生活習慣次第で最終身長にどのくらい差が出る?
ありえない仮定で申し訳ありませんが、成長期前から全く無頓着な生活をした場合と、治療とまではいかなくとも運動や睡眠、栄養摂取等、生活習慣を先生が推奨する基準をクリアするように気をつけた場合は、どれくらい最終身長に差が出ると想定されているのでしょうか?
A.
成長期前ということは、イメージだと10歳ぐらいということですかね。
10歳ぐらいからですと、生活習慣次第で最大で10cm弱ぐらい差が出る可能性は十分にありえます。
かなり大事に1日1日を送っていただくとよいのではないでしょうか。
身長を伸ばす生活習慣についてはこちらの記事をご覧ください。
身長先生のYouTubeやブログを見ていただき、身長に関して勉強していただけたらと思います。
Q4.小指の爪半月は身長に関係ある?
高校1年生男子です。
小指の爪半月はどのくらい残っていればどのくらい伸びるのか教えてください。
A.
爪半月が無くなると身長の伸びが止まる、噂が割と高頻度で寄せられます。
この質問は定期的に来ますね。
いつもこの質問は本当に不思議なんですが、爪半月説は誰が唱えているんでしょうかね?
そこをまず私は知りたいです。
正直言ってその説がどういった論拠でなっているのかが分からないと、私はこれに対してコメントするのも難しいです。
そういった爪半月に関する論文か何かしら出てなくちゃ誰も唱えないはずなんですけども・・・
論文があるのか?
それともどういった機関がそういったものを発表しているのか?
是非教えていただけるといいかなと思います。
爪半月を含む、身長の伸びが止まるサインについては別の記事にて詳しく解説しています。
まとめ
以上、身長に関する質問に答えていきました。
参考になりましたでしょうか。
今後もこれからも身長に関することを全身全霊で配信していきます。
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簡単に身長が予測できるようなシートになりますので、ぜひお試しください。