【男子実年齢13歳3ヶ月】骨年齢13歳6ヶ月で平均的な伸びの身長モニター動画【身長先生】
医師医学博士、整形外科専門医・身長先生こと田邊です。
今回も全身全霊で身長に関することを配信していきます。
今回は13歳3ヶ月男子のモニター企画です。
この方は結構最終身長予測が難しいパターンでしたが、そう言ったところも含めて皆様の参考になるかと思います。
年齢が近い方は是非参考にしていただくと良いのではないかと思います。
では実際のカウンセリングの流れに沿ってお話ししていきます。
目次
目標身長の設定
皆さん、まずは目標の身長を設定してください。
目標を設定しないのは失敗を計画しているようなものです。
計画を立てるときは必ず目標設定をしてください。
皆さんまずは覚えていただきたいのが、身長を伸ばせるのは限られた時期であるということです。
男性であれば14歳くらいまでに最終身長がかなり決まってきます。
意外と13歳3ヶ月ですと伸ばせる時期は9ヶ月ほどしかないので、そういう風に理解していただくと良いのではないかと思います。
1cmを大事にしてください。
「そんなことをしても1cmしか変わらないんですか」と言う方が時々おられますが、そう言う方はもう受診すらやめていただきたいです。
それくらい1cmにかける思いが大切です。
1点をもぎ取る気持ちがない限りは受験で成功することはないし、サッカーも1点をもぎ取るためにすごく練習をするわけですし、100m走でたくさん練習して0.1秒縮めようとするわけで、身長も同じです。
1cmの積み重ねが大きな変化につながるわけです。
実際にカウンセリングに来ていただくと最終身長予測を説明して、どういった治療ができるのか、生活習慣などを説明していきます。
今回はモニターさんなので、その辺りをピックアップしながら説明していきます。
最終身長の予測
まず13歳3ヶ月のお子さんが最終的に身長何cmになるのかを一緒にみていきたいと思います。
最終身長を予測する時には5個の項目を総合します。
厳密に言うとそれに加えて採血の結果も入れるので、6個になりますが基本的には5個です。
- ①現在の身長
- ②過去の身長
- ③レントゲン検査
- ④思春期症状
- ⑤ご両親の身長
これらを順にお話しします。
①現在の身長
このお子さんは受診時が13歳3ヶ月で177.5cmとかなり高身長でした。
成長シートに当てはめていきましょう。
ちなみにこの成長シートは公式LINEから無料でダウンロード可能です。
成長シートを使うと身長の記録をしていって、最終的に何cmになるかを予測できるシートとなっています。
表1
表1のように177.5cmから伸びていくと187.0cm〜187.5cmとなり、これが平均的な期待値となります。
例えば受験でも今の偏差値のままいくと〇〇大学に受かる可能性がB判定ですよ、A判定ですよ、C判定ですよなどと一緒です。
このまま無難に行くと187.0cmくらいではないかという説明になります。
ただしそれに対して、もっと伸びる子もいれば全然伸びない子もいます。
それについては②過去の身長以降でどっちのタイプになるのかを検討していきます。
ということで最終身長は187.0cm〜187.5cmとなります。
あくまでお子様が平均的に伸びていった場合の結果で、平均的な期待値です。
②過去の身長
過去の身長を成長シートで見ていきましょう。
過去の身長の経過をたどると表2のような形になります。
表2
この方の初診は1年以上前にしているので、その時の感想と今の感想はやや違う気がします。
今見ても正直言うとこの形はなかなか難しいです。
ただピークが15歳頃にもっと右側に来るかもしれないと考えると、全体的に見て晩熟で良いのではないかと思います。(表3)
表3
ですが晩熟であればもう少しゆっくり来て欲しいです。
身長の伸び具合にゆっくり感がないというところもあって、晩熟なのだろうけれど、どこまで晩熟なのかということを思いながらこの表を見るという感じです。
正直言うとここからは分かりませんと表現するのが正しいのではないかと思います。
というところで、過去の身長からはなんとも言えません。
③レントゲン検査
レントゲンを見て骨年齢を予測していきます。
例えばこのレントゲン検査で骨年齢がすごく若かったりすると、かなりの晩熟が確定します。
ですが今回のお子さんの骨年齢は13歳6ヶ月と私は評価しました。
パソコンの方でも13.04歳、13.46歳と評価されました。(写真1)
写真1
骨年齢が12歳代ということではないので、超晩熟でもないという説明になります。
なので成長シートでいうすごく右側の方に行くということはあまりなさそうです。(表4)
表4
ただ左の方へ必ず行くわけでもありません。(表5)
表5
ということはやはり187.0cm〜187.5cm前後で落ち着くのではないかと思います。
④思春期症状
このお子様は陰毛が12歳8ヶ月で、陰毛に関してはそんなに早い方ではありません。
声変わりは12歳7ヶ月で、こう言った点でもすごく遅いわけでもありません。
遅くも早くもなく無難な線なのではないかと思います。(写真2)
写真2
⑤ご両親の身長
両親の身長から遺伝身長を計算します。
男の子の場合は((父親の身長+母親の身長+13)/2)±9という式に当てはめます。
このお子さんですと181.5cmとなります。
このお子さんに関して身長は全体的に見ても高いと思います。
最終身長の予測まとめ
これらを踏まえて最終的に何cmになるのかを考えていきます。
現状としてはやはり高くなる要素と低くなる要素が両方ある程度混在しているような印象です。
ただ、その中でもすごく高くなる感じも低くなる感じもないです。
そういう風に考えると基準から少し低くなる、もしくは少し高くなると考えるのが無難なのではないかと思います。
大体186.0cm〜188.5cmというところが一旦の予測になってきます。
初診時、私が1年前に予測した時は185.0cm〜189.0cmと今の私よりも更に安牌を取り、少し広めに予測していました。
ただ、考えていることは同じかとは思います。
採血結果
実際の採血は1週間後に結果がでますので、今日付の予測は先ほどお話ししたところで終わります。
それに対して採血の結果も見ていきましょう。
今回一番この状況で注目したいのは男性ホルモンの値です。
例えば男性ホルモンが全く出ていないパターンですと、超晩熟が確定します。
ただ、今回に関しては男性ホルモン値(テストステロン)が3.09と比較的しっかり出ています。
3.09という数字がどういう意味をしているかと言うと、1年以上前に思春期に入っているということを意味します。
例えばそういった意味で見てみるとこの赤丸の時点で思春期に入っているのだと思われます。(表6)
表6
そこからぐんと伸びていったところで、やはり晩熟とは言い切りがたいタイプです。
ここで皆さん、勉強している人であればよく知っているALP(骨代謝)を見ましょう。
ALPを分かりやすく車がどれだけ走るかに例えてみます。
距離は速さ×時間で表現できます、それを真似してどれだけ身長が伸びるかというのをALP×骨年齢で表現できます。
ALPが速さ、骨年齢が時間に当てはまります。
時間が今回に関して言うとすごく進んでいるわけでもないし、ぼちぼちというところです。
みんなと同じくらい時間を残されています。
このお子さんはALPが511でした。
ではこの511はどういった数字なのか少し見ていきましょう。
ALPというのは思春期とともにぐんと上がって、実は500をピークに迎えて落ちていきます。(図1)
図1
また、ALPの参考値は写真3をご覧ください。
写真3
現状身長の伸びがピーク(ALP500-600)に入っています。
ここで更にややこしくなってくるのが13歳3ヶ月でALPが511というのは、それだけで見てみると晩熟判定となります。
ただし、そこでちょっとややこしくなるのですが、通常ALPがMAXとなる値というのはどこのデータでもありません。
私が今までたくさん見てきてなんとなく思っていることですが、テストステロン値が約1.0の時にALPが最大値となるケースが多いです。
それに対し今回はテストステロン値3.09でMAXとなっています。
ここも尚更分かりにくいです。
このお子さんに関して言うと、いわゆる統計学から全体的に外れているような印象です。
身長治療というのは統計学を用いて治療していくので、これは結構予測が難しいというのがわかるかなと思います。
幸いにもこのお子さんはベースの身長が高いので、心配することはないと思いますが予測が難しいなという印象がここからもよく分かると思います。
できることはしっかりやっていきましょうという説明になります。
栄養状態
また採血の結果から栄養状態も見ていきます。
このお子さんは亜鉛が73で100以上を目指すのが良いです。
鉄の方はフェリチンを見ます、フェリチンというのは貯蔵鉄のことを指し、このお子さんは19でした。
基準値は17〜321であり、19というのは非常に低いです。
鉄が欠乏すると44%身長の伸び率が低下する可能性があります。
ですのでこのお子さんはしっかり鉄を補充する必要があります。
これは非常に注意が必要なパターンです。
ビタミンDは20.1と低く、20以下で欠乏値となります。
目標は元々40と説明していましたが、現状は今50〜80と更にあげていますので、より一層あげていくのが良いでしょう。
総じて栄養状態に関してはあまり良くありません。
栄養はしっかり補充してあげましょう。
それに対して成長ホルモンだったり、今回で言うとプリモボランのお薬(思春期コントロール)もしても良いのではないかとも思います。
その辺りは実際にどのくらいまで伸ばしたいかというところでも話は変わってくるのかなと思います。
治療戦略
治療戦略には写真4の3つがあります。
写真4
そのような感じで今回に関して言うと治療戦略はベースの身長は低くないので、治療がたくさん必要という感じではないかもしれません。
目標身長が高ければ成長ホルモンであったり、思春期を遅らせる必要があるのかは微妙なラインですが迷っているならしても良いかと思います。
基本的にマイナス要素はあまりありません。
ただ、超晩熟の子に関して言うとプリモボランはやらなくて良いです。
そこはグレーゾーンなのですが、晩熟の子を超晩熟にしてあげた方が最終身長が改善するということも理にはかなっているので、そういうのも検討しても良いかと思います。
栄養補充治療に関してはこのお子さんに関しては非常に良い適用です。
できるだけサプリメントで補充することをお勧めします。
栄養補充療法について
栄養補充療法についても詳しく皆さんに解説します。
歴史的に見て、70年間で平均身長は10cm改善しています。
普通に考えると栄養の改善ですので、やはり栄養を改善した方が良いですね。
当院では何をしているのかと言うと、採血を元に栄養を補充しています。
採血で確認できる栄養素が全てではありませんが、先程の採血を見て色々と分析することはできます。
採血は定期的に行っていく必要があります。
サプリメントで肝臓に負担がかかることもあります。
論文上良いとされるものを皆さんに出しており、私が適当に選んでいるわけではありません。
実際に受診していただくとどういった論文が出ていて、こういった理由があるから皆さんにお出ししているんですという風に説明していきます。
価格に関して言うと、自由診療なのでオンタイムで価格が変わる可能性はあります。
2023年10月時点では年間37万円ほどかかります。
市販のサプリメントと何が違うのかと言うと、含有量が全く違います。
当院では市販のものの70倍の量と非常に多い量を処方しています。
まとめ
今回はやや13歳3ヶ月のお子さんのデータを用いて、最終身長の予測や治療の流れ・方法などを説明してきました。
みなさん理解できましたでしょうか?
今後も身長に関わる情報を全身全霊で配信していきますので、是非ブログもYouTubeも確認してくださいね。
それでは今回はこれで終わりにさせていただきます。
今後も全身全霊で身長に関することを配信したいと思いますので、これからも是非ブログもYouTubeチャンネルもチェックしてくださいね。
これからも身長に関することを全身全霊で配信していきますので、身長先生ブログや身長先生YouTubeのチェックをお願いいたします。
成長シートご希望の方は、身長先生の公式LINEからご自身でダウンロードすることができます。
簡単に身長が予測できるようなシートになりますので、ぜひお試しください。
↑2024年2月22日 KADOKAWA出版より発売↑