骨端線が閉じかけの場合の成長ホルモン治療終了時期の検討方法について
骨端線が閉じかけの場合の成長ホルモン治療終了時期の検討方法について
医師医学博士、整形外科専門医・身長先生こと田邊です。
今回も全身全霊で身長に関することを配信していきます。
さて、今回お話しさせていただく内容はズバリ「成長ホルモンの終了時期の検討について」です。
成長ホルモンを初めている方も結構多いと思います。
その中でいつ辞めるべきなのか?ということについてお話しします。
特に骨端線の閉鎖が近い時期、かなりギリギリになってご相談いただいたパターン、そういった場合、どう言うふうな考え方で治療終了時期を検討していくかということを説明していきたいと思います。
【目次】
成長ホルモン治療終了の検討方法
成長ホルモン治療終了時期を検討するときは三つの項目から検討していきます。
①実測身長
②ALP
③骨端線の状況
この三つをそれぞれ説明していきます。
①実測身長
実際に計測された身長で、これが非常に重要です。
具体的に言うと、「伸びているのか?」「伸びていないのか?」そういったところです。
実際に身長が伸びているかどうかが、成長ホルモン治療の終了を検討する上で重要となります。
②ALP
所謂、採血による検査のことです。
採血の結果が良ければ続ける、悪ければ終了するという判断になります。
③骨端線の状況
骨端線が閉じていれば成長ホルモン治療を終了し、開いていれば続けても良いです。
例えば、実際に身長が伸びていて採血上ALP113以上(113以下は大人の値)であれば成長ホルモン治療は可能かと思います。
ただしALPが175以下であると身長の伸び率は低くなります。
それに対して骨端線の状況がどうかというところです。
骨端線に対しても少し細かい話をすると、基本的には手首の橈骨部分が重要になってきます。
更に細かい話をすると、橈骨の後に骨盤が閉じてくるので本当の終盤になってくると、骨盤のレントゲンもチェックしながら判断することもしばしばあります。
成長ホルモン治療の実際
ここで当然ながら「実測身長が伸びています」「ALPが良いです」「骨端線も閉じていない」こう言う時には誰も迷いませんよね。
このまま成長ホルモン治療を進めましょうという形になります。
それに対して実際問題はこういうことが起きてきます。
「実測身長があまり伸びていない」「ALPは全然ダメ」「骨端線は閉じていない」といった矛盾するケースがあります。
「先生、どうして矛盾するんですか?」という質問をされますが、世の中矛盾だらけです。
世の中、矛盾がないことの方がおかしいです。
理論上、全て合致することは世の中少ないわけで、実際身長でもそうなっています。
「この三つの中で最も重要な項目は何ですか?」と聞かれ、皆さんはどれが一番重要かお分かりでしょうか?
一番重要なのが実測身長です。
これが一番重要で、ALPと骨端線に関しては皆さん勉強が進んでくると、「ALP・骨年齢・骨端」といった単語が大好きになってくるのでそこに目が行きがちです。
そこで非常に重要となってくるのが、身長を伸ばすのが我々の目的であるということです。
よく医学の世界だと「アウトカム」と言うのですが、これが非常に重要です。
何を目的としているのかと言うと、我々は身長を伸ばすことが目的です。
変な話にはなりますが、身長が非常に伸びているがALPも骨端線もダメというのは正直言って問題ありません。
こう言うケースは非常に少ないんですけどね。
ですが、これがOKと言うのは我々の目標が実測身長を伸ばすことだからです。
実測身長を補足するものとしてALPや骨端線を考えます。
まとめ
成長ホルモン治療終了時期を検討するには、
①実測身長
②ALP
③骨端線の状況
これら3つの項目から考えます。
中でも一番重要なのが「実測身長」です。
全ての項目を満たすことはなかなかありませんが、目的は身長を伸ばすことなのでALPが悪い・骨端線が閉じていても身長が伸びていれば問題ありません。
ということで、骨端線が閉じかけで成長ホルモン治療を受けている方は是非御来院いただければと思います。
今後も全身全霊で身長に関することを配信したいと思いますので、これからも是非ブログもYouTubeチャンネルもチェックしてくださいね。
これからも身長に関することを全身全霊で配信していきますので、身長先生ブログや身長先生YouTubeのチェックをお願いいたします。
成長シートご希望の方は、身長先生の公式LINEからご自身でダウンロードすることができます。
簡単に身長が予測できるようなシートになりますので、ぜひお試しください。