アルギニンで身長が伸びるのは嘘?サプリメントの有効性について解説!
【要検討】サプリメントで身長が伸びる可能性はあるのか?【身長先生】
今回は、身長治療・身長を伸ばすためにサプリメントは有効なのか、ということについてお話させて頂きます。
この内容はものすごくデリケートで難しい内容となっています。
誤解が生じやすいと思いますので、再度詳しく説明させて頂きます。
この記事を通して
「これは絶対ダメだ」
「こういうものを買うといいよ」
というような、そういったことをお伝えするような内容ではありません。
そういったものに対してどういう風に考えるか、私がどういう見解を示すかというのを共有できればと思います。
特に話題になるアミノ酸・タンパク質・アルギニンについても触れていきます。
- 70年間の身長の改善は栄養の改善が原因
- 特別な栄養素をサプリで摂取すべきか
- どの栄養素が重要か
- アミノ酸・タンパク質
- アルギニンとは
- 体質性低身長・低くないけど高くしたい人にとってのエビデンスとは?
- エビデンスがなければ何もしない、何もできないがそれでずっと経過を見るか?
- 最も恐れられるサプリメントの副作用とは?
-時間について
-情報への理解と過度な期待について - まとめ
70年間の身長の改善は栄養の改善が原因?
70年前は大体1950年ぐらいですが、その時の男性の平均身長を知っていますか?
国民健康栄養調査、これはその時代の厚生労働省みたいな所らしいのですが、そういったデータによると161.5cm、という風に言われているそうです。
簡単に言うと、現在170cm程度と言われているので、約10cm程度身長が低い形になります。
これはどういうことかと言いますと、この70年間で日本人の平均身長が10cmも伸びたことになります。
さてこの10cmはどこからやってきたかということです。
色んな要素が絡んでいると思います。
世代交代が進むにつれて身長が伸びるようなものが、もしかしたら既にインプットされていたのかもしれませんし、他にも色んな要因が考えられると思います。
ただし一般的に、70年間で10cm伸びた理由として示される内容としては、栄養状態の改善、と言ってもいいのではないでしょうか。
当然ですが日本はこの70年間で非常に裕福になりつつあります。
そういった中で栄養状態が大きく改善されて、お子様の成長を促すのに役立っている、そういう風に考えて間違いないと思います。
それをそのまま間に捉えると、栄養状態を改善することが身長を伸ばす上において大事だということです。
そういった意味で、
「身長に良いものを食べたいな」
「何かあるかな?」
そういったものを皆さんも探した経験があると思います。
なので、何か栄養を摂取すること自体は悪くない、という風にほとんど総意として捉えることができると思います。
次のステップとして、特別な栄養素をサプリメンテーションとして摂取すべきか、という疑問点が出てくると思います。
特別な栄養素をサプリで摂取すべきか
例えばですが、サプリというのは添加物が入っていたりだとか、特定の栄養素だけを摂取することが望ましいのかというのは当然議論の対象になります。
ただし一方で、1つの例として私が挙げるとするならば、スポーツ選手で1970年〜1980年代というのは、そこまでサプリメンテーションというのは摂取されてなかった時代だと思います。
今現在2021年の時代で、プロスポーツ選手でサプリメントを摂取しない人はほとんどいないのではないでしょうか。
スポーツ栄養学という中では、サプリメントは限りなく普及しています。
そういった意味ですと、サプリメントはかなり有効性が示されつつあるのかなと思います。
ただそれを身長に全て当てはめていいかというのは、もちろん議論の対象になりますので、その点はご注意下さい。
私が最初にお伝えしたいこととしては、栄養の改善はおそらく身長を高くするでしょう。
さらに、栄養の改善をするにあたってサプリメントという選択肢がある可能性がある、と言えるでしょう。
これは色々なスポーツの世界の情報からも推測されます。
どの栄養素が重要か
先ほど栄養が大事だとお話しをしましたが、栄養といってもたくさんあるじゃないか、というところになってくると思います。
いきなり逃げるような回答で申し訳ないのですが、不要な栄養素はほとんどありません。
この70年間でどんな栄養が改善したかという風に言われれば、おそらくほぼ全ての栄養素が改善されています。
当たり前ですが、何か1種類の物だけを食べ続けて成長するわけではなく、飽食の時代になってきて昔よりもバラエティに富んだ食材がある、というのも特徴になってきます。
様々な栄養素が複雑に絡んで、この70年間の10cmという身長を生み出した、という風に考えられますので、不要な栄養素はほとんどない、というのが1つの答えとなってきます。
少しずつ紐解いていくと、例えばタンパク質・必須アミノ酸などが摂取するのが望ましいと言われるのが一般的です。
ビタミンDは石灰沈着を促したり、ビタミンB6はアルギニンの生成を促して成長ホルモンの分泌を促したりしています。
また、亜鉛や銅も骨の生成に寄与していると言われています。
そういったような形で論文を調べていけば、ほぼ全ての栄養素がお子様の成長に関係あるというようなデータを示すことができるほど、本当に必要な栄養素ばかりという風な形になります。
ですので、サプリメントで補充すると良いかもしれない、というような話の続きを言うと、全ての栄養素をサプリメントとして摂取するのか、という疑問が出てくると思います。
しかしそれは少し違うのかなと思います。
というのも、あまり現実的ではないからです。
大量に摂取しすぎること自体だと、サプリメントの添加物だったりとか、そういったところが少し心配だったり、おそらくコストも異常に高くなってしまいます。
そういった意味でも現実的ではありません。
アミノ酸・タンパク質
少し限定的に絞って話していきます。
過去に「身長が伸びる食べ物はこれだ!」、こちらでも少し説明させて頂いたのですが、
Major correlates of male height A study of 105 countries
引用元:Economics and Human Biology
こちらの論文をある程度拡大解釈すると、タンパク質を摂取している国の方が明らかに身長が高く、タンパク質の摂取は有効である、と言えます。
例えば日本人も1950年と今とでは、タンパク質摂取は大幅に改善している、ということが言えると思います。
裕福になるにつれてタンパク質摂取が増えているというのは、ほぼ間違いないと思います。
ただしこの点について注意が必要になってくるのが、タンパク質を摂取するから伸びているという表現ではない、ということです。
あくまでもタンパク質を摂取している人たちの方が身長が高い、という表現が正しくなります。
これはどういうことを意味しているかというと、タンパク質を摂取している人たちは、おそらく他の栄養素も充実しています。
タンパク質を摂取している人は、おそらく野菜もたくさん摂っている傾向が強かったり、簡単に言うと裕福度が高いという表現になってきますので、そこら辺も注意が必要になってきます。
したがって、タンパク質だけでも身長が伸びるということが言えるわけでもないですが、タンパク質の摂取はある程度体に良いもの、という推察ができると思います。
アルギニンとは
アルギニンは注目されるような内容ですので、解説させて下さい。
アミノ酸は必須アミノ酸と言われるものと、あと準必須アミノ酸と言われるもの、そういう風にサイドネームがついています。
アルギニンは準必須アミノ酸という表現になってきます。
つまりどういうことかというと、比較的欠乏しやすいアミノ酸として位置付けられており、摂取することが健康にとって重要である、というような内容で論文はおそらくいくつかあると思います。
そういった意味で、お子様がアルギニンを摂取することが悪いことかというと、そういったことではないと思います。
次にこちらのように
Dietary arginine and linear growth the Copenhagen School Child Intervention Study
引用元:British Journal of Nutrition
コペンハーゲンのお子様を対象にした論文を紹介します。
正確に言えばこの論文だけで、アルギニンを飲むと身長が伸びるというようなデータではありません。
そこは注意が必要ですが、部分的に解釈するとアルギニンが身長にとってプラスに働く、というようなことが書いてあります。
具体的に言うと、何mg以上のアルギニンを飲んだ群の方が、何mg以下のアルギニンを摂取した人よりも身長が高い、そういった内容になっています。
少なくとも悪くはないのかなというのが、こういった論文からも推察されます。
一方で、この論文が完璧かというとそんなことはなくて、重要な証拠とは言い難いというのも事実です。
日本の小児内分泌学会とか、そういったところからはアルギニンの有効性は不十分、というような内容の文言がホームページに書かれています。
大事なポイントとしては、アルギニンは体にとって重要な栄養素であり、身長を伸ばす可能性はあるが身長を伸ばすと言い切るには根拠が不十分な栄養素、という表現ができると思います。
あとアルギニンは成長ホルモンの分泌を促す物質としても有名ですので、そういった点でも比較的摂取が好まれる栄養素というのも有名だと思います。
体質性低身長・低くないけど高くしたい人にとってのエビデンスとは?
小児内分泌学会の方からはエビデンスが不十分だ、という表現があると思うんですけども、それは間違いなく正しいです。
例えば賢明な方・頭の良い方であれば
「私はエビデンス重視なのでそういったものは一切受け入れない」
というのももちろん素晴らしいかなと思います。
ただし一方で、何かエビデンスが完全に出てから、というような順番でやっていくと時として少し手遅れになる場合に、何もできないという時期がほとんど、というようなことも多くなってくると思います。
例えば成長ホルモンと同じで、ある一定の基準値を満たした人に対して投与した場合に身長が伸びる、というデータがあるのに対して、ある一定の基準値をほんのわずかに満たしていない人が成長ホルモンを投与した場合に身長が伸びるかというのは、そこはかなり議論が必要になってきます。
ほとんど誤差の範囲であれば効果があるという風に考えても問題ないと思います。
あとは例えばですが、同じような論文でも韓国の論文をそのまま日本で当てはめていいのか、ヨーロッパの論文を日本人に当てはめていいのかとか、そういったようなものも議論の対象になってきます。
特に病気ではない方のエビデンスというのは、中々出てくるのは難しいです。
いわゆる病気ではないので、研究が進みにくいという表現ができます。
エビデンスにも色々な段階のエビデンスがあるということですね。
エビデンスがなければ何もしない、何もできないがそれでずっと経過を見るか?
先ほどのエビデンスがないのであれば、もう何もしないというのも1つの選択肢で、素晴らしい選択肢だと思います。
例えばですが、私の方で直接問い合わせ頂く内容としては
「何もできない」「辛い」
ということをよくお伺いします。
何もできない辛さというのは多くあるのかなと思います。
例えばある病院に行きました。
そこで身長の相談をして
「病気じゃないので何もできません」
という風にして返ってきたという方は、ものすごく多いです。
それはそれで正しいです。
病気じゃないから病院としては治療しない、もちろんそれはそれで素晴らしいことと思います。
ただし一方で、少しでも身長を伸ばすために努力したいという方は、多くいらっしゃるように思います。
その中で次のステップとしては色々なグレードのエビデンスがあるわけですが、その中で安全性は少なくとも確保された状況にあるもので、なおかつ身長が伸びる可能性が少しでもあるような内容に関しては、チャレンジしたいという方が多くいらっしゃるように思います。
ということで、サプリメントはそれに該当すると思います。
いわゆるエビデンス不十分なわけです。
なのでやらないという選択肢も良いのですが、例えば少しでも可能性を追求したいとか、なんとしてでもチャレンジしたい、そういった方に関していうと、究極的に栄養素を追求していくことは1つの選択肢として良いと思います。
ということで、そういったメリット・デメリットをよくご理解頂いて、何もしないという選択肢も1つですし、何かをするというのも1つかなと思います。
最も恐れられるサプリメントの副作用とは?
サプリは安全な印象が皆さんすごくあるかなと思います。
どうですか?
薬と呼ばれるものに比べると、サプリというと気軽に摂取できるのが1つかなと思います。
そんな気軽に摂取できるサプリメントの副作用として、私が最も伝えたいのは2つになります。
1つ目が時間です。
もう1つが情報への理解・過度な期待です。
時間について
時間に関して言うと、身長を伸ばせる時間は限られています。
当然ですが、大人になってから身長を伸ばすことはできません。
その中で例えば、効果のないサプリメントを20年間内服し、気付いたら大人になっていたという場合ですと、「時すでに遅し」という日がやってくるわけです。
それである日効果がないということが分かってしまって悩む、というようなことが言えると思います。
なおかつ時間は巻き戻すことができませんので、そういった難しい現象に当たるわけです。
そういった意味だと、まずは時間が帰ってこないので、有効性の高いものを見極めることが大切です。
情報への理解と過度な期待について
次のポイントとして、情報への理解と過度な期待という面です。
例えばサプリメントを飲むことによって5〜10cm伸びることを期待するとか、そういった過度な期待があって、それで実際飲んでみたらほとんど伸びなかったということがよくあると思います。
そういった風に過度な期待をしてしまってもよくないと思います。
先ほどお伝えしたようにエビデンスレベルで言うと、高いエビデンスが存在するわけではないので、有効的に身長を伸ばすのは難しいと思います。
ただし一方で、欠乏している栄養素を補充してあげるというのは、体にとってはとても悪いことではないと思いますし、歴史を紐解けば栄養補充というのはある程度身長にとって良いという風に考えてもいいと思います。
もしくは、そういった論文もいくつか散見するということが言えると思います。
ということで、情報の理解が難しいということがサプリメントの難しいところになってきます。
あと他の副作用に関していうと、肝機能障害などを起こすこともあります。
そういった点も注意が必要になります。
まとめ
ということで、最終的に私、身長先生のサプリメントに対する見解を述べさせて頂きます。
本当に内容が難しくて申し訳ないと思いますが、結論としては、強く推奨することはない、と言えます。
これだけ栄養素が十分補充されている時代ですので、
「絶対に飲んで下さい」
「飲めば10cm伸びる」
そういった話は絶対にないと思います。
ただし一方で、何か少しでも身長を伸ばすためにできることはないか、という風に追求していくなかで、サプリメントにあたるというのはよく理解できます。
ですので、追及のもと効果不十分・効果限定を十分理解した上で、サプリメントという選択肢を行うのは決して私は問題という風に思いません。
以上、参考になりましたでしょうか?
更に詳しく説明している記事がありますので、興味のある方はご覧になってみて下さい。
また、決して今回の内容は購入を促すとか特定のサプリメントを否定するとかそういった内容ではなくて、総合的にサプリメントはどういうものなのかということを理解して頂く内容です。
ご理解頂くというか、ご共感頂けるものがあると幸いです。
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