【男子実年齢14歳6ヶ月】骨年齢15歳0ヶ月やや早熟例のモニター動画【身長先生】
身長びよ~ん。
医師医学博士整形外科専門医身長先生こと田邊です。
今日も全身全霊で、身長に関することを発信していきたいと思います。
本日お話しさせていただくことは、14歳6ヶ月のやや早熟モニターについてです。
同じような年齢のお子さん13歳~15歳の方は、ぜひ自分と照らし合わせていただけたら、どういった状況なのかがわかると思います。
ぜひ参考にしてください。
簡単にですが、
・最終身長予測
・どういう治療ができるのか
・生活習慣をどういったところを気を付けるのか
実際の診察のダイジェスト版のようにお話していきたいと思います。
- カウンセリング
- 最終身長を予測する
・①現在の身長
・②過去の身長
⁻早熟のよくあるグラフの特徴
⁻思春期後半の伸び率の概算
・③レントゲン検査 - どういう治療ができるのか
- 生活習慣をどういったところを気を付けるのか
- 本日のまとめ
カウンセリング
それでは、実際の説明書を使いながら、皆さんにご説明していきたいと思います。
通常の診察ですが、私の診察は、大体30分~60分ぐらいの時間でかなり長いです。
皆さんがもし受診されたら、詳しくご説明させていただきたいと思います。
通常のカウンセリングのスタートの現状としては、目標の身長を皆さんにお聞きしています。
当クリニックでは、
病気ではないけれど身長を伸ばしたい人
が治療対象です。
どういった目標になってくるかによって、治療の提案が変わってきます。
病気を治すという意味だと、お医者さんの方で勝手に決まるというところだと思いますが、当クリニックでは、皆さんのご希望を叶えるような治療になるため、どういった希望や目標があるのかを皆さんにお伺いしています。
目標の身長はとても重要なんですが、「ご両親の意見が大事」ということをしっかり覚えておいてください。
この記事を見ていただいている方の半分は大体お父さん・お母さんです。
お父さん、お母さんは、ぜひ、目標の身長を決めてしまって下さい。
目標の身長を決めて、それをお子さんと共有するという感じです。
もちろんお子さんの意見も大事ですが、ご両親がしっかりとリードしてあげることが重要です。
お子さんは、身長が将来どういった役割を示すのかということについて、イメージが湧いていないことが多いです。
私は、学歴などと似ているのではないかというお話をしています。
皆さんは小さい頃「良い学校に行く必要はないんじゃないか」と思われると思いますが、大人になると「少しでも良い学校に行った方が得だ」と思われるのではないでしょうか。
学歴・身長に関しては、お父さん・お母さんの方で、しっかりとリードしてあげることが重要だと思います。
どうして身長を伸ばしたいか、その理由を明確にする必要があります。
特に、
「何故何が何でもそういった身長にさせてあげたいのか」
という、理由を明確にすることによって、どこまで治療をするのかなどの治療内容が決まってくると思います。
身長を伸ばせる時期は限られています。
今回のモニターは14歳6ヶ月ですが、原則的には14歳以上だと、受診自体はあまり勧めていない時期になります。
というのも、治療効果が得られるのは、かなり難しい時期になってくるからです。
そういった意味では、それよりも前に受診していただくということはすごく重要になります。
こういった記事を見ていただいている方は、おそらく13歳~15歳と年齢が進んでいる方だと思いますので、今回の記事を参考にしてください。
少なくとも伸ばせる時期はかなり短いということについてよくご理解いただく必要があると思います。
運命は時に残酷です。
これは身長に限らずですが、皆さんの目標が全て叶うかというと、そういったことはありません。
必ず色々な状況があり、受験で行きたい大学に行けるとか、未来のことは必ず言えない訳です。
そのために、努力をすることが大切だと思います。
全てが思い通りにはいきませんが、変えられる未来はあります。
そして、「1cmを大事にする」ということが重要なポイントだと思います。
1cmを大事にできない人は、身長を伸ばすうえで向いていません。
試験であれば、1点をもぎ取るような気持ちがない人は、成績が上がらないでしょうし、筋力トレーニングでも、1kgでも重い物を上げてやるといった気持ちがとても大事だと思います。
ダイエットをもしするのであれば、体重も本当に1gへのこだわりが、5㎏・10㎏のダイエットにつながるでしょう。
それらと同様に、1cmを大事にすることが大切だと思います。
最終身長を予測する
それでは最終身長を予測していきましょう。
今回は14歳6ヶ月の161.5㎝のお子さんになります。
最終身長は、5個の項目を統合して予測します。
・①現在の身長
・②過去の身長
・③レントゲン検査
・④思春期症状
・⑤両親の身長
それに対して採血の項目を参考にして、さらに修正を加えていくということです。
実質的には6項目で、最終身長を予測していきます。
①現在の身長
現在の身長は161.5㎝ですが、これはどういった数字になるのか少し見ていきましょう。
いつものように成長シートを使います。
成長シートは新しい公式LINEで無料でご自身でダウンロード可能です。
これを使うとあっという間に最終身長の予測ができます。
ぜひA3で印刷されることをおすすめします。
表1
今回は14歳6ヶ月ですが、みなさんも自分の身長をあてはめて線を引いてみて下さい。(表1)
表2
次に、矢印のように真下を見ていくと最終的に何㎝になるかというのを確認することができます。(表2)
表3
そうすると、今回の場合最終身長予測は、167.9㎝~168.5㎝となります。(表3)
ただしこれはあくまで平均的に伸びた場合という推察に過ぎず、これだけで最終身長が決まるわけではありません。
これより伸び率が高いお子さんもいれば、低いお子さんもいるわけで、そこがどうなっているかは2番目以降の項目で検討していきます。
②過去の身長
今日だけではなく、過去の身長はどうなのかを見ていきます。
表4
今回に関していうと、このお子さんは3歳6ヶ月の時は92.5㎝ぐらいだったのかなと思います。(表4)
表5
続いて、6歳6ヶ月は、113.3㎝ぐらい、7歳6ヶ月は119.5㎝ぐらいに推移していったということがこの表からわかります。(表5)
表6
表を見ていくと、矢印のように上っていき12歳9ヶ月の時点でピークを迎えているというような形になります。(表6)
ピークが12歳9ヶ月という点から早熟という意味になります。
今回は「早熟」ということで、「予測した最終身長がやや低くなるでしょう」という説明になります。
今回は早熟のよくあるグラフということになります。
⁻早熟のよくあるグラフの特徴
早熟のよくあるグラフは、
・αとβの角度は類似する
・直線的に成長する
・18歳までは伸びない
これらの特徴があります。
私の経験上、早熟のお子さんは治療の相談をする比率が高いです。
そういった方は参考になると思います。
・αとβの角度は類似する
図1
図2
αとβは上る角度と下る角度のことで、ここの角度は類似することが多いです。(図1,2)
・直線的に成長する
図3
直線的に成長するというのは、身長が伸びていく場合に矢印のように直線的に成長することです。(図3)
・18歳までは伸びない
図4
そして、18歳までは伸びないという特徴になります。(図4)
以上3点の特徴を参考にしながら今回の表を見ていきます。
表7
一つ目の特徴の上る角度のαと下る角度のβが類似するということで、今回も類似しているのがお分かりいただけると思います。(表7)
表8
二つ目の特徴の直線的に成長するという点は、矢印のような直線に数値が乗ることが多いという説明になります。(表8)
表9
細かい部分を捕捉すると、直線的に下った後にカーブを形成しますが、途中までは比較的直線的に成長することが多いです。(表9)
表10
直線的に下っていくということで、このデータからは170㎝にはならないだろうということが分かると思います。(表10)
更に細かく数字を追っていきたいと思います。
表11
直線上の数値を見てみると、162.5㎝の先に161.5㎝と低くなっている部分もありますが、こういったグラフは存在しません。(表11)
表12
身長は一回伸びたら低くなることはないため、数値を見ていくと、163.5cmの部分で止まっています。(表12)
15歳9ヶ月のところではほとんど数字が止まっています。
簡易的に見ていくと、15歳9ヶ月まで身長が伸びるでしょうという説明になります。
つまりあと1年3ヶ月経つと身長が止まるのではないかということです。
ただ、これはあくまでも予測値になります。
表13
成長曲線を見ていくと、163.5㎝で止まって、最後にカーブが落ち込むだろうということが考えられます。(表13)
最終身長としては163.5㎝ぐらいが予測されますが、5個の項目を統合して予測していきます。
⁻思春期後半の伸び率の概算
次は思春期後半の伸び率の概算ということで、前年の成長率の半分が次の年の期待値になります。
特に年間成長率が低くなってきたら有効な概算で、例えば、これまでの1年間に3cm伸びたのであれば、1.5㎝くらい次の年に伸びるということです。
今回は、
13歳7ヶ月:158.6㎝
14歳6ヶ月:161.5㎝
161.5㎝—158.6㎝=2.9㎝
ほぼ1年で、約3cmぐらい伸びたという説明にです。
つまり、
1.5㎝→0.75㎝→0.3㎝
というような予測となり、
それらを足した2.5㎝ぐらいが今後伸びると予測され、
現在の身長161.5㎝+2.5㎝=164㎝
このように思春期後半の伸び率の概算で計算された数字としては、164cmぐらいに向かっていると考えられます。
③レントゲン検査
レントゲンの検査に関して言うと、今回の骨年齢は15歳0ヶ月という判断をしています。
実年齢が14歳6ヶ月なので、「半年ぐらい早熟である」という説明になります。
そのため、平均より伸び率が低くなるでしょう。
これまで予測されてきた結果に矛盾がないため、こういったタイプは予想が当たりやすいです。
動画「骨端線を理解して身長を伸ばせ!」
こちらの動画がとても参考になりますので、レントゲン検査を勉強した方は、こういった動画を見てください。
では、レントゲンを見ていきましょう。
実際の診察ではこの辺りの説明をする時間があまりないため、こういった記事がとても参考になると思います。
図5
ポイントとして、これぐらいの年齢の場合は指先の部分の骨端線が開いているかどうかを見ていきます。(図5)
今回は骨端線が開いていないというところで、14歳以上は確定ということになります。
仮に少し開いている症例を少しお見せします。
図6
12歳1ヶ月のモニターのお子さんを見てみると、全然違うのが分かると思います。(図6)
先ほどは隙間がありませんでした。
図7
このように隙間が空いているのが、いわゆる骨年齢が若い状態です。(図7)
図8
比較してみると、全然違うのがわかります。(図8)
図9
こういった一部に隙間が空いている部分があると、少し若めの評価という表現になってきます。(図9)
図10
今回の場合は、ほとんどが閉じていて、隙間が空いているところは橈骨・尺骨というところだけでした。(図10)
最後に橈骨と尺骨が閉じる前に第五中手骨の部分が残っていることが多く、そこの部分が空いていると14歳9ヶ月等少し甘めの設定にしたりします。
図11
今回は骨端線が閉じているという表現をしてもいいと思います。(図11)
かなり細かく見てみると、赤く囲んだ部分が黒く抜けているのは骨端線の残存になります。
ただし閉じていると評価するのが一般的になってくると思います。
図12
15歳以上になると尺骨の部分を見ていきます。(図12)
尺骨が半分閉じると15歳6ヶ月という判断になります。
今回は15歳0ヶ月という評価になっています。
少なくとも早熟判定であるということは変わりないと思います。
どういう治療ができるのか
治療にはまず成長ホルモン補充療法があります。
成長ホルモン補充療法に関していうと、実際のカウンセリングだと論文を使いながら
・どういった効果があるのか
・どういったところに気を付けるべきなのか
こういったところを説明していきます。
こういった治療でどれぐらい身長改善できるかというと、14歳以上になると治療効果が低いので治療を勧めていません。
そのため今回治療効果が得られたとしても1cmから3cmぐらいと考えておくといいと思います。
中々治療が難しいというのはご理解いただけるのではないでしょうか。
また、治療の費用は体重に依存します。
今回53㎏ということで、年間で400万円ぐらいかかる覚悟でいていただけるといいと思います。
他には、思春期症状をコントロールする薬などといった薬を使う場合もあります。
今回に関して、かなり積極的に身長を伸ばすのであれば、
成長ホルモン+プリモボラン
この場合が効果が得やすいと考えられます。
私の経験上だと、+3cm~+4㎝ぐらいの上乗せがこの時期からでもできるお子さんもいます。
特に170㎝以上などを目指すのであれば、そういったところまでやりましょうという説明になります。
プリモボランはステロイドの飲み薬で、過去にもそういった動画を上げていますのでぜひ参考にしてみて下さい。
動画「禁断の方法!身長を伸ばす方法」
治療においての栄養指導や栄養補充などは、論文上で明らかに良いものを皆さんに選んで処方していきます。
具体的な内容だと
・亜鉛
・鉄
・ビタミンD
・アミノ酸
このようなサプリメントを処方し治療していきます。
生活習慣をどういったところを気を付けるのか
今回はピックアップして説明していきますが、生活習慣について出している動画がありますので、皆さんぜひご覧ください。
動画「身長を伸ばす生活習慣」
ここでは、食事のタンパク質の部分について説明していきます。
食事は大事ですが、その中でも身長を伸ばすにはタンパク質が重要になります。
動画「身長が伸びる食材!栄養!について」
この動画で説明をしています。
105個の国の生活習慣を見た論文で、
・オランダ
・アメリカ
・日本
・タイ
・カンボジア
これらの国を見ていくと、身長が高い国の方がタンパク摂取量が多いというデータになっています。
1日当たりの摂取量の比較で、
・アメリカ(179㎝):115g
・カンボジア(162.5㎝):53g
2倍も摂取量が異なるという説明となり、タンパク質を摂取すると身長の伸びに効果が期待できるという点を覚えておいてください。
動画「【公開】身長を伸ばす新理論考察しました~今すぐ○○せよ~」
こちらの動画でもありますが、
・タンパク質を含むおかずを毎回2皿以上食べると良い
・動物性タンパク質が大事
というデータも出ています。
お肉の場合の動物性タンパク質が含まれる量は、
牛肉(100g)=17g
豚肉(100g)=14g
鶏肉(100g)=25g
これらはご自身の健康を管理するうえでも理解しておくと良いと思います。
お父さん・お母さんのダイエットの知識としても覚えておくといいかもしれません。
1日当たりどれぐらいのタンパク質を摂取すべきなのかについても、厚生労働省のデータを少し見ていきます。
厚生労働省の日本人の食事摂取基準を見てみると、
14歳のタンパク質推奨量=1日当たり60g
このようになっていますが、こちらは身長を伸ばすために作られた表ではありません。
そのため、細かく言うと、もう少し摂れるのであれば摂った方が良いというような意見もあるかと思います。
今回のモニターに関しては、53.6kgという体重から見ると、もう少し摂る方がいいのではないかと思います。
実際の診療では、
・年齢
・身長
・体重
これらを元に摂取量を指示してやっていきます。
その中でも卵が大事ということなので、皆さんも卵を1日2個ぐらい食べるといいかもしれません。
卵の他にも牛乳を飲むと良いというデータもあるので参考にされてください。
これらのようなものを利用してタンパク質を積極的に摂取して身長を伸ばすようにされていくのが良いと思います。
本日のまとめ
今回は
・カウンセリング
・最終身長予測
・どういう治療ができるのか
・生活習慣をどういったところを気を付けるのか
についてお話しました。
これからも身長に関することを全身全霊で配信していきますので、身長先生ブログや身長先生YouTubeのチェックをお願いいたします。
成長シートご希望の方は、身長先生の公式LINEからご自身でダウンロードすることができます。
簡単に身長が予測できるようなシートになりますので、ぜひお試しください。