【男子実年齢13歳9ヶ月】骨年齢12歳9ヶ月晩熟例の身長モニター動画【身長先生】
身長びよ~ん。
医師医学博士整形外科専門医身長先生こと田邊です。
今日も全身全霊で身長に関することを発信していきたいと思います。
本日お話しさせていただくのは、モニター企画!13歳男子についてです。
13~15歳の同じような年齢の方は、ぜひ自分と照らし合わせていただくと、どういった状況なのかよくわかると思います。
ぜひ参考にしてください。
実際の説明書を使いながらご説明していきたいと思います。
必ず目標設定を最初にしましょうということで目標を3つ立てます。
・理想の身長
・現状を省みて、なれたらいいなという身長
・何としてでも何が何でもなりたい身長
特にこの中でも何としてでも何がなりたい身長については、お父さん、お母さんの目線であれば、
・何㎝にさせてあげたいのか
というところをぜひ決めてください。
では、これらについてお話していきたいと思います。
- 最終身長予測
・①現在の身長
・②過去の身長
・③レントゲン検査
・④思春期症状
・⑤ご両親の身長
・⑥採血の結果を見て予測を補正する
⁻男性ホルモン
⁻骨代謝(ALP)
⁻亜鉛
⁻鉄
⁻ビタミンD - どういった治療ができるのか?
・①成長ホルモン治療
⁻どういった治療効果があるのか
⁻どういった点に気を付けるべきか - ②栄養補充療法(サプリメント)
- 本日のまとめ
最終身長予測
最終身長を予測するときには、5個の項目を総合して予測します。
・①現在の身長
・②過去の身長
・③レントゲン検査
・④思春期症状
・⑤ご両親の身長
①現在の身長
今回は13歳9ヶ月の151.5cmのモニターになります。
まず最初に平均的に伸びていったらどうなるのかについては、統計学を使用して見ていくということです。
では、皆さんに大人気の成長シートを使用していきます。
成長シートは公式LINEからご自身で無料でダウンロードいただけます。
こちらは月に★1000枚★配られているそうで、とても多くの方にダウンロードしていただいています。
表1
今回は13歳9ヶ月の151.5㎝ということで線を引きます。(表1)
表2
このまま仮に平均的に身長が伸びたらどうなるか、真下に下ろして見ていきます。(表2)
そうすると、163.8㎝に向かっているということが予測できます。
ですが、あくまで平均の数字なので、平均より伸びるケースや伸びないケースもあります。
そのため、他の項目も併せて予測していきます。
②過去の身長
表3
過去の身長を見ていきます。(表3)
表の矢印の方向のように平均より落ち込んでいった後、少し盛り返しており、
典型的な晩熟タイプ
に該当します。
そのため、平均的な予測の163.8㎝よりは高くなると考えていいということです。
③レントゲンの検査
レントゲン検査に関しては、今回の骨年齢は12歳9ヶ月という説明になります。
実年齢が13歳9ヶ月で、1年ほど晩熟ということがここからもわかります。
晩熟なので、①現在の身長の項目で予測された身長よりも高くなることが予測されるという説明になります。
例えば、身体が全部骨年齢の12歳9ヶ月と同じ状況だと仮定します。
表4
12歳9ヶ月のところに線を引いてみると、赤枠の部分に該当します。(表4)
表5
そのまま伸びていくと、168.0㎝~169.1cmあたりに向かうということがわかります。(表5)
そのため、この項目での予測される身長は、168.0㎝~169.1cmとなります。
続いて実際に、レントゲンを見ていきましょう
今回は指の先の部分がとても重要になってきます。
画像1
13歳で9ヶ月という年齢だと、早熟の場合は赤い丸の部分が閉じています。(画像1)
画像2
閉じている場合を見てみると、左は14歳と1ヶ月で完全に閉じているのがわかるでしょうか?(画像2)
こういう状態だと骨年齢が14歳以上という表現になります。
画像3
例えば、こちらの場合は赤丸の部分も閉じています。(画像3)
たった4ヶ月しか違わないのに、、これだけ違うレントゲンになります。
画像4
閉じていたレントゲンとは違い、今回の場合は隙間が空いており、
骨端線が残っているため晩熟である
ということがよくわかると思います。(画像4)
④思春期症状
思春期症状についてはイメージがわかない方もいるかもしれません。
・声変わり
・陰毛
・腋毛
・髭
これらが代表としてわかりやすいかなと思います。
早熟の目安としては、
・陰毛:11歳0ヶ月未満
・声変わり:13歳0ヶ月未満
になります。
今回の場合、13歳9ヶ月で、全くそういった新規症状が出てないということでした。
ということは、ほぼ間違いなく晩熟でしょう。
もちろん他のデータが早熟で、思春期症状だけ晩熟の場合だと、晩熟が正しいのかなど思われると思います。
今回に関しては、様々なデータを照らし合わせても晩熟であることは間違いないといえます。
声変わりは15歳0ヶ月以上で晩熟といわれていますが、実際は13歳0ヶ月以上でも声変わりしていれば、比較的晩熟と判断しても良いと思います。
これらのことからも、①現在の身長の項目で予測された平均的な伸び率より高くなるだろうという説明になります。
⑤ご両親の身長
ご両親の身長、つまり遺伝身長についてです。
男の子の場合、
((父親の身長+母親の身長+13)/2)±9
という計算になります。
今回は、166.5cmになりました。
ただ、13歳以上だと遺伝身長はあまり意味がなくなってしまう時期ということを覚えておいてください。
これら5項目を踏まえて、最終身長が何cmになるのか検討していきます。
表6
成長シートだと、今回は矢印側にシフトしていくということはほぼ確定的になります。(表6)
表7
その中でも理論値的に期待できる予測の身長は、赤い枠の辺りだと思います。(表7)
ただ、あくまで机上の空論になるので、平均的な伸び率よりは右側の値になるだろうということです。
表8
遺伝的にも赤枠の辺りかなと考えられるので、165.3㎝~167.3㎝ぐらいという説明になるでしょう。(表8)
ただ、今回のように晩熟タイプの場合は、予測されたもの以上になる可能性も十分あります。
表9
成長シートを見てみると、160㎝付近のところで推移しており、170㎝のラインに近付いてはいないので、170㎝以上にはならないだろうとは考えられます。(表9)
⑥採血の結果を見て予測を補正する
採血結果は1週間後に出るため、通常は再診時に説明をします。
今回はモニターの採血結果がありますので説明していきます。
⁻男性ホルモン
今回のモニターに関して重要になってくるのは、男性ホルモンが本当に出ているかどうかというところになります。
今回、
男性ホルモン:0.73
でした。
大人の基準値:1.31~8.71
大人の基準値は出ていません。
ちなみに、
・男性ホルモンが出ていない場合:0.03未満
という基準になります。
つまり、0.73は大人の数値には満たないが、思春期が始まっている数値ということです。
基準としては、男性ホルモン値が0.1を超えたら思春期に入っていると判断します。
推測としては、3~6ヶ月前には思春期に入ったのではないかと思います。
表10
成長シートも見てみると、黄色の辺りの時点で右側にシフトしていることがわかります。(表10)
その点を見ても、思春期に入ったと推測される時期は矛盾がないのではないかという印象です。
自覚症状としては思春期症状がなかったということですが、実際としては、思春期が始まっているとということです。
ここからどんどん身長が伸びていくことが考えられます。
⁻骨代謝(ALP)
今回ALPは532でした。
これはすごくいい数字だと思います。
では実際に勉強していきましょう。
車がどれだけ走りますかという質問を受けたら、
距離=速さ×時間
となります。
では、どれだけ身長が伸びますか?となったら、
身長=ALP×骨年齢
となります。
今回骨年齢は12歳9ヶ月です。
それに対してどれくらいの速さで身長を伸ばそうとしているのかというのは、ALPを見ていきます。
500~600:身長の伸びがピーク◎
350以上:非常に身長が伸びている〇
175以下:最終身長に近い△
113以下:大人の値×
こういう表現の仕方をします。
大体テストステロン(男性ホルモン)の値が1にいくか、いかないかの時に身長のピークがくることが多いです。
全員という訳ではありませんが、参考程度に覚えておいてください。
今回に関しては、ここからまさに今伸びてる最中ということになります。
年間10㎝伸びるだとか、そういったことも現状として期待できる時期でしょう。
⁻亜鉛
今回亜鉛は68でした。
基準値:80~130
この点を見ると、欠乏していることがわかります。
他のモニター記事を見ていただいてもわかると思いますが、亜鉛はほとんどの皆さんが欠乏しています。
亜鉛は苦いものに含まれるため、欠乏している方が多いです。
⁻鉄
鉄(フェリチン)は今回27でした。
こちらも欠乏している数値で、こういった値が50~100と上げていくほうが身長にとってもプラスになってきます。
⁻ビタミンD
ビタミンDは今回23.3でした。
こちらも40以上に上げていくと良いでしょう。
これらの結果を見ても、栄養補充療法を行えば身長を上乗せできる可能性が増えるといえます。
どういった治療ができるのか?
どういった治療ができるのかというと
・①成長ホルモン補充療法
・②栄養補充療法(サプリメント)
・③思春期コントロール治療
これらがあります。
実際にどんなアプローチをしていくことができるか考えていきます。
今回は、165.3㎝~167.3㎝と予測していますが、目標が170㎝であれば、何かしらの治療をした方がい良いでしょう。
ただ170㎝に到達できるかというと、治療してももしかしたら難しいかもしれないというのはこれまでの項目で出てきたと思います。
ですが、そこに向かって一生懸命やりたいということであれば、頑張ってやっていきましょうということでやっていきます。
思春期コントロール治療は今回のような晩熟の場合は適用にはなりません。
基本的には
・早熟
・思春期終盤
こういった場合に対してコントロールをしていきます。
実際としては、
・①成長ホルモン治療
・②栄養補充療法(サプリメント)
これらを検討していくと良いと思います。
①成長ホルモン治療
成長ホルモン治療に関しては、カウンセリングの中で、たくさんの論文とともに、
・どういった治療効果があるのか
・どういった点に気を付けるべきか
ということについてお話します。
「動画:成長ホルモン 注射で身長が伸びる!?」
こういった動画もありますので、ぜひ見ていただくと理解が深まるのではないかと思います。
今回はピックアップしてご説明します。
⁻どういった治療効果があるのか
実際に今回のモニターが成長ホルモン治療を行った場合、どれくらい身長を伸ばせるか考えていきます。
もちろん個体差があるので、最終的にはやってみないとわかりません。
現状として予測できるのは、+3cm~6㎝だと考えられます。
うまくいけば+7cm~8㎝でしょう。
例えば165㎝になるところが、169㎝になるとかといったイメージをしていただくと良いと思います。
最大が170㎝になると想定した上で治療をするかどうか検討します。
⁻どういった点に気を付けるべきか
成長ホルモン治療によって副作用がどういう風に出たかというものについてみていきます。
表11
Mortality=死亡
Expected no.=何もしなかった場合
何もしなかった場合に9人が亡くなるというものでしたが、実際に亡くなったのは2人でした。(表11)
つまり亡くなった方に関してはかなり少なかったということです。
他のデータを見ても、副作用に関しては全く問題ないということが出ています。
また、成長ホルモン治療は、年間で300~400万とかなり値段が高いということをぜひ覚えておいてください。
②栄養補充療法(サプリメント)
栄養補充療法に関しては、
・亜鉛
・鉄
・ビタミンD
・アミノ酸
これらを処方していきます。
カウンセリングの中ではどうして必要になってくるのか説明していきますが、今回は鉄について少し勉強しましょう。
鉄についてはYoutubeの動画も出していますので、ぜひご覧になってみてください。
「動画:身長を伸ばすなら鉄の鍋を使え!?」
「動画:鉄編身長を伸ばす方法」
ヘム鉄・非ヘム鉄というものがわからない方は動画をぜひご覧になってください。
こちらの論文についてみていきます。
表12
これは、1歳半の鉄が欠乏している子・していない子の年間成長率を比較したものについてになります。(表12)
年間の成長が7cmだった子たちが鉄の状態を改善するだけで、13.2も㎝改善したというデータです。
鉄の欠乏は、
改善する →伸び率が176%に改善する
改善しない→伸び率が44%落ちる
ということになるので、覚えておいてください。
吸収率の高い鉄として、
・豚のレバー
・かつお
・いわし
・まぐろ
こういったものが重要になるので、ぜひ食事の献立で検討いただけたらいいなと思います。
本日のまとめ
今回は13歳9ヶ月のモニター企画ということで、
・最終身長予測
・どういった治療ができるのか?
これらをお伝えさせていただきました。
これからも身長に関することを全身全霊で配信していきますので、身長先生ブログや身長先生YouTubeのチェックをお願いいたします。
成長シートご希望の方は、身長先生の公式LINEからご自身でダウンロードすることができます。
簡単に身長が予測できるようなシートになりますので、ぜひお試しください。