身長先生に聞け総集編7【両親編】子供の身長を伸ばす方法!
医師医学博士、整形外科専門医・身長先生こと田邊です。
今回は”身長先生に聞け”シリーズの親御さんからの質問をまとめました。
- Q1.運動(水泳)の後に食事を摂るべき?
- Q2.片側の靴底がすり減っているのが気になります!骨盤のずれ・O脚は身長に影響しますか?
- Q3.13歳1ヶ月の息子は151cmで思春期症状がありません
- Q4.晩熟タイプの場合、サプリなどは摂取させない方がいい?
- Q5.手足が長くすごく細いですが身長が伸びそうな体型の傾向ですか?
- Q6.骨の損傷と診断されましたが今後の身長に影響はありますか?
- Q7.娘の身長が平均身長より低いのですが将来160cmを超えれますか?
- Q8.激しい運動はエネルギーを消費してしまい身長の伸びに影響しますか?
- Q9.シーバーやオスグッドは身長の伸びに影響しますか?
- Q10.栄養バランスの良い給食とお弁当はどちらが良いのでしょうか?
- Q11.幼児期のデータなど色々教えて欲しいです
- Q12.平均的な両親の子は平均的?伸ばすためには何が必要?
- Q13.身長が伸びる月と伸びない月の差はどのような理由がありますか?
- Q14.思春期症状が平均的でも晩熟になることはあるか?
- まとめ
他の身長に関する悩みや疑問がある方はこちら
身長に関するおよそ350の質問に回答
Q1.運動(水泳)の後に食事を摂るべき?
A.
まず結論から言うと、何も食べさせいないという選択肢はないです。
何か食べさせてあげたほうがいいと思います。
運動した後にタンパク質を摂取するのは、明らかに吸収率が上がるはずですので、まず摂取していただいていいと思います。
その中で、
- プロテインにするのか
- 食事にするのか
は、ケースバイケースかなというところです。
疲労感や、現在の体脂肪率がどれくらいかというところですね。
子供ですし、この文章から予想するにかなりスポーティな家系ですので、肥満体型ということはないかなと思います。
いわゆる肥満であれば、脂肪をたくさん蓄えている状態は成長ホルモン分泌にとってマイナスになるので、体脂肪率がガンガン増えていくような生活習慣はやめなくてはいけないです。
一方でタンパク質の摂取はした方が良いですし、運動が終わった後はタンパク質の吸収率がある程度上がると考えられるので、
- 積極的に食事
- プロテイン
どちらでも良いですが、食事で摂るとすればタンパク質の多いようなものを摂っていただく方が身長にとっては良いです。
ですので、我慢させる必要はない!というところだけご理解ください。
Q2.片側の靴底がすり減っているのが気になります 骨盤のずれ・O脚は身長に影響しますか?
A.
「靴底がすり減っている」というのが最初のキーワードになってきます。
靴底がすり減っているというのは、歩く時に右だけすごく擦るとか、左だけすごく擦るとか、そういった現象が起きているということを指しています。
その原因は単純に癖かもしれないし、おっしゃる通り骨盤のずれや、O脚でなるかというとなんとも言えないのですが、骨格異常でもなる可能性はあります。
例えば脚の長さは右と左では正確に測るとちょっと違います。
1cmくらいの差であれば全然あります。
なのでもしかしたら、骨盤のずれや、脚長差といって脚の長さが左右でもしかしたら少し違うのかもしれません。
ただし左右差があることや骨盤のずれが身長の伸びに影響するかというと、あまり影響はしないと思います。
もちろんあまりにも差がある場合は、ちょっと注意が必要かもしれませんが、基本的には関係ないかなと思います。
これは診断は結構簡単で、レントゲンを撮ってしまえばすぐわかりますので、そういった意味だと検査してスッキリしてみても良いんじゃないかなと思います。
Q3.13歳1ヶ月の息子は151cmで思春期症状がありません
A.
現在思春期症状がないということですし、お父さん・お母さんの身長が高いことから、晩熟である可能性は高いと思います。
ただしそこを確定させるのであれば、やはりレントゲンと採血をとって、晩熟であることをしっかり確定させるとより自信を持って臨めるのでおすすめです。
Q4.晩熟タイプの場合、サプリなどは摂取させない方がいい?
A.
サプリメントに対する理解をもう少し深めていただきたいと思います。
サプリメントの概念は足りないものを補充することです。
つまり、晩熟であっても早熟であっても、足りないものがその子にあってある程度補充してあげる方がより一層いいのではないかと思います。
一方で、サプリメントによって劇的に成長が改善するかというと、そういったことでもないです。
学会からも「過剰な期待はやめてください」と明言されるほど注意が必要にもなってきます。
Q5.手足が長くすごく細いです 身長が伸びそうな体型の傾向ですか?
A.
明確に、手足が長く細いから将来身長が高くなるなど、そういったことをお伝えするのは難しいです。
ただし、そういったイメージはなんとなくありますよね?
身長が高い人はすらっとしている印象があると思います。
そういったことが研究として発表されていないだけで、もしかしたら傾向があるのかもしれません。
少なくともお父さん・お母さんも同じような体型なのであれば、晩熟という傾向はあると考えることもできるかもしれません。
Q6.骨の損傷と診断されました 今後の身長に影響はありますか?
A.
まず、影響があるかないかという質問に関していうと、影響が全くないということはなく、骨がある程度傷ついていると推測されます。
ただし、すごく影響があるかというと考え方次第かなというところです。
すごく影響があるようなことはないと思います。
今回は、骨端線付近という表現がありますが、骨端線を大きく負傷したわけでないのであれば、おそらく影響があるということはないと思います。
ただし、仮に骨端線をガツンと怪我しているような場合であれば、左の足だけ短くなるケースもありますので、その点は注意が必要になってきます。
あとは、全体を通してですが、骨を損傷したりすると骨の代謝のリズムが狂うので、プラスに働くのかマイナスに働くのかというのは、まだ誰も研究していないと思いますし、研究することも難しいと思います。
結論を出すことは難しいですが、骨の損傷は何かしら骨代謝に影響を与えているというのは事実だと思います。
具体的には骨代謝が一時的に上がると推定されますが、それがどういうふうに最終的な身長に関係があるかは、申し訳ないですが私でもわからないです。
少なくとも今回に関していうと、あまり気にしすぎてもしょうがないのではないかと思います。
Q7.娘の身長が平均身長より低いのですが 将来 160cmを超えれますか?
A.
今の時点だと160cmのペースではないと考えます。
ただし、お父さんが180cmと身長が高いことから、若干ここから上ブレしてくれるような可能性も期待できると思います。
お母さん似ということで心配される点ということなのですが、確かにお母さんの成熟過程に似てお子様が成長するケースがありますので、ガンガン伸びないという可能性があります。
少なくとも、まだ6歳3ヶ月であれば、諦めることなくしっかりと身長を伸ばす努力をしていただいて、成長の記録をしっかり残して専門のクリニックに相談して160cmを目指しましょう。
正直に言うと、しっかりフォローアップしていけば160cmはいくと思います。
Q8.激しい運動はエネルギーを消費してしまい 身長の伸びに影響しますか?
A.
これはある意味正しい部分もあると思います。
例えば少し極端ですけども、運動しすぎてエネルギーが補充されていないような状況だと、身長が伸びるのは阻害されます。
誇張した表現になりますが、栄養失調になると当然身長の伸びは悪くなってしまうので、スポーツをしてかなりエネルギーを放出するのであれば、その分体に入れてあげる必要があると思います。
それを管理する上においては、採血データを少し見たりだとか、一番わかりやすいのは体重管理かなと思います。
極端に痩せすぎていないかといったところをしっかり管理していくことが、日頃のデータとしては大事になってくるのではないでしょうか。
少なくとも痩せすぎないようにだけ注意してください!
太りすぎもよくないです。
Q9.シーバーやオスグッドは身長の伸びに影響しますか?
A.
シーバーに関していうと、これは足のかかとの骨端線の病気というか、小さな子供が痛みが出る場所です。
これもオスグッドと答えは同じで、関係ないということはないが心配する必要はないと思います。
さらにオスグッドは、大人になってからも症状が残る方もいらっしゃるのですが、シーバー病で痛みが残っている方はほとんどいません。
オスグッドよりもシーバーの方が気にしなくていいと思います。
オスグッドは「身長先生に聞け!8」をぜひ見てください。
Q10.栄養バランスの良い給食とお弁当はどちらが良いのでしょうか?
A.
結論としてはどちらでもいいと思いますが、私は給食をおすすめします。
どうして給食をおすすめするかというと、タンパク質が40g+牛乳ということは、タンパク質の摂取量が多いですよね。
しかもそれが300円で手に入るというのは、超格安・コスパ最強というふうに言えるのではないでしょうか。
給食が良いかお弁当が良いかはケースバイケースで色々なパターンがあると思いますので、なんとも言えないと思います。
今回のこの文章だけでいくと、タンパク質が40g摂取できる+牛乳がついて300円であれば、私は給食をおすすめします。
Q11.幼児期のデータなど色々 教えて欲しいです
A.
まずは目標設定をすることが大事です。
高身長というふうに記載がありますが、お父さんがすごく高いですね。
180cmということであれば、1歳だと微妙ですがいであればしっかりと180cmのペースというものが存在します。
ただし、私も色々と見させていただいている中で、3歳などのデータが最終身長と相関関係が強いかというと、あんまりないかなという気がしています。
なので、なんとも言えないというのが正直な感想です。
ただし、3歳などでもデータはあります。
例えば3歳0ヶ月で100.3cmあると、最終的に184cmのペースになります。
まずは、3歳の誕生日に100cmを目標に頑張っていただくというのもひとつかもしれません。
ただし1〜3歳の時期は「運動を頑張れ」と言っても運動ができず、本能に任せるしかないですし、睡眠も眠い時に寝ると思います。
十分睡眠時間は取られていると思います。
食事に関していうと、ちょっと苦手なものがあったり、食が進む子もいれば進まない子もいるという形になると思います。
そういった意味だと、食事が一番改善しやすい印象です。
ただ、特定の栄養素を摂取してほしいなどは、この年齢であればなかなかないのかなという気がします。
採血に関しても定期的にするというのは、この年齢だとなかなか難しいのかなという気がします。
少なくとも、バランスの良い食事を心がけて3歳で100cmを目指すというのはいかがでしょうか。
Q12.平均的な両親の子は平均的?伸ばすためには何が必要?
A.
同じように、どうなんだろうと疑問を持っている方も多いと思います。
平均的な身長の両親からは平均的な子供が生まれる可能性が高いです。
私の方で色々拝見させていただいても、その傾向は強いかなと思います。
両親の身長からお子様の身長を求めるときは、
- 男の子の場合:(父の身長+母の身長+13)÷2
- 女の子の場合:(父の身長+母の身長−13)÷2
をすると、遺伝的な身長が求められます。
(170+158+13)÷2をしていただくと、大体170くらいになると思います。
平均的なお父さんと平均的なお母さんからは平均的な子供が生まれることがわかります。
このように式を勉強していくと、それに±9cmをするという単語がでてきます。
誤差が出やすい子・出にくい子ですね。
例えば、お父さんとお母さんの合計が今回だと328になります。
合計値によって遺伝的な身長が決まるわけなので、合計の和が一緒であればどんな組み合わせでも同じ結果になってしまいます。
ですので、例えばお母さんの身長が148cmでお父さんの身長が180cmというのも同じ合計値になるので、同じ遺伝身長が求められるわけですけれども、同じ結果にはなりません。
お父さん180cmでお母さん148cmの子の方が、より一層高くなる可能性もあれば低くなる可能性もあるでしょうという表現になります。
よりバラつきの強いデータが得られることが推定されます。
また平均を大きく上回って伸びるためには何が必要でしょうか?ということですね。
これも普段の動画を見ていただければもしかしたら聞いたセリフがあるかもしれませんが、何か1つだけをやって大幅に改善することは期待しない方がいいです。
少し厳しい言い方かもしれません。
例えば、平均よりも大きく上回りたいというのは、すごく偏差値の高い学校に合格したいわけですよね。
その時に「何をしたらいいですか?」という質問を受けて、先生は「やれることを全部やってください」という表現だと思います。
例えば「夏期講習だけを受けて受かります」とか、「この問題集だけで受かります」とか、「この授業を受けるだけで東京大学に受かります」とか、そんなおいしい話ではないですよね。
毎日毎日の宿題をこなしてしっかり成長していくとか、問題集も一冊ではなくてたくさんこなすことによって学力が上がっていくことと一緒です。
1個1個、着実にこなしていくことが大事です。
例えば、睡眠が大事だとお話をして、食事・運動などを全く改善せずに睡眠だけを改善した場合に何cm伸びるかというと、たかだか0〜1cm程度だと思います。
睡眠・運動・食事など全部を改善していくと、はじめて大きなものを得られるという可能性が出てくると思います。
Q13.身長が伸びる月と伸びない月の差はどのような理由がありますか?
A.
具体的にいうと、理論上はあまりないはずです。
生物としてはある一定の伸び率を期待するわけですが、これは非常によくあります。
まず最初の答えとしては、ほぼほぼが基本的には誤差です。
具体的にいうと、人間は朝と夕方で1〜3cmの身長差があるわけです。
A study of diurnal height changes among samples of adults aged 30 years and above in Ghana
引用元:Biomedical and Biotechnology Research Journal(BBRJ)
という論文を見てみても、1〜3cmの身長差があると 言われていますので、ほぼほぼ計測誤差が大きいと思います。
ただし、実際に私も色々治療していると、すごく伸びる月と伸びない月は間違いなく存在します。
1つの考え方としては、周期が存在するというところですね。
それに関していうと、そのようなことを唱えている先生がいらっしゃるかもしれませんが、私は直接は存じ上げていません。
論文などは今回調べていないので、調べてみるともしかしたら出るかもしれませんが、その周期のサイクルが比較的大きいと考えられます。
毛髪周期や肌の周期がありますよね。
骨にも当然周期があります。
そういったものがおそらく存在するというところだと思います。
もう1つ考えられる説としては、何かしらの栄養が欠乏しているということですね。
例えば、薬剤をある程度強制的に飲ませてあげた場合でも、どうしても伸びない月はでてくるわけで、採血では確認できない栄養素だったりが関係しているのかなと思っていますので、関係あると思います。
例えば筋トレの方のお話を聞いても、トレーニングの種類によってすごく筋肥大がしたり筋肥大がしなかったり、食事によっても理論に当てはまらないような個人差がすごく大きいこともあります。
伸びる月・伸びない月を分析していくことによって、ケースバイケースで身長を伸ばす方法が見つかるのかなと思います。
Q14.思春期症状が平均的でも晩熟になることはあるか?
A.
思春期症状の判定は、おっしゃっていただいているとおり、原則的にはどれくらいのタイミングで始まるかというところを重視します。
思春期症状の始まりが最も重要な項目ですが、その後の挙動に関してはたしかに違う可能性があります。
具体的に言うと、思春期が始まってもその後に男性ホルモンがあまり出ないタイプと男性ホルモンがバッコバコに出るタイプがあります。
女性の方がそういった傾向は顕著です。
いわゆる思春期症状として初潮が始まっても、その後に初潮が定期的にくる子もいればなかなかこない子もいるわけで、そういった場合は後々のデータも異なります。
厳密にいうと「異なるでしょう」という表現になると思うので、スタートが平均的だったのに晩熟ということも今後あり得ると思います。
ただし、最も重要な項目に関しては、思春期が始まった時期が重要です。
他の身長に関する悩みや疑問がある方はこちら
身長に関するおよそ350の質問に回答
まとめ
以上参考になりましたでしょうか。
これからも身長に関することを全身全霊で配信していきますので、身長先生ブログや身長先生YouTubeのチェックをお願いいたします。
また、当院では身長治療を行っております。
興味のある方は、こちらをご覧ください。
成長シートご希望の方は、身長先生の公式LINEからご自身でダウンロードすることができます。
簡単に身長が予測できるようなシートになりますので、ぜひお試しください。