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成長ホルモン注射は何歳まで?低身長治療に対する効果と安全性について解説

[2023.04.11]

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今回は成長ホルモン注射は何歳まで?低身長治療に対する効果と安全性について、2014年の論文を用いて身長先生が解説していきます。 

 

こちらの記事を読んでいただくと 

 

・成長ホルモン注射がどんなものなのか 

・どういった効果が得られるのか 

・成長ホルモンの注射が本当に安全なのかどうか 

・何歳までが効果が高いのか

 

こういった事が分かりますので、本気で身長を伸ばしたい方はぜひ最後までご覧ください。 

この記事は身長先生のYouTubeチャンネル内の動画「体質性低身長に対する成長ホルモン注射の効果と安全性について【2014年の論文を用いて身長先生が解説】」の内容を元に作成しています。

 

 

 

 

 

成長ホルモン注射の概論

 

成長ホルモン注射について説明ということで、いつもよりも難しい話をお話しさせていただくような形になります。 

今まで成長ホルモン注射についても触れたことはありますが、成長ホルモン治療についてはあまり今まで触れてきませんでした。 

というのも、ブログやYouTubeでは非常に不特定多数の人が見ますので、間違った認識をされないようにということで、「いきなり薬を使いなさい」とか、そういったことよりもまずは皆さんに 

・どういった生活習慣が大事なのか 
・どういったことをするといいのか 

そういったことをまずは皆さんに知ってもらうべきだろうということを考えて、たくさん配信してきました。 

そうするとこれまで100本以上の記事と動画になり、あっという間にそんな量になってしまいました。 

 

ここからはもちろん生活習慣も配信してきますが、実際に私のクリニックの外来で治療しているような内容についてもこれからは少し触れていって、より本気で身長を伸ばす、まさに全身全霊で皆さんに説明していくべき、そういった時期に入ってきたと思っています。 

 

物事には色々段階があるわけです。 

例えば糖尿病であったとしても、 

「まずは生活習慣を改善しなさい」 

「それがダメだったら飲み薬を飲みなさい」 

「それがダメだったらインスリン注射を打ちましょう」 

そういった風に言われるわけです。 

 

当たり前ですが、「インスリン注射を打って変な生活をしていい」そんな事を言うお医者さんはどこにもいないわけです。 

なので今回は注射のお話をさせていただきます。 

結論から言うと非常に効果が高いわけですね。 

ただし成長ホルモン注射の効果が高いからと言って他の要素をないがしろにしていいかというと、決してそういったことはないです。 

そこも十分ご理解いただいていると思いますが、再度注意のアナウンスをさせていただきました。 

物事には順番がありますということです。 

 

あとはこういった記事を通して私の方から皆さんに 

身長が低いから=注射を打ちなさい 

そういったことを直接的に誘発する内容ではないことも、十分ご理解ください。 

 

最近だと電車の広告の中で、高校生の美容整形を誘発するような広告があって問題だなんていうことをニュースで私も見ました。 

広告だから誘発するような内容だろうという風な気もしますし、一方で正しい目で色んな物事を判断していくということも重要です。 

だからと言って企業側が悪いとか、受け取る側が悪いとか、批判した人が悪いとか、私は一切言うつもりはなくて、正しい目を持って色んな物事の情報を判断されることが良いことではないかという風に思います。 

全ての情報を排除していくということも不必要であり、適切な情報を見て適切な判断を行っていくということが正しい判断だという風に思います。 

 

しかも身長というのは人生において非常に大きなコンプレックスになる、というところも事実の一つですよね。 

しかも大人になってから変えられない、というところが身長の難しいところです。 

もちろん手術もありますが。 

 

美容整形とかは最近発達していますから、私なんかも目を整形しています。 

1年前のYouTubeの動画を見ていただいたら分かると思いますが、激ヤセして小顔の矯正を受けたり、色々してかなり変わりました。 

大人になってからも変えられることはたくさんあります。 

ただし、身長は大人になってから変えられません 

どうしても変えられない部分に関していうと、子供のうちに色々な選択肢を検討することも悪くないと思います。 

 

成長ホルモン注射の論文概論

 

ということで、今回は2014年のInternational Journal of Pediatric Endocrinology、Juan Fさん、オハイオ州大学の小児科の先生が書いてくださった論文になります。 

引用元:International Journal of Pediatric Endocrinology

 

■題名

Growth hormone significantly increases the adult height of children with idiopathic short stature comparison of subgroups and benefit 

 

シンプルな題名ですね。 

シンプルな題名であればあるほど、大きな論文ということが言えると思います。 

 

特発性低身長=idiopathic short stature 

皆さんの単語に直すと「体質性」という表現が非常に理解しやすいかなと思いますので、私は「体質性」という表現をしましたが、特定の病気ではない低身長の子供に対して成長ホルモンを投与したら身長が伸びた、そういった論文になります。 

こういった論文を見ていきながら、客観的に成長ホルモン治療がどんな治療なのか見ていきましょう。 

 

今回の内容に関していうと、123人の病気ではないけど身長が低い子たちに対して、0.32mg/kg/週ということで、1週間あたりに体重1kgあたり0.32mgぐらい成長ホルモンを投与したという内容です。 

基本的には週7回注射を打ったという内容になります。 

 

それらを見ていくと、 

男性:9.5cm 
女性:8.6cm 

平均的に身長が改善したという結果になっています。 

 

なので例えばですが、160cmぐらいになる子が169.5cmになった、そういった意味合いだとご理解ください。 

さらにそれを読み進めていくと、The treatment was safe.There were no significant adverse events.

要約すると治療は安全で、重大な有害事象はなかったという結果になっています。 

 

その先生たちの経験からするとこういった治療は悪い治療ではなくて、そういった選択肢もあってもいいのではないか、というような内容の論文になっていきます。 

 

ではもう少し本文を一緒に見ていきましょう。 

Growth hormone treatment significantly improves the growth velocity and the adult height of children with ISS[10-13] and is considered safe[14-16]. 

The United States(US) 

Food and Drug Administration(FDA) 

Approved growth hormone treatment for children with ISS in 2003. 

2003年にアメリカのFDA、日本でいうところの厚生労働省に該当します。 

そういったところで、成長ホルモンを病気ではないけど身長が低い子に投与することを承認していますよ、ということですね。 

それに対して安全で子供の身長を伸ばすのに有効である、と示されています。 

 

それらは 

2002年のFinkelstein先生 

1999年のHintz先生 

2011年のDahlgren先生 

2011年のLee先生 

そういった論文から身長が伸びているのがよく分かる内容になってきます。 

 

ですので、この論文からすると2014年の論文ですが、2014年の時点で成長ホルモンを注射することによって身長が伸びるというのはある程度明らかでしょう、と言えます。 

しかもある程度安全なんだと思うけども、細かいことを言うと投与量とか具体的にどういう人が効果があるのか・ないのかについても検討しています。 

そこまで話してしまうと分かりにくいので、今回はそこら辺は少し割愛していきたいと思います。 

 

成長ホルモン注射の論文結果

 

成長ホルモン注射の論文の結果として、具体的にどんな人たちが受けたか説明していきます。 

先程お伝えした通り、治療を受けられたのはトータルで123名だったそうです。 

 

■年齢 

男性平均:11.9歳ぐらい(4.7〜16歳) 
女性平均:12歳ぐらい 

 

■治療期間 

男性:5.2年ぐらい 
女性:3.5年ぐらい 

 

こういった論文にしてはやや遅めなスタートな印象もありますが、そういったような時期に始まったというところになります。 

実際の結果はどうかというと、先程お伝えした通り 

男性:9.5cm(7.4cm〜11.6cm) 
女性:8.6cm 

このような改善があったという結果になっています。 

 

こちらの図を見てみましょう。 

 

体質性低身長に対する成長ホルモン注射の効果と安全性について【2014年の論文を用いて身長先生が解説】

写真1 

 

少し分かりにくいですが、3パターン書いてあるということで、AさんBさんCさんと分かりやすい症例をご提示いただいているわけになります。 

 

Aさん:非家族性低身長

 

体質性低身長に対する成長ホルモン注射の効果と安全性について【2014年の論文を用いて身長先生が解説】 写真2 

 

Aさん:非家族性低身長 

家族の人はそんなに身長が低くはないが、この子だけ身長が低くなってしまった。 

しかも思春期が通常のタイミングで来た人に対して、成長ホルモン投与をしたらどうなるのかという図になります。 

この子はずっと-2SDで、一番ひどい時だと-2SDを大幅に下回っているので、そのままいくと日本人に例えるならば大体155cmぐらいになってしまうと言えます。 

この子はかなり長期間治療しているみたいですね。 

治療していったところ、最終的には平均的な身長まで改善したということで、皆さんに分かりやすくするために日本人で表すならば、155cmぐらいになると予測されるAさんが170cmぐらいまで改善したということで、10cm以上の改善をした図になります。 

 

Bさん:非家族性低身長 

 

体質性低身長に対する成長ホルモン注射の効果と安全性について【2014年の論文を用いて身長先生が解説】

写真3 

 

Bさん:非家族性低身長 

家族は身長が低くなく、やや思春期が遅かったタイプです。 

この子に成長ホルモンを投与したらどうなったのか見てみると、この子も相当改善したということで、平均身長以上の獲得になっています。 

最初は160cm未満になるだろうというペースから治療後上昇していって、170cm以上になっています。 

この子も10cm以上の改善があって素晴らしいですね。 

 

Cさん:家族性低身長(Familial)

  

体質性低身長に対する成長ホルモン注射の効果と安全性について【2014年の論文を用いて身長先生が解説】

写真4 

 

Cさん:家族性低身長(Familial) 

お父さんもしくはお母さんの平均値がすごく低くて、その子も低いというタイプです。 

思春期に関していうと通常のタイミングで来たとのことです。 

家族の身長が低いとやや治療効果が低いという論文もありますので、そういったところがどうだったか見てみると、この子に関してはという表現になりますが、十分に身長が伸びてこの子も平均身長以上になったという結果になっています。 

 

色んな条件において、こういった治療結果が得られたという論文になってきます。 

 

IGF

 

あと付け加えて言うのですが、論文の中で「IGF-1」についても触れています。 

IGF-1は成長ホルモンの一種みたいな風に捉えていただくといいと思いますが、そういったものが成長ホルモン投与によってむちゃくちゃ上がって「異常をきたすようなほどまでなってしまうのではないか?」というような懸念も、世の中の人はしたりすることもあります。 

しかし、いわゆる思春期の十分に予測できる範疇に収まってそんなに問題があるようには見えなかった、という風な結論が書いてあったりもします。 

 

まとめ

 

成長ホルモン注射の低身長治療に対する効果と安全性について論文を用いて解説していきました。 

今回の論文に関していうと、2014年の時点である程度成長ホルモンによる治療効果が得られるということが分かっていった、それに対して量だったりサブグループを検討し、その中でトータルを通して見てみても十分に治療効果があり、安全だったのではないかというのが、この先生の一つの意見になってくるかと思います。 

 

以上参考になりましたでしょうか。 

 

今後も今まで以上に治療の内容についてもできるだけ客観的に良い部分、悪い部分を含めて皆さんにお伝えできればと考えています。 

 

これからも身長に関することを全身全霊で配信していきます。 

身長先生ブログのチェックと、身長先生YouTubeのチャンネル登録をよろしくお願いいたします。 

 

 

また、当院では身長治療を行っております。

興味のある方は、こちらをご覧ください。

 

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簡単に身長が予測できるようなシートになりますので、ぜひお試しください。

 

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