身長とローヤルゼリーの関係性について論文を用いて解説!
【完全決着】ローヤルゼリーで身長が伸びるのは本当か?骨端線閉じた人必見!?【身長先生】
今回は、前回簡単な説明となってしまった、ローヤルゼリーについてのお話を詳しく紹介していきたいと思います。
いくつかの論文を見ながら、解説していきます。
概要と噂のまとめ
まずローヤルゼリーは皆さんご存知かと思います。
女王蜂だけが食べるゼリーのことで、女王蜂は働き蜂と比べて体がかなり大きいわけなんですけども、その特殊なローヤルゼリーは体を大きくする作用があるでしょう、と言われているのです。
蜂が大きくなる作用があるのであれば、人間もそれを食べれば大きくなるのではないか、ということが推測されて、こういった噂がされているわけです。
調べてみると、身長が改善されることを想起させるサプリメントが販売されています。
海外の製品で色々なものがあるようですが、ローヤルゼリーは高栄養価、栄養が高い食べ物として有名ですので、単純に栄養濃度が高くて女王蜂が大きくなる、だから人間が食べても身長が高くなるんじゃないか、そういった説が世の中に存在するわけですね。
それは本当に正しいのかどうか、論文を使いながら検証していきます。
ローヤルゼリーの成分と一般的な効能
ローヤルゼリーにどのような成分が含まれているかというと、ビタミンB、特にB5やB6が多く含まれています。
ビタミンB6はアルギニンを介して成長ホルモンの分泌を促します。
ローヤルゼリーの中にはアミノ酸が含まれており、アミノ酸スコアが100点満点になっています。
他の満点の食材としては鶏卵になりますが、それに匹敵するほどのアミノ酸スコアが特徴です。
タンパク質はアミノ酸からなっていますけども、そういったアミノ酸・タンパク質を多く摂取する方が、身長にとってプラスに働くという論文がいくつか出ていますので、そういった点からもプラスに働く可能性が示唆されるような内容です。
後は前回お話した、脂肪酸の一種であるデセン酸が含まれています。
つまり、ローヤルゼリーは様々な栄養素が高濃度で含まれています。
また特殊な物質として取り上げるとするならば、ロイヤラクチンと呼ばれるタンパク質がローヤルゼリーの中に含まれているそうで、ロイヤラクチンによって女王蜂に進化するという可能性があります。
世界的にも有名なネイチャーという雑誌に、2011年に富山県立大学の鎌倉先生が発表した論文に記載されています。
ただロイヤラクチンが女王蜂を進化させるのかどうかというのは、繰り返し議論されているような内容ですので、本当のことというのは分かりにくいのですが、少なくともそういった可能性が示唆されているということになります。
その他に一般的にどのような目的、今回は身長に関して取り上げていますけども、どのような目的でローヤルゼリーが使用されているかと言われると、
- 冷え性
- 肩こり
- 骨密度の改善
- 鬱
など、そういったことにも効果があるのではないでしょうか、という記載があります。
ローヤルゼリーで身長が伸びたサッカー少年たちの論文
論文名:ROYAL JELLY AS SUPPLEMENT FOR YOUNG FOOTBALL PLAYERS
引用元:ResearchGate
日本語に訳すと、ローヤルゼリーをサッカー少年たちにサプリメントとして飲ませたらどうなるかという論文になります。
これは2009年のセルビアの論文で、12歳のサッカー少年を対象にした論文になります。
この論文は少し期間が短く、2ヶ月間だけ内服させているような内容になりますので、短期的なデータになります。
ローヤルゼリーを飲んだ群の方が、ローヤルゼリーを飲まなかった群よりも、優位に身長が伸びたとの記載があります。
ということで、この論文だけを見ればローヤルゼリーは身長を伸ばす効果があるんだ、という風に思うかなと思います。
ただこの論文ももちろん完璧ではありません。
今回の論文ももちろんすごく参考にはなりますが、注意しなくてはいけない点としては、対象者が25人と比較的少ないということですね。
あとは開始時の身長が、ローヤルゼリー群が152cmで、ローヤルゼリーを飲まない群が158cmということで、かなり差があるのも気になります。
また観察期間が2ヶ月と非常に短いことも気になる点です。
身長を語る上においては、6ヶ月・1年・2年・3年・4年と、かなり長期的に見なければ結果は分かりません。
ローヤルゼリーの女性ホルモン作用(デセン酸)について
ローヤルゼリーは高栄養価であり、なおかつ短期的に見たら12歳の男の子たちに飲ませると、身長が伸びる物質であることは何となく分かったわけですが、1点危惧する点というか、論文を完全に受け入れられない点が1点あります。
それがデセン酸になります。
デセン酸は脂肪酸の一種で、女性ホルモン様の働きをすると言われています。
女性ホルモンは身長だけで取り上げるとややマイナスに働きます。
簡単に言うと、男性と女性の身長差です。
男女で日本人の平均身長が13cmくらい違うわけですけども、その13cmを生み出しているのは女性ホルモンという風に表現してもいいと思います。
もちろん一元的に言うわけではありませんが、そういったことが言えると思います。
デセン酸が女性ホルモン様作用を示すことが懸念点です。
例えばこういった女性ホルモン様の物質を体の中に入れることによって、体の中から分泌される女性ホルモンを抑えるというような、そういった働きを持つ物質もあります。
女性ホルモン様だからといって、それだけでマイナスという風に判定するのはまだ早いので、今回論文を調べてみました。
論文名①:Royal Jelly Supplementation Induces the Growth Plate Development and Increases Plasma Growth Hormone and Oestradiol Levels in Prepubertal Rats
引用元:European Society for Paediatric Endocrinology
論文名②:Royal jelly has estrogenic effects in vitro and in vivo
引用元:Journal of Ethnopharmacology
1つ目の論文では、ローヤルゼリーは骨端線が閉じることを早くする可能性があり、血中濃度中の成長ホルモンの分泌を上げるということも書かれています。
全体を通してみると、成長を早送りさせる効果があるのではないかという内容です。
2つ目の論文では、試験管上・生物学的に見た時に、両方の側面においてエストロゲン性、いわゆる女性ホルモン作用があるということが書いてあります。
これら2つの論文から見ても分かるように、女性ホルモン様作用があることはほぼ間違いありません。
逆に言うと、骨端線を発達させてしまうような物質であることが推察されるということです。
こういった点からすると、少し注意が必要な物質かなと思います。
まとめ
- 身長を伸ばすという噂が存在する
- 非常に多くの栄養素を含む
- アミノ酸スコアが100である
- ロイヤラクチンによって体が大きくなる可能性がある
- デセン酸という女性ホルモン様の物質が含まれ注意が必要である
簡単に言うと、メリットとデメリットが存在します。
できるだけメリットを最大限に活かすためと考えながら、身長先生的見解をお話させて下さい。
■絶対に必須なものではない
栄養価が多く含まれているのも事実です。
■ファーストチョイスとして提案されるものではない
絶対にこれをやらなくちゃいけないというわけでもないですし、悩んでいる人がこれから始めるべきかというと、とてもそういう風には思いません。
いわゆる普通の生活習慣だったり、採血上で明らかに欠乏している栄養素だったり、明らかに改善が見込める部分からチャレンジしましょう。
■女性ホルモン様作用がやや心配である
これらの3つのことが言えます。
また、ローヤルゼリーはどんな人におすすめかと言いますと
- 他の治療を既にトライした
- 生活習慣を全て改善した
- 足りない栄養素を全て補充した
そういったような状況下で中々結果が思うように得られない場合に、セカンドラインとしてチャレンジするのは良いかもしれません。
特に骨端線がある程度ほぼ完成しつつあるという風に考えられる、16歳以上の方はメリットとデメリットをご理解頂いた上でチャレンジして頂くのはありかなと思います。
以上、参考になりましたでしょうか?
これからも身長に関することを全身全霊で配信していきますので、身長先生ブログや身長先生YouTubeのチェックをお願いいたします。
また、当院では身長治療を行っております。
興味のある方は、こちらをご覧ください。
成長シートご希望の方は、身長先生の公式LINEからご自身でダウンロードすることができます。
簡単に身長が予測できるようなシートになりますので、ぜひお試しください。