身長を伸ばす方法【鉄分】編!関係性を論文を用いて解説!
【鉄分】で身長が伸びるのは本当か?副作用に注意!?【身長先生】
今回お話させて頂くのが、身長を伸ばす方法・鉄分編になります。
以前「亜鉛で身長伸びるか論文を用いて解説!大人でも10cm伸びるのは本当?」という記事と動画をアップしましたが、とても好評となっております。
今回は亜鉛ではなくて、「鉄分」の方に注目していきたいと思います。
鉄分編パート2についてはこちらで解説しています。
>>身長を伸ばす方法【鉄分編2】鉄製の鍋を使うと背が伸びる!?
初めに
まず最初にお伝えしたいこととして、この70年間で日本人の平均身長が約10cm程度まで改善しています。
男性であれば、160cm程度から170cm程度まで改善しています。
それは普通に考えれば、栄養の改善によって身長が伸びたわけですので、そういった意味ですと少しでも栄養を改善した方が良いというのは、全ての人がほとんどご理解頂ける内容だと思います。
ですので、今回お話させて頂く内容をぜひご理解頂いて、身長を伸ばすのに役立てて下さい。
まずは「鉄分ってそもそも何?」というところと、鉄分と身長に関して論文を用いて、内容を紹介させて頂きたいと思います。
そして最後に鉄分の効率の良い摂取の仕方について、紹介していきます。
ヘム鉄・非ヘム鉄なんて単語がありますが、そういったのも踏まえて説明させて頂きたいと思います。
そもそも鉄分とは
まず、「鉄分はそもそも何でしょう?」というところで、皆さんなんとなく鉄材・鉄筋コンクリートとか、硬いものという印象があると思いますが、ミネラル(mineral):硬い鉱物の一種になります。
金属の一種という表現もできるでしょう。
その中で、「貧血に関係がある」なんて皆さんも聞いたことがあるかもしれないですけども、そういった物質であり、体の中に3〜4gぐらい存在します。
赤血球を作って貧血を予防するわけですね。
貧血以外の要素としては、DNAを作るのにも使用されるそうです。
そんな鉄分ですけども全世界で見てみると、35億人以上の人が鉄欠乏していると言われています。
開発途上国では35億人程度、そういった人がいるという文献も、今回拝見させて頂きました。
ですので、日本は飽食であって非常に豊かな国ですので、「たくさんいる」とは言わないですが、もしかしたらこの記事を読んでいるあなたも、実は鉄分が欠乏しているかもしれません。
少なくとも、そういったことがないように今後も注意していくことが、身長を伸ばす上においては重要だというのは皆さんもご理解頂けると思います。
鉄欠乏性貧血の論文
本日お話させて頂く論文ですが、
Linear Growth in Children with lron Deficiency Anemia Before and After Treatment
引用元:Journal of tropical pediatrics
こちらは「Qatar」ということで、国の名前なんですがどこでしょう?
私も今回、この論文でどこだろうと思ったのですが、「Qatar」でカタールを意味します。
サウジアラビアの横にある、本当に小さな国みたいです。
こちらの論文ということになりますので、日本人とはかなり人種が違うんですけども、分かりやすいなと思ったのでピックアップしてきました。
こちらは「Hamad Medical Center」というところの先生が書いて下さった2009年の論文になります。
内容としては、鉄欠乏性貧血に対して治療を行う前と行った後の、子供の身長の伸びがどうだったかとかを検討した論文になります。
対象としたお子様はかなり小さく、17ヶ月程度ということで、年齢に相当すると1歳半ぐらいの子供を対象とした40人の鉄欠乏性貧血の子と、そうではない子(普通の状態の子)を比べてみたというところになります。
40人ずつ集めてみると、まず最初に言えたことが、鉄欠乏性貧血の子供はそうでない子に比べて元々身長が低かった、という記載がありました。
具体的にはSDで書かれているのですが、何もしていない子は0.25SDで、世間的に言えばすごく平均的なお子様が集まっていらっしゃるのに対して、鉄欠乏性貧血の子は-1.2SDぐらいということになっています。
-1.2SDというのは大人になった時、大体6cmぐらいの差が出るような感じになりますので、かなり差があるというのが分かって頂けると思います。
まずはそこが1点になります。
なので鉄欠乏性貧血の子は、身長がすでに低いというところになります。
それに対して鉄分をしっかり補充していって経過を見ていくということで、今回は6ヶ月経過を見たそうです。
その中でも今回すごく分かりやすいデータがGVという数字です。
Growth velocityということで、成長するスピードを表します。
そして年間成長率を、この論文ではGVと表現しているようです。
こちらの方で見てみると、身長がすでに低かったのに対して、身長の伸び率も低かったという表現があります。
貧血がなかった子に関していうと、年間成長率が元々9.7cmだったのに対して、鉄欠乏性貧血の子は7.5cmということで、年間成長率が2cm程度ビハインドしていたという表現になります。
しかし6ヶ月間しっかりと鉄分を補充してあげて貧血状態が改善すると、年間成長率が13.2cmにまで改善したということです。
13.2cmと7.5cmを比べてみると1.76倍ということで、鉄分が欠乏した状態から補充してあげると身長が伸びたという表現もできますので、非常に大きな因子であることがここからよく分かるかと思います。
ということで、今お話させて頂いたのはカタールの人種の違うという点と、すごく小さな子供を対象にしているということ、あと日本ではここまで鉄分が欠乏している子はすごく多くないでしょう、というところが大前提なので、全て鵜呑みにする必要はないと思います。
しかしカタールで2009年の時にやった論文の内容としては、鉄分が欠乏した状態から補充すると身長は伸びるらしい、ということが分かります。
ヘム鉄と非ヘム鉄
鉄分をなんとなく摂取した方がいいというのは皆さん分かって頂けたと思いますが、どういう風に吸収していくかということで、ここで覚えて頂くのがヘム鉄と非ヘム鉄です。
具体的に言うと、
肉類=ヘム鉄
それ以外=非ヘム鉄
という分類になります。
例えば代表例でいうと、豚のレバーとかはヘム鉄に該当しますし、非ヘム鉄の代表例でいうとしじみ・あさり・ほうれん草、などが挙げられます。
両方とも鉄に該当しますが何が違うのかと言いますと、吸収率が大きく違います。
ヘム鉄は吸収率が大体20%程度になります。
例えば100mg入っていたら20mg吸収できるのに対して、非ヘム鉄は2〜5%しか吸収されません。
なので、非ヘム鉄ではなくヘム鉄の方が効率が良いということになります。
ここで少し昔の私の動画や記事を振り返って頂いてもいいと思いますが、そういった意味で見てみると、牛肉とかは身長を伸ばす上において優位さがあるなんて言われたりしていますが、辻褄が合っているようにも思われます。
あとはレバー。
私の動画や記事を見て頂いている方であればよく知っていると思いますが、亜鉛がよく含まれているというところからも、身長フードという風に表現できるのはここからも分かると思います。
ですので、ぜひそういった物を食べて下さい。
鉄分の摂取量について
それに対してここから共有したいのが、
■厚生労働省
「日本人の食事摂取基準(2000年版)」「令和元年国民健康・栄養調査」
■文部科学省
「日本食品標準成分表・資源に関する取組」
こういったデータと、あとは「食品成分表2021」、こちらのデータを使いながら共有していきたいと思います。
どれぐらい摂取しなくてはけないだろうということで、厚生労働省の方から推奨されている量を共有したいと思います。
例えば私の方でよくお話ししているのが、大体5歳以上の人を治療対象としていますので、それ以降で見てみると、このような量になります。
■鉄分の推定平均必要量
3〜5歳:4.0mg
6〜7歳:5.0mg
8〜9歳:6.0mg
10〜11歳:7.0mg
12〜14歳:8.0mg
15〜17歳:8.0mg
18〜29歳:6.5mg
小学生ぐらいであれば5〜8mg、中学生ぐらいであれば8mgぐらい、成長期が終わると少しずつ減ってくる、というところになります。
どれぐらいの食事を摂取する必要があるのかというのを、少し検討していきたいと思います。
例えば豚のレバー。
これはなかなか食べる人は少ないと思いますが、これも厚生労働省のデータを元にすると面白いです。
スモークレバーの方が生のレバーよりも鉄分の量が多いということで、このような量になっています。
豚のスモークレバー:100mg当たり20mg
豚の生レバー :100mg当たり13mg
ということで、イメージ的にはレバーとかを50gぐらい食べるといいのかな、ということが言えるかもしれません。
ただ実際、50gでもレバーを食べるのはかなり厳しいと思いますし、他の食材にも含まれていますので、簡易的な目安としてご理解頂ければ十分だと思います。
それに対してどれぐらいまで摂取していいのかというのが、米国科学アカデミーで公表している指標があるみたいですけども、そちらの方だと14歳以下の子供は40mgです。
大人でも45mgという表現がありますので、ざっくりとした指標として
小さい子:5〜40mg
大きい子:10〜40mg
このような量になると言えるかもしれません。
あとは吸収率の問題とか色々な問題があると思います。
実際問題、亜鉛の時と同じなんですが、採血を行いながら経過を見ていくのが最も適切だと私は考えます。
先程の論文も振り返りたいんですけども、こんな一文がありました。
6ヶ月間鉄の治療を行った場合に、年間成長率(GV)というのがフェリチンという値と関係性がすごく深かった、という風に記載されています。
フェリチンは貯蔵鉄という鉄を表す1つの指標です。
最終的には、採血に依存していくという風に考えていくのが適切だと思います。
その中で先程お伝えしたような摂取基準、そういったのもぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
以上、身長を伸ばす方法・鉄分編ということで、かなりハイレベルな内容だったと思いますが、結構面白い部分もあったと思います。
特にスポーツをしている子は汗で鉄分が失われやすいと言われていますので、皆さんも欠乏にならないように注意して頂いて、身長を伸ばすのに役立てて下さい。
鉄分編パート2についてはこちらで解説しています。
>>身長を伸ばす方法【鉄分編2】鉄製の鍋を使うと背が伸びる!?
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