成長ホルモン注射は沢山打てば良いわけじゃない?適切な投与量は◯◯で決まる!【身長先生式成長ホルモン治療解説⑤】
成長ホルモン注射は沢山打てば良いわけじゃない?適切な投与量は◯◯で決まる!【身長先生式成長ホルモン治療解説⑤】
医師医学博士、整形外科専門医・身長先生こと田邊です。
今回も全身全霊で身長に関することを配信していきます。
今回お話しするのは「身長先生式成長ホルモン治療の投与量について」です。
今まで
- 副作用
- 投与期間
- ドーピング
についてお話ししてきましたが、今回は投与量についてお話ししていきます。
では早速いってみましょう。
【目次】
身長先生式成長ホルモン治療とは
身長先生式成長ホルモン治療というのは
- 成長ホルモン投与
- 思春期コントロール治療
- 栄養補充(サプリメント)
- 生活の改善
この4つをトータルして総合的・包括的に治療していく総称になります。
そのなかでも今回は成長ホルモンについて説明していきます。
成長ホルモンの投与量
身長先生式成長ホルモン治療での成長ホルモン投与量はズバリ、体重によって決まります。
これはなぜかと言われるとエビデンスがあるからです。
論文上、体重によって区分されているのが一般的となります。
投与方法や具体的な数字に関しても、ここまでご理解いただく必要はないかと思いますが、1週間あたりの体重1kgによる投与量によって決めていきます。
例えば、0.23mg/kg/weekや0.30mg/kg/weekといったふうに決めています。
いわゆる特発性低身長・体質性低身長の場合、論文上一番少ない量だと0.23mg/kg/weekとなっています。
これはなかなかわかりにくいと思いますが、仮に体重が30kgと仮定すると
0.23mg/kg/week×30 kg=6.9mg/week
これを1週間でするということなので、これを1日あたりだと7で割ることになります。
そうすると1日あたり0.985mgとなってきます、四捨五入をして約0.99mg/dayとなります。
一方で最高投与量に関していうと、一応私の方では0.375mg/kg/weekと説明しています。
先ほどと同じように30kgのお子さんだと
0.375mg/kg/week×30 kg=11.25mg/week
これを7で割って、1日あたり1.60mgとなります。
このように投与量を決めています。
少ない量でするのか、多い量でするのかによっては値段が大きく変わってきます。
価格に関しては仕入れ値や社会情勢で色々変わってくるので、3ヶ月おきに価格が改定されます。
例えば1.0mgを10日で1本くらいのペースですると年間約250〜300万円かかってきます。(2024年3月時点)
一方で多い量の場合、7日で1本くらいのペースですると年間約350〜430万円かかってきます。
約100万円ほどの差がでてきて、かなり値段が変わるというのがおわかりいただけたと思います。
100万円分高いというだけで損をするのかというと、決してそうではありません。
投与量の多い方が効果は高いですので、皆さんの目標身長や予算によって投与量は変わってきます。
みなさんからよくある質問に答えます。
Q.1万円あたりの身長の獲得率・獲得cmに関して、どちらの方が効率的ですか?
A.少ない方が効率的。
過去に計算したのですが、少ない方の効果が高かったので、コスパを重視する方に関しては0.23mgの低用量で検討されると良いと思います。
ただし、できるだけ伸ばしたい方に関しては高用量の方が身長が高くなりますので、高用量を選択してください。
低用量と高用量に関しても副作用の発生頻度は変わらないと言われていますので、そういった意味では高用量の方が得かもしれませんね。
あとは全体的な論文の流れですが、最近の論文は高用量がほとんどです。
今後の流れとしては低用量というのはなくなっていくのかもしれません。
まとめ
今回は成長先生式成長ホルモン治療の成長ホルモン投与量についてお話ししました。
論文からのエビデンスにあわせて0.23mgの低用量と0.375mgの高用量の2パターンあります。
低用量と高用量では年間価格が100万円ほど変わってきます。
目標身長や予算によって投与量を決めていきましょう。
ただし、最近の論文では高用量ばかりなので、今後低用量での治療はなくなる可能性があります。
それについてはご了承ください。
これからも身長に関することを全身全霊で配信していきますので、身長先生ブログや身長先生YouTubeのチェックをお願いいたします。
成長シートご希望の方は、身長先生の公式LINEからご自身でダウンロードすることができます。
簡単に身長が予測できるようなシートになりますので、ぜひお試しください。
↑2024年2月22日 KADOKAWA出版より発売↑