膝の再生医療を受けた70代女性の体験談!幹細胞培養上清液治療の詳細!
今回は、東京神田整形外科クリニックの田邊院長と院長の母が登場します。
以前、院長の父も登場し再生医療である幹細胞培養上清液の注射を行いましたが、今回は院長の母も同様の幹細胞培養上清液治療を受けることになりましたので、その様子をお届けいたします。
皆さんこんにちは。
東京神田整形外科クリニック院長の田邊です。
今日はスペシャルゲストとして私の母に来ていただきました。
よろしくお願いします。
【目次】
当院では膝の再生医療治療に力を入れております。
少しでもご興味を持たれた方は、当院の再生医療治療ページをご覧になってみてください。
東京神田整形外科クリニック
再生医療治療について詳しく見てみる
どんな時に痛いか教えてください
田邊院長
それでは、簡単に年齢などの自己紹介の方と、今回は膝の痛みで来ていただいたのですがどんな時に痛むかなど教えてください。
院長の母
よろしくお願いします。
年齢は74歳です。
13年ほど前に初めて左の膝が非常に痛くなり、横断歩道を歩くのも青信号の間に渡れないほどの痛みがありました。
その時にヒアルロン酸だったと思うのですが、注射を3、4回ぐらい打ってもらいました。
また、水がいっぱい溜まっていると言われ水を2、3回抜いたことがあります。
その後、だんだん良くなったのですが、今度は4年ほど前に自宅の階段で転んでしまいました。
骨折まではいきませんでしたが、ひどく膝や足を打ちかなりダメージを受けてしまい、今度は右膝が痛くなりました。
そして2年前、強風の日に街を歩いているところで転んでしまい、そのときも骨折はしませんでしたが膝にもまたダメージを受けました。
それで、今は右膝も痛いですが、左膝の痛みはそれほどでもありません。
田邊院長
ということで、私の母も父と同様に両方の膝に痛みがあるとのことですが、特に右膝の方が痛いですか?
院長の母
今現在は右膝の方が痛いです。
田邊院長
例えば、階段の上り下りが痛いなどありますか?
院長の母
階段の上り下りも痛いです。
田邊院長
上るときと下りるときどちらの方が痛いですか?
院長の母
上るほうはまだ大丈夫ですが、下りるときの方が慎重になります。
田邊院長
膝の痛みの中でも膝裏が痛いなど、そういった症状はありますか?
院長の母
左膝が痛むときは膝裏も痛かったんですが、この数年間は膝裏が痛いことはありません。
田邊院長
最初の初期症状として、膝裏が痛いという症状がありそれが慢性化してきて膝全体が痛いという表現をされる方も多いと思います。
椅子から立ち上がる時はどうですか?
院長の母
痛い日もあります。
田邊院長
わかりました。
後ほど、どれほど痛いのか具体的に評価するために、国際基準の『KOOS(膝関節評価スコア)』というスケールを使い、痛みの評価をしていきたいと思います。
今日お話しを聞かせていただくと、典型的な変形性膝関節症だと思います。
加齢に伴った軟骨の変化によるもので、ブログを読んでいただいている方も非常に多くいらっしゃると思います。
そういった方は参考になると思いますので、ぜひ最後までお読みください。
それでは、この後レントゲンの説明にうつります。
レントゲンの説明
田邊院長
では、レントゲンの説明をしていきたいと思います。
母のレントゲンは非常に悪いです。
別の動画で私の父のレントゲンの説明もしていますが、私の母のレントゲンの方が正直言って悪いです。
そして、右膝と左膝だと右膝の方が圧倒的に悪いです。
右膝のレントゲンをアップしてきます。
画像1
そうすると、画像の赤い丸で囲った部分ですが端の方の骨は、若い頃にはなかった骨になります。
それが歳をとるにつれて、半月板がすり鉢状に迫り出してくるようにして半月板が機能しなくなっていきます。
半月板が押し出されるとともに骨も発達してしまい、その元々なかった発達してしまった骨を骨棘といいますが、半月板の逸脱に伴ってできてきます。
レントゲンでは、内側の半月板が極めて痛んでいるということがここからよくわかります。
さらにここから見ていきましょう。
右膝の外側と内側を見ていきます。
外側の隙間が0.61cmに対して内側の隙間は0.19cmと極めて少なく、内側の軟骨が特にすり減ってしまっており、半月板が非常に少ない状態です。
画像2
さらに外側の部分にも骨棘形成があり、症状に関しては悪いという表現が正しいと思います。
『KL分類』という評価では、「4」と評価をする先生がほとんどだと思います。
私の評価も「4」になります。
左の膝も見ていきましょう。
こちらのほうも悪いのですが、右膝と比べるとだいぶ良い状態です。
では、内側の隙間がどの程度残っているのか検索してみましょう。
画像3
左膝の内側の隙間は0.42cmでした。
右膝の方が0.19cmなので、倍も隙間が残っていることがわかります。
そのため、左膝の方が比較的状態がいいということがわかります。
特徴的なのが、左膝の外側にも骨棘形成があります。
画像4
そのため、外側症状もある程度あるということが推測できます。
実際にあとで診察を行いながら、外側の症状があるのかどうかを見ていきたいと思います。
変形性膝関節症は、一般的に内側の軟骨がすり減る病気と考えられるんですけれど、少数派ですが外側型という方もおり、私の母がそういったものに該当するのかどうかも診察を踏まえながら判断していきたいと思います。
それではここから実際の診察に移りたいと思います。
膝の診察
田邊院長
ここから実際に診察していきたいと思います。
ちょっと上から膝を押しますね。
大丈夫ですか?
院長の母
大丈夫です。
画像5
田邊院長
上の画像のように、隙間がこれだけあるということは母の膝が伸びていないということを意味しています。
これは、リハビリの適用になります。
本当はここでリハビリまでしていただくのが良いのですが、富山県にいるのでなかなかリハビリは難しいですよね。
そのため、地元でリハビリをしていただいて、膝が少しでも床につくように練習していくことをお勧めします。
では次は膝を曲げてください。
少し押しますね。
大丈夫ですか?
院長の母
少し痛いです。
田邊院長
どの辺が痛いですか?
院長の母
膝の裏側です。
田邊院長
わかりました。
ではまた診察を続けていきますね。
診察の結果、母に関しても水が溜まっていないという評価でいいと思います。
実際の診察では、膝が伸びているかしっかりと曲がるのか、膝に水が溜まっているのか、そういったところを評価し治療を行っていきます。
母に関していうと、変形性膝関節症の典型例になりますので、通常の注射の仕方でいいと思います。
レントゲンの状態だと外側の痛みもあるのではと考えたんですが、症状を見させていただくと通常の内側型と考えて問題なさそうであるということが診察でわかりました。
では次は、右膝の診察に入ります。
上から膝を少し押しますね。
痛みますか?
院長の母
膝の下のところが痛みます。
田邊院長
次は、膝を曲げていきます。
これはどうですか?
院長の母
痛いです。
田邊院長
どのへんですか?
院長の母
膝の上の方が痛いです。
田邊院長
わかりました。
再生医療の説明
田邊院長
診察お疲れ様でした。
診察の内容から、典型的な変形性膝関節症という状態で間違いないでしょう。
過去に膝に水が溜まって抜いたとおっしゃっていましたが、現在水は溜まっていません。
注射の方法としては、一般的な注射の方法で問題ないということが確認できたので、説明後に膝に注射をしていきたいと思います。
今回再生医療を検討しているんですが『再生医療』は聞いたことありますか?
院長の母
名前だけは聞いたことがあります。
田邊院長
そうですよね。
おそらくこのブログを見ていただいている方も、「再生医療ってなんだろう」と思っている方も多いと思いますので、再生医療について簡単に説明させていただきたいと思います。
再生医療は細胞治療と呼ばれたりもします
簡単に言いますと、ご自身の血液や脂肪の細胞を使った治療になります。
そして、今回受けていただくのは私が1番お勧めする再生医療の中の幹細胞培養上清液という治療になります。
具体的にいうと、
- 20代アメリカ人女性の脂肪
- 脂肪細胞の中から幹細胞という細胞を取り出す
- そこから上澄みエキスがたくさん出ている部分をフリーズドライし加工したもの
こちらの製剤を膝に注射するという方法になります。
ここで皆さんに注意していただきたいのは、幹細胞培養上清液は今非常に流行っており色々な製剤のものがあります。
私も数多く使ってきました。
その使ってきた中でご来院いただいた場合にお話できるのですが、某大学で作ってもらっておりそこの製剤が1番効くと考えています。
そのため、今回そちらを注入していきたいと思います。
それでは実際に、再生医療をやってどの程度良くなるのかを今から説明していきたいと思います。
再生医療は残念なんですけれど完璧な治療ではありません。
今おいくつですか?
院長の母
74歳です。
田邊院長
正直、74歳という年齢で膝が痛いのは当たり前なんですね。
その中で20歳の膝には戻らないということを前提に、どの程度良くなるのか判断していきたいと思います。
画像6
どれぐらい良くなるのかに関してはこちらの『KOOS』というスケーリングを行いながら判断していきたいと思います。
これは国際基準の判断スケールです。
なぜこのようなことを行うかというと、どれぐらい痛いのかは、人によってかなり表現が違うからです。
どういう風にして痛くなるのか、どのような治療効果があるのか、表現するのが非常に難しいので客観的な視点を用いて答えていくということが非常に重要になります。
では、ここから質問に答えていただきたいと思います。
①膝の痛みの頻度はどれぐらいですか?
「いつも」「日に1〜2回」「週に1〜2回」など『KOOS』の項目でいうとどの頻度で痛みますか?
院長の母
右膝は、この2、3ヶ月は「いつも」です。
田邊院長
左膝のほうはどうですか?
院長の母
左はほとんど痛みません。
田邊院長
では、「月に1〜2回」くらいでしょうか。
院長の母
そうですね。
田邊院長
②膝をひねったり、回したときの痛みは?
院長の母
右膝は回したりするとお皿までズレていくような感じで大変痛いです。
田邊院長
「ものすごく痛い」ですね。
左膝はどうですか?
院長の母
左膝はそこまで痛みは感じません。
田邊院長
では、「ある程度痛い」にしましょうか。
③膝を押して完全に伸ばしたときの痛みは?
院長の母
押された分にはそれほど痛みはありませんでした。
田邊院長
では「少し」でいいですか?
両膝ともですか?
院長の母
はい、両膝ともです。
田邊院長
④膝を完全に曲げるときの痛みは?
これはかなり痛そうな表情してましたがいかがですか?
院長の母
特に右膝はかなり痛いです。
左側は少し痛いです。
田邊院長
では「ある程度」ですかね。
⑤歩くときの痛みは?
院長の母
歩く時も右膝は痛いです。
田邊院長
すごく痛いですか?ある程度痛いですか?
院長の母
歩けないわけではないので、どう言ったらいいでしょう?
田邊院長
では「ある程度痛い」にしましょう。
左の膝はどうですか?
院長の母
左膝は最近はいいです。
田邊院長
では「少し痛い」にしましょうか。
⑥階段の上り下りのときの痛みは?
院長の母
右膝はものすごく痛いとまではいかないです。
田邊院長
では「すごく痛い」ですかね。
左膝はどうですか?
院長の母
左膝はそれほどでもないです。
田邊院長
では「少し痛い」ですかね。
⑦夜寝ているときの痛みは?
院長の母
寝返りを打ったときに、右膝は時として痛みで目が覚めることがあります。
田邊院長
では「ある程度痛い」ですかね。
院長の母
左膝はないです。
田邊院長
では「少し痛い」にしましょう。
⑧座っているときの痛みは?
院長の母
このように座っているときは、特に膝の痛みを感じません。
田邊院長
では両方とも座っているときは大丈夫ですね。
⑨立っているときの痛みは?
院長の母
立っているときは、右膝が多少痛みを感じますが左膝は感じません。
田邊院長
わかりました。
ということで、実際に皆さんがご来院いただいた場合、同じ問診票を使っていきます。
これで実際にどれぐらい良くなるかというのを私の方から説明させてください。
先ほどお伝えした通り痛みはゼロにはならないのですが、質問票の2段階ほど良くなる可能性があります。
具体的にいうと今回右膝が特に痛みが強いんですが、症状は今「いつも痛い」という表現です。
治療がうまくいくと「週に1〜2回」までの頻度であれば落とすことが可能になります。
逆にいうと「月に1〜2回」までは減りません。
ただそれでも十分に良くなっているという説明になります。
わかりやすいものだと階段の上り下りでしょうか。
右膝が「すごく痛い」と評価していましたが、これが2段階良くなると「少し痛い」という状態になりますので、そこまでの改善であれば十分可能性があると思います。
ということである程度良くなれる部分もあれば、完全に痛みがゼロにはなるわけではないということを皆さんにご理解いただければと思います。
それでは、再生医療は効果が出やすい人と効果が出にくい人がいるのですが、どういった人が効果が出やすく、どういった人が出にくいのかというところを説明させてください。
効果が出にくい人の特徴が
- 高齢な人
- 重症な人(変形の程度が強い人)
- 体重が重い人
このような人は、効果が出にくいです。
効果が出やすい人は、出にくい人の反対になります。
- 若い人
- 軽症な人
- 体重が軽い人
私の母は年齢が74歳で、再生医療の世界だとギリギリ効果が出にくい人には当てはまりません。
私の過去の経験上ですが、75歳をカットオフとしていますので一応高齢とは言いませんが、若くありませんということになります。
そして体重に関しては、今体重は何kgですか?
院長の母
61kgです。
田邊院長
母に関していうとギリギリアウトです。
少し体重を減らしたほうがいいかと思います。
皆さんにぜひ覚えていただきたいことは、体重を1kg減らすと膝の負担は3kg減ります。
体重を3kg減らすと膝の負担が9kg減ります。
ぜひこういった機会を通して3kgぐらいダイエットしていただくと良いかもしれません。
重症度に関しては、残念ですが私の母はレントゲンの状態が非常に悪かったので、あまり良くありません。
私の母に関しては、完全に良くなるとお伝えするのは間違いであって、ある程度良くなることを期待しましょう。
ただし再生医療のいいところは、再生医療が思った以上に効かなかったという可能性はあるんですが、悪くなることは無いため、やって損は無いといえることです。
ぜひ頑張ってやっていただけたらと思います。
よろしいでしょうか?
院長の母
はい、わかりました。
田邊院長
では、頑張ってやっていきましょう。
院長の母
よろしくお願いします。
幹細胞培養上清液の施術
画像7
田邊院長
では片膝ずつ注射していきますね。
痛みは大丈夫ですか?
院長の母
はい大丈夫です。
施術前の歩行の様子
画像8
慎重に歩いている様子が見られます。
立ち上がり、前のポールをまわって座るまでに約17秒かかりました。
施術後の説明
田邊院長
注射お疲れ様でした。
母は注射の痛みが非常に心配だったようですが、実際に行ってみて痛みはどうでしたか?
院長の母
針が刺さったときはチクっとして、その後モヤモヤっと液が入ってくるなという感じがしました。
田邊院長
全く痛くないことはないと思うんですが、悶絶したりだとかそういった痛みではなかったと思いますので、打ってしまえばそんなに気になるものではないと思います。
打った後の注意点を簡単に説明させてください。
基本的にはそんなに心配はありません。
ヒアルロン酸を打ったことありますか?
院長の母
あります。
田邊院長
ヒアルロン酸を打った時と同じようなイメージでいいと思います。
お風呂ではなくシャワーにしていただくだけで大丈夫です。
運動に関してはそんなにする予定は無いかもしれないですが、1週間ほど控えていただくと良いでしょう。
別にやってもかまいません。
治療の効果ですが2〜3日経ってから効き目が出てきます。
今日は水曜日ですので土日あたりか
ら少し痛みが減ってきたかもと思っていただけるのではないかと思います。
東京近郊の方に関して言うと、週1回もしくは2週間に1回のペースで、大体6回注射を行っていただきます。
しかし、私の母は富山県にいるので月1回ほどのペースで治療を行っていきます。
今後もそういったところを皆さんに配信し、生の声を届けていきたいと思います。
院長の母
どうぞよろしくお願いいたします。
まとめ
田邊院長
それでは今後も膝に関する情報を一生懸命配信していきたいと思います。
膝の痛みが気になる方は、またブログに遊びに来ていただけたらと思います。
これからも膝に関する情報を一生懸命配信していきますので、膝痛開放ブログのチェックをお願いいたします。
膝専門YouTubeチャンネルでも配信していますので、ぜひチャンネル登録もよろしくお願いいたします。
質問がある方は、コメント欄よりメッセージをください。
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