成長ホルモン治療で身長を伸ばすのは安全?副作用は◯◯?【身長先生式成長ホルモン治療解説③】
医師医学博士整形外科専門医身長先生こと田邊です。
今日も全身全霊で身長に関することを配信していきます。
今回のテーマは、「身長先生式成長ホルモン治療第3弾、安全性や副作用は大丈夫?」です。
受診していただくともちろん副作用についても詳しく説明を行っていますが、今回の記事でも説明させていただきたいと思います。
身長先生式成長ホルモン治療が気になっている方、ぜひ最後までご覧ください。
【目次】
身長先生式成長ホルモン治療の安全性は?
身長先生式成長ホルモン治療は、今までの治療経験上ズバリ副作用はほとんど認めていません。
ほぼゼロと言っても良いかと思います。
私自身も良い治療だと思っているからこそ、記事やYoutubeでもお話させていただいている状況です。
身長先生式成長ホルモン治療というのは、「成長ホルモン治療」「栄養補充療法(サプリメント)」「思春期コントロール治療」「生活の改善」などを網羅的にかつ包括的に治療していくものです。
そのなかでも、思春期を遅らせるお薬であるプリモボランは栄養補充療法のサプリメントを組み合わせて行う場合も多く、その場合に肝機能障害が起きることがあります。
頻度としては、プリモボランと栄養補充を最大量やった場合、10人に1~2人ぐらいです。
もちろん、プリモボランの適応がない場合に関しては行いません。
ポイントとしては、プリモボランと栄養補充を最大量投与した場合に軽度の肝機能障害が起きる場合があるということです。
ただし、そのような場合はいわゆる軽度の肝機能障害であり、量を調節することで皆さん正常化しているため、あまり心配するようなものではありません。
その点は十分ご理解いただけたらと思います。
症状に関しても、「肝臓は眠れる臓器」と言われているため、何か症状が出るものということではありません。
逆に、症状が出ないからこそ定期的に採血に来ていただく必要がありますが、そこはご理解ください。
成長ホルモン治療の副作用とは
身長先生式成長ホルモン治療のなかでもメインになる成長ホルモン治療の部分に関してもお話したいと思います。
こちらも治療中の大きな副作用は認めたことはありません。
具体的な副作用として見られやすいものがあるとすれば、「眠くなってしまう」ということです。
中学受験をする子などから、
「先生どうしても眠くなっちゃうから、受験が終わってからやります」
と言われるケースです。
そのような場合を何例か経験しています。
そのほかとしては、少し小さな内出血が出るなどが見られることはありますが、何か困ったような副作用が認められたケースはありません。
成長ホルモン治療をしたら将来に悪影響はない?
今は大丈夫でも成長ホルモンを打ったら将来大人になった時の影響はどうかも気になる点だと思います。
これについて明確に答えるのならば、2024年3月末時点での医師の私からの回答としては「分からない」というのが適切になります。
あくまで、現段階副作用は認めていないことが将来一生に渡って副作用を認めないことを証明するものではありません。
そのため、現状としては「100%安全です」とは言い切ることはできません。
「大人になったとき大丈夫ですか?」という疑問については、いわゆる死ぬまでフォローアップしないと治療が適切だったかや副作用の有無は分からないでしょう。
2024年だと1940年くらいに投与し始めた人が高齢となる年齢です。
このことからも、研究を進めるのが難しいことをご理解いただけるかと思います。
もちろん副作用の発生頻度は論文上で出ています。
過去にYoutubeでもお伝えしたことはありますが、いわゆる未治療の子と治療をした子の死亡率は全く変わりませんでした。
基本的には問題ないと言って良いかと思います。
副作用のリスクを下げる方法とは
成長ホルモン治療は副作用はほとんどないものの、100%安全とは言い切れないため、ある程度副作用のリスクを下げることが大事になってくると思います。
その副作用のリスクを抑える方法が、曝露期間を調整することです。
副作用がすごく心配な方の場合は、曝露期間の調節が重要になるかと思います。
暴露期間というのは、例えると、「タバコに曝露される」「アルコールに曝露される」などの言い方になります。
簡単に言うと、単純に「タバコを吸っていた時期」「アルコールを飲んでいた時期」という意味になります。
例えば、1年間タバコを吸っていた人であれば、将来肺がんになるリスクは多くはないかと思います。
しかし、5年、10年吸っていると、肺がんのリスクは上がってしまうでしょう。
アルコールも同様に飲酒期間が1年であればあまり問題ないかと思いますが、タバコと違って10年、20年と飲む方が多く、それにより肝臓に負担がかかり肝硬変になるリスクも上がると思います。
このように曝露期間というものがその後のリスクに関係してくることが分かります。
成長ホルモン治療に関して言うと、大体3年間くらいされる方が多いです。
治療効果は1年目が一番高く、2年目以降で落ちてきます。
費用対効果も下がってくるため、私としても推奨度は下がっていきます。
現段階の考えとしては、1~2年目の副作用のリスクは結論としてないといえるでしょう。
長い方では、骨端線が閉じるまで5年以上される方もいらっしゃいますが、現段階では5年以上やったら副作用が増えるなどの報告は特にないため、問題ないかと思います。
ただ、曝露期間や費用対効果を考えると、あまりそこまでやらなくて良いのではないかということもご理解いただけるかと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、身長先生式成長ホルモン治療第3弾ということで、副作用に関してお話しました。
- 身長先生式成長ホルモン治療は現状副作用はほとんど認められていない
- プリモボランと栄養補充を最大量行う際に肝機能障害がみられることがある
- 現段階では成長ホルモン治療による将来の影響は分かっていない
- 副作用のリスクを下げるには成長ホルモン治療の曝露期間を調節することが重要
今後も全身全霊で身長に関することを配信していきたいと思います。
これからも身長に関することを全身全霊で配信していきますので、身長先生ブログや身長先生YouTubeのチェックをお願いいたします。
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