未熟児の身長はいつ追いつく?将来の平均身長と伸ばすための3つの習慣| 低身長治療・再生医療なら東京神田整形外科クリニック
「未熟児(早産児・低出生体重児)で生まれた子どもの身長は伸びないのではないか」「将来の平均身長まで届かないのでは」と不安に感じている保護者の方も多いかもしれません。
結論として、未熟児で生まれたとしても多くのお子さんは2歳ごろまでに追いつき成長が起こり、標準的な身長まで伸びていく可能性が十分にあります。
この記事では、未熟児の将来の平均身長や追いつき成長が起こる時期、SGA性低身長症の診断基準、保険診療と自費診療による身長治療の違い、そして栄養・睡眠・運動の3つの生活習慣について医師が詳しく解説します。
未熟児で生まれたお子さんの身長について最新の研究をもとに情報を整理し、ご家庭でできる対策と専門医に相談すべきタイミングを一緒に確認していきましょう。
未熟児で生まれると身長は伸びない?

未熟児(早産児・低出生体重児)で生まれたお子さんの身長について、「正期産で生まれた子と比べてどのくらい伸びるのか」と心配される声を多くいただきます。
実は、生まれたときの状況によって成長の見通しは大きく異なるものです。
ここでは、男女別の平均身長や見守り方の基本を整理して解説します。
未熟児で生まれた子どもの将来の平均身長【男女別】
未熟児にも種類があり、将来の身長予測は生まれたときの体格によって変わってきます。
在胎週数に対して標準的な体格で生まれたAGA早産児の場合、成人後の身長は正期産児とほぼ同等になることが研究で示されています。
なぜなら、AGA早産児は思春期の発来がやや遅れる傾向があり、その分だけ後から身長が追いつく余地があるためです。
一方、在胎週数のわりに小さく生まれたSGA児で2歳までに追いつき成長が見られなかった場合(SGA性低身長症)は、海外の報告で平均成人身長SDSが-1.8〜-2.2SDとされており、日本人の体格に当てはめると男性で160cm前後、女性で148〜149cm前後にとどまるケースもみられます。
つまり、AGA早産児は正期産児と同等の身長が期待でき、SGA児であっても追いつき成長が起これば標準範囲に入る可能性が十分にあるといえるでしょう。
未熟児だからといって一律に身長が伸びないと決まっているわけではないため、まずはお子さんがAGAなのかSGAなのかを母子手帳の記録から確認することが第一歩になるはずです。
なお、AGAやSGAの判定には在胎週数別の出生体重・身長基準値(パーセンタイル曲線)が用いられ、出生時の体重・身長がともに在胎週数相当の10パーセンタイル以上90パーセンタイル未満であればAGA、10パーセンタイル未満であればSGAと分類されるのが一般的なところです。
両親の身長から計算される「最終予測身長」は、
- 男児では(父の身長+母の身長+13)÷2
- 女児では(父の身長+母の身長 − 13)÷2
でおおよその目安が出せるため、未熟児で生まれた背景を踏まえつつ、両親の身長も合わせて将来の伸びしろを見積もっていくとよいかもしれません。
参照:Pediatrics
参照:Clinical Pediatric Endocrinology
身長は伸びないかもとあきらめずに発育を見守っていくことが大切
未熟児で生まれた赤ちゃんは、正期産で生まれた赤ちゃんと比べて成長のスタートラインが異なります。
そのため、暦上の月齢で発達を評価すると「遅れている」ように見えてしまい、保護者の方が必要以上に不安を抱えてしまうケースも少なくありません。
こうした場面で役立つのが「修正月齢」という考え方です。
修正月齢とは、実際の誕生日ではなく出産予定日から数えた月齢のことを指します。
たとえば予定日より2か月早く生まれた赤ちゃんの場合、生後3か月の時点で「修正月齢1か月」として体の発育や運動発達を評価していくとよいでしょう。
こども家庭庁の「低出生体重児保健指導マニュアル」では、3歳ごろまでは修正月齢を併記して発育を評価するのが一般的とされています。
修正月齢を用いることで、その子なりのペースを正しく把握でき、過度な不安を抱え込まずに見守ることができるはずです。
ご家庭での声かけや成長曲線の記録においても、まずは修正月齢で評価する癖をつけてみてはいかがでしょうか。
焦って結論を出さず、長い目で発育を観察していく姿勢が大切です。
参照:こども家庭庁「低出生体重児保健指導マニュアル」
参照:母子健康手帳情報支援サイト「小さく生まれた赤ちゃんの成長・発達」
未熟児で生まれたとき身長の発育は何歳で追いつくのか

未熟児で生まれたとしても、多くの場合は数年以内に標準的な身長範囲まで追いつくことがわかっています。
ただし、すべてのお子さんが同じスピードで成長するわけではありません。
ここでは、追いつき成長(catch-up growth)が起こる時期と、追いつかなかった場合の判断基準について解説します。
SGA児(在胎週数のわりに小さく生まれた児)の少なくとも90%は、小児期に身長SDSが-2.0以上の正常範囲まで追いつき成長を示すとされています。
これは生後すぐから乳幼児期にかけて、不足していた発育が一気に取り戻される時期があるためです。
国際コンセンサスガイドライン(Pediatrics 2023)によると、追いつき成長は生後6か月までに最も顕著に現れ、通常は2歳までに完了するとされており、2歳までに約85〜90%のお子さんが正常身長範囲に到達します。
ただし、在胎32週未満の超早産児や出生体重1,000g未満の超低出生体重児では追いつき成長が4歳ごろまで続くこともあり、この群では約30%が3歳以降も低身長のまま経過する傾向もあるかもしれません。
このように、未熟児であっても2歳までに追いつくお子さんが大多数であり、追いつかなかった場合に初めて「SGA性低身長症」として治療対象が検討されるという流れになっているのです。
家庭で確認できる目安としては、母子手帳に記載されている成長曲線(パーセンタイル曲線)を継続的に書き込み、曲線に沿ってカーブが上向きに伸びているかどうかを観察するのが分かりやすい方法でしょう。
特に2歳までは数か月単位で身長と体重を記録し、SD値(平均からどのくらい離れているか)の推移を追っていくと、追いつき成長が順調に進んでいるかどうかが見えてきます。
仮に1歳半〜2歳の時点で身長SD値が-2SD以上に追いついていない場合は、3歳までに改善するかどうかを慎重に観察し、改善が乏しければ早めに小児内分泌の専門医を受診するのが望ましいです。
逆に、修正月齢ベースで見たときに成長曲線が急激に上昇している場合は、追いつき成長が進行している証拠とも言えるため、無理にカロリーを増やしたり過剰な栄養補助食品を与えたりせず、自然な伸びを見守る姿勢が大切でしょう。
参照:日本小児内分泌学会「SGA性低身長症におけるGH治療のガイドライン」
参照:Pediatrics
未熟児と身長治療について
未熟児で生まれたお子さんの身長治療には、保険診療と自費診療の2つの道があります。
診断や年齢、SD値によって対象となる治療が異なるため、それぞれの違いを把握しておくと選択肢を整理しやすいです。
ここでは、未熟児に関連する身長治療の枠組みを順に紹介します。
SGA性低身長症の場合
SGA性低身長症と診断されたお子さんは、保険診療による成長ホルモン治療の対象となるケースがあります。
それは、国が定めた疾患基準を満たすことで、医療費の自己負担が大幅に軽減されるからです。
具体的なSGA性低身長症の診断基準と保険適用の条件は次の通りです。
- 出生時に体重と身長がともに在胎週数相当の10パーセンタイル未満で、かつ出生体重または出生身長のどちらかが在胎週数相当の-2SD未満であること
- 暦年齢2歳までに、身長SDSが-2SD以上に追いつかなかったこと
- 暦年齢が3歳以上に達していること
- 現在の身長が-2.5SD未満であること
- 治療開始前1年間の成長率SDSが0SD未満(自然な追いつき成長が見られない状態)であること
これらをすべて満たし、他の低身長の原因(成長ホルモン分泌不全症、ターナー症候群、特定の骨系統疾患など)が否定されている場合に治療開始が検討されます。
なお、SGA性低身長症の保険診療は小児科や小児内分泌科で対応する領域であり、東京神田整形外科クリニックでは対象外となっているため、まずは小児内分泌の専門医にご相談いただくのが基本になります。
参照:日本小児内分泌学会「SGA性低身長症におけるGH治療のガイドライン」
標準身長の範囲内になったが身長が低い場合(身長先生式成長ホルモン治療®︎)
追いつき成長によって病的な低身長(-2SD未満)は脱したものの、「平均よりは低い」「もう少し伸ばしてあげたい」と感じる保護者の方も少なくないでしょう。

当院ではこうした体質性(特発性)低身長のお子さんを対象に、自費診療で身長先生式成長ホルモン治療®︎をご提案しています。
身長先生式成長ホルモン治療®︎は、医学的に「特発性低身長(ISS:Idiopathic Short Stature)」と呼ばれる、特定の病気は見つからないものの身長が低い体質性のお子さんが対象となるです。
治療の目的は、従来の医療が「病気を治すための医療」に主眼を置いていたのに対し、身長を伸ばすことで本人の自信や将来の選択肢を広げる「より良く生きるための医療」として位置づけているところにあります。

47,226人を対象とした長期研究データ(NCGS)では、治療1年目で平均0.7SDの改善が認められ、これは171cm相当の身長が約4cmアップして175cm相当になる計算でしょう。
2年間の継続で約1.0SD(約7cm相当)、3年間で約9cm相当の改善が期待でき、4年目以降は改善ペースが徐々に落ちるものの、7年目でも年間0.1SD程度の改善効果が持続することが確認されています。
安全性についても、約4.7万人の長期データから死亡率や悪性腫瘍の発症、自殺、てんかん発作、糖尿病の発症率などを調査した結果、一般人口と比較してISS集団での発生率が有意に高いという事実は認められませんでした。

当院では単に成長ホルモンを投与するだけではなく、身長先生の身長診断®︎による将来予測や、栄養(タンパク質・亜鉛・ビタミンDなど)・睡眠・運動の個別指導を組み合わせた多角的なアプローチをおこなっています。
未熟児で生まれたお子さんが身長治療を受けた症例
個別の症例については、初回の身長先生の身長診断®︎で詳しくご説明しているため、ご興味のある方はぜひお問い合わせください。
未熟児で生まれた子どもの身長を伸ばすための生活習慣

未熟児で生まれたお子さんに限らず、身長を最大限に伸ばすためには日々の生活習慣が大きな鍵を握ります。
特に栄養・睡眠・運動の3つは、成長ホルモンの分泌や骨の発達に直結する基本要素です。
ここでは、それぞれの具体的な実践方法をお伝えします。
バランスのとれた食生活を心がける
身長を伸ばす土台になるのは、何よりもバランスのとれた食生活です。
現代の子どもたちはカロリーは足りていても、身長に必要な特定の栄養素が不足する「新型栄養失調」の状態にあるとされ、量よりも中身の質を見直すことが大切でしょう。
当院のYouTube動画でも解説している通り、身長を伸ばすために特に重要な栄養素は次の5つです。

- タンパク質:世界105か国のデータ比較で、タンパク質摂取量と身長には正の相関が認められています。日本でも戦後から現在にかけてタンパク質摂取量が約2倍になり、平均身長が大幅に改善されました
- カルシウム:骨の形成と成長を支える基礎的な栄養素で、牛乳や乳製品、小魚などが代表的な摂取源となります
- 亜鉛:成長に不可欠なミネラルで、肉類や魚介類、卵などに多く含まれています
- ビタミンD:欠乏の有無で身長の伸び率が約7.5%変わるというデータが報告されており、特に日光に当たる機会が減る寒い時期には意識して摂取したい栄養素です
- マグネシウム:骨の構造を支える重要なミネラルで、ナッツ類や海藻類、玄米などから摂取できます
実践面では、一日3杯の牛乳と一日2個の卵を一つの目安にすると、動物性タンパク質を気軽に確保しやすくなります。
タンパク質は一度に吸収できる量に限りがあるため、朝・昼・晩の3食に分けて摂取するのが理想とされるところです。
具体的な献立例としては、朝食に卵焼きと牛乳とご飯、昼食に鶏むね肉のソテーと野菜のおひたし、夕食に鮭の塩焼きと味噌汁とご飯、おやつにヨーグルトと小魚スナックを加えるといった組み合わせが、未熟児で生まれたお子さんの身長を伸ばす日々の食事として取り入れやすいかもしれません。
また、ビタミンDは食品からだけでなく日光を浴びることでも体内で合成されるため、1日15〜30分程度の外遊びを習慣にしておくと、栄養面と運動面の両方を同時に満たせるでしょう。
なお、肥満になると思春期が早く来る(早熟)傾向が強まり、結果として身長が伸びる期間が短くなってしまうため、カロリーの摂りすぎにも注意が必要です。
逆に思春期に入って年間10〜15cm伸びる時期はエネルギー消費量が大きくなるため、痩せすぎにも気をつけたいです。
睡眠時間を確保する
質の高い十分な睡眠は、身長の伸びに直結する重要な習慣です。
なぜなら、成長ホルモンの分泌は入眠直後から上昇し、特にノンレム睡眠中に現れる「徐波(slow waves)」の活動と密接に関連していることがわかっているからです。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023(こども版)」では、年齢別の推奨睡眠時間として次の目安が示されています。
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年齢 |
推奨睡眠時間 |
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1〜2歳児 |
11〜14時間 |
|
3〜5歳児 |
10〜13時間 |
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小学生 |
9〜12時間 |
|
中学・高校生 |
8〜10時間 |
睡眠不足や睡眠の質の悪化は内分泌系の調整を乱し、結果として体の成長を損なう可能性があります。
寝る前のスマートフォンやタブレットからのブルーライトを避け、寝室の照明を暖色系に切り替える、就寝1時間前にはぬるめの入浴を済ませておくといった工夫も効果的かもしれません。
「夜ふかしは身長の伸びを削る」と意識するだけでも、家庭での睡眠習慣は大きく変わってくるでしょう。
実践のポイントとしては、就寝時刻と起床時刻を平日も休日もできるだけ同じに揃え、生活リズムを一定に保つことが基本になります。
寝室の温度は夏なら25〜27度、冬なら18〜20度を目安にし、湿度は50〜60%に保つと深い睡眠につながりやすいでしょう。
夕食は就寝の2〜3時間前までに済ませる、入浴は就寝1〜2時間前にぬるめのお湯で済ませるなど、副交感神経が優位になるよう生活全体を整えると、自然と眠りに入りやすくなるかもしれません。
参照:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
参照:J Pediatr
適度な運動を取り入れる
適度な運動を取り入れることも、身長の伸びを後押しする大切な要素になります。
幼児を対象とした研究では、中〜高強度の運動量や日常の活動量が、1年後のBMIおよび除脂肪体重(筋肉や骨など脂肪以外の体組織)の増加を有意に予測することが示されています。
3〜5歳の健康な幼児111名を1年間追跡した研究によると、活発な運動は正常な物理的成熟と筋骨格系の発達を促進する一方で、睡眠時間が不足するほど体脂肪が増加しやすいという結果も報告されています。
家庭で取り入れやすい運動としては、縄跳びやジャンプ、軽いランニングなど骨に縦方向の刺激を与える種目がおすすめです。
ただし、運動量を急激に増やすと膝や踵の成長痛を誘発するケースもあるため、無理のない範囲で楽しく続けられる種目を選ぶのが望ましいでしょう。
幼児期から学童期にかけては、外遊びを通じて自然に走る・跳ぶ・投げる動作を積み重ねることが、骨と筋肉の発達に大きく寄与します。
中学生以上であれば、バスケットボールやバレーボール、陸上競技(短距離走や走り高跳び)など、ジャンプや瞬発的なダッシュを伴う競技を週に2〜3回継続できると理想的かもしれません。
逆に過度な長時間運動や食事制限を伴うトレーニングは、エネルギー不足を招き、結果として身長の伸びを抑制する要因になることが指摘されているため注意が必要でしょう。
参照:Obesity
未熟児と身長に関するよくある質問

未熟児で生まれたお子さんの身長について、保護者の方から特に多くいただく質問をまとめました。
「うちの子は将来どのくらい伸びるのか」「未熟児だった子は他の病気のリスクは高くなるのか」「障害が出る確率はどのくらいか」など、不安を感じやすいポイントを取り上げています。
ここでは医学的な根拠に基づいて、できるだけ分かりやすくお答えしていきます。
未熟児で産まれるとあまり身長は伸びないですか?
必ずしもそうではありません。
AGA早産児(在胎週数に対して標準的な体格で生まれた早産児)であれば、成人後の身長は正期産児とほぼ同等になることが研究で示されています。
SGA児(在胎週数のわりに小さく生まれた児)の場合でも、少なくとも90%は小児期に正常範囲(-2SD以上)まで追いつき成長を示すとされ、2歳までに約85〜90%のお子さんが標準身長範囲に到達するのが一般的なです。
つまり、未熟児で生まれたとしても多くのお子さんは標準的な身長まで伸びる可能性が十分にあります。
ただし2歳を過ぎても追いつかなかった場合は「SGA性低身長症」の診断が検討されるため、定期的な成長記録と専門医への相談をおこなうのが望ましいでしょう。
逆に、追いつき成長によって標準範囲には入ったものの、平均よりやや低めで推移しているお子さんも一定数いらっしゃいます。
その場合は病的低身長ではないため保険診療の対象にはなりませんが、自費診療でアプローチする選択肢が残されています。
参照:日本小児内分泌学会「SGA性低身長症におけるGH治療のガイドライン」
未熟児だった人の特徴は?
低出生体重児(出生体重2,500g未満)で生まれた人は、将来的に生活習慣病のリスクがやや高くなる可能性が指摘されています。
これは、DOHaD(Developmental Origins of Health and Disease:胎児プログラミング)と呼ばれる学説で、胎児期から生後早期の栄養不足や環境ストレスが、成人期の慢性疾患の発症リスクに影響を与えるという考え方です。
国立成育医療研究センターの報告によると、具体的なリスクとしては次のような疾患が挙げられます。
- 冠動脈心疾患(虚血性心疾患、心筋梗塞など)や高血圧症
- 2型糖尿病
- 慢性腎臓病
- 自閉症、うつ病、知的障害などのメンタルヘルス領域の疾患
- 喘息など
幼少期から栄養バランスのとれた食事と適度な運動習慣を意識しておくことで、将来のリスクを下げる効果が期待できるはずです。
過度に心配する必要はないものの、家族全体で健康的な生活習慣を築いていく姿勢が大切になるでしょう。
参照:国立成育医療研究センター「低出生体重による成人期生活習慣病を含めた疾病負担に関する研究」
未熟児だと障害がある確率も高いですか?
出生体重が極端に少ない極低出生体重児(1,500g未満)や超低出生体重児(1,000g未満)では、神経発達や視覚・聴覚に影響が出るリスクが正期産児よりも高いとされています。
ただし、近年は新生児医療の進歩により予後が大きく改善してきました。
具体的なリスクとしては、Arpinoらの2010年のレビューで以下の数値が報告されています。
- 脳性麻痺の発生率:在胎22〜27週で約14%、在胎28〜31週で約6%、在胎32〜36週では1%未満
- 認知障害(IQ70未満):出生体重750g以下で約46%、超低出生体重児で5〜21%、極低出生体重児で10%未満
- 視覚障害:早産児における斜視の発生率が12〜20%
- 聴覚障害:極低出生体重児で発生率が高く、低酸素症や高ビリルビン血症などがリスク因子
これらはあくまで集団としての数値であり、個々のお子さんの発達状況は一律に決まるものではありません。
気になる症状や発達の遅れがある場合は、かかりつけの小児科や発達外来の医師と相談しながら、修正月齢を踏まえて見守っていくことが大切です。
まとめ
未熟児で生まれたお子さんの身長について、ここまでの解説をまとめます。
- AGA早産児は成人後の身長が正期産児とほぼ同等になり、SGA児の約9割も小児期に正常範囲まで追いつき成長を示す
- 追いつき成長は通常2歳までに完了し、超早産児や超低出生体重児では4歳ごろまで続くケースもある
- 2歳までに追いつかず「SGA性低身長症」と診断された場合は、3歳以降に保険診療の成長ホルモン治療が検討される
- 病的低身長は脱したものの平均より低いお子さんには、自費診療の身長先生式成長ホルモン治療®︎という選択肢がある
- 身長を伸ばすには栄養(タンパク質・カルシウム・亜鉛・ビタミンD・マグネシウム)、睡眠(年齢別の推奨時間を確保)、運動(中〜高強度の活発な運動)の3つが基本
未熟児で生まれたという背景は、決して将来の身長をあきらめる理由にはなりません。
修正月齢を用いて焦らず発育を見守りながら、必要に応じて専門医のサポートを受けることが、お子さんの可能性を最大限に引き出す近道になるはずです。
「うちの子はどのくらい身長が伸びるのか客観的に知りたい」「平均より低めだけど何か対策はないか」と感じている方は、ぜひ当院の身長先生の身長診断®︎をご検討ください。
採血と成長記録から将来の予測身長を算出し、栄養・睡眠・運動の個別指導まで含めて一人ひとりの成長をサポートしています。
未熟児で生まれたお子さんの場合、まずは2歳までの追いつき成長の状況をしっかり記録し、必要に応じて小児内分泌の専門医による評価を受けるのが第一歩です。
正しい知識をもとに、焦らず、しかし可能性をあきらめずにお子さんの成長と向き合っていくことが、未来の身長を最大限に引き出すための大切な姿勢でしょう。
「身長を伸ばしたいけど、東京まで通うのは難しい…」
大阪・名古屋などにお住まいの方でも、身長先生式成長ホルモン治療を受けられるようになりました。
遠方で治療を諦めていた方も、無理なく通院いただけますので、まずはお気軽にご相談ください。
監修者

院長 (全日出勤)
田邊 雄 (たなべ ゆう)
経歴
2011年 金沢医科大学卒業
2018年 日本整形外科学会認定整形外科専門医取得
2018年 順天堂大学博士号取得
2020年 東京神田整形外科クリニック開業

再生医療リードドクター (毎週月曜日、第1・3・5土曜日勤務)
横田 直正 (よこた なおまさ)
経歴
平成11年3月 国立浜松医科大学医学部卒業
平成11年4月~平成18年12月 東京大学医学部整形外科在籍
平成11年5月~平成11年12月 東京大学医学部付属病院整形外科
平成12年1月~平成12年6月 東京逓信病院麻酔科
平成12年7月~平成13年6月 三楽病院整形外科
平成13年7月~平成14年12月 都立広尾病院整形外科
平成15年1月~平成16年6月 東芝林間病院整形外科
平成16年7月~平成17年9月 多摩北部医療センター整形外科
平成17年10月~平成18年9月 都立墨東病院リウマチ膠原病科
平成18年10月~平成19年12月 東京逓信病院整形外科
平成19年7月~平成27年2月 太秦病院整形外科リウマチ科
平成27年3月~平成29年3月 富士見病院整形外科
平成28年6月~平成29年3月 東京ひざ関節症クリニック銀座(院長)
平成29年4月~令和3年4月 東京ひざ関節症クリニック新宿(院長)
令和3年5月~ 総合クリニックドクターランド、新山手病院など


