四十肩と五十肩は何が違う?原因や症状と間違いやすい4つの疾患!
四十肩と五十肩の違いが分からず、「この痛みはどっちなんだろう?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。特に40代、50代に差し掛かって急に肩の痛みが気になった際に「四十肩と五十肩は何が違うの?どう対策すればいいんだろう…。」と不安に思う方も少なくありません。
実は、四十肩と五十肩という呼び名の違いには理由があるのです。対策を立てるには、まず敵が何かを知ることからということで、四十肩と五十肩を理解しましょう。そして、早期に正しい知識を身につけ、似た痛みを感じる疾患を把握することが重要です。
この記事では、四十肩と五十肩の違いを解説し、原因や症状、間違いやすい肩まわりの怪我や疾患や鑑別方法についてもご紹介します。四十肩や五十肩を理解する上でのポイントを押さえていきましょう。
目次
四十肩と五十肩の違いとは?
四十肩や五十肩は日常的にも使われる単語ですが、実際にはどのような違いがあるのでしょうか?
ここでは、異なる呼び方になる理由、誤解されがちな肩の角度との関係、そしてこれらが医学的にはどう捉えられているかについて解説します。
年齢と呼び名の違い
四十肩と五十肩は、年齢による呼び名の違いがあるだけで、実際には同じ症状です。
40代で症状が現れる場合は「四十肩」と呼ばれ、50代で現れる場合は「五十肩」と呼ばれますが、症状や病態に違いはありません。
肩の痛みや動かしにくさが突然現れ、肩周りの筋肉や関節が炎症を起こすことが主な特徴。
症状自体には年齢による大きな違いはありませんが、年齢が上がるほど発症リスクが高まる傾向があるとされています。
肩の角度は無関係
四十肩や五十肩の症状でよくある誤解の一つに、「肩の動かし方や角度が原因」というものがあります。
具体的には、関節の可動角度が40°や50°しか動かない、という誤解です。
しかし、実際には肩の角度が直接的な原因となることはありません。
むしろ、肩周辺の筋肉や関節にかかる過度な負担や、加齢による組織の劣化が主な要因です。
動かしにくさや痛みによる可動範囲の制限は、あくまで結果であり、根本的な原因ではないという点を理解することが大切です。
四十肩も五十肩も診断名ではない
意外に知られていない事実として、四十肩や五十肩という言葉は、正式な医療用語ではありません。
医師が使う診断名としては「肩関節周囲炎」が該当します。
四十肩や五十肩は、日常的に使われる通称であり、肩関節周辺に起こる炎症や筋肉の硬化などをまとめて表現している言葉として認識しておきましょう。
四十肩や五十肩の主な原因は?
四十肩や五十肩は、特定の要因だけではなく、さまざまな要素が絡み合って発症することが多いとされています。
ここでは、四十肩や五十肩の主な原因について詳しく説明します。
加齢による組織の劣化
四十肩や五十肩の最も一般的な原因の一つは、加齢による組織の劣化です。
年齢を重ねるにつれて筋肉や腱、関節が消耗し、肩周りの組織に炎症が起こりやすくなります。
特に、40代や50代に差し掛かると、こうした劣化が顕著になり、肩関節の可動域が狭まることがあります。
また、回復力も低下するため、一度痛みが発生すると治るまでに時間がかかることも少なくありません。
過度な負荷や使いすぎ
肩に過度な負担をかけることも、四十肩や五十肩の原因となります。
たとえば、日常生活で重い荷物を持ち続けたり、長時間同じ姿勢で作業をすることで、肩の筋肉や腱が過度に使われ、慢性的な炎症や損傷につながる可能性があります。
特に、姿勢が悪い状態での作業やスポーツは肩に負担がかかりやすく、痛みを引き起こすリスクを高めてしまうでしょう。
姿勢や生活習慣の影響
日常生活における姿勢の悪さや生活習慣も、四十肩や五十肩の発症リスクを高める要因です。
デスクワークでの猫背や長時間のスマホ操作など、肩や首に負担をかける姿勢が続くと、肩の筋肉や腱に負荷がかかり続け、痛みが出やすくなります。
また、運動不足によって特定の肩の筋肉が弱まると、肩周辺の関節にかかる負荷が大きくなり、四十肩や五十肩の発症リスクの増加の恐れもあります。
ストレスやホルモンバランスの乱れ
ストレスやホルモンバランスの乱れも、肩の痛みを引き起こす要因となることがあります。
特に、ストレスが溜まると体の緊張が高まり、肩周りの筋肉が硬直しやすくなるかもしれません。
また女性の場合、エストロゲンの減少など、更年期によるホルモンバランスの変化が四十肩や五十肩を引き起こす一因となることもあります。
四十肩と五十肩の症状は?
四十肩や五十肩の主な症状は、肩の痛みと可動域の制限です。
日常生活に大きな影響を及ぼすこれらの症状には、適切な対処が必要です。
ここでは、具体的な症状について詳しく解説します。
痛み
四十肩や五十肩の最も一般的な症状は、肩に感じる痛みです。
初期段階では、腕を上げたり、背中に手を回したりする際に痛みを感じることが多く、次第にその痛みが強まっていきます。
特に、夜間や寒い時期に痛みが悪化することも少なくありません。
痛みの程度は個人差があり、軽度な違和感から激しい痛みまで幅広く、生活の質を低下させる原因となります。
可動域の制限
四十肩や五十肩では、肩の可動域が制限されることが特徴的。
腕を上げる、横に広げる、背中に手を回すといった基本的な動作がしづらくなり、日常生活に支障をきたします。
特に、着替えや髪を洗うといった日常的な動作が難しくなることが多いでしょう。
痛みが続くことで無意識に肩を動かさないようにし、その結果、さらに可動域が狭くなる「悪循環」に陥ることもあるかもしれません。
日常生活への影響
四十肩や五十肩の症状が進行すると、日常生活のあらゆる場面に支障が出るようになります。
例えば、車の運転や重い物を持つ動作、家事全般など、肩を使う動きが制限されるため、生活の質が大きく低下します。
また、痛みが強くなることで睡眠に影響が出たり、精神的なストレスが増したりすることもあるでしょう。
四十肩や五十肩に間違いやすい疾患や怪我は?
四十肩や五十肩の症状は他の肩の疾患や怪我と似ているため、誤解されることがよくあります。
ここでは、間違えやすい代表的な疾患について解説します。
腱板損傷
肩のインナーマッスルの総称として知られる「腱板」が損傷することで、肩に痛みや動かしづらさを感じる疾患です。
四十肩や五十肩と同様に、腕を上げる動作が難しくなりますが、
腱板損傷では外傷が原因となることが多く、痛みの発生タイミングも異なります。
石灰沈着性腱板炎
肩の腱にカルシウムが沈着して炎症を引き起こす病気です。
四十肩や五十肩と混同されやすいですが、石灰沈着性腱板炎は急激な痛みが特徴で、しばしば夜間に強い痛みが現れることが多いとされています。
上腕二頭筋長頭腱炎
肩から肘にかけて伸び、力こぶの筋肉として知られる上腕二頭筋の腱が炎症を起こす疾患です。
四十肩や五十肩と似た痛みを感じますが、上腕にかけて痛みが広がることが特徴。
動作に伴う痛みが増強するため、早期の治療が重要です。
変形性肩関節症
肩の軟骨がすり減ることで発症する変形性肩関節症は、肩の痛みと可動域の制限を引き起こします。
四十肩や五十肩と似ていますが、痛みが徐々に進行し、慢性的な痛みが続くことが特徴です。
まとめ:四十肩や五十肩かな?と思ったら
この記事では、四十肩と五十肩の違いや原因、症状、間違いやすい疾患について解説しました。
四十肩や五十肩の違いは年齢や症状だけでなく、原因にもさまざまな要素が絡んでいます。
また、四十肩や五十肩には似たような疾患も多いため、医師による診断が必要です。
肩の痛みを感じたら、整形外科を受診して早期の改善を目指しましょう。
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