肩の石灰化になりやすい食べ物はなに?石灰を溶かす食べ物も
・病院で「肩の石灰化ですね」と言われた
・石灰化になったのは食べ物にも原因があったのではないかと悩んでいる
・石灰化の原因や治し方をきちんと知っていたら回避できたかもしれないと後悔している
・石灰化になりやすい食べ物を同僚やパートナーにも教えてあげたい
・石灰化になりやすい食べ物はあるなら、石灰を溶かす食べ物もあるのでは?と気になっている
今回はそんな肩の石灰化になりやすい食べ物をご紹介し、この石灰化がどの様な原因で起こるのか。
実際に石灰化になった時の治し方や、どれくらいの期間で治るのか?
また石灰化を溶かしてくれる食べ物があるのかについてお話しいたします。
- 肩の石灰化になりやすい食べ物はこれだ!
- 肩の石灰とは何か?
・正式には石灰沈着性腱板炎
・石灰化の原因はコーヒー?
・石灰化の治し方は?
・石灰化はどれくらいで治る? - 肩の石灰を溶かす食べ物はある?
- 肩の石灰化になりやすい食べ物のまとめ
肩の石灰化になりやすい食べ物はこれだ!
肩の石灰化になりやすい食べ物をご紹介します!
それは、リンを多く含む食べ物と考えられます!
リンを多く含む代表的な食べ物はこちらです。
・桜えび素干し 1200mg
・するめ 1100mg
・いくら530mg
・アーモンド 460mg
・しらす干し470mg
*100gあたりのリン含有量
引用:日本食品含有量成分表2015
こう見ると、お酒のアテになるような味の濃い物がリンを多く含んでいる事がわかります。
意外なところですと、
・玄米、ライ麦パン 130mg
・ヨーグルト 100mg
などの一見健康食でよく食べられるものや、
・チョコレート、ケーキなどの洋菓子 240mg
・ポップコーン 290mg
など、おやつのようなものにも多いと言われています。
また1日のリンの摂取推奨量は
・成人男性1000mg
・成人女性800mg
・糖尿病患者800mg以下
とされています。
ですから、するめや、桜エビ素干しは100g食べただけで1日のリンの摂取推奨量を超過するわけです。
ではそもそも、肩の石灰とはなんなのか。
なぜリンを多くとることで、石灰化が起こりやすいと考えられるのかについてご説明いたします。
肩の石灰とは何か?
そもそも肩の石灰とはなんなのか。
それはこちらのブログでもご紹介していますので併せてご覧ください。
>>五十肩の石灰化その症状とは?医療知識ゼロでもわかる簡単解説!
その正体は’リン酸カルシウム’です。
このリン酸カルシウムが肩に沈着することで起こります。
さらに詳しくお話しいたします。
正式には石灰沈着性腱板炎
この肩にリン酸カルシウムが沈着して起こる石灰化ですが、一般的に五十肩と言われるものの症状の一つで、正式には石灰沈着性腱板炎と呼ばれています。
この石灰沈着性腱板炎(肩の石灰化)が発生する原因を1つご紹介します。
1.リンを過剰に摂取する
2.リンの作用でカルシウムを体に吸収しにくくなる
3.カルシウム、リンは血中→尿として排出される
4.排出されなかったリン、カルシウムが少しずつ関節(今回ならば肩)に溜まる
5.肩の石灰化になる
大まかにはこのようなプロセスで、年齢は50歳前後に発症します。
ですので、リンを過剰に摂取した場合は、血中に排出されるリン酸カルシウム量が増え、肩に石灰が溜まりやすくなるのではないかと考えられます。
また、ネットで調べていると、石灰沈着性腱板炎の原因はコーヒーではないかと言われる内容が散見されますのでこちらのご説明もしていきます。
石灰沈着性腱板炎の原因はコーヒー?
石灰沈着性腱板炎の原因はコーヒーではないか。
そのような内容で検索される方が非常に多いそうなので、ズバリお答えいたします。
コーヒーは場合によって石灰沈着性腱板炎の原因になる可能性があります。
はっきりお答えできないのには理由があります。
リンの多い飲み物はこちらです。
・牛乳 93mg
・豆乳 88mg
・ビール 53mg
・コーラ 39mg
・缶コーヒー 36mg
・缶ジュース 35mg
〜
・コーヒー14mg
*100gあたりのリン含有量
引用:日本食品含有量成分表2015
このように見てみると上位6つはリンの多い飲み物と言えますが、この中で、缶コーヒーと、コーヒーが別々に表記されており、缶コーヒーがリンが多いとされています。
これは、缶コーヒーには基本的にリンの多い牛乳が含まれているものとして、計測されているためであると考えられます。
また、缶コーヒーの保存料やコーヒー自体の尿を出しやすくなる作用も影響している様です。
通常のブラックコーヒーでは14mgと飲み物の中でも少ない部類になります。
石灰化を気にする場合はミルク入りの缶コーヒーの摂取は注意する必要がありますが、ブラックコーヒーに関しては過剰に注意する必要ははないようです。
では、次はすでに肩に石灰があると言われた方はどうすればいいのかについてご説明いたします。
石灰沈着性腱板炎の治し方は?
ここでは実際に石灰沈着性腱板炎を発症した場合の治し方についてお話ししていきます。
石灰沈着性腱板炎は先にご説明したように、五十肩に含まれますので、その治療も五十肩の治療と大きく変わることはありません。
ですので、肩の痛みが気になる場合はまずは整形外科に行きましょう。
五十肩は以下の3つのフェーズに分かれており、段階によって行うべき対応が異なります。
- 炎症期
- 拘縮期
- 回復期
それぞれ対処法を紹介した記事があるのでご参照ください。
・炎症期
>>【ゼロから始める五十肩リハビリ】たった3つの運動で改善【五十肩 初期】
・拘縮期
>>肩や腕が上がらない人向けのストレッチを紹介!五十肩の人は必見!
・回復期
>>肩甲骨はがしのやり方3選!座りながらできて五十肩でもOK!
簡単にリハビリの内容をお伝えします。
炎症期では、安静を主に、治癒力を高める自己管理方法、早期に炎症を終息させるための最小運動を行います。
注射や服薬の適応は非常に高い時期です。
拘縮期では、運動を主に、安静で固まった肩をほぐし、ストレッチして動かします。
注射や服薬の適応はある時期です。
回復期では、拘縮期よりもさらに応用的な運動を主に、トレーニング要素も加えながら機能の再建を目指します。
注射や服薬の適応はやや低い時期です。
次は、これらの3つのフェーズがおおむねどれくらいの時間でよくなるのかをお話しいたします。
石灰沈着性腱板炎はどれくらいで治る?
では石灰沈着性腱板炎はどれくらいで治るのか。
五十肩の治療予後と同様にあくまで目安にはなりますが、
・炎症期=3-4週間程度
・拘縮期=3ヶ月程度
・回復期=2-3ヶ月程度
と、大体半年程度での回復が見込めます。
しかしながら、糖尿病や甲状腺疾患を筆頭に、高血圧、高脂血症などの基礎疾患がある場合は、治療予後を年単位に長引かせる場合があります。
ですので、基礎疾患がない場合は半年程度、基礎疾患がある場合は1年ほどを見ていただくのが一般的です。
これはあくまで機能的に肩を動かせるまでの時期の話ですが、実際に石灰がなくなるまでで考えますと、こちらもやはり年単位でかかる印象です。
しかし、肩の石灰は沈着した段階で、すでに石灰を体に再吸収するサイクルも働いていると言われていますので、一生肩の石灰が残り続けて悩むということはまずありません。
また、炎症期を過ぎている場合は、石灰が悪さしているせいで、肩が動かせないとか、痛みが治らないということもほとんどありません。
ですので、まずは最短で炎症期を乗り切ることが、石灰沈着性腱板炎の治療を時短していくために大事になってきます。
では石灰を発生させやすい食べ物があるならば、石灰を溶かす食べ物もあるのではないかと考えた方も多いのではないでしょうか。
次はこちらのお話をしていきます。
肩の石灰を溶かす食べ物はある?
肩の石灰を溶かす食べ物は厳密にはありません。
ですが、肩の石灰が溜まりにくくなる方法は存在します。
それは、リンの摂取を少なくすることです。
肩の石灰化がリンの高い食べ物の過剰ば摂取で起こるのであれば、リンの低い食べ方や、食材を選定することで、肩の石灰は溜まりにくくなると考えられます。
例えば、一般的にリンの高い食べ物とされるカップ麺などの麺類を摂取する場合は、茹で汁を、一度捨てて、お湯からスープを作ることでリンの摂取を減らすことができます。
同じくハムやソーセージなども湯煎後の方がリンの摂取を減らすことができます。
お米の場合は精米度が高い方が、リンが少ないとされていますので、無洗米を使用することでリンの摂取を減らすことができます。
肉や魚の場合は、内臓を食べないこと、乾物で食べないことで、リンの摂取を減らすことができます。
このように、肩の石灰を溶かす食べ物はありませんが、そもそも石灰化を起こさないようにリンの摂取量を減らすことは、日常の食事の工夫で簡単に行うことができます。
肩の石灰化になりやすい食べ物のまとめ
では肩の石灰化になりやすい食べ物のまとめに移ります。
・肩の石灰化になりやすい食べ物はリンを多く含む食べ物です。
・リンの多い食べ物は、お酒のアテになるようなおつまみ類、飲み物ならば牛乳
・肩に石灰が発生した場合の治療は基本的に五十肩と同じであり、整形外科で治療する
・肩の石灰を溶かす食べ物はないが、調理の工夫で摂取量を減らし、石灰化になりにくくすることは可能である
これらの内容を調理してくれるご家族やパートナーにぜひお伝えして、石灰化にならないように、石灰化にすでになっている方は少しでも早く治るように頑張っていきましょう!
以上肩の石灰化になりにくい食べ物はなに?石灰化を溶かす食べ物もでした!
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執筆者:いしP
資格:理学療法士 ロコモコーディネーター、安眠インストラクター、ストレッチポールアドバンストトレーナー
キャリア:理学療法士14年目、累計治療者数 2万人以上
現在は、月に500人以上の五十肩患者が通う東京神田整形外科クリニックで、主任兼五十肩治療リハビリ責任者
日々の治療を行う傍ら、100本以上のYouTube、ブログを通じて、五十肩の知識を多くの患者さんに届け、五十肩で東京No1になる。をモットーに活躍中!
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