肩の痛みは病気のサイン?要注意な症状と判断基準
「肩の痛み」はよくある症状ですが、実は重大な病気のサインである可能性も無視できません。
突然の激痛や、安静時・夜間でも続く痛み、息苦しさや冷や汗を伴う場合は特に注意が必要です。
放置すると取り返しのつかない事態に陥ることも場合もあるため、肩の痛みを感じたら、その原因や適切な対処法を知ることが重要です。
この記事では、肩の痛みに潜む危険な病気、緊急受診が必要な症状、病院の選び方、医師への効果的な伝え方まで、詳しく解説いたします。
肩の痛みを軽く見ずに、正しい知識を身につけて、健康管理に役立てましょう。
目次
肩の痛みが重大な病気のサインとなる緊急症状
肩の痛みは、様々な原因で引き起こされますが、中には緊急を要する重大な病気のサインである場合もあります。
一刻も早い適切な処置が必要となるケースもあるため、ぜひ覚えておいてください。
即座に受診が必要な危険な症状
特に緊急性の高い症状は以下のとおりです。
- 安静時や夜間にも続く激しい痛み
- 発熱
- 呼吸困難
- 冷や汗
- 意識障害などを伴う肩の痛み
これらの症状が現れた場合は、ためらわずに救急車を呼ぶか、すぐに医療機関を受診しましょう。
特に、胸の痛みや圧迫感とともに左肩に痛みが広がる場合は、心臓にかかわる疾患である可能性もあるため注意してください。
心筋梗塞などの生命に関わる症状
さきほども少し触れましたが、心臓や血管の病気が肩の痛みを引き起こしている場合があります。
ここでは特に注意が必要な、心筋梗塞、大動脈解離、肺塞栓症を紹介致します。
心筋梗塞は、心臓の筋肉に血液が供給されなくなることで起こる危険な病気です。
典型的な症状としては、胸の痛みや圧迫感、息切れ、吐き気などがありますが、これらの症状に加えて、左肩や左腕、背中、顎などに放散する痛みを伴うことがあります。
こうした症状が現れた場合は、一刻を争う事態であるため、直ちに医療機関を受診することが重要です。
また、心筋梗塞以外にも、大動脈解離や肺塞栓症なども生命に関わる危険な病気であり、肩の痛みを伴うことがあります。
- 大動脈解離:大動脈の内膜が裂けることで起こり、突然の激しい胸や背中の痛み、そして肩への放散痛などが特徴。
- 肺塞栓症:肺の動脈が血栓によって詰まることで起こり、息苦しさや胸の痛み、咳、そして場合によっては肩の痛みなども引き起こす。
これらの症状が現れた場合も、心筋梗塞と同様に一刻を争うため、緊急の医療処置が必要です。
肩の痛みから考えられる病気のサインと特徴
肩の痛みは、肩関節周囲の筋肉や腱、靭帯などの問題だけでなく、内臓の病気やその他の疾患が原因で引き起こされる場合もあります。
肩の痛みとともに現れる特定の症状や特徴を理解することで、より適切な医療機関への受診ができるでしょう。
内臓の病気による症状
肩の痛みは、時に内臓の病気のサインとして現れることがあります。
さきほども解説した心筋梗塞、またそのほかにも心臓発作や狭心症などの心疾患で胸の痛みとともに出現することがあるのは、左肩や左腕に放散する痛みです。
胆嚢や肝臓などの疾患では、右肩や右肩甲骨周辺に鈍い痛みを感じることがあります。
さらに、肺炎や気胸といった呼吸器系の疾患が原因となって違和感や痛みが生じるケースもあるのです。
これらの痛みは、内臓からの関連痛として現れるため、肩関節自体には異常がない場合が多いです。
がんの可能性を示す症状
肩の痛みは、がんのサインである場合もあります。
肺がんや膵臓がんなど、胸部や腹部の臓器に発生したがんが進行すると、周辺の神経や骨を圧迫し、肩に痛みを生じさせることがあるためです。
例えば、がんが原因で肩の痛みが現れる場合、持続する咳、血痰、体重減少、食欲不振といった症状を伴うことがあります。
また、まれに骨への転移が原因で肩に痛みが現れるケースも存在します。
がんによる肩の痛みは、鈍い痛みや持続的な痛みとして自覚されることが多いので、注意が必要です。
その他の重大な病気の特徴
肩の痛みは、上記の心臓病、胆嚢疾患、がんなど以外にも、様々な疾患の症状として現れる可能性があります。
例えば、頸椎椎間板ヘルニアなどの神経の圧迫や、帯状疱疹などの感染症、リウマチなどの膠原病が原因となることもあります。
これらの疾患では、肩の痛み以外にも、しびれや麻痺、皮膚の発疹、関節の腫れや痛みなどの特徴的な症状を伴うことがあります。
原因不明の肩の痛みが続く場合や、他の症状を伴う場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な検査を受けることが大切です。
部位別でみる肩の痛みと病気のサイン
肩の痛みは、その部位によって原因となる病気が異なる場合があります。
痛みの発生場所を特定することで、より正確な診断に近づき、適切な治療へと繋がるのです。
ここでは、左肩、右肩、両肩それぞれの痛みに関連する病気について詳しく解説します。
左肩の痛みと関連する病気
左肩の痛みは、心臓や大動脈、肺などに関連する病気が疑われる場合があります。
特に、狭心症や心筋梗塞といった心疾患では、胸の痛みとともに左肩や左腕、背中、顎などに放散する痛みが特徴的です。
緊急性の高い疾患であるため、左肩の痛みと同時に胸の圧迫感や息苦しさ、冷や汗などの症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診するようにしてください。
その他、肺がんや膵臓がんなど、胸部や腹部の臓器に発生したがんが原因で左肩に痛みが現れるケースも考えられます。
右肩の痛みと関連する病気
右肩の痛みは、肝臓や胆嚢といった右上腹部に位置する臓器の疾患が原因となる場合があります。
右肩や右肩甲骨周辺に痛みを生じさせる具体的な疾患は、胆石症や胆嚢炎、肝炎などです。
また、右肺や横隔膜の病気が原因で右肩に痛みが現れるケースもあります。
これらの痛みは、関連痛として現れるため、肩関節自体には異常がない場合が多いです。
両肩の痛みの場合
両肩に痛みが現れる場合は、五十肩や頸椎症、多発性筋炎・皮膚筋炎などの病気が考えられます。
- 五十肩:肩関節周囲の炎症によって肩の動きが制限され、両肩に痛みを生じさせる。
- 頸椎症:頸椎の神経が圧迫されることで両肩や腕にしびれや痛み、だるさなどを引き起こす。
- 多発性筋炎・皮膚筋炎:全身の筋肉に炎症が起こる病気で、両肩や首、腰などの筋肉痛や脱力が特徴。
これらの疾患以外にも、甲状腺機能低下症やリウマチなどの全身性の病気が原因で両肩に痛みが現れるケースもあります。
肩の痛みによる病院受診の判断基準
肩の痛みを感じた際、すぐに病院を受診すべきか、様子を見るべきか、判断に迷うこともあるでしょう。
適切なタイミングで医療機関を受診するために、緊急度の判断基準、診療科の選び方、医師への効果的な伝え方について解説します。
受診の緊急度判断
肩の痛みが突然発生し、激しい痛みや呼吸困難、冷や汗、意識障害などを伴う場合は、緊急性の高い状態です。
迷わず救急車を要請するか、すぐに近くの医療機関を受診しましょう。
また、安静時や夜間にも続く強い痛み、腕が上がらない、肩を動かせないといった症状も、早期の受診が必要です。
一方、比較的軽い痛みで、肩を動かせる範囲に制限がない場合は、数日様子を見て、痛みが続くようであれば医療機関への受診を検討しましょう。
適切な診療科選び
「肩の痛み」はよくある症状ですが、実は重大な病気のサインである可能性も無視できません。
突然の激痛や、安静時・夜間でも続く痛み、息苦しさや冷や汗を伴う場合は特に注意が必要です。
放置すると取り返しのつかない事態に陥ることも場合もあるため、肩の痛みを感じたら、その原因や適切な対処法を知ることが重要です。
この記事では、肩の痛みに潜む危険な病気、緊急受診が必要な症状、病院の選び方、医師への効果的な伝え方まで、詳しく解説いたします。
肩の痛みを軽く見ずに、正しい知識を身につけて、健康管理に役立てましょう。
肩の痛みに対しては、整形外科を受診するのが一般的です。
しかし、内臓疾患が原因で肩に痛みが現れている場合は、内科や循環器内科、消化器内科など、原因となる臓器に対応する診療科を受診する必要があります。
痛みの他に、発熱、咳、腹痛、胸の痛みといった症状がある場合は、まずは内科を受診し、必要に応じて適切な専門科へ紹介状を書いてもらうと良いでしょう。
医師への伝え方
医師に症状を伝える際は、自分の症状を簡潔かつ具体的に説明することが重要です。
特に以下の部分を説明できるといいでしょう。
- いつから痛み始めたのか
- どのような時に痛みが増強するのか
- 痛みの程度や種類(鋭い痛み、鈍い痛み、しびれるような痛みなど)、
- 痛みの部位はどこか
- 他に症状があるか
- 日常生活で困っていることなど
また、服用中の薬や過去の病歴なども伝えるようにしましょう。
医師とのコミュニケーションをスムーズに行うことで、より正確な診断と適切な治療に繋がります。
まとめ
肩の痛みは、様々な原因で引き起こされる症状であり、その中には緊急を要する重大な病気のサインである場合もあります。
肩の痛みを感じた際は、痛みの種類や程度、発症時期、付随する症状などをよく観察し、必要に応じて医療機関への受診を検討しましょう。
特に、激しい痛みや呼吸困難、冷や汗、意識障害といった症状を伴う場合は、一刻を争う事態である可能性もあるため、速やかに医療機関を受診することが重要です。
ご自身の症状を正確に医師に伝えることで、適切な診断と治療を受けることができます。
自己判断せずに、医師をはじめとする専門家のアドバイスを仰ぎ、健康管理に役立ててください。
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