五十肩でやってはいけないこと:痛みを避けるための正しい対処法
今回は五十肩になったら、どのように対処していけばいいのかについて解説していきます。
自己流で動かして悪化するということがないように、一緒に肩の悩みを解決していきましょう!
目次
五十肩とは何か?その症状と原因
「五十肩」というワードは聞きなれている方が多いかもしれません。
五十肩は「肩関節周囲炎」や「凍結肩」と呼ばれることもありほぼ同義語として扱われています。
簡単に説明すると、
何かしらの肩関節内炎症
↓
強い痛みや可動域制限
↓
痛みが軽減
↓
肩関節の拘縮
のような経過をたどります。
基本的には自然緩解する疾患と考えられており、疼痛、可動域制限の順で改善していくまでに
12~42か月程度
を要するといわれています。
一般的に五十肩には3つの時期が存在します。
- 炎症期
- 拘縮期
- 回復期
1.炎症期
夜間の痛みが出ていることが多く、肩がどんどん動かなくなっていく時期。
安静時痛(じっとしている時の痛み)が強い場合もあり。
2.拘縮期
炎症期ほど強い痛みはありませんが、腕の動かない状態が続く時期です。
・特定の姿勢で痛みが出る
・腕を動かした時に痛みが出る
・腕を動かす範囲が狭くなったまま
などの症状が出ます。
3.回復期
痛みが大幅に減り、だんだんと関節が動くようになる時期です。
五十肩でやってはいけないこと(急性期)
では、まずは急性期(炎症期)に特に注意すべき4つの行動について紹介します。
1.痛みがあるのに無理に動かす
2.自己判断でマッサージを受ける
3.痛みがある方の肩を下にして寝る
4.治療をせず放置する
1.痛みがあるのに無理に動かす
痛みの強い時期は、無理をして動かさないほうが良いです。
炎症期に無理に動かすと炎症が余計に増して痛みが治りにくくなります。
2.自己判断でマッサージを受ける
五十肩で特に痛みが強い時期は炎症が起きており、外部から動かすことでそれが刺激となりさらに炎症が悪化してしまう可能性があります。
3.痛みがある方の肩を下にして寝る
五十肩では夜間に痛みが強くなることが少なくありません。
痛みがあるほうの肩を下にして寝てしまうと、肩に負担がかかり症状が悪化する可能性も考えられます。
痛みのないほうを下にして、肩を守ることを意識しておきましょう。
4.治療をせず放置する
五十肩は自然に治ることもありますが、放置するのはよくありません。
長い期間放置すると日常生活が不自由になるばかりでなく、
肩関節の動きをよくする袋(肩峰下滑液包・けんぽうかかつえきほう)や
関節を包む袋(関節包)が癒着してより動きづらくなることが多いです。
夜間に痛みがある時は、就寝時のポジショニングに注意する必要があります。
痛い方の肩の下にクッションを用意し、腕が水平になるようにセットします。
腕のねじれ防止のため、お腹の上にもクッションを用意すると肩への負担が少ないです。
五十肩でやってはいけないこと(慢性期)
1.過度な安静
2.運動療法の具体例
- テーブルサンディング
- ウォールスライド
- 自動介助運動
五十肩でやってはいけないこと(慢性期)にやってはいけないこととしては、
「過度な安静(運動をしない)」になります。
1.過度な安静
痛みが落ち着いてきた回復期では過度の安静は逆効果となり、肩の関節が固く動きが悪くなる危険性があります。
炎症期から徐々に回復していく過程で、肩周りの組織同士がくっついたり、固くなったりします。
回復期には痛みが出ない範囲で積極的に適切な運動をすることが重要です。
2.運動療法の具体例
- テーブルサンディング
- ウォールスライド
- 自動介助運動
下記に運動療法のやり方の一部をお見せします。
痛みのない範囲で行うようにしましょう。
テーブルサンディング
タオル等を机の上に敷き、タオルを前に滑らせます。10回×2セット
↓
ウォールスライド
壁に沿って、タオル等を上に滑らせます。10回×2セット
↓
自動介助運動
両手で前に組み、痛くない方の腕で介助しながら、肩を上げていきます。10回×2セット
↓
五十肩の予防と再発防止のポイント
1.正しい診断の重要性
2.基礎疾患の管理
3.日常生活での工夫
1.正しい診断の重要性
肩が痛いといっても、原因は様々です。
同じように肩が痛くなる病気としては、
- 腱板断裂
- 石灰沈着性腱炎
- 肩峰下滑液包炎
- 上腕二頭筋腱長頭炎
などが挙げられます。
安易に自己判断してしまい、適切な治療を受けられないと痛みがさらに悪化し、
いつまでたっても肩があがらないということになりかねません。
まずはお近くの整形外科を受診し、診てもらう事が重要です。
2.基礎疾患の管理
五十肩の危険因子の筆頭は糖尿病であり、発症率が高くなります。
その他にも、血中脂質高値、代謝・内分泌、血液内科系の関与が考えられます。
また、作業環境要因としてデスクワークも危険因子としてあげられています。
これらの基礎疾患がある方で、
「肩が痛いな」と思う方は重症化する前に早めに整形外科を受診しましょう。
3.日常生活での工夫
上記で述べたように、デスクワークも危険因子として上げられています。
デスクワークの方は特に肩甲骨の動きが悪くなる傾向にあります。
その状態で肩を無理に上げたりすると、肩に負担がかかりやすくなります。
日常生活の中で肩甲骨を回したり、姿勢を意識する事が重要です。
まとめ
今回は五十肩とは何か?について、その症状と原因、注意点について説明していきました。
五十肩には急性期や回復期などの病期が存在し、それぞれの病期でやってはいけないことが違います。
【急性期にやってはいけないこと】
- 痛みがあるのに無理に動かす
- 自己判断でマッサージを受ける
- 痛みがある方の肩を下にして寝る
- 治療をせず放置する
【慢性期にやってはいけないこと】
・過度な安静
回復期ではセルフエクササイズを習慣化することで、五十肩の痛みの改善や運動不足の解消にもつながることが考えられます。
五十肩の痛みは一瞬で取ることは難しいので、焦らず根気強く運動を続けていくことが大切です。
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