【五十肩・四十肩】肩の後ろが痛い!その原因は肩甲下筋!
東京神田整形外科クリニック、理学療法士の加藤駿です。
今回は後部座席のものを取ろうとした時や、肩を後ろに回した時に出る後ろ側の痛みの原因について話していこうと思います。
肩甲下筋について
結論から言うと、肩甲下筋という筋肉が原因で痛みが出ています。
肩甲下筋はローテーターカフと言われるインナーマッスルの1つで、唯一の内旋筋(肩を内側に捻る役割)をする筋肉になります。
この肩甲下筋は肩甲骨から上腕骨に付いています。
肩甲下筋の作用は主に肩の
・内旋
・伸展
・外転
・水平内転
をするような筋肉になります。
筋線維は上部と下部に分かれます。
上部線維は烏口上腕靭帯と、下部線維は間接包と接しています。
さらに前方には上腕二頭筋、後方には滑液包が接しているので、とても滑走性が必要になる筋肉になります。
支配神経は肩甲下神経という神経で、この神経が上と下の2つに分かれます。
そのうちの上肩甲下神経が肩甲下筋、下肩甲下神経が大円筋を支配しています。
肩甲下筋の大きさというのは、他のローテーターカフ3つを合わせた大きさとほぼ等しいと言われています。
筋の面積が大きい分、この肩甲下筋に機能不全が起こると、肩の前側の安定性が低下していって痛みが出てきます。
患者さんの声としては、結帯動作(手を後ろに回す時)だったり、肩を回した時、後部座席の物を取ろうとした時に、三角筋の辺りや肩の後ろに痛みが出てくるという声がかなり多いです。
その原因は肩甲下筋は肩を内旋させる筋肉であり、肩の運動をする際に上手く伸張されないことで痛みが出てきます。
もう1つの原因としては、肩甲下筋が固くなることや、圧迫を受けて痛みが出てくるということになります。
この圧迫が起きている神経はこちらの記事で説明しています。
ということで今回は肩甲下筋のストレッチをしていきます。
セルフチェック
まずはセルフチェックです。
肩の動きやすさや、後ろに行きやすさだったり、結体動作の角度を覚えておきましょう。
写真1
肩甲下筋ストレッチ①
肩を45度ぐらい開いて、脇の下のところを押していきます。
肩甲骨があるとしたら、少し骨に当てるような感じで指をグーッと入れて押圧していきます。
写真2
この状態で広げた腕を後ろ側に引いていきましょう。(写真3・4)
上下で2つの線維があるので、分けながら押圧してストレッチしていきます。
この動作を10秒間行いましょう。
写真3 写真4
肩甲下筋ストレッチ②
ストレッチ2つ目です。
次は肩をできるだけでいいので上げてもらって、腕を下に降ろした状態で先ほどと同じ位置を押圧します。(写真5)
この状態でこの下に下げた腕を上に上げていきます。(写真6)
上げたり下げたりする動作を10秒間行いましょう。
写真5 写真6
このポジションは「2ndポジション」と言います。
セカンドポジションでは下部線維の方が強く働くので、主に下部線維を押圧してストレッチしていきましょう。
セルフチェック
最後にセルフチェックしてみましょう。
少し軽くなっていると思います。
写真7
まとめ
お疲れ様でした。
今回の肩の痛みは多くの方が悩んでいることだと思うので、お仕事の合間にやってみてください。
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