五十肩のステロイド・キシロカイン注射とは?ヒアルロン酸についても!
【五十肩治療で注射】打つ?打たない?【知識編】
東京神田整形外科クリニック、五十肩リハビリ治療責任者・理学療法士主任の石山こと石Pです。
今回は、五十肩治療で注射を打つ?打たない?というテーマについてお話していきます。
五十肩治療で行う注射について
当院で五十肩治療で行う注射は2種類あります。
①ステロイド+キシロカイン注射
②ヒアルロン酸注射
いずれもよく用いられる注射かと思いますが、こちらについて説明をしていきます。
①ステロイド+キシロカイン注射
五十肩の初期は肩の炎症により、痛みがとても強いです。
①ステロイド+キシロカイン注射
こちらには強い抗炎症作用と痛み止め作用があります。
そのため、五十肩の初期治療に重宝されるわけですね。
2011年に日本医師が発表した論文、「夜間痛に伴う一次性肩関節拘縮に対する注射療法の効果(河合ら 肩関節 2011 35巻3号)」こちらによりますと、短期のステロイド+キシロカイン注射療法で、夜間の肩関節痛・可動域の改善が見られたということです。
また、ステロイドというと副作用を思い浮かべる方が多いと思います。
こちらの論文では、ステロイドに対する副作用は特に見られなかったとのことでした。
同じく「肩関節拘縮に対するステロイド治療(永沢 肩関節 2011 35巻3号)」という論文でも、重篤な副作用は見られなかったということでした。
今紹介した2つの論文の共通点は、低用量で短期的に用いるようであればステロイドの副作用は基本的にないという事です。
ステロイド+キシロカイン注射は、そもそも恩恵がとても大きいので、副作用が少ないというのはとても有益な情報だと思います。
②ヒアルロン酸注射
その効果ですが、ステロイドに比べて効果発現がちょっとゆっくりなんです。
ただステロイドと同等の抗炎症作用や痛み止めの効果、関節液を補充して動きを滑らかにしたり、それによって肩の関節内の小さな傷を治す効果があると言われています。
あとは癒着を防止するという効果もあるみたいです。
そのため、ヒアルロン酸注射は初期症状がなくなってから用いられることが多いです。
2002年に日本の医師により発表した「ヒアルロン酸注射による治療期間の短縮効果」という論文では、ヒアルロン酸注射を行った群と行わなかった群の比較で、行った群の方が治療期間が短かったという報告をしています。
比較いたしますと、ステロイド+キシロカイン注射では、五十肩の急性期症状があるうちに短期的に行うのが一般的です。
一方でヒアルロン酸注射では、急性期症状が落ち着いた短期〜中期的に行うのが一般的です。
いずれの注射も肩の痛みや炎症を抑え、肩の回復を後押ししてくれる考えで良いと思います。
リハビリではステロイド+キシロカイン注射を打っている時期、つまり五十肩の急性期になりますが、その時は就寝時の姿勢の指導をメインでさせていただいたり、生活で気をつけるポイントをお伝えして、なるべく運動はしない期間になっています。
ヒアルロン酸注射を打つ頃には少しずつ急性期症状が治まっているため、積極的に運動を開始していく流れになります。
もちろんなかには注射が苦手な方もいます。
こういう方にはせめて初期だけ注射を受けるようにしましょうとか、どうしても嫌な方はリハビリだけという方もなかにはいらっしゃいます。
そういった選択は医師からご説明がありますので、最後は患者さんご自身で選択すると良いと思います。
ですが、特に初期だけは五十肩の痛みをしっかり抑えるため、服薬や注射を使ってなるべく急性期の期間を短くする事が、治療の予後のためにも大事になってきます。
まとめ
本日のまとめです。
注射の効果はかなりあり、副作用のリスクも懸念するほどではないです。
ベストチョイスというのは、リハビリと注射の併用が一番オススメです。
特定の持病をお持ちの方や妊娠中の方など、希望されても注射が行えないケースもありますので、まずは医師の診断を受けましょう。
以上になります。
ご意見・ご質問などお待ちしております。
引き続き、五十肩をしっかり治していきたいという方は、過去のブログも参考にしてみて下さい。
また、五十肩専門YouTubeチャンネルでも詳しく解説しています。
実際にリハビリを受けたい方は、当院にお電話にてリハビリの予約を取って頂けるといいと思います。
その際は、理学療法士の石Pをご指名下さい!
以上、理学療法士の石Pでした!