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五十肩のストレッチはいつからしていいの?理学療法士が根拠に基づき解説!

「五十肩になってしまった!ストレッチはいつからしていいの?」そんな疑問を抱えている方へ!

 

『怖いから五十肩のストレッチはやらないでおこう』

『まだ痛いけど五十肩のストレッチをやってみよう』と独断で過ごした結果、回復までをタイムロスをしているかもしれません。

 

五十肩のストレッチは適切な時期と適切な負荷で行うことが大切です!

 

こんにちは!理学療法士の吉村由基です!

今回は「五十肩のストレッチをいつからしていいのか」について具体的に疑問を解決していきます!

 

目次

 

五十肩のストレッチはいつからしていいの?

 

五十肩のストレッチはいつからしていいのかは、何もしてなくてもズキズキと痛むというのが終わってからです。

具体的には五十肩の症状は 炎症期→拘縮期→回復期と段階をまたいで回復していきます。

 

スムーズに段階をステップアップできる方もいれば、炎症期と拘縮期をいったりきたりとぶり返してしまう人もいます。そんなぶり返すような人には原因があります

 

おそらく、下記で説明する適切な時期からズレての運動が原因でしょう。

 

①五十肩のストレッチを絶対にしてはいけない時期

 

五十肩のストレッチを絶対にしてはいけない時期は、なにもしなくてもズキズキと痛い時期です

 

よくあるのは痛くて夜寝れない。

そんな時は間違いなく炎症期です。

 

炎症があるうちは無理に動かすと悪化させてしまいます!

 

痛みを伴うような動作は徹底的に避け、肩に優しくしてあげてください。

治癒を阻害しないようにしましょう。

 

②五十肩のストレッチを開始していく時期

 

寝ながらであれば痛くない。

ただし、起き上がって同じ動作を行うと痛い。といった時期です。

 

この時は、寝ながらのストレッチを行っていきましょう。

時間が経過し疼痛が増悪しているのは炎症をぶり返しているサインです!直ちにやめて安静にしましょう。

 

③五十肩のストレッチを積極的に行っていく時期

 

五十肩のストレッチを積極的に行っていく時期は、痛くないけど上がらない。ツッパリ感での制限が強いという時です。

痛みがなく、ツッパリ感だけが残っているのは回復期でしょう。

この時は、積極的にストレッチを行い可動域を広げていきましょう!

 

それでは逆に五十肩のストレッチをやりそびれたり、怠るとどうなるかを次で解説していきます!

 

五十肩のストレッチを適切な時期に行わないとどうなる?

 

五十肩のストレッチを適切な時期に行わないと、症状が長期化してしまいます!

 

五十肩のストレッチをするのは五十肩になった直後でも、遅くてもダメなんです。

 

国内の文献で、1)雨宮克也氏によると痙縮期(炎症期)では次第に可動域が制限されていき、この時期に可動域制限を阻止しようと運動をすると痛みを悪化させ症状を長期化すると記載があります。

よって、五十肩のストレッチ開始は必ず炎症が治まってからにしましょう。

 

逆に適切な時期にストレッチをしないとどうなるか。

ラットを使い実験した文献がありましたので簡単に紹介します。

 

2)ラットの上腕骨をスクリューで固定し、肩関節を全く動かないようにした実験です。

 

上腕骨を固定したラットは、8週間後には関節包(関節と関節を繋いでいる組織)が拘縮し回転角度がかなり低下したそうです。

そして、一番驚きだったのは3)動かさなくなった肩関節の細胞を調べてみると軟骨細胞が減少していたとのことでした。

軟骨細胞が減るということは肩の動きが悪くなるということです。

五十肩で動かさなくなった肩でも実験と同様のことが起こりうると言えるでしょう。

肩関節のストレッチをいつからしていいのかを判断するには、まずご自身の状態を把握する事が大事です。

 

次は五十肩のストレッチをいつからしていいのかわかるように、制限動作のパターン別にざっくり分けてみました。

 

参考文献

1)雨宮克也,肩関節周囲炎の病期や機能低下に合わせた運動療法の実施,日本東洋医学系物理療法学会誌第46巻2号​p31-42,2022

2)菅野敦子,佐野博高,​​​​​​井樋 栄二,ラットを用いた実験的肩関節拘縮モデルの確立,医中誌 肩関節(0910-4461)33巻2号 Page531-535(2009.07)

3)菅野敦子,佐野博高,​​​​​​井樋 栄二,​​ラット肩関節不動化モデルにおける表層軟骨細胞層の変化,​​​​J​​-Stage 2010 年 34 巻 3 号 p. 899-902

 

五十肩のストレッチをしないと損する人の特徴3選!

 

五十肩のストレッチをしないと損をする人は、関節の制限や痛みをかばうようにして動かしている人です!

本来の動きをしないで、かばうようにして動かしていると症状の長期化や正しい動きを忘れてしまいます。

この本来でない動きに当てはまるかどうか見比べられるように、3つのパターンに分けて紹介します。

 

  • ①前から手をあげる(屈曲)
  • ②外から手をあげる(外転)
  • ③背中に手をまわす(結帯動作)

 

①前から手をあげる(屈曲)

☑本来の動き         ☑本来ではない動き

五十肩のストレッチはいつからしていいの?理学療法士が根拠に基づき解説!        

 

本来の動きであれば肩関節を基点に、手をあげることができます。

 

しかし、肩関節の可動域が減少すると、体のそり返りや肩をすくめるようにして腕をあげようとします。

 

前から手をあげる動作を代償してしまう人のストレッチを開始していく時期

 

・安静時疼痛やズキズキとした痛みはないが、あげる際に肩関節につまるような感じがある
・前ならえを行った際に、肩の位置(直角90°)まで上がらない

といった段階の方です。

 

ストレッチの開始はまずこれから!

 

■寝ながら前ならえストレッチ

痛くない方の手で、痛い方の腕をもちサポートするようにして前ならえをしていきます。

痛くない範囲で行っていきましょう。

 

五十肩のストレッチはいつからしていいの?理学療法士が根拠に基づき解説!                    

前からあげる動作を代償してしまう人のストレッチを積極的に行っていく時期

 

・つっぱるような感じはあるが、痛みは伴わない
・前から手をあげた際に、肩の高さよりは上がるが頭の横にまで腕が並ばない

といった段階の方です。

 

積極的に肩関節のストレッチを行っていき、可動域をどんどん広げていくといいです!

 

こちらの症状の方にオススメのストレッチはこちら!

>>ローテーターストレッチ

お時間がある人は下記のストレッチを攻略してみてもいいかもしれません。

>>肩や腕が上がらない人向けのストレッチを紹介!五十肩の人は必見

 

②外から手をあげる(外転)

☑本来の動き        ☑本来でない動き

五十肩のストレッチはいつからしていいの?理学療法士が根拠に基づき解説!                               

本来の動きは、肩をすくめることなく肩関節を基点に挙上できるはずです。

 

拘縮や筋力低下を起こすと体を傾けたり、肩をすくめるようにしあげようとします。

 

外から手をあげる動作を代償してしまう人のストレッチを開始していく時期

 

・ズキズキとした痛みはないが、肩や首らへんにつまるような感じがある
・肩と水平の位置に腕が上がらない
・体の横から上げようとしているのに前の方から上がってきてしまう

という段階の方です。

  

ストレッチの開始はまずこれから!

 

■寝ながら羽ばたきストレッチ

横から手をあげていきます。ベットをなぞるようにしてあげていきましょう!

痛みを誘発しない程度で行っていきましょう。

 

五十肩のストレッチはいつからしていいの?理学療法士が根拠に基づき解説!                                       

外から手をあげる動作を代償してしまう人のストレッチを積極的に行っていく時期

 

・肩より上に腕は上がるが、耳にはつかない
・腕を上げた際に脇の下や肩甲骨の下につっぱり感がある

といった段階の方です。

 

こちらの症状の方にオススメのストレッチはこちら!

 

>>脇のびのびストレッチ

>>肩甲骨周りのストレッチ

 

③背中に手をまわす(結帯動作)

  ☑本来の動き             ☑本来でない動き

五十肩のストレッチはいつからしていいの?理学療法士が根拠に基づき解説!

 

本来であれば、肩関節を基点に上腕骨が回旋するようにして手を背中へまわすことができます。

 

肩の可動域が低下すると、肩が前へ突出してしまったり、背中を丸めるようにして手をまわそうとします。

 

背中に手をまわす動作を代償してしまう人のストレッチを開始していく時期

 

・ズキズキとした痛みはないが、肩関節を捻るような動きができない
・つっぱり感が強く、腰に手を当てるの精一杯

といった段階の方です。

 

背中に手をまわす動作は複合運動になりますので、一筋縄ではいかないのです。

 

少しずつ改善させていきましょう。

最初に行うストレッチはやはり寝ながらがいいでしょう。

 

ストレッチの開始はまずこれから!

 

■寝ながらワイパーストレッチ

寝ながら肘を直角にし、ワイパーみたいにして倒したり戻したりしましょう。

内側から外側へと動く範囲を最大限に使いましょう!

 

ゆっくり行っていきます

脇は閉めて行います。脇が開かないようにしましょう!

 

五十肩のストレッチはいつからしていいの?理学療法士が根拠に基づき解説! 

背中に手をまわす動作を代償しています人のストレッチを積極的に開始していく時期

 

・背中に手をまわせるが、肩が前へでてしまう。
・つっぱり感が強くて、骨盤より上にあがらない

 

こちらの症状の方にオススメのストレッチはこちら!

 

>>ストレッチ3選!可動域を改善!

>>特化型肩甲骨はがし

 

以上、代表的な制限パターン3つでした。

自分の制限パターンに当てはめて、五十肩のストレッチを開始していく適切な時期を把握しましょう!

 

五十肩のストレッチをいつからしていいのかまとめ

 

五十肩のストレッチをいつからしていいのかについては、炎症が治ったらが答えです!

 

そして、大事なのは自分が五十肩のどの段階なのか把握することが大切です。

適切な時期に適切な負荷量でストレッチを行えば、回復までのタイムロスを減らせることでしょう。

 

逆に、適切でない時期に適切でない負荷量でストレッチを行えば症状が長期化しますので注意が必要です。

上記の内容を読んでも、ご自身で判断が難しい場合は整形外科を受診しましょう。

特に炎症症状がある方は早めの受診で、炎症を抑えましょう!

 

最後までご覧いただきありがとうございました。

 

以上、吉村由基でした。

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