肩甲骨のストレッチがダイエットになるって本当?理学療法士がその疑問を解決!
簡単にできるダイエットや痩せる方法を知人に聞いたりすると「肩甲骨のストレッチをしたら痩せる」という噂を聞いたことはありませんか?
「肩甲骨のストレッチで痩せるなら...」と、曖昧な知識で肩甲骨のストレッチを行おうとしているそこのあなたへ!
理学療法士の吉村由基です!
今回は「肩甲骨のストレッチで痩せるの?」と半信半疑ながらも、トライしていみようと思っている人の疑問解決と肩甲骨のストレッチで痩せる方法3選を提案していきます!
目次
肩甲骨のストレッチがダイエットになるという噂は本当なのか
肩甲骨のストレッチがダイエットになるという噂は本当なのか解説していきます。
この噂は、決して嘘ではありません!
理由としては2つあります。
①肩甲骨ストレッチと脂肪燃焼には深い関係がある
②見た目での痩せ効果が大きい
それでは詳しく解説していきます。
褐色脂肪細胞との関係性
肩甲骨のストレッチで痩せる理由1つ目は、肩甲骨ストレッチと脂肪燃焼には深い関係性があるためです。
脂肪と聞いて思い浮かべるのは、エネルギーを蓄えるだけで太るものを想像するかと思います。
しかし、褐色脂肪細胞は通常の脂肪とは違います。
褐色脂肪細胞は蓄えたエネルギーを放出させ、熱を発生させます。
褐色細胞についてこんな文献がでています。
参考文献 (Labros Sidossis1.Shingo Kajimura. Brown and beige fat in humans: thermogenic adipocytes that control energy and glucose homeostasis.Published February 2.2015)
ヒトにおける褐色脂肪細胞の存在部位は、肩甲骨の間、首、腋窩などであると記されています。
また、これらの褐色脂肪細胞は交感神経により活性化され、持続することで数そのものが増加するといわれています。
そして、骨格筋を動かすことで褐色脂肪細胞の活性を誘発するとされています。
つまり
①肩甲骨のストレッチで、肩甲骨周辺の筋が動かしやすくなる
②肩甲骨周囲の褐色脂肪細胞を活性化されやすくなる
③褐色脂肪細胞は蓄えたエネルギーを放出し、熱を発生
④脂肪燃焼が促進されるため、痩せる
といった流れになります。
そのため肩甲骨ストレッチによって、脂肪燃焼が起こり痩せる!というわけです。
次は見た目での痩せ効果についてです。
肩甲骨の筋肉が硬い人と柔らかい人では見た目に差がある
肩甲骨のストレッチで痩せる理由2つ目は、見た目での痩せ効果が大きいためです。
質量的に痩せるというより見た目が痩せて見える。という効果の方が実感しやすいかと思います。
下記に肩甲骨の筋肉が硬い人と柔らかい人のイラストを用意しました。
肩甲骨周りの筋肉が硬い例(図1)と肩甲骨周りの筋肉が柔らかい例(図2)です。
図1 図2
肩甲骨周りの筋肉が柔らかい方が痩せているような印象をうけませんか?
肩甲骨周りの筋肉が硬いと肩甲骨が埋もれてしまいます。
その結果、肩甲骨の形がぼやけてしまい太ったように見えることが要因かと思います。
また、肩甲骨が硬い人の特徴として肩が盛り上がりやすいです。
そのためボディーラインがぼやけやすいです。
つまり、肩甲骨を柔らかくすることで肩甲骨を浮かび上がらせ、首元をすっきりすることで痩せて見えるということです。
それでは実際にどんなストレッチをしたらいいのかわからない方へ簡単にまとめてみました!
肩甲骨のストレッチで痩せる方法3選!
痩せる肩甲骨のストレッチを3つ紹介します。
①肩甲骨周りのストレッチ
②肩の盛り上がりを軽減させるストレッチ
③代謝をあげるストレッチ
実際に褐色脂肪細胞が多く分布するところを狙ってストレッチを行っていきます!
①肩甲骨周りのストレッチ
痩せる肩甲骨ストレッチ1つ目が、肩甲骨内側ストレッチです。
このストレッチでは肩甲骨の内側についてる菱形筋を伸ばし、肩甲骨と肩甲骨の間にある褐色脂肪細胞を刺激していきます。
■肩甲骨内側ストレッチ(肩甲骨間)
1.肘を曲げ首の後ろにあてます。(図3)
2.反対側の手で肘をもちぐーーっと体に寄せていきます。(図4)体が回らないように気をつけましょう。
3.痛気持ち良いところで20秒キープ
左右で各3setずつ行いましょう。
肩甲骨が柔らかくなったかどうか評価方法が気になる方はこちら!
②肩の盛り上がりを軽減させるストレッチ
痩せる肩甲骨2つ目が、肩の盛り上がりを軽減させるストレッチです。
こちらは首の後ろから肩にかけてついている僧帽筋の盛り上がりを軽減させてくれます。それに加え、首に存在する褐色脂肪細胞を刺激します。
■肩の盛り上がりを軽減させるストレッチ(頚部)
1.手を伸ばせるとこまで伸ばします。(図5、図7)
2.手を伸ばした方とは対側へ首をまげます。(図6、図8)
3.痛気持ち良いくらいのところで止めます。
4.リラックスした状態で20~30秒キープ
上記のことを角度わけてゆっくり行っていきましょう。各2setずつがオススメです。
③代謝をあげるストレッチ
痩せる肩甲骨ストレッチ3つ目が、代謝をあげるストレッチです。
こちらは肩甲骨周辺についている筋肉を、肩甲骨を動かすことによってストレッチ+骨格筋を動かすことにより代謝促通、燃焼の二つの効果があります。
■代謝をあげるストレッチ(肩甲骨間)
1.肩幅程度の間隔で手をつき、肩甲骨を寄せることを意識し沈みます。(図9)
2.伸ばす時は手のひらをつけたまま、なるべく体を離すように意識します。(図10)
3.5~10回×3set 違和感・痛みを伴わない程度で行います
上記の3選で効率よく褐色脂肪細胞の活性化を狙い、さらに筋肉を柔らかくすることでボディーラインをはっきりさせることができるかと思います。
長期的な効率の良い代謝アップを狙うのであれば、さらに知識を深めていきましょう!
■肩甲骨のストレッチは筋トレの相乗効果になる!
代謝を効率よくあげるにはストレッチ+筋トレでの代謝促進での脂肪燃焼が効果的です!
ストレッチと筋トレについて以下の文献がでています。
参考文献(山口太一,石井好二郎. ストレッチングは健康の保持増進に寄与する Creative Stretching 23 1-8, 2012-12)
山口太一氏らによるとウェイトトレーニングのみとウェイトトレーニング+ストレッチを比較するとウェイトトレーニング+ストレッチの組み合わせの方が筋力が向上したと結果とのことでした。
ストレッチは筋トレの相乗効果だけでなく、運動前に行うことで怪我の予防にもなります。
筋トレをする人はストレッチを必ず併用していきましょう!!
■肩甲骨のストレッチまとめ
肩甲骨のストレッチをしたら痩せるという噂は本当で、その理由は2つありました!
①肩甲骨ストレッチと脂肪燃焼に深い関係性がある
②見た目のでの痩せ効果が大きい
肩甲骨周囲には褐色脂肪細胞が存在しており、骨格筋の賦活で活性化されることが分かっています。
また、具体的な肩甲骨ストレッチについては3つ紹介させていただきました。
①肩甲骨周りのストレッチ
②肩の盛り上がりを軽減させるストレッチ
③代謝をあげるストレッチ
肩甲骨ストレッチを行うことで見た目での改善+脂肪燃焼作用の促進で一石二鳥!
肩甲骨ストレッチに加えて、筋トレを併用することでさらに長期的に代謝アップが望めます。
短期、長期ともに嬉しい作用が多く、続けやすいのが最大のメリット!!
・短期:血行改善による肩こり軽減、褐色脂肪細胞の刺激による脂肪燃焼、骨格筋による代謝促通
・長期:怪我の予防、健康維持、代謝向上 ect.
肩甲骨ストレッチでは代謝が活性化されたり、首・肩・背中の怪我の予防、健康維持にも寄与できるため、みなさんもぜひ習慣化していきましょう!!
最後までご覧頂きありがとうございました!
以上、理学療法士の吉村由基でした。