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肩の石灰化はどのくらいで治るの?痛みを和らげるリハビリについて解説

肩の石灰化はどのくらいで治るの?痛みを和らげるリハビリについて解説

「肩の石灰化は治るものなの?」
「石灰化による痛みを和らげるためのリハビリについて知りたい」

 

このような疑問やお悩みをかかえていないでしょうか。
肩の石灰化はほとんどの場合、運動療法や薬物治療などの保存療法で軽快します

 

しかし、強い痛みが再発したり、肩の動きに支障が出たりした場合は手術が必要になることもあるでしょう。

そうならないためにも、本記事では、肩の石灰化で生じる痛みを緩和させるリハビリの種類やストレッチ方法などについて解説します。


肩の痛みや動かしにくさでお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

【目次】

 

肩の石灰化はどのくらいで治るのか?

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あくまで目安にはなりますが、半年程度で回復するでしょう

しかしながら、糖尿病や高血圧などの基礎疾患がある場合は、治療期間が年単位に長引く場合があります。

 

そのため、基礎疾患がない場合は半年程度、基礎疾患がある場合は1年程度みておくといいでしょう。

また、石灰沈着性腱板炎の患者さまの90%程度は、服薬や衝撃波、石灰の穿刺吸引などで改善するため、手術をせずとも治るケースが多いとされています。

 

残りの10%程度の方においては、痛みが慢性化して日常生活に支障をきたすため、手術が必要になる場合があります。

 

肩の石灰化が起こる「石灰沈着性腱板炎」とは?

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石灰沈着性腱板炎とは、肩の腱板(けんばん)内に沈着した「リン酸カルシウム結晶」が原因で生じる急性の炎症のことです。


「腱板」とは、肩を安定させるために必要な筋肉の腱の集まりのことで、そこに炎症が起きると激痛や、腕や肩の動かしにくさなどを感じます。

 

なぜ肩の石灰化が起こるのか?

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石灰沈着性腱板炎の原因は、いまだ明らかになっていません

 

肩関節の使いすぎや外傷が原因になることはなく、糖尿病や甲状腺機能障害など内分泌疾患との関連が指摘されています。

しかし、石灰沈着性腱板炎の患者さまにはそれらの原因が見当たらない場合が多いとされています。

 

遺伝的な要因も指摘されているものの、確かな原因はわかっていません。

 

肩の石灰化でどんな症状が出るのか?

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肩の石灰化による症状は、急性のものと慢性のものに分けられます。

 

急性の症状では、肩の激しい痛みと運動障害が生じる傾向にあります

痛みは夜間に強くなりやすいため、十分に睡眠をとれない場合も多いでしょう。


一方で慢性化している場合の主な症状は、肩関節を動かした際の痛みやひっかかりなどであるとされています。

 

肩の石灰化はどうやって診断するのか?

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ここでは、肩の石灰化の診断方法について解説します。

 

「肩の痛みで整形外科に行った場合、どのような検査をされるのだろう……」と不安な方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

X線検査

X線検査は、​​肩の痛みを訴える患者さんに対して最初におこなわれることが多い検査です。

石灰沈着性腱板炎の症状は、いわゆる五十肩(肩関節周囲炎)の症状とよく似ています。

 

そのためX線(レントゲン)撮影により、腱板部分への石灰沈着の有無を確認することで診断します。

X線(レントゲン)撮影では、上腕骨の上に沈着した石灰が白い影として写ります。

 

慢性期では境界線がはっきりした白い影が写る一方で、急性期では境界が少しぼやけて薄い影として写る点が特徴です。

 

超音波検査

超音波検査は、肩の腱板内における石灰化の位置や大きさを特定できる検査です。

 

レントゲンでは写らない腱板も確認できるため、沈着した石灰を吸引、除去する治療において用いられることもあります。

 

MRI検査

MRI検査は、強い磁石や電波を発する筒状の装置に入ることで、からだの内部情報を画像化する検査です。

 

手術前に石灰の正確な位置を把握したい場合や、腱板断裂や関節唇損傷などの疾患と見分けるためにおこなわれることもあります。

 

肩の石灰化はリハビリで治療できるの?

肩の石灰化はどのくらいで治るの?痛みを和らげるリハビリについて解説

肩の石灰化による痛みや動かしにくさなどの症状に対して、運動療法や温熱療法、生活指導などのリハビリが効果的な場合があります。

 

ここでは、主なリハビリの方法について解説します。

 

運動療法

肩の炎症を抑えるためには安静にすることが重要ですが、肩関節を動かす機会が減ることで、関節自体が固まってしまう恐れがあります。

そのため、関節が固まるのを防いだり筋肉を鍛えたりするために、痛みを避けつつ運動療法をおこないます

 

運動療法の例としては、腕を下に降ろした状態で振り子のようにわずかに振る運動や、首・肩・背中の大きな筋肉である僧帽筋(そうぼうきん)を伸ばすストレッチなどが挙げられます。

具体的なリハビリの方法は個人の肩の状態によって異なるため、理学療法士から直接指導を受けましょう。

 

温熱療法

肩の痛みが軽快してきた際には、入浴やホットパックなどの温熱療法をおこなう場合があります。

 

患部が温まることによって筋肉の緊張緩和や血流改善につながり、肩の痛みや頭痛などを和らげる効果が期待できるでしょう。

 

生活指導

生活指導では、痛みを誘発する日常的な動作を避けるための指導をおこないます。

 

寝る際に痛みが生じにくい姿勢や、注意すべき日常生活での動作を知ることで、肩の痛みを感じにくくなるでしょう。

 

肩の石灰化に有効な治療法は?

肩の石灰化に有効な治療法には、主に次のようなものが挙げられます。

 

  • 非ステロイド性抗炎症薬
  • ステロイド注射
  • 体外衝撃波(ESWT)
  • 関節鏡手術

 

それぞれの治療法について詳しくみていきましょう。

 

非ステロイド性抗炎症薬

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)とは、ステロイド以外で抗炎症作用をもつ薬の総称であり、痛みを軽減するために用いられます。

副作用により胃腸が荒れやすくなる場合があるため、服用の際は医師の指示に従いましょう。

 

ステロイド注射

ステロイド注射は、非ステロイド性抗炎症薬を服用しても痛みが軽減されない場合に検討される治療法です。

ステロイド注射による治療には、痛みがある部分に直接作用するとともに、局所的に作用することでステロイドの全身性の副作用を減らせるメリットがあります。

 

ステロイド注射は、腕を挙げた際に生じる腱と「肩峰(けんぽう)」と呼ばれる骨のこすれによる痛み(肩峰下インピンジメント)の緩和にも用いられることがある治療法です。

 

体外衝撃波(ESWT)

体外衝撃波とは、高出力の音波を石灰化した部分に照射することで、石灰の破砕や痛みの緩和を図る治療法です。

 

石灰沈着性腱板炎に対する保存療法で効果がみられなかった方でも、体外衝撃波の実施によって70%の方に改善がみられたという報告もされています。

 

関節鏡手術

石灰沈着性腱板炎の手術では一般的に、細い管の先にレンズとライトがついた器具である「関節鏡」を用いて、腱板内部に沈着している石灰を直接除去します。

 

石灰を除去しても腱板のこすれが残ると考えられる場合には、腱板周囲の骨や靱帯を切除する場合もあるでしょう。

 

肩の石灰化に関するよくある質問

肩の石灰化はどのくらいで治るの?痛みを和らげるリハビリについて解説

ここでは、肩の石灰化に関する質問と回答を記載します。

 

  • 肩の石灰化は自然治癒しますか?
  • 石灰沈着を予防するにはどうしたらいいですか?

 

肩の石灰化に対する治療や経過に不安を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

肩の石灰化は自然治癒しますか?

肩に石灰が沈着して炎症が起こると、肩の痛みや動かしにくさなどが出現しますが、多くの場合は自然に軽快するとされています。

 

まずは痛み止めの服用やステロイド注射、リハビリなどをおこない、改善しない場合には体外衝撃波や石灰の穿刺吸引などを実施することがあります。

難治性の場合には、石灰を直接除去する手術が検討されるでしょう。

 

石灰沈着を予防するにはどうしたらいいですか?

肩に沈着する石灰の正体は「リン酸カルシウム結晶」であるため、予防するにはリンを多く含む食べ物を控えるとよいでしょう

 

リンを多く含む代表的な食べ物には、次のようなものが挙げられます。

食べ物

100gあたりのリン含有量

桜えび素干し

1200mg

するめ

1100mg

いくら

530mg

アーモンド

460mg

しらす干し

470mg

 

1日のリンの摂取推奨量は次のように定められており、するめや桜エビ素干しは100g食べただけで1日のリンの摂取推奨量を超えてしまうことがわかります。

 

  • 成人男性 1000mg
  • 成人女性 800mg
  • 糖尿病患者 800mg以下

 

「石灰を溶かす食べ物」は厳密にはないため、普段の食生活においてリンの摂取を少なくするように心がけるといいでしょう。

 

肩の石灰化を引き起こしやすい食べ物や飲み物について詳しく知りたい方は、「肩の石灰化になりやすい食べ物はなに?石灰を溶かす食べ物も」をご確認ください。

 

まとめ

肩の石灰化はどのくらいで治るの?痛みを和らげるリハビリについて解説

肩の石灰化は一般的に、ほとんどの場合は自然治癒します
しかし、薬物療法やリハビリなどの保存療法で効果が見られない難治性の場合は、手術が必要になることもあるでしょう。

石灰沈着性腱板炎に対するリハビリには、運動療法や温熱療法、生活指導などが挙げられます。
運動やストレッチによって肩関節が固まってしまうことを防いだり、患部を温めることで痛みを和らげたりする効果などが期待できます。

 

日常生活における、痛みが出にくい動作についてもお伝えできるため、肩の痛みでお困りの方はぜひ一度東京神田整形外科クリニックへご相談下さい。

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