肩甲骨の内側が痛い原因とは?間が痛いのは内臓や神経も関係あり!
「肩甲骨の間が痛い…」
肩こりで悩んでいる人の中には、上記の症状が当てはまる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
猫背などの姿勢が原因で痛みが出やすいため、「姿勢が悪いから痛みが出ている」と思っている方も少なくないかもしれませんね。
しかし、たいしたことはないと放っておいたら、神経や内臓、心臓などに痛みの原因がある場合も…
そこで今回は、肩甲骨の間が痛くなる原因や、内臓・神経といった筋肉以外の痛みについても解説していきます。
それぞれの対処法もご紹介しますので、肩甲骨の間の痛みに悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
【目次】
筋肉の痛みだけじゃない!肩甲骨の間が痛くなる3つの原因
肩甲骨の間が痛む原因は、以下の3つが考えられます。
- 首や背中、肩甲骨周りの筋肉が原因
- 肩甲骨周りの神経が原因
- 内臓による関連痛が原因
筋肉だけでなく、神経や内臓の障害によって肩甲骨の間が痛くなる場合があります。
痛みの原因によって対処法や緊急性は異なり、特に「内臓による関連痛」が原因では、すぐにでも専門医への受診が必要です。
では、なぜ筋肉以外の原因でも肩甲骨の間が痛くなるのか。以下では詳しく説明していきます。
「なぜ筋肉以外の原因でも肩甲骨の間が痛くなるのか?」を画像で解説
筋肉以外の原因でも肩甲骨の間が痛くなる理由は、肩甲骨の間に心臓や内臓、神経が集まっているからです。
では、体の中がどのようになっているのか、画像と合わせて見てみましょう。
引用元:ヒューマン・アナトミー・アトラス2024
表面にある大きい筋肉の先に、背骨(脊椎)や肋骨が肩甲骨に挟まれる形で確認できます。
引用元:ヒューマン・アナトミー・アトラス2024
さらに、背骨の先には心臓や血管、内臓がありますね。どれも肩甲骨の間にあることがわかります。
引用元:ヒューマン・アナトミー・アトラス2024
引用元:ヒューマン・アナトミー・アトラス2024
心臓はもちろん、そこから出ている大きい血管(大動脈)や膵臓、胃などは肩甲骨の間にあるのです。
よって、以下の部位が肩甲骨の間の痛みに関連してきます。
- 首や背中、肩甲骨周りの筋肉
- 肩甲骨周りの神経
- 心臓や膵臓、胃などの内臓
筋肉以外の原因でも肩甲骨の間が痛くなる理由がわかったところで、より詳しく痛みの原因を確認してみましょう。
首や肩甲骨周りの筋肉が原因の場合
肩甲骨の間が痛い場合は、以下の筋肉が痛みの原因になっている可能性があります。
- 首周りにの筋肉由来の痛み
- 肩甲骨周りの筋肉由来の痛み
具体的なストレッチや環境を整える工夫もお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。
首周りに筋肉由来の痛みと対処法
首周りの筋肉が原因で痛みが出ている場合、普段何気なくとっている姿勢や習慣を改善することで、痛みの軽減につながる可能性があります。
頭を前に突き出す姿勢や首を片側へ傾ける動きで筋肉が緊張状態に置かれ、筋肉が硬くなることで痛みが生じてしまうのです。
首周りに位置する筋肉 |
斜角筋、肩甲挙筋、頸板状筋、多裂筋、回旋筋、最長筋 |
※首周りに位置して、肩甲骨の間に痛みを生じさせる筋肉
多くの方に当てはまるのが、首を下に向けて頭を前に突き出した姿勢でしょう。
スマートフォンやタブレットを操作していると、気づかないうちに下を向いていませんか。頭は体の1/10の重さがあり、体重が60kgの方は約6kgの重さがあります。
長時間にわたり首を下に向けて頭が前に突き出た姿勢をとっていると、首周りの筋肉はガチガチに硬くなってしまい、付着している肩甲骨の間に痛みを生じてしまうのです。
そうならないためにも、スマートフォンやタブレットの長時間使用は避けつつ、定期的に首が下を向いている姿勢を整えるようにしましょう。
その他にも、ソファーの肘掛けに頭を預けて寝転ぶ、書類を横に置いて首を回しながらタイピングするなど、何気ない姿勢が首周りの筋肉を痛めてしまう原因になります。
偏った姿勢は首周りの筋肉に過度の負担をかけてしまうため、画像のような良い姿勢をとるようにしてみてください。
夏場で気をつけたいのはエアコンの冷風です。
冷風が当たる場所に長時間いると、首周りの筋肉が緊張して痛みを生じさせることもあります。
首周りの筋肉を痛めないためにも、適正温度を意識しつつ、エアコンの長時間使用は避けるとよいかもしれません。
痛みが慢性化することで肩に継続的な負担がかかり、五十肩に移行することも。そうならないためにも、対策はぜひこちらの動画をご覧ください。
肩甲骨周りの筋肉由来の痛みと対処法
肩甲骨周りの筋肉が原因で痛みが出ている場合は、ストレッチや仕事環境を工夫することで痛みの軽減につながる可能性があります。
なぜなら、長時間にわたり腕を体の前面に伸ばすような作業で緊張状態に置かれ、硬くなることで痛みを生じるからです。
肩甲骨周りに位置する筋肉 |
僧帽筋中部・下部線維、大・小菱形筋、上後鋸筋、棘下筋、広背筋 |
※肩甲骨周りに位置して、肩甲骨の間に痛みを生じさせる筋肉
特に、長時間パソコンを使う、事務作業を行うような方は肩甲骨周りの筋肉が緊張しやすくなります。
また、重いリュックサックを背負ったりハンドバックを肩にかけたりするのも、慢性的な痛みの原因になることも。
筋肉由来の痛みは重大なリスクにはなりづらいですが、当てはまる方も少なくないため、痛みを軽減する対処法を知っておくといいかもしれません。
こちらのブログでは肩甲骨周りのトラブルについて、動画付きで説明していますのでご覧ください。
肩甲骨はがしのやり方3選!座りながらできて五十肩でもOK!(ストレッチの動画あり)
さらに、デスクワーク環境を改善することで痛みの軽減効果を高める可能性があります。
こちらの対策動画では、デスク周りのセッティング方法を紹介していますので、合わせてご覧ください。
テレワーク五十肩を防ぐ! 自宅デスクの正しいセッティング方法
もし動画のエクササイズを実践しても改善しない場合は、整形外科への受診をおすすめします。
肩甲骨周りにある神経が原因の場合
肩甲骨の間が痛い場合は、以下の神経が原因で痛みが生じている可能性があります。
- 肩甲背神経由来の痛み
- 脊髄神経後枝由来の痛み
肩甲背神経由来の痛みと対処法
肩甲背神経は、首周りの筋肉や肩甲骨周りの筋肉(大菱形筋・小菱形筋・肩甲挙筋)を支配しており、肩甲骨の間に痛みを生じる原因になります。
筋肉が過度に緊張したり、猫背のような悪い姿勢をしたりしていると、肩甲背神経が圧迫されて肩甲骨の間に痛みやしびれが生じるからです。
この場合、猫背の矯正や紹介したストレッチを実施して、セルフケアを行うとよいでしょう。
とはいえ、痛みが改善しない場合は整形外科など、専門医に相談することをおすすめします。
脊髄神経後枝由来の痛みと対処法
内臓の関連痛が原因の場合
ここでは、以下の項目ごとに肩甲骨の間に痛みが生じる原因を詳しく解説していきます。
- 心臓や血管の関連痛
- 胃や膵臓の関連痛
心臓や胃、膵臓などの内臓が原因となる場合は、重大なリスクが隠れていることもしばしば。
痛みの種類が自身に当てはまるかどうか、しっかり確認していきましょう。
心臓や血管の関連痛と対処法
心臓や血管の障害による関連痛の場合、肩甲骨の間だけでなく広範囲に激痛が走ります。
背中や腕、肩、あごなどに耐えがたい痛みを感じた場合は、すぐに専門医へ相談しましょう。
痛みの原因となる心臓や血管は、肩甲骨の間に位置しています。
そのため、心臓や血管に問題があると、関連痛として肩甲骨の間にも痛みが生じるのです。
関連痛を引き起こす疾患は以下の通り。
- 狭心症
- 心筋梗塞
- 大動脈解離 など
これらの疾患が原因の場合、肩甲骨の痛みだけでなく息苦しさを感じるはず。
紹介しているストレッチなどでは改善せず、どのような姿勢になっても痛みが生じる点が特徴です。
おかしいと思ったら、すぐに心臓外科・内科の専門医へ相談しましょう。
心臓や血管の問題は命に関わる問題のため、場合によっては救急車を呼ぶなど、迅速な対応が求められます。
膵臓や胃の関連痛と対処法
膵臓や胃などによる内臓の関連痛の場合、肩甲骨の近くに内臓があるため、肩甲骨の間に痛みが生じます。
心臓や血管の関連痛と同様に、ストレッチでは痛みが改善しないため、専門医へ相談するとよいでしょう。
関連痛を引き起こす疾患として、以下のものが考えられます。
- 急性・慢性膵臓
- 胃潰瘍
- 十二指腸潰瘍 など
自身で判断せず、違和感があったら消化器外科・内科の専門医に相談しましょう。
診察を受け、適切な治療を行えば症状の改善に繋がるかもしれません。
まとめ
今回は、肩甲骨の間に痛みが生じる原因と、それぞれの対処法についてまとめました。
何気なくしている姿勢や習慣などで、筋肉を痛めている方は少なくないでしょう。
とはいえ、心臓や膵臓、胃などの目に見えない場所にも痛みの原因が隠れているかもしれません。
痛みが我慢できなければ、早めに専門医へ相談してみましょう。
もしご質問がございましたら、YouTube上で質問も承っております!
‘あなたの肩 私に診せてください‘いしPでした!
ではまた!