肩甲骨の片方からゴリゴリ音が鳴る理由とは?改善するストレッチも紹介
東京神田整形外科クリニック、理学療法士の石山です。
当院で五十肩の患者様を担当していると、以下のような質問を多くされます。
「肩甲骨を動かしているとゴリゴリ鳴るんだけど、大丈夫かな?」
皆さんも、このような疑問を持ったことはありませんか?
肩甲骨の片方を回してゴリゴリ音が鳴るのは、部位や音が鳴る原因によってリスクが高いものもあります。
そこで今回は、肩甲骨の片方からゴリゴリ音が鳴る原因や改善するためのストレッチを解説していきます。
肩甲骨からゴリゴリ音が鳴って不安に感じている方の疑問に答える内容となっていますので、気になる方はぜひご覧ください。
【目次】
肩甲骨の片方からゴリゴリ音が鳴る理由と対処法
肩甲骨の片方からゴリゴリ音が鳴る原因は、以下の3つが考えられます。
- 肩甲骨-肋骨の間にある筋肉の挟み込み
- 肩鎖関節(けんさかんせつ)を含む肩関節の不安定性
- 肩のインピンジメント(骨同士や靭帯の衝突やこすれ)
肩甲骨は不安定な構造のため、どのポイントでも音が鳴りやすいです。
とはいえ、どのポイントで音が鳴っているかによって音が鳴る原因やリスクの高さが変わってきます。
音が鳴るポイント |
音が鳴る原因 |
リスク |
背中や肩甲骨の外側 |
肩甲骨−肋骨の間にある筋肉の挟み込み |
やや低い (鳴らし過ぎに注意) |
鎖骨や肩の前側、外側 |
肩鎖関節を含む肩関節の不安定 |
高い (手術になるケースもあり) |
肩の前側や外側 |
肩のインピンジメント (骨同士や靭帯の衝突やこすれ) |
高い (肩の筋肉が断裂することも) |
以下で詳しく解説していきますので、一緒に確認していきましょう。
①肩甲骨と肋骨の間にある筋肉の挟み込み
肩甲骨の片方からゴリゴリ音が鳴る理由の1つ目は、肩甲骨と肋骨の間にある筋肉の挟み込みです。
背中や肩甲骨の外側で音が鳴る方が当てはまります。
肩甲骨は他の骨と接してるポイントが一点しかなく、肋骨の上で浮いているような構造になっています。
そのため、大きく動かすことができる一方で、不安定な骨でもあるのです。
その不安定さを補うために、肩甲骨の周りには17個の筋肉がついており、肩甲骨の安定性を高めたり、さまざまな方向に制御したりしています。
この17個の筋肉が硬くなってしまったり力の釣り合いが変わってしまったりすると、肩甲骨の正しい位置にズレが生じます。
そして、肩甲骨と肋骨の間が狭くなっていき、徐々に肩甲骨が肋骨側に押し付けられ、肩甲骨と肋骨の間にある筋肉を挟み込んでゴリゴリと音が鳴ってしまうわけです。
ゴリゴリと音が鳴る中では比較的リスクが低い方ではありますが、繰り返すことで挟み込んだ筋肉に炎症を起こしてしまい、痛みを引き起こすケースがあります。
痛みを悪化させないためにも、肩甲骨がゴリゴリ鳴る症状を改善するストレッチを実践してみましょう。
- オオカミストレッチ
- いないないばあストレッチ
- 下ニョッキストレッチ
こちらのストレッチは肩甲骨と肋骨の間にある筋肉の挟み込みに有効なストレッチです。
以下の記事で詳しく解説しているので、チェックしてみてください。
動画でも解説していますので、ブログ記事と合わせて確認してみてください。
【肩甲骨ゴリゴリ音改善】特化型エクササイズBest3【応用編】
②肩鎖関節(けんさかんせつ)を含む肩関節の不安定性
肩甲骨の片方からゴリゴリ音が鳴る理由の2つ目は、肩鎖関節を含む肩関節の不安定性です。
鎖骨や肩の前側・外側で音が鳴る場合は、肩鎖関節を含む肩関節の不安定性が原因かもしれません。
肩鎖関節とは肩甲骨と鎖骨をつないだ関節のことです。
肩鎖関節を含む複数の関節を合わせて肩関節が形成されており、骨同士の接触面が少なく不安定な関節といわれています。
ただでさえ不安定な関節であるため、肩の脱臼やケガの既往歴がある方、鎖骨を添うように触っていき肩側がポコっと出ている方は注意が必要です。
肩の脱臼やケガがある場合は肩関節がより不安定な状態であり、関節同士がぶつかったりこすれたりして音が鳴っています。
ゴリゴリ音を鳴らしながら肩を動かしていると、肩関節周りの筋肉や靭帯に炎症を起こすケースがあり、とてもリスクが高い状態といえるのです。
対応が遅れて悪化すると手術になるケースもありますので、心当たりのある方は整形外科の受診をおすすめします。
③肩のインピンジメント(骨同士や靭帯の衝突やこすれ)
肩甲骨の片方からゴリゴリ音が鳴る理由の3つ目は、肩のインピンジメントです。
肩の前側や外側で音が鳴る場合は、肩のインピンジメントが原因かもしれません。
特に、肩を外へ開く時や顔の前に持ってくる時に音が鳴る場合は、この原因が多いです。
肩の動きが正常な場合、腕を上げていくと肩甲骨が斜め上方向に傾き、上腕骨が外側にひねるように動いて肩がスムーズに上がっていきます。
しかし、肩周辺の筋肉が硬くなってしまうと腕を上げる動作の途中で筋肉が引っかかってしまい、肩が上がりづらくなってしまいます。
特に上腕骨の捻りの動きが起こりづらいと、筋肉が引っかかりやすくなってしまい、徐々に痛みを引き起こすようになるのです。
痛みが出るのと合わせて「ゴリッ」と音が鳴るのですが、その後はスムーズに動かせてしまう場合があります。
肩を上げている途中や特定の角度で痛みを感じるのが特徴ですが、ゴリゴリ音を繰り返すたびに肩周辺の筋肉が断裂する危険性があるため、非常にリスクが高いです。
肩関節の不安定性で鳴るゴリゴリ音と同様に、手術になるケースもあります。
そのため、ゴリゴリ音を繰り返すのは絶対に止めましょう。
対応が遅れて悪化すると手術になるケースもありますので、心当たりのある方は整形外科の受診をおすすめします。
まとめ
この記事では、肩甲骨の片方からゴリゴリ音が鳴る理由や改善するためのストレッチをご紹介しました。
ゴリゴリ音が鳴る原因は以下の3つです。
- 肩甲骨-肋骨の間の筋肉の挟み込み
- 肩鎖関節(けんさかんせつ)を含む肩関節の不安定性
- 肩のインピンジメント(骨同士や靭帯の衝突やこすれ)
肩甲骨からゴリゴリ音が鳴っているのに何度も繰り返していると、肩甲骨周りの筋肉に炎症や断裂が生じる可能性があります。
ゴリゴリ音を改善させるストレッチやエクササイズをご紹介していますが、なかなか改善しない場合は整形外科の専門医に相談しましょう。
今後も五十肩に関する記事を更新していきますので、五十肩解放ブログのチェックをお願いいたします。
また、五十肩専門のYouTubeチャンネルもありますので、ぜひチャンネル登録をよろしくお願いいたします。
以上、理学療法士の石山でした。
執筆者:いしP
資格:理学療法士 ロコモコーディネーター、安眠インストラクター、ストレッチポールアドバンストトレーナー
キャリア:理学療法士14年目、累計治療者数 2万人以上
現在は、月に500人以上の五十肩患者が通う東京神田整形外科クリニックで、主任兼五十肩治療リハビリ責任者
日々の治療を行う傍ら、100本以上のYouTube、ブログを通じて、五十肩の知識を多くの患者さんに届け、五十肩で東京No1になる。をモットーに活躍中!
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