五十肩の筋トレでダンベルを使うとさらに悪化するってホント?
今回は五十肩の筋トレでダンベルを使うとさらに悪化するのかどうかその答えを院長の田邊こと、ベンベン先生が徹底解説します!
五十肩の筋トレでダンベルを使っている方は要必見です!
五十肩の筋トレでダンベルを使うとさらに悪化するってホント?
五十肩の筋トレでダンベルを使うとさらに悪化する?
その答えからお話しします。
答えはホント!
五十肩の筋トレでダンベルを使い、特定の部位だけを酷使すると悪化します。
ダンベルを使った代表的な運動といえばみなさんご存じ、写真のダンベルカールです。
(写真)
ダンベルカールは負荷をかけて、腕の曲げ伸ばしをすることで、上腕二頭筋を鍛えるトレーニングです。
右手で肘を曲げ伸ばしする図
上腕二頭筋は腕をムキっとさせるとポコっと盛り上がってくる筋肉(図の青丸部分)で、ご存知の方も多いと思います。
ダンベルカールではこの上腕二頭筋以外にも負荷がかかります。
それが矢印に示している部分で、この部分を上腕二頭筋腱と言います。
この上腕二頭筋腱は肘の曲げ伸ばしに合わせて、上腕骨の上でスライドして筋肉の伸び縮みをアシストする役目があります。
五十肩の筋トレでダンベルを使うと悪化しやすい理由とは
ではなぜ、五十肩の筋トレでダンベルを使うと悪化しやすいのかを説明していきます。
その理由は、ダンベルで重量負荷をかけ、尚且つ何度も繰り返し肘の曲げ伸ばしを行うことで、上腕二頭筋腱に慢性的にストレスがかかってしまうのです。
それが炎症となり結果として五十肩は悪化してしまいます。
さらに悪いことに、五十肩になりやすいアラフィフ世代の上腕二頭筋腱は若い頃に比べてより太く、厚くなっていきます。
その加齢で太く、厚くなった腱は、すでに脆く摩耗を起こしやすい状態になっているので、炎症がより起こりやすく、発症し増悪するリスクも高いわけです。
こんなことを五十肩の治りかけに行えば、治癒までの期間もどんどん遅れていってしまいますよ。というのが五十肩の筋トレでダンベルカールを行なうと悪化しやすい理由です。
「でも、その話ってあなたの感想ですよね?」って思っているあなた!
実際にこんな論文もあります。
参考文献
(Zunaira Saeed et al.:Frequency of Biceps Tendonitis in Weight Lifters of Lahore Pakistan,Pakistan Journal of Physical Therapy:volume2 issue1,2019.)
2019年パキスタンの大学論文です。
この中で体を鍛えている25歳から40歳の男性で、上腕二頭筋腱炎の割合が28.8%であると報告しています。
しかもトレーニングで日常的に使っている重量は約49%が5kg以下であるとの記載もあります。
結論として40歳以内の比較的若い世代で、重量の負荷が5kg以下でも28.8%の人が上腕二頭筋腱炎になっているという事実はかなり驚きでした。
ここから読み解けることは、五十肩の治りかけに50歳前後の方が、重い負荷をかけてダンベルトレーニングを休みなく行えば、この論文の28.8%以上に上腕二頭筋腱炎のリスクがかなり高いだろうということがわかります。
五十肩の筋トレでダンベルを使って実際に悪化した例
今度は、実際に「五十肩の筋トレでダンベルを使い悪化した!」
そんなよくある例をご紹介します。
年齢は50歳代、五十肩も治りかけていたので一念発起しスポーツジムに入会しました。
「ゴルフをするときに細い腕だと格好悪いので、五十肩からラウンド復帰する際には腕を太くしたい!」
このような理由でダンベルカールを毎日50回、負荷も日に日に重くしながら行うことにしました。
そして2週間後、腕に違和感がありましたが、「すぐに治るだろう」と自己判断してダンベルカールのペースは落とさず続けました。
1ヶ月後、いよいよ寝ても覚めても痛みが取れず、病院へ行き上腕二頭筋腱炎の診断を受けました。
これが上腕二頭筋腱炎発症の1例です。
こちらの例では主に3つの原因が考えられます。
- トレーニング習慣が乏しいところから、休みを取らず負荷を上げ続けたこと。
- ダンベルカールばかりを続けたこと。
- そもそも加齢の影響で上腕二頭筋腱が太く、厚くなっていた可能性があること。
これらが重なり、上腕二頭筋腱に負荷をかけすぎて、発症したと考えられます。
五十肩の筋トレでダンベルを使うとさらに悪化しやすい理由まとめ
- 40〜60歳代の方
- 五十肩が徐々に治ってきた方
- トレーニングが久々な方
が高負荷、高頻度で、休みを取らずに、ダンベルカールばかりを行った場合は上腕二頭筋腱炎になる、または増悪させてしまうリスクが非常に高いです。
その結果として五十肩を悪化させ、治癒をどんどん遅延させてしまいます。
その際の対策ですが、ダンベルカールを新たに始める際は、くれぐれも負荷のかけ過ぎに注意しましょう!
具体的には、3つ
- 週に3日続けて行ったら、翌日は休みを挟む
- ダンベルを使うときは上腕二頭筋だけでなく背中の種目などもバランスよく行なう
- ダンベルカールを行なう時の重量は2kg以下の軽い負荷で行なう
五十肩が治癒するまではこれらを守りましょう。
そうすることで体の治癒を促進し、上腕二頭筋腱炎のリスクを下げてくれます。
ダンベルカールを行なうことは悪いことではありませんが、以上の3つを必ず守って行ってください!
以上五十肩の筋トレでダンベルを使うとさらに悪化しやすい理由でした。
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