【再生】膝軟骨のすり減りが改善する運動【最新治療をご紹介】
東京神田整形外科クリニック、膝治療責任者・理学療法士の神林です。
今回はジグリング先生こと齋藤先生と一緒に、ジグリング運動で膝軟骨が再生する理由について解説していきます。
膝を専門家にしっかり診てほしい方や膝の痛みがある方は、この記事を最後までご覧いただくと膝の痛み・膝軟骨を改善する貴重なきっかけになりますので、ぜひ最後までご覧になってください。
当院では膝の再生医療治療に力を入れております。
少しでもご興味を持たれた方は、当院の再生医療治療ページをご覧になってみてください。
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ジグリング運動で膝軟骨が再生する理由
神林
では齋藤先生からジグリング運動をするとなぜ膝軟骨が再生するのか、これを教えていただきたいと思います。
齋藤先生
私は強く支持している論文が2つあります。
1つは大阪大学のスポール科学講座の研究者たちが発表した論文なのですが、軟骨細胞自体にメカニカルストレス、力学負荷ストレスと言うのですが、それを与えることによって痛みの誘発物質であるインターロイキン6というのが増加すると、今まで炎症自体が関節を構成する物質が破壊されて、例えば軟骨が破壊され、その破壊された破片自体が炎症を引き起こすと今まで言われていました。
しかし破壊されなくとも、力学的な負荷を加えるだけでも炎症サイトカインが増えるというのを大阪大学の先生方が証明してくれました。
その中で炎症が起こるということ、そして適度な力学的な負荷をメカニカルストレスをかけることによって、軟骨が再生する過程によって2つあります。
軟骨内骨化・膜性骨化の2つがあります。
元になる幹細胞からまずは軟骨が生まれて、その軟骨が今度は硬い骨になる、この2段階でできるのを軟骨内骨化というのですが、その軟骨内骨化を引き起こすために必要なBMP-2というものがあります。
これが骨形成を誘引するようなタンパク質なのですが、これがある一定の強さの刺激を加えると増えます。
あと軟骨が分化するために必須として必要な転写因子SOX-9。
この2つがある適度な負荷をかけると出てきて、しかし強すぎると減ってしまいます。
ですから適度な刺激を、壊れていない軟骨・半月板・滑膜細胞にストレスをかけるとそういう因子が出てきて、それが軟骨が再生することが期待できるというのがまず1つです。
2020年に今度はアメリカのカリフォルニアスタンフォード大学のチャールズ・チャン准教授という先生が、マイクロフラクチャーと言いまして、骨に微小骨折を起こさせると幹細胞が活性化するということが分かりました。
そこにさっきお話したBMP-2、TGF-α・TGF-βというのですが、骨を作る細胞の1番最強なBMPを加えて、そして軟骨の分化を促します。
その途中でVEGF、血管を新生させる内皮血管細胞増殖因子というのですが、これをブロックすることによって軟骨が再生したというのが2020年に発表されました。
ただし再生された軟骨自体は線維性軟骨と言いまして、元々の軟骨ではなくて非常にまだ柔軟性や弾力性に乏しい劣化の早い、傷で言えばかさぶたみたいな軟骨になります。
それが経過を辿るうちに元々の軟骨である硝子軟骨というのですが、元々の正常に近いような柔軟性・しなやかさを持った劣化に強い軟骨に変わったというのがありました。
要するに大阪大学では正常な軟骨自体に刺激を加えることで、軟骨が分化する成分が出るということになります。
そしてそれを実際に人の軟骨をマウスに移植して、マイクロフラクチャーを起こしたところにBMP-2を加え、そして血管新生の因子をブロックすることによって、線維性軟骨から硝子軟骨に変わったというのが出てきて、これが2つ、私が一番力を持って可能性がある論文だと思っており、これが今考えられる再生する過程の話です。
神林
適度に膝にストレスを加えるということが大事なんですよね。
その運動がジグリングということですよね。
齋藤先生
模型を持ってきました。
膝であれば、大腿骨側の赤い部分が一番体重が乗っかって摩耗します。(写真1)
写真1
脛骨側の受け皿であるこの赤い部分(写真2)を擦り合わせることによって(写真3)、すり減っていなくても周りの軟骨が刺激を受けることで、そういった因子が出てくるということが今一番考えられている再生するメカニズムの1つだと考えております。
写真2
写真3
神林
ちょっと難しい話かもしれませんが、要するにジグリングで適度な負荷をかけることによって軟骨が再生する、簡単に言うとこんなイメージですね。
再生医療で膝軟骨が再生する理由
神林
もう1つ再生する原理がありまして、最新治療である再生医療というのも膝軟骨が再生すると言われていますね。
齋藤先生
先程もお話しました、軟骨を分化する成分であるTGF-β、こういうのがいっぱい入っているのが実は血小板血漿と言いまして、血小板の中にも修復再生を促す成分がいっぱい入っております。
修復再生を促す成分を関節内に注入するPRP法で、軟骨の再生が期待できます。
そのPRPで取った血漿をさらに濃縮させたのが、PFC-FD™と言います。
要するにPRPをさらに濃縮した成分がもっと多く入ったものを入れることによって、再生もしくは炎症を抑える、
・抗炎症作用
・修復作用
・抗酸化作用
などに加えて、老化を抑えるアンチエイジング、私が専門でやっているアンチエイジングの有効な成分をさらに関節内に打って、私が考えた膝ジグリングをやっていけば、さらに軟骨の再生がもっと早く起こるのではないかと期待しております。
神林
やっぱり両方やるということが大事で、片方ずつではなくてジグリングをやる、または再生医療をやる、もうこれはめちゃくちゃ重要なことですね。
齋藤先生
そうですね。
ジグリングだけですと再生するのが目に見えるまで最低1年〜1年半かかるんですよ。
それをPRP法・PFC-FD™を使い、もしくは幹細胞上清液と言います、同じような成分がたくさん入っているのですが、これも併用するのが良いと思います。
つまり、ジグリング運動と再生医療を併用することで、早期の軟骨再生が期待できるということです。
神林
ありがとうございます。
基本的には膝の痛みがある方だったりとか、繰り返し膝の水が溜まる方だったりとか、変形の強い方、こういう方にも適した治療になりますね。
齋藤先生
そうですね。
膝に対してお薬を使っても治らない、ヒアルロン酸の注射を何回かやったんだけども、それでも効果がないという方は、ただちに次のステップとしてジグリングと血小板血漿の治療、もしくは上清液を併用することをぜひおすすめいたします。
神林
以前はですね、膝軟骨は再生するの?という話題もあったと思うのですが、ジグリング運動と再生医療の効果によってMRIで膝軟骨が増加した、または除痛効果があるというのがデータで構築されていますので、膝の痛みがある方だったり、膝の軟骨がすり減ってしょうがない、もしくは困っているという方は、専門医である齋藤先生のご診察にお越しください。
まとめ
今回は膝軟骨のすり減りが改善する運動と、最新治療を組み合わせて解説していきました。
今後も膝に関する情報を一生懸命配信していきますので、膝痛開放ブログのチェックをお願いいたします。
また現在膝の痛みがある方、再生医療をご検討している方は、ぜひ齋藤先生にご相談ください。
もし分からない事や質問がありましたら、膝専門YouTubeチャンネルでも配信していますので、そちらでコメントをお願いいたします。
そしてチャンネル登録をよろしくお願いいたします。
他にも、個別で相談したいという方は公式LINEをやっていますので、LINEで「膝の相談」と書いていただくとやりとりできますので、ぜひご活用ください。
当院では膝の再生医療治療に力を入れております。
少しでもご興味を持たれた方は、当院の再生医療治療ページをご覧になってみてください。
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