肩がゴリゴリ鳴る原因とは?痛い場合の病気のリスク
「肩回しでゴリゴリ鳴る」「肩が引っかかる」こんな症状はありませんか?
音が気になる方や、原因が分からず不安に感じる方もいるでしょう。
放置すると、痛みの出現や五十肩になる危険性があるため注意が必要です。
この記事では、肩がゴリゴリ鳴る原因や病気の危険性、受診の目安について詳しく解説します。
肩の健康を保つための対策や注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
肩がゴリゴリ鳴る原因は、硬くなった筋肉にある
肩がゴリゴリ鳴る主な原因は、凝り固まった筋肉にあります。
肩を動かすとゴリゴリ鳴る音の正体は、硬い筋肉が骨や他の筋肉とぶつかる音です。
肩関節は可動域が大きな関節であり、複雑な動きを可能にするために多くの筋肉に支えられています。
日頃の悪い姿勢や運動不足によって、使われない筋肉は次第に硬くなっていくでしょう。
凝り固まった硬い筋肉が骨や他の筋肉と擦れて、肩がゴリゴリ鳴る音を引き起こします。
また、筋肉のバランスが崩れて骨が正しい位置からズレることで、筋肉と骨がぶつかって音が鳴ることもあります。
特に、肩のインナーマッスルである肩甲下筋は、肩甲骨と肋骨に挟まれているため、骨とぶつかる可能性が高い筋肉です。
肩のゴリゴリする音を解消するためには、硬い筋肉をほぐし、バランス良く筋肉を使用することが大切です。
日頃の姿勢や運動習慣を見直し、筋肉のコリを防ぎましょう。
肩がゴリゴリ鳴る元凶!筋肉が凝り固まる理由
肩がゴリゴリ鳴る原因は凝り固まった筋肉ですが、なぜ筋肉が凝り固まるのかご存じでしょうか。
筋肉が硬くなる要因は、以下4つがあります。
- 身体の冷え
- ストレス
- 運動不足
- 悪い姿勢
筋肉のコリ悪化のポイントは、血行不良による筋肉の酸素・栄養不足と、代謝不良による老廃物の貯留です。
肩がゴリゴリ鳴る根本の原因を理解し、筋肉の柔軟性を取り戻しましょう。
身体の冷え
血行不良や代謝低下を引き起こす身体の冷えは、筋肉を硬くする要因の一つです。
寒さによって全身の血管と筋肉が収縮し、血行不良が生じて、酸素や栄養が筋肉へ十分届かなくなります。
さらに、体温維持のためにエネルギーが消費されるため、代謝が低下し身体へ老廃物が溜まります。
老廃物の蓄積はリンパの流れを悪くさせ、便秘・むくみ・疲労感を招く恐れがあるため注意が必要です。
身体の冷えが続くと筋肉が硬くなり、簡単にほぐれない状態になります。
筋肉のコリ以外にも身体へ悪影響を及ぼすため、身体を温めて対策しましょう。
過度なストレス
ストレスもまた、筋肉の緊張や血行不良を引き起こし、筋肉を硬くさせる要因の一つです。
ストレスにより自律神経が乱れ、交感神経が刺激されると、血管が収縮し血行不良となります。
ストレスが強く持続的に筋肉が緊張すると、より一層コリを促進させ、代謝の乱れも引き起こし全身へ影響が生じます。
運動不足
運動不足は、筋肉量の減少や基礎代謝低下、血行不良を引き起こすため、筋肉を硬くする要因の一つです。
慢性的な運動不足は筋肉のコリを促進するため、ウォーキングなどの全身の筋肉を使用する有酸素運動をおすすめします。
一方で、過度な運動も筋肉を硬くする場合があり、筋肉の使いすぎによる一時的な腫れや炎症が考えられます。
悪い姿勢
筋肉のバランス不良を招く悪い姿勢は、骨の歪みや血行不良を引き起こし、筋肉を硬くする要因の一つです。
悪い姿勢が習慣化していると、特定の筋肉が過度に緊張し、他の筋肉が弱まることで筋肉がバランスを崩します。
猫背は胸の筋肉を衰えさせ、肩と首周りの筋肉のみで頭を支えます。
本来の頭の重さよりも4倍の重さに感じられ、疲労が蓄積し筋肉も凝り固まってしまうのです。
パソコンを使用する仕事やスマホの使用では、同じ姿勢が続くことが多く、特定の筋肉に長時間負担がかかるため注意しましょう。
肩がゴリゴリ鳴るけど痛くない!放置しても大丈夫?
肩がゴリゴリ鳴る状態を放置すると、肩こりの悪化や肩が動かしづらくなる可能性があります。
肩がゴリゴリ鳴る原因は、筋肉のコリであることが多いため、痛みが無ければ病気の危険性は低いでしょう。
ゴリゴリ鳴る音が気になって、意図的に鳴らしてしまう方がいます。
筋肉や腱を傷つけるリスクがあるため、何度も音を鳴らすことは避けましょう。
肩がゴリゴリ鳴って痛い!注意すべき病気のリスク
肩がゴリゴリ鳴って痛い場合は、病気が隠れているかもしれません。
既に筋肉や腱が炎症している可能性があり、注意が必要です。
関連性の高い病気は、以下2つです。
- 肩関節周囲炎(四十肩や五十肩)
- 変形性肩関節症
病気の特徴を詳しく説明します。
肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)
四十肩や五十肩と呼ばれる肩関節周囲炎は、肩関節周辺の組織が炎症することで起こる、痛みや運動障害の総称です。
多くの要因によって発症するため、原因は明らかになっていません。
40歳以降の方に多く見られ、骨・軟骨・靭帯・腱などの関節組織の老化によって炎症が生じると考えられています。
生活習慣やストレスなども五十肩の発症に関連しているでしょう。
五十肩は症状の進行に応じて、炎症期(初期)・拘縮期(中期)・回復期(後期)の3つの段階に分けられます。
段階ごとに痛みや運動制限の程度が異なり、正しいアプローチ方法も違います。
症状 |
治療 |
|
炎症期 (初期) |
・安静時も痛い ・夜寝ていても痛む ・痛みで日常生活に支障がでる ・腕が上がらない |
・炎症による痛みが強いため、肩の安静が重要 |
拘縮期 (中期) |
・動かすと痛む ・安静時や夜間は痛くない ・高いものをとるなどの一部動作で支障がある ・初期よりは腕が上がる |
・痛みに応じて、運動を増やしていく ・安静は逆効果 |
回復期 (後期) |
・腕を高く挙げると痛みが出る ・生活動作にほとんど支障なし ・趣味やスポーツも可能 |
・積極的にリハビリを行う ・荷重をかけたトレーニングの実施 |
症状の段階を自己判断し誤った対処法をとると、治療の予後が長引くことがあります。
症状に個人差があり判断が難しいため、効果的な治療のために専門家の指導が必要です。
重症化すると手術の可能性もある病気ですので、早く治すためにも受診することをおすすめします。
変形性肩関節症
変形性肩関節症は、肩関節の骨や軟骨の異常によって起こる病気です。
痛みや腫れ、こわばり、運動制限、関節や骨の変形の症状が出現します。
関節の軟骨は摩擦を減少させ、滑らかな動きをサポートする役割があります。
変形性肩関節症は、加齢や過度な負担により、軟骨がすり減って骨膜が炎症することで起こります。
重症化すると手術の可能性のある病気です。
早期の診断と治療が大切であるため、整形外科を受診しましょう。
肩がゴリゴリ鳴る時の解消法
肩を動かすとゴリゴリ鳴る症状を治すためには、生活習慣の見直しやストレッチ、エクササイズが効果的です。
身体を温め、正しい姿勢を意識することで、凝り固まった筋肉をほぐすことができます。
自分でできるストレッチやエクササイズを、動画とともに紹介するので、ぜひ参考にしてください。
ストレッチとエクササイズ
ストレッチやエクササイズにより、肩甲骨周りの腕や背中の筋肉をほぐすことで、音が鳴らず肩をスムーズに動かせるようになります。
ゆっくりと無理なく行うことが大切であり、痛みがある際は無理に負荷をかけないよう注意しましょう。
おすすめのストレッチとエクササイズはこちらです。
このYouTube動画では、初心者でもできるストレッチとエクササイズを紹介しています。
- オオカミストレッチ
- いないいないばあエクササイズ
- 下ニョッキエクササイズ
3つのストレッチとエクササイズにより、肩甲骨と肋骨の間にすき間ができるため、肩を動かしたときに鳴るゴリゴリ音が解消できます。
肩を動かすと痛い時に実施可能なエクササイズも紹介します。
こちらの動画では、五十肩初期の痛みが辛い方でもできるエクササイズを3つ紹介しています。
タオルを使った優しいエクササイズなので、痛みがある方もぜひ実施してみてください。
正しい姿勢の維持
背筋が伸びた正しい姿勢は、使われずに弱くなった筋肉を強化し、骨の歪みや血行不良を改善します。
猫背が治ると、肩甲骨や首、肩回りの筋肉への負担が軽減し、筋肉のコリもほぐれます。
まずは、自分の姿勢を鏡で確認してみましょう。
頭の位置が前に出すぎて、猫背になっていませんか?
正しい姿勢のために、以下の点に注意してみてください。
- 頭を後ろに引く
- 顎を引く
- 視線をまっすぐ向ける
- 肩の力を抜く
- お腹とお尻に力を入れる
前傾姿勢を避けた正しい姿勢は、肩のゴリゴリ音の解消に加え、肩こりや腰痛の予防にもつながります。
専門家に相談しよう
セルフケアを実践しても肩を動かすとゴリゴリ鳴り続ける場合は、一度専門家に相談しましょう。
少しの痛みや違和感のため、病院受診をためらう方もいるかと思います。
大きな問題がないケースもありますが、医師の診断と理学療法士の適切な運動指導により、いち早く苦痛から開放されます。
痛み止めや抗生剤の内服薬や湿布、注射による痛みのコントロールも病院であれば可能です。
痛みや動きの範囲に応じて、適切なリハビリを理学療法士が分かりやすく教えてくれます。
症状の相談や検査によって、病気の心配も解決できるでしょう。
痛みがなく病気の可能性がない場合は、整体で施術を受けるのも良いかもしれません。
肩を動かすとゴリゴリ鳴る症状を放置せず、早期に対処することをおすすめします。
肩がゴリゴリ鳴って治らない!病院受診の目安
肩がゴリゴリ鳴って痛い場合や、症状が続く場合は念のため医師に相談しましょう。
市販の湿布や痛み止めを試す程の痛みがある時は、悪化しないうちに病院を受診してください。
特に注意が必要な症状は、以下になります。
- 痛みがある
- 肩が上げづらい
- 肩に腫れや熱感がある
病気が隠れている場合は、ストレッチやエクササイズが逆効果となる可能性もあります。
健康な肩の動きや機能を取り戻すために、整形外科の受診をおすすめします。
まとめ
肩がゴリゴリ鳴る原因は、硬くなった筋肉が骨や他の筋肉にぶつかることにあります。
筋肉が凝り固まることが問題であり、身体の冷え・ストレス・運動不足・悪い姿勢によって筋肉が硬くなります。
肩がゴリゴリ鳴っても痛くない場合は、危険な病気のリスクは低いでしょう。
ゴリゴリ鳴る音が気になっても、意図的に鳴らさないよう注意が必要です。
しかし、ゴリゴリ鳴って痛い場合や、運動制限・腫れ・熱感がある時は、整形外科を受診することをおすすめします。
注意が必要な病気として、肩関節周囲炎や変形性肩関節症が挙げられ、早期の治療が重要です。
ストレッチやエクササイズ、正しい姿勢の維持が肩のゴリゴリ音の解消に効果的ですが、違和感が続く時は、我慢せずに医師へ相談しましょう。
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