膝を伸ばすと痛いのは内側に原因がある?対処法を解説
「膝を伸ばすと痛い場合、内側に原因がある?」
膝を伸ばした際に、このように疑問を持つ方がいるのではないでしょうか。
膝の内側に痛みを感じる場合、変形性膝関節症や半月板損傷などになっている可能性があります。
本記事では、膝を伸ばすと痛い場合の原因や治療法、自宅でできる対処法について解説します。
膝の内側が痛い方は、原因を把握し、適切な対処法を実践しましょう。
【目次】
当院では膝の再生医療治療に力を入れております。
少しでもご興味を持たれた方は、当院の再生医療治療ページをご覧になってみてください。
東京神田整形外科クリニック
再生医療治療について詳しく見てみる
膝を伸ばすと痛いのは内側に原因がある?
膝を伸ばすと痛いのは内側に疾患が隠れている場合があります。おもな原因となる疾患は以下のとおりです。
- タナ障害
- 鵞足炎
- 変形性膝関節症
- 半月板損傷
- 骨壊死
いずれの疾患も、膝を伸ばすと痛い場合に考えられる疾患です。ひどい痛みや異変が続く場合は、速やかに病院・クリニックを受診しましょう。
タナ障害
タナ障害とは、関節の内側にある滑膜ひだに炎症が起こる疾患です。
滑膜ひだは、膝蓋骨と大腿骨の内側にあり、棚状であることから「タナ」と呼ばれています。
タナ障害は、スポーツなどで膝を曲げたり伸ばしたりする動作が多い場合、タナと骨が擦れて炎症が起こります。
特に厚みがあり、幅が広いタナの場合、炎症が起こりやすいのが特徴です。
ひざの内側にひっかかるような違和感があり「バキ」などの音がして痛みを感じる場合は、タナ障害の可能性があるでしょう。
おもな治療法は、膝の安静を保つことです。
また、大腿四頭筋の筋力維持訓練やストレッチ、湿布などを併用することで症状が落ち着きます。
鵞足炎
鵞足炎とは、縫工筋・半腱様筋・薄筋がくっついた鵞足に炎症が起こる疾患です。
変形性膝関節症の合併症として起こる疾患であり、3つの腱の形状がガチョウの足に似ていることから鵞足炎と呼ばれています。
鵞足炎は、膝を曲げたり伸ばしたりする動作により、鵞足部と腱や骨が擦れることで起こるとされています。
おもな治療法は、膝を安静に保ち、アイシングをすることです。
また、内転筋やハムストリングス(膝の裏側の筋肉)をストレッチすることも効果が見込めます。
変形性膝関節症
変形性膝関節症とは、膝関節内の軟骨がすり減り、痛みや炎症が起こる疾患です。
40〜50代の方に発症し、80歳までにほぼすべての方に起こるとされています。
変形性膝関節症は、おもに加齢や肥満などで発症します。
加齢によって膝関節を支える筋肉が衰えたり、肥満になって体重増加したりすることで起こるでしょう。
おもな治療法は、運動療法やヒアルロン酸注射、生活習慣の改善などです。
症状が改善しない場合は、人工関節置換術や骨切り術、関節鏡視下手術などをおこなう必要があります。
半月板損傷
半月板とは、大腿骨と脛骨の間にある三日月型の組織であり、膝関節におけるクッションの役割を担います。
半月板損傷とは、半月板が炎症を起こし、痛みを起こす疾患です。
半月板損傷は、加齢による半月板への負担が蓄積したり、スポーツや怪我などで強い衝撃が加わったりすることで発症します。
おもな治療法は、運動療法やヒアルロン酸注射などです。
症状が改善しない場合は、関節鏡視下手術をおこない、半月板を切除したり縫合したりして治療します。
骨壊死
骨壊死とは、血液の供給が妨げられることで骨の一部が死んでしまう疾患です。
骨壊死は、股関節に発生することが多く、次に膝関節や肩関節で痛みを起こすとされています。
おもに怪我による骨折や脱臼によって骨が2つ以上に分かれて移動するため、折れた部分の端が揃わなくなり、骨壊死が起こります。
おもな治療法は、骨移植や骨切り術などです。
骨壊死によって関節のほとんどが潰れ、変形性膝関節症が起きている場合は、人工関節全置換術で痛みを和らげることが可能です。
膝を伸ばすと内側が痛い人の特徴
膝を伸ばすと内側が痛い方は、以下の特徴を持つ傾向があります。
- O脚
- 怪我の経験がある
- 運動不足
- 足に合わないサイズの靴を履いている
- 肥満
膝を伸ばしたときに内側に痛みを感じる方は、上記の特徴に当てはまっていないかをチェックしましょう。
当てはまっている場合は、積極的に改善することをおすすめします。
O脚
O脚とは、内側のくるぶしを合わせて立ち上がったとき、膝や太ももが左右でくっつかない状態です。
文字どおり「O」の形をしていることからO脚と呼ばれています。
O脚は、膝関節や股関節などの配列が乱れ、負担が増えていくことで起こります。
O脚の状態で運動すると負担がかかり、膝の内側に痛みが生じたり、疾患にかかりやすくなったりするでしょう。
怪我の経験がある
交通事故やスポーツによる怪我は、痛みが完治しても後遺症が残る場合があります。
歩いたり走ったりする際に、膝関節への負担が蓄積されていき、痛みや炎症となって現れることもあるでしょう。
運動不足
運動不足で筋力が低下している場合、膝にかかる負荷は大きくなり、痛みが起こりやすくなります。
また、筋肉が硬くなることで、膝に負担がかかり、痛みが起こることもあるでしょう。
筋肉が硬くなると、骨が引っ張られた状態が継続し、O脚を引き起こすこともあります。
足に合わないサイズの靴を履いている
足のサイズより大きい靴を履いた状態で歩いたり走ったりすると、姿勢が崩れてしまい、知らないうちに膝に負担が増えます。
また、足のサイズより小さい靴を履いた場合は足の指に豆ができたり、骨に負担がかかったりするおそれがあります。
肥満
肥満は、膝関節への負担を増やす要因です。
体重が1キロ増えると、膝関節への負担は2〜3キロ増大するとされています。
過食などで一気に体重が増加すると、膝への負担が急速に増え、変形性膝関節症などを引き起こす原因になります。
膝の内側が痛いときにやるべきストレッチ
膝の内側が痛いときに、自宅で簡単にできるストレッチ方法があります。おもなストレッチ方法は以下のとおりです。
- 膝のストレッチ
- 内股のストレッチ
- 膝関節のストレッチ
膝の関節を動かさずにいると、体内で炎症を起こすリスクが高まるため、適度にストレッチして体を動かしていきましょう。
膝関節は、階段の昇り降りやしゃがみ込むときなど、日常生活においてよく使用する関節です。
健康的な日常生活が送れるよう、普段からストレッチを積極的におこないましょう。
膝のストレッチ
うつ伏せの状態になり、ストレッチしたいほうの膝を伸ばし、つま先を外側に向けた状態で床方向に押し続けます。
目安として、この状態を20秒キープしましょう。
内股のストレッチ
四つん這いになり、ストレッチする側の足を真横に伸ばしながら、しゃがむようにお尻をゆっくり下げていきます。
膝だけでなく、内股がしっかり伸びる感覚を20秒間キープしましょう。
膝関節のストレッチ
痛みを感じるほうの足を45°に広げ、反対の足を、広げたほうの足に巻き込むように曲げます。
もし反対の足に痛みがあり、曲げるのが難しい場合は伸ばしたままでよいです。
広げたほうの足に向かってゆっくり前に倒れましょう。
背中を丸めないよう、目安として20秒をキープしてください。
【自宅でできる】膝の内側が痛いときの対処法
どうしても膝の内側が痛いときは、以下の対処法を実践することで、痛みが抑えられます。
- サポーター
- テーピング
- インソール
- 湿布を貼る
- 冷やす
上記をうまく活用し、膝を伸ばすときの内側の痛みを緩和してください。
サポーター
膝の怪我や疾患の治療中に使用することで膝の痛みを緩和できます。
サポーターには左右のずれを防止するものや、膝全体をサポートし、床との摩擦衝撃からガードするものなどがあります。
膝の内側を伸ばすときに痛みを感じる方は、自分に合ったサポーターを活用し、治療を進めましょう。
テーピング
膝を伸ばすと痛い場合、内側に刺激を与えないようテーピングを巻くのが効果的です。
膝を曲げ伸ばしする際に痛みを感じる場合は、伸縮性のあるテーピングを選ぶことをおすすめします。
テーピングは痛みの緩和だけでなく、疲労回復や怪我予防にも効果があるため、積極的に活用しましょう。
インソール
インソールとは、靴の底に敷く板であり、靴の中敷きです。
インソールによって体の重心のバランスや関節のねじれを調整することで、膝の内側にかかる負担が軽減されます。
インソールが足に合わない場合、膝の痛みが悪化する可能性があるため、1度履き心地を試してみてください。
湿布を貼る
湿布には鎮痛作用が含まれるため、患部に貼ることで痛みが和らぎます。
膝を伸ばすと痛い場合は積極的にしましょう。
痛みだけでなく、腫れている場合も有効ですので、怪我をした場合なども使用してください。
冷やす
膝の内側に痛みを感じたり、腫れや熱を感じたりする場合は、保冷剤などで冷やすことをおすすめします。
特に事故や運動中に怪我をして膝に痛い場合は、積極的に活用しましょう。
ただし、膝に慢性的な痛みを感じる場合に冷やすと、血行が悪化して痛みが強まるおそれがあります。
膝の状況に応じてうまく使い分けましょう。
まとめ
膝を伸ばすと痛い場合、原因は内側にあるケースがあります。
おもな原因は以下のとおりです。
- タナ障害
- 鵞足炎
- 変形性膝関節症
- 半月板損傷
- 骨壊死
普段から運動不足な方や怪我の経験がある方は膝の内側が痛いと感じるようになる場合があります。
また、肥満でO脚になったり、足に合わない靴を履き続けたりすると、体のバランスが崩れて膝の痛みを引き起こすこともあるでしょう。
膝の内側の痛みが続く場合は適度にストレッチをおこない、サポーターやテーピングなどを活用することが大切です。
膝に痛みが続く場合や異変を感じる場合は、速やかに医療機関を受診してください。
当院では膝の再生医療治療に力を入れております。
少しでもご興味を持たれた方は、当院の再生医療治療ページをご覧になってみてください。
東京神田整形外科クリニック
再生医療治療について詳しく見てみる