身長治療におけるアルギニン等のサプリメントに対する見解(2021年1月記載)
下記の内容はベンベン先生こと、院長の田邊が2021年1月に直接記載しております。
このページでは身長治療におけるアルギニン等のサプリメントに対する見解について私の個人的な見解を述べさせて頂きます。
決して、何かを否定するもしくは、購入を助長するような内容ではなく、
少しでも皆様の身長が伸びる可能性はないか?身長を伸びる可能性を徹底的に追求したい!
身長で悩んでいる人に何か有益な情報が提供出来ないか?という思いで書いています。
下記の文章と同様の内容を上記動画にて説明しております。ご参考ください。
5体質性低身長もしくは低くないけど高くしたい人にとってのエビデンスとは?
6エビデンスがなければ何もしないもしくは何も出来ないがそれでずっと経過をみるか?
8私から強く推奨もしない。だが選択肢の追求や身長が伸びる可能性については諦めない
1この70年間の身長の改善は栄養の改善が原因!?
「国民健康・栄養調査」によれば、1950年の平均身長は男性で161.5センチで現在の平均身長よりも
約10センチほど低い。では、この10センチはどこからやってきたのでしょうか?
この70年間の間に日本人が身長のために一般人が薬剤投与をした歴史はなく、ごく一部の人が保険診療の範疇で投与した
歴史はあるものの、日本全体の平均身長に大きく影響を与えることは考えにくい。
では、この10センチをどのように説明するとしっくりくるでしょうか?
一般的には生活週間の中での栄養改善によって身長が大きく改善したと考えても私は問題がないように思いますが、
皆さんはどうお考えでしょうか?
つまり、この長い歴史から学ぶことととしては栄養改善は何かしら身長にとってプラスに作用すると考えても
良いと考えております。
一方で現代社会は豊食の時代になったため昔ほど栄養欠乏していないという事実もあり、
過度な栄養補充は肥満をもたらすだけであったりもするため注意が必要です。
また栄養素を食事から摂取すべきか?サプリメントから摂取すべきか?の議論ももたらすでしょう。
例えば数十年前はプロスポーツ選手は殆どサプリメントを摂取していなかった?と聞きますが、
現在スポーツの世界で言えばサプリメントを摂取していないプロスポーツ選手はいないのではないでしょうか?
その観点からは、先進的に物を捉えるならばサプリメントという選択肢は栄養改善の観点からも摂取しても良いように
思いますが、皆さんはいかが思いますでしょうか?
2どの栄養素が重要か?
上記内容では、栄養改善が身長改善に繋がる可能性があることについて触れました。
次にどんな栄養素を摂取すべきか?の議論を少ししたいと思います。
まずはじめに言えることは”不要な栄養素は殆どない”ということです。
つまり、バランスの良い食事が勿論好まれることが間違いありません。
アミノ酸特に必須アミノ酸や準必須アミノ酸(アルギニン)は人間の体にとって必要ですし、
ビタミンも勿論必要です。ビタミンDは骨の石灰沈着に必要であったり、O脚やくる病とも関係があると言われております。
また、欠乏傾向の強いビタミンとも言われております。
ビタミンB6はアルギニンの生成を促し成長ホルモン分泌を助けます。
また、亜鉛や銅も骨の生成に関わります。
このように、栄養素を紐解けはほぼ全ての栄養素が人間の体にとって重要、
つまりは成長期のお子様にとってはほぼ全ての栄養素が重要という結論になるでしょう。
ただし、その全てをサプリメントとして補充すべきか?は議論の対象になります。
超究極的な結論からはほぼ全ての栄養素を過剰摂取しない範囲で摂取すべきになりますが、
その場合副作用などのリスクに対する知見が少ないことから安全性の高いものをチョイスし
選択していく形になるかと存じますがいかがでしょうか?
3タンパク質(アミノ酸)の摂取によって身長は改善する?
上記2ではほぼ全ての栄養素が大事であるととともに、一方でほぼ全ての栄養素を全て摂取することは難しく、
また非効率であることをお話しました。
そこで、次はタンパク質(アミノ酸)についてお話をします。
Major correlates of male height: A study of 105 countries
この論文は男性の身長と世界の各国の栄養状態等を比較した論文になります。
YouTubeでもすでに紹介しておりますので、ご参照下さい。
この論文によればタンパク質の摂取は身長とある程度相関があることになります。
ですので、先ほど殆ど全ての栄養素というお話をしましたが、その中でもタンパク質の摂取は有効である可能性が示唆されます。
一方で注意になるのが、基本的に裕福度がますとタンパク質摂取が増すことから、他の栄養素も同時に改善されているケースが殆どであり
タンパク質をプラスアルファで摂取したからといって必ず身長が伸びるということでもないことにも注意が必要です。
4アルギニンとは?
上記3ではタンパク質(アミノ酸)の摂取が大事だというお話をしました。
では、アルギニンは何に該当するでしょうか?
アルギニンは準必須アミノ酸に該当します。つまり、上記のタンパク質(アミノ酸)の分類に該当します。
アルギニンは準必須アミノ酸と呼ばれ欠乏しやすいアミノ酸として良く知られており注意が必要です。
そう言った観点からは少なくとも身長にとってマイナスに働くとは考えにくいと思いますがいかがでしょうか?
Dietary arginine and linear growth: the Copenhagen School Child Intervention Study
この論文では欠乏状態の方よりも身長が伸びたというデータもあります。
一方で小児内分泌学会ではアルギニンの有効性は低いとも示唆されており、今後更なる研究が望まれる状態であることも重要な点になります。
2021年1月現在、私の方では、そう言ったプラスの側面とマイナスの側面を両方説明した上で
余剰金の中で、また過度な期待をすることなく必須アミノ酸やアルギニンを内服するのは選択肢の一つとお伝えしています。
5体質性低身長もしくは低くないけど高くしたい人にとってのエビデンスとは?
4では小児内分泌学会の意見について触れました。
この学会の意向というのはエビデンス不足のため行うべきでないというのが基本的なスタンスと思います。
勿論、学会の立場から言えばそのスタンスは正しいものと思います。ですので、その意見意向に従い特別な栄養摂取の改善を行わない
もしくはサプリメントを内服しない!というのも人生の選択肢として賢明であると思います。
しかし、一方でエビデンスが出てから何かを選択するというのであればあと数十年?はひとまず静観することになります。
もし静観で良ければ良いですが、何か少しでも可能性があることをやってあげたい!やりたい!というご家族は非常に多いように思いますし、
また安全性が十分確保された中で、また効果限定を理解し余剰金の中でまた自費診療の中でやること自体に大きな問題が潜んでいるわけでもないとも考えます。
6エビデンスがなければ何もしないもしくは何も出来ないがそれでずっと経過をみるか?
勿論、エビデンスはものすごく大事です。エビデンスがあればある方が良いのは当然です。
またエビデンスという表現を使えば、
〇〇をしても身長が伸びるエビデンスがないのでやめましょう。
〇〇をしても身長が伸びるエビデンスがないのでやめましょう。
〇〇をしても身長が伸びるエビデンスがないのでやめましょう。
では、総称して全てのことをやめましょう。ということになります。
勿論それは”賢明”な選択肢の一つであり素晴らしいとも思います。
一方で、皆さんはエビデンスが出てなければ何もしたくありませんでしょうか?
私のところには毎日、
なんとしてでも身長を伸ばしたい!他の病院では何も出来ないと涙をして帰ってきた!
何か少しでも出来ることはありませんか?
という方がいらっしゃいます。
それを踏まえて、
エビデンスがないので何も出来ない!と答えるのも医師としての一つの選択にはなりますが、
私は少しでも患者さんと希望を共有したく思っており、
少しでも可能性があるものについてはデメリットを説明の上選択肢の一つとしています。
体質性低身長や低くないけどもっと高くしたい人に対して保険収載される薬剤が登場することは保険システム上ありえません。
少なくとも2021年を生きる子供達がエビデンスの恩恵を受ける頃にはほどんど最終身長に到達した立派な大人になっているでしょう。
また医療の世界では
エビデンスが古すぎるデータをもとに昔に保険収載されて頻用されているが現代のエビデンスレベルからすればクエッションマークの付く薬剤が
頻用されているケースも多くあると思います。そう言った事実も世の中には氾濫しているのも事実です。ですのでエビデンスにも色々なレベルがあることも事実です。
7最も恐れられるサプリメントの副作用とは?
では、そう言ったエビデンス不十分だがなんとなく身体にとって良さそうなサプリメントの副作用はなんでしょうか?
私は最も大きな副作用は”時間”と”情報への理解/過度な期待”だと思います。
まずは時間です。
刻一刻と時間は進みます。つまり子供にとっては毎日毎日身長が伸びる時間が減っているわけです。
つまり、効果があるのか?ないのか?分からないサプリメントを飲むことは時間の無駄です。
また、20年サプリメントを信じ続けて内服したけど思った結果ではなかった!けど気付いたら大人になってもう身長が伸びない!
なんてことは多いと思います。
過剰な期待をしてサプリメントとともに過ごした時間はかえってきませんので要注意です。
次に情報への理解です。
上記に示した通り、サプリメントを単純公式的に理解することは不可能です。
一言で単純理解をしたい人はサプリメントはエビデンス不十分として摂取する必要はないと思います。
一方で、少しの可能性も無駄にしたくない人にとっては上記の内容は参考になるのではないでしょうか?
ただしこう言った”情報への理解”がなかなか難しいのも事実です。
ある程度論文などを読みなれている人でないと語弊が生じるのも無理がないと思います。
アルギニン製剤に関してはXXX万食と販売実績が全世界を通してあるわけですから採血や医師の診察を
定期的に行えば一般的な副作用リスクはかなり軽減して経過をみることも可能と考えます。
8私から強く推奨もしない。だが選択肢の追求や身長が伸びる可能性については諦めない
ということで、どうしても長い文章にならざるおえないのですが。
結論としては、
勿論強く推奨されるものではないが、少しの可能性を信じて身長が伸びる可能性を追求すること自体が問題とは考えません。