【五十肩で見落としがち】腕と体幹をつなぐ唯一の骨!?鎖骨の動き
東京神田整形外科クリニック、理学療法士の加藤駿です。
今回は肩甲骨、大きく言うと上肢と体幹を繋ぐ唯一の骨である鎖骨の話をしていきます。
鎖骨って動くんですよ。
どんな動きをするかと言いますと、肩を上げる時に実は後ろに回転しながら、肩の部分の方が前に動きます。
鎖骨につく筋肉は5つあります。
・胸鎖乳突筋
・僧帽筋
・大胸筋
・三角筋
・鎖骨下筋
今回は鎖骨下筋の話をしていきます。
鎖骨下筋とは
鎖骨下筋は第一肋骨から鎖骨に付いていて、大胸筋の深層部にある筋肉です。
鎖骨下筋の作用としては、鎖骨を前下方に引き下げる作用があります。
という事は、この鎖骨下筋が縮こまり続けると、鎖骨の動きが制限されてしまいます。
それによって、後ろに付いている肩甲骨の動きが止められてしまいます。
そうなってくると肩を上げる時というのは腕と一緒に肩甲骨も動くので、その肩甲骨の動きが制限されてしまうと肩の可動域も狭まってしまいます。
しかしそれだけではありません。
鎖骨と鎖骨下筋の下には首から出ている腕神経叢という神経の束が通っているので、鎖骨下筋が縮こまることによって鎖骨が慢性的に前下方に引き下げられることで、その腕神経叢を圧迫してしまって手の痺れなどが出やすい状況になります。
これを胸郭出口症候群、細かくいうと肋鎖症候群と言います。
今回はこの鎖骨下筋のリリースを一緒にやっていきましょう。
鎖骨下筋のリリース
最初に肩の可動域をチェックしておきましょう。
まずは皮膚からリリースしていきましょう。
皮膚リリース①
右の鎖骨の皮膚をつまみ、少しずつ位置を変えながら上下にずらします。(写真1)
これを10秒間行います。
写真1
皮膚リリース②
また右の鎖骨の皮膚をつまみ、少しずつ位置を変えながら左右にずらします。(写真2)
これを10秒間行います。
写真2
胸膜リリース
次は鎖骨の際を押しながら、肩を後ろ側に開く動作を行います。(写真3・4)
これも少しずつ位置を変えながら行いましょう。
10秒間行います。
写真3
写真4
横隔神経リリース①
鎖骨下筋というのは横隔神経と深く関わっているので、横隔神経のリリースをしていきます。
首を横にして斜めに出てくる胸鎖乳突筋という筋肉があり、そこから指1本分外側のところを上下に軽くずらしてあげます。(写真5)
あまり強すぎなくて大丈夫です。
こちらも10秒間行います。
写真5
横隔神経リリース②
次も横隔神経リリースです。
胸骨が終わるところから肋骨が始まる場所の指2・3本分の位置を、斜め下方向にほぐします。(写真6)
こちらも10秒間行います。
写真6
まとめ
お疲れ様でした。
最後に可動域をチェックしてみてください。
肩が痛いというだけでも様々な原因があるということを、色んな角度から伝えていけたらと思っています。
引き続き五十肩について発信していきますので、記事のチェックをお願いいたします。
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以上、理学療法士の加藤駿でした。