階段降りるとき膝が痛い!原因と年代別の病気の可能性を解説
階段を降りるとき、膝の痛みを感じる方は多くいます。
原因が分からず、何かの病気かもしれないと不安になるでしょう。
この記事では、階段を降りるときに膝が痛い原因と対処法について解説します。
階段を降りるときに膝が痛む病気は、年齢によって異なります。
スポーツに励む10代・20代の人に多い病気と、30代〜60代の人がなりやすい病気をそれぞれ説明します。
効果的な対処法も具体的にお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
当院では膝の再生医療治療に力を入れております。
少しでもご興味を持たれた方は、当院の再生医療治療ページをご覧になってみてください。
東京神田整形外科クリニック
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階段を降りるときに膝が痛い原因とは?
階段の上り下りは、膝関節に大きな負荷がかかるため、痛みやぐらつきを感じやすいです。
階段を下りる動きには、太もも、ふくらはぎ、お尻などの多くの筋肉が働いています。
膝関節や筋肉が正しく動いて体重を支える必要があるため、関節組織や筋肉に問題があり荷重を支えられないと痛みが生じます。
筋肉の問題と関節組織の問題に分けて、詳しく説明します。
筋肉に問題がある
階段を下りるときに膝が痛む原因の一つに、筋力の低下や筋肉の柔軟性の低下が挙げられます。
階段を下りるときは、主に太ももの前面にある大腿四頭筋が働きます。
大腿四頭筋の役割は、着地の際に膝関節に加わる衝撃を緩和することです。
大腿四頭筋の筋力や柔軟性が低下すると、衝撃を吸収することができず、膝の痛みの原因になります。
しっかりと荷重に耐えられるよう、筋力の向上と筋肉の柔軟性を改善することが大切です。
関節組織に問題がある
階段を下りるときに膝が痛い原因の一つに、関節組織の問題が挙げられます。
関節組織の問題には、以下のような様々な要因が挙げられます。
- 骨膜の炎症
- 軟骨のすり減り
- 靭帯の損傷や炎症
- 半月板の損傷
- 膝蓋下脂肪体の炎症
関節組織の炎症や損傷により、階段を下りる際の荷重に耐えきれないと痛みの原因になります。
膝の可動域に制限があり、思うように曲げ伸ばしができないと必要な筋肉に力が入らず、支えが弱くなって後段時に痛みが生じることもあります。
膝関節の伸展と屈曲に問題が生じると、本来活躍するべき筋肉の働きが弱まり、他の筋肉に負担がかかることで、バランスが悪くなります。
膝関節と筋肉が正しく働くよう、膝関節の炎症と損傷を治すことや、負担の少ない階段の降り方を知ることが重要です。
10代、20代の人に多い!階段を降りるときに膝が痛む病気
小学生や中学生、高校生は部活動に励んでいる人が多いため、膝の使いすぎで生じるスポーツ障害とスポーツ中の事故による膝の病気が考えられます。
スポーツでは、突発的に膝に大きな負荷がかかる動作が多いため、膝の怪我がよく起こります。
若い人でもなる「階段を下りるときに膝が痛む病気」を紹介するので、参考にしてください。
半月板損傷
若い世代で、階段を下りるときに膝が痛む病気の一つに、半月板損傷があります。
主な原因は、スポーツによる膝への負荷です。
ジャンプ着地や方向転換などの膝に体重がかかった状態で捻る動作や、キック動作など膝を急に伸ばす動作は、半月板を損傷しやすいと言われています。
代表的な症状は、膝の痛み、膝の引っかかり感です。
膝の曲げ伸ばしができない(ロッキング)、膝に水が溜まる(関節液の貯留)こともあります。
半月板損傷の治療は、膝の安静や痛み止めの使用、膝の関節液・血液の吸引、ヒアルロン酸・ステロイドの注射、手術、再生医療です。
安静により痛みが軽減することがありますが、自然治癒は難しいでしょう。
手術が必要な場合もあるため、症状がある場合は整形外科を受診してください。
膝蓋軟骨軟化症
膝蓋軟骨軟化症は、若い世代であっても階段を下りるときに膝が痛む病気の一つです。
膝の皿が正しい位置からずれていることや、大腿四頭筋の筋力不足が原因と考えられています。
膝に繰り返し負荷がかかる、ジョギングなどのスポーツで発症しやすい病気です。
膝を曲げるときに軟骨が他の骨とぶつかって、軟骨は損傷して柔らかくなり、炎症が起きて痛みが出現します。
主な症状は、膝の鈍い痛みです。
腫れはなく、膝の前方が痛むことが多くみられます。
ジョギングや昇降運動は、症状を悪化させる可能性があるため注意が必要です。
膝蓋軟骨軟化症の治療は、膝の安静や痛み止めの使用、抗炎症薬の内服、リハビリ、手術です。
症状が重いと手術が必要な場合もあるため、放置せずに整形外科を受診しましょう。
鵞足炎
鵞足炎も若い人もなる、階段を下りるときに膝が痛む病気の一つです。
鵞足には3つの腱が集まっており、膝の曲げ伸ばしや内側と外側に捻る動作によって、腱と骨が摩擦を起こします。
摩擦によって、膝の内側に位置する鵞足部分が炎症することで発症します。
症状は、膝の内側から膝下の痛みであり、特に膝の曲げ伸ばしや圧迫時に痛みを感じます。
膝を伸ばしきった状態でも痛みが生じやすいでしょう。
野球・サッカー・バスケットボール・ラグビーなどで発症するケースが多く、走りながらの方向転換やジャンプ動作に注意が必要です。
病状が進行すると、安静時でも痛みを感じるようになります。
症状が改善しないときは、ステロイド注射やカテーテル治療が必要な場合もあります。
運動時に膝下の内側が痛む場合は、整形外科を受診し早期に治療を開始しましょう。
オスグット病
オスグッド病は、小学生〜中学生の発育期の少年に多い病気です。
太ももの前面にある大腿四頭筋が、脛骨粗面と呼ばれる膝のお皿の下骨の一部を引っ張りすぎることで、成長軟骨が剥離し発症します。
スポーツによる膝の使い過ぎで起こるスポーツ障害であるため、ジャンプ動作やキック動作の繰り返しに注意しましょう。
主な症状は、膝の腫れ、熱感、痛み、膝の皿の下骨が突き出ることです。
膝を休めると痛みが落ち着きますが、スポーツを始めると痛みが再発します。
成長期の一過性の病気であるため、この時期はスポーツを控えることをおすすめします。
アイシングや安静、ストレッチ、痛み止めの内服や湿布により治療します。
痛みを我慢してスポーツを継続しないよう、整形外科に相談しましょう。
30代、40代、50代、60代に多い!階段を降りるときに膝が痛い病気
年を重ねると、加齢によって関節組織が老化していきます。
大きな負荷がかからなくても、ちょっとした衝撃や体重増加による日々の膝への負担によって軟骨やその他の組織が摩耗しやすくなります。
30代以降の人が、階段を下りるときに膝が痛む場合に考えられる病気を紹介します。
半月板損傷
若い世代でも起こりやすい半月板損傷ですが、30代以降になると発症の理由が異なります。
学生がスポーツによる理由であったのに対し、30代以降では加齢による半月板の劣化も原因の一つになります。
中高年の場合、筋力低下や体重増加による慢性的な膝への負担で発症します。
放置により、変形性膝関節症につながるリスクがあるため注意が必要です。
手術が必要なケースが多いため、膝の痛みや引っかかりに悩んでいる方は整形外科を受診しましょう。
「リハビリや注射の効果がない」「手術は怖いから嫌だな」という方におすすめなのが、再生医療です。
半月板損傷にも効果があり、当院が注力している治療法になります。
再生医療を受ける方は、年々増加しています。
興味のある方は気軽にお声がけください。
変形性膝関節症
変形性膝関節症は、中高年に多い病気であり、階段を下りるときに膝が痛む症状も出現します。
主な原因は加齢による関節軟骨の老化です。
体重増加による膝への負荷や遺伝子も影響しています。
年齢とともに軟骨の弾力性が低下し、膝に負荷がかかって軟骨がすり減ります。
骨膜が炎症を起こして痛みが出現し、関節も変形していきます。
主な症状は、痛み、腫れ、こわばり、関節の変形、関節液の貯留(膝に水がたまる)などです。
病状が悪化すると、正座や階段の上り下りが難しくなり、歩行時のふらつきも出現します。
変形性膝関節症の治療は、痛み止めの使用や、ヒアルロン酸・ステロイドの注射、リハビリ、手術、再生医療などです。
脂肪細胞や血液細胞を原材料として薬を作成する再生医療は、変形性膝関節症にも効果があります。
放置すると、症状が悪化し日常生活の動作にも支障が出る病気です。
膝に痛みを感じている場合は、我慢せずにすぐに整形外科に相談しましょう。
階段を降りるときの膝の痛みの対処法
階段を下りるときに膝が痛む症状を和らげるためには、負担の少ない階段の降り方やストレッチの実施、サポーターの使用がおすすめです。
効果のある対処法を詳しく紹介します。
負担の少ない階段の降り方
階段を下りるときに、膝関節や筋肉の動きが適切でないと、関節や靭帯に不必要な負荷がかかり痛みが生じます。
膝の負担を軽減する階段の降り方のポイントは以下の4つです。
- 痛い足から下りる
- 膝を軽く曲げて着地をする
- 2足1段でゆっくり下りる
- 手すりを使用する
階段を下りるときに、体重を支えて負荷がかかるのは上段に残った足です。
痛い足から下りることで、症状のある膝の負担を軽減できます。
膝を伸ばしたままで階段を下りると、太ももの骨と脛の骨が衝突するため、骨や軟骨がすり減る原因になります。
軽く曲げて着地することを意識しましょう。
サポーターとテーピング
階段を下りる際は、膝関節に負担がかかり不安定な状態です。
荷重によって骨が横ずれするのを防ぐために、サポーターやテーピングで固定することは効果があります。
テーピングをする場合は、慣れていないと巻き方や力の加減が難しいと感じるでしょう。
サポーターは、誰でも簡単に装着できるのでおすすめです。
サポーターを長時間使用すると、筋力を落とす可能性があります。
膝に負担がかかるときのみ使用するよう注意してください。
サポーターを使用し、ケガの予防や痛みの軽減を図りましょう。
ストレッチ
ストレッチをして筋肉の柔軟性を向上させることは、階段を下りるときの膝の痛みを軽減するのに効果があります。
理学療法士が分かりやすく解説している、ストレッチの動画を紹介します。
おすすめのストレッチはこちらです。
このYouTube動画では、膝の痛みや水が溜まる症状を改善できるストレッチを5つ紹介しています。
- 膝屈伸ストレッチ
- ハムストリングストレッチ膝屈曲位
- 内転筋ストレッチ
- アキレス腱ストレッチ
- 膝伸ばしストレッチ
専門家の正しいストレッチを実践して、膝周りの筋肉をほぐしましょう。
湿布
湿布薬は鎮痛消炎成分が皮膚から吸収され、膝の痛みを軽減させる効果が期待されています。
薬局で購入することも可能ですが、整形外科を受診して正しく診断を受けたうえで湿布薬や内服による鎮痛剤を処方してもらうことが大切です。
鎮痛剤を使用するほどの痛みがある場合は、治療が必要な膝の病気の可能性があります。
自己判断で痛みを我慢せず、専門家に相談して適切な治療を受けましょう。
痛みが続くときは病院を受診しよう!
階段を下りるときに膝が痛い原因や、考えられる病気、対処法について解説しました。
症状が長期的に続く場合や痛みが強くなる場合は、整形外科を受診してください。
受診を先延ばしにしてしまうことで、「部活を長期間休む」「痛みが悪化して歩けなくなる」など最悪のケースに陥る危険性があります。
早く治して健康な膝を手に入れるためには、医師による診断と適切な治療が必要です。
痛みは危険信号でもあるため、自己判断で放置せず病院に相談しましょう。
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