階段上る時に膝が痛い!原因と対処法を解説
「階段を上る時だけ膝が痛いのはなぜ?」「膝が痛くて階段はできるだけ上りたくない」
階段を上る時に膝が痛いと悩む方は、若い人からご年配の人まで多くいらっしゃいます。
この記事では、階段を上る時に膝が痛い原因と対処法について詳しく解説します。
20代の人がなりやすい病気と、30代以降の人がなりやすい病気をそれぞれ紹介し、効果的な対処法も具体的にお伝えします。
階段を上る時に膝が痛い方は、ぜひ参考にしてください。【目次】
当院では膝の再生医療治療に力を入れております。
少しでもご興味を持たれた方は、当院の再生医療治療ページをご覧になってみてください。
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階段上る時に膝が痛いのはなぜ?
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階段昇降は体重の約4〜7倍もの負担が膝にかかっていると言われており、立位や歩行よりも膝の痛みを感じやすい動作です。
階段を上る動きには、膝関節や膝周りの筋肉だけでなく、股関節、太もも、ふくらはぎ、お尻などの多くの関節や靭帯、筋肉が働いています。
関節組織や筋肉に問題があり、体重を支えられないと痛みが生じます。
階段を上る時の膝の痛みの原因は、主に以下の3つです。
- 筋力の低下
- 関節組織の炎症や損傷
- 膝の使い方を間違えて階段を上っている
それぞれ詳しく解説していきます。
筋力の低下
階段を上る時に膝が痛む原因の一つは、筋力の低下や筋肉の柔軟性の低下です。
階段を上る時には、主に3つの筋肉が活躍しています。
1つ目は、太ももの前面にある大腿四頭筋で、上段にある足を伸ばす役割があります。
2つ目は、ふくらはぎにある下腿三頭筋で、下段の足で地面を蹴る役割があります。
3つ目は、お尻にある大殿筋で、股関節で体幹を安定させています。
痛みなく階段を上るためには、3つの筋肉がバランス良く働くことが大切です。
筋力低下や筋肉が硬くなっていると、大腿四頭筋に頼ってしまい膝に大きな負担がかかります。
前傾姿勢や、膝関節が完全に伸びない場合も膝関節に大きな負担がかかるため注意が必要です。
筋肉の柔軟性の低下は、日常の運動不足や長時間の座り仕事、加齢に伴う筋肉の硬化によって起こります。
大腿四頭筋やハムストリングスが過度に緊張すると、膝の曲げ伸ばしに支障が出て、階段昇降時に抵抗感や痛みを感じる場合があります。
筋力低下や柔軟性の低下を防ぎ、お尻やふくらはぎの筋肉も使用して階段を上りましょう。
関節組織の炎症や損傷
階段を上る時に膝が痛い原因の一つに、関節組織の炎症や損傷が挙げられます。
関節組織の問題には、以下のような様々な要因が挙げられます。
- 骨膜の炎症
- 軟骨のすり減り
- 靭帯の損傷や炎症
- 半月板の損傷
- 膝蓋下脂肪体の炎症
関節組織の炎症や損傷により、階段を上る時の負荷に耐えきれないと膝の痛みが出現します。
膝関節の曲げ伸ばしに問題があると、本来活躍するべき筋肉の働きが弱まり、他の筋肉に負担がかかることでバランスが悪くなります。
膝関節と筋肉が正しく働くよう、膝関節の炎症と損傷を治すことや、負担の少ない階段の降り方を知ることが重要です。
膝の使い方を間違えて階段を上っている
階段を上る時に膝が痛い原因の一つに、膝に大きな負担がかかる方法で階段を上っているケースがあります。
- 階段が辛くて前傾姿勢で上っている
- 膝の力が必要だと思い、膝を使って上っている
- 痛い足、痛くない足、関係なく上っている
- 階段を上る時に膝がまっすぐなっていない
上記の4つにあてはまる方もいるのではないでしょうか。
前傾姿勢で階段を上ると、股関節やお尻の筋肉が上手く機能せず、膝に大きな負担がかかります。
階段は膝で上るのではなく、股関節、お尻の筋肉、ふくらはぎの筋肉も使って上ることが大切です。
膝の痛みが出にくい階段の上り方にはポイントがあるので、記事後半の対策をぜひチェックしてください。
20代の人に多い!階段上る時に膝が痛む病気
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若い人でも階段を上る時に膝が痛む場合は、膝の使いすぎで生じるスポーツ障害やスポーツ中の事故による膝の病気が考えられます。
スポーツはジャンプや方向転換など、膝に大きな負担がかかる動作が多いため、膝の怪我がよく起こります。
スポーツが原因で発症する膝の疾患は、主にスポーツ障害とスポーツ外傷です。
スポーツ障害
スポーツ障害とは、スポーツによる膝の使い過ぎが原因で起こる損傷です。
膝に負担が何度もかかることで疲労が蓄積し、筋肉や腱、靭帯が炎症し痛みが生じます。
以下の代表的なスポーツ障害の病気を紹介します。
- ジャンパー膝
- 鵞足炎
- ランナー膝
それぞれ解説していきます。
ジャンパー膝
ジャンパー膝と呼ばれる膝蓋腱炎は、膝の皿の下にある腱(膝蓋腱)に小さな断裂や炎症が起こる疾患です。
バレーボール、サッカー、ランニングなどのスポーツで良く発症し、10〜20歳代の若い人に多くみられます。
膝蓋腱の役割は、膝の曲げ伸ばしやジャンプの着地時に衝撃を吸収することです。
ジャンプやダッシュなど膝を急激に曲げ伸ばす動作が繰り返されると、膝蓋腱が損傷し炎症を起こしやすくなります。
代表的な症状は、以下の通りです。
- 膝のお皿 (膝蓋骨)の下を押すと痛む
- 膝関節の腫れ
- ジャンプ・歩行・階段の昇降時に痛む
- 膝を伸ばすと痛みが強くなる
軽症では、スポーツの後や歩いた後に痛む程度ですが、進行すると日常生活 やスポーツにも支障をきたすようになります。
痛みがある場合は、活動の制限や、ストレッチ、十分なウォーミングアップ、活動後のアイシングなどの治療や予防を続けることが大切です。
鵞足炎
鵞足炎は、膝の内側に位置する鵞足と呼ばれる部分が炎症する疾患です。
鵞足には3つの腱が集まっており、膝の曲げ伸ばしや内側と外側に捻る動作によって、腱と骨が擦れ炎症を起こします。
野球・サッカー・バスケットボール・ラグビーなどで発症するケースが多く、走りながらの方向転換やジャンプ動作に注意が必要です。
代表的な症状は、以下の通りです。
- 膝の内側から膝下の痛み
- 膝関節の腫れと熱感
- 膝の曲げ伸ばし時、圧迫時、膝を伸ばしきった状態で痛みを感じやすい
病状が進行すると、安静時でも痛みを感じるようになります。
主な原因は膝の使い過ぎであるため、安静にすることが大切です。
症状が改善しない場合、ステロイド注射やカテーテル治療などの治療法が選択されることがあります。
ランナー膝
ランナー膝と呼ばれる腸脛靭帯炎は、太ももの外側にある腸脛靭帯に炎症が起こる疾患です。
ランニングをする方や陸上競技の長距離選手、登山者に多く見られ、O脚の人や、膝が不安定になっている人で発生しやすくなります。
膝の曲げ伸ばしによる摩擦が原因で炎症が起こります。
代表的な症状は、以下の通りです。
- 膝の外側の痛み
- ギシギシするような違和感
- 膝の曲げにくさ
- ランニング後の太もも外側の突っ張り
地面を蹴った時など、足を伸ばす動作で痛みを感じることが特徴です。
症状が軽いうちは、スポーツを数日休むと痛みが落ち着きます。
無理して動き続けると、痛みが強くなり膝の曲げ伸ばしができなくなるため、適切な治療のために整形外科を受診しましょう。
スポーツ外傷
スポーツ外傷とは、スポーツによって引き起こされる怪我や損傷のことを指します。
無理な体勢での着地や選手同士の衝突など、運動中の急激な動きや衝撃によって発症します。
スポーツ外傷の一例は以下の通りです。
- 捻挫
- 打撲
- 靭帯損傷
- 半月板損傷
- 筋肉の痛み
- 骨折
- 脱臼
発症の直前に、ぶつける、捻るなどの大きな負荷を膝に受けた場合は、外傷によるものと考えられます。
その中でも以下の代表的なスポーツ外傷による病気を紹介します。
- 半月板損傷
- 膝靭帯損傷
それぞれ解説していきます。
半月板損傷
半月板損傷は、スポーツ中の膝への強い衝撃や負荷によって、半月板に亀裂や断裂が起こる疾患です。
ジャンプ着地や方向転換などの捻る動作や、キック動作などの膝を急に伸ばす動作は、半月板を損傷しやすいと言われています。
代表的な症状は、代表的な症状は、以下の通りです。
- 膝の痛み
- 膝の引っかかり感
- 膝の曲げ伸ばしができない(ロッキング)
- 膝に水が溜まる(関節液の貯留)
安静により痛みが軽減することがありますが、自然治癒は難しいでしょう。
治療には、膝の安静や痛み止めの使用、膝の関節液・血液の吸引、ヒアルロン酸・ステロイドの注射、手術、再生医療があります。
放置することで、変形性膝関節症を発症するリスクもあるため、早めの受診がおすすめです。
膝靭帯損傷
膝靭帯損傷は、スポーツや交通事故などで膝に強い衝撃が加わり、靭帯が損傷する疾患です。
膝関節の靭帯は、太ももの骨とすねの骨を結びつけ、安定性を保つ役割があります。
主な靭帯は、前十字靭帯・後十字靭帯・外側側副靭帯・内側側副靭帯です。
これらの靭帯が損傷することで、膝関節の安定性が低下し、様々な症状が現れます。
代表的な症状は、以下の通りです。
- 膝の痛み
- 可動域の制限
- 腫れ
- 血腫
- 膝の不安定さ
- 関節液の貯留(膝に水が溜まる)
スポーツによる膝靭帯損傷では内側側副靭帯損傷の頻度が高く、前十字靭帯損傷は手術が必要な場合が多いことで知られています。
治療には保存療法と手術療法があり、損傷した靭帯によって適切な治療が異なります。
内側側副靭帯損傷では装具やリハビリ、後十字靭帯損傷では筋力トレーニングや装具療法が選択されます。
前十字靭帯損傷では手術が選択され、再建術が行われる場合があります。
スポーツや事故により受傷した場合は、痛みを我慢せずにすぐに整形外科を受診しましょう。
30代、40代も注意!階段上る時に膝が痛い病気
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関節組織は加齢とともに老化するため、日常的な小さな衝撃や体重増加でも軟骨や他の組織が摩耗しやすくなります。
30代や40代の人も、膝の痛みには注意が必要です。
30代以降に多い、階段を上る時に膝に痛みを感じる以下の病気を紹介します。
- 変形性膝関節症
- 半月板損傷
それぞれ解説していきます。
変形性膝関節症
変形性膝関節症は、加齢による関節軟骨の老化によって、軟骨や半月板がすり減る疾患です。
発症には、体重増加による膝への負荷や遺伝子も影響しています。
年齢とともに軟骨の弾力性が低下し、膝に負荷がかかって軟骨がすり減ります。
骨膜が炎症を起こして痛みが出現し、関節も変形していきます。
代表的な症状は、以下の通りです。
- 膝の痛み
- 膝の腫れ
- 膝のこわばり
- 可動域制限
- 関節液の貯留(膝に水がたまる)
初期では無症状のことが多く、膝の変形が進むと様々な症状が現れます。
病状が悪化すると、正座や階段の上り下りが難しくなり、歩行もふらつくようになります。
変形性膝関節症の治療は、痛み止めの使用や、ヒアルロン酸・ステロイドの注射、リハビリ、手術、再生医療などです。
再生医療は、脂肪細胞や血液細胞を原材料として薬を作成し、変形性膝関節症の治療に効果があります。
「リハビリや注射の効果がない」「手術は怖いから嫌だな」という方におすすめです。
再生医療を受ける方は年々増加しており、当院も注力している治療法になります。
変形性膝関節症は加齢により罹患率が増えるため、高齢社会の日本では国民病とも呼ばれます。
放置すると、症状が悪化し日常生活の動作にも支障が出る病気です。
膝に痛みを感じている場合は、我慢せずにすぐに整形外科に相談しましょう。
半月板損傷
スポーツ外傷でも紹介した半月板損傷ですが、年を重ねると発症の理由が変化します。
若い世代では主にスポーツによるものでしたが、30代以降では加齢による半月板の劣化が一因と考えられます。
中高年においては、筋力低下や体重増加による膝への負担が発症の原因となります。
手術が必要なケースが多いですが、半月板損傷においても再生医療は効果的です。
膝の痛みや引っかかりに悩んでいる方は、整形外科を受診しましょう。
階段上る時に膝が痛い症状の対処法
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階段を上る時に膝が痛い症状を和らげるためには、膝の負担が少ない階段の上り方や、サポーターの使用、ストレッチや筋トレの実施がおすすめです。
効果のある対処法を詳しく紹介します。
膝の痛みが出にくい、階段の上り方
階段を上る時は、背筋を伸ばして股関節やお尻の筋肉を使う事で、膝に負担なく階段を上ることができます。
膝の負担を軽減する階段の上り方のポイントは以下の6つです。
- 痛くない足から上る
- 2足1段でゆっくり上る
- 手すりを使用する
- 目線を上げる
- 姿勢を正す
- お尻の筋肉を使う
階段を上るときに、体重を支えて負荷がかかるのは一歩目の足です。
痛くない足から上ることで、症状のある膝の負担を軽減します。
階段は膝を使って上ると考える人が多いですが、股関節やお尻の筋肉を使用することが大切です。
股関節やお尻の筋肉を使うことで、バランス良く全身で階段を上れます。
膝がまっすぐ使え、膝の負担が軽減するため痛みも出にくい状態になります。
股関節やお尻の筋肉を正しく使うためには、正しい姿勢が重要です。
頭が股関節より前に出る前傾姿勢は、膝へ負担がかかるため避けましょう。
股関節の上に頭が位置するように心掛けて、階段を上ることで膝に負担なく階段を上ることができます。
サポーターを使う
階段を上る時にサポーターを使用することで、ケガの予防や痛みの軽減を図れます。
サポーターは、膝関節を安定させ、日常生活や運動時に膝に過度な負担をかけないようにする効果があります。
サポーターを長時間使用すると、筋力を落とす可能性があるため、膝に負担がかかるときのみ使用しましょう。
ストレッチとエクササイズ
ストレッチやエクササイズを行うと、筋肉の柔軟性が向上し、階段を上る時の膝の痛みを軽減する効果があります。
理学療法士が分かりやすく解説している、ストレッチとエクササイズの動画を紹介します。
おすすめのストレッチはこちらです。
膝の水を完全に抜くストレッチ5選【膝の痛みにも有効】(youtube.com)
(画像6)
このYouTube動画では、階段を上る時に必要な筋肉をしっかりほぐせるストレッチを5つ紹介しています。
- ハムストリングストレッチ①
- ハムストリングストレッチ②
- お尻のストレッチ
- 太もも前のストレッチ
- 内もものストレッチ
筋肉を効果的に使って、負担なく階段を上れるようぜひ実践してください。
おすすめのエクササイズもご紹介します。
【膝の痛みを治す】ストレッチとスクワットの最強の組み合わせ (youtube.com)
(画像7)
このYouTube動画では、膝に痛みがあってもできるスクワットを、理学療法士が解説しています。
- 膝裏ストレッチ
- タオルを挟んで立ち上がり
- ハーフスクワット
膝の痛みで筋トレがしたくてもできない人向けに、膝に負担をかけない筋トレの方法を説明しています。
膝の曲げ伸ばしに重要な筋肉を刺激し、膝の痛みの改善を目指しましょう。
痛みが続くときは病院を受診しよう
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階段を上る時に膝が痛い原因や、考えられる病気、対処法について解説しました。
紹介した対処法を実践しても痛みが良くならない場合や、症状が長期にわたって持続する場合は、整形外科を受診してください。
痛みは体からの危険信号であり、湿布や痛み止めの内服が必要な状態は、治療が必要な膝の病気の可能性があります。
痛みだけでなく、腫れや熱感、こわばり、曲げ伸ばしにくさなど他の症状がある際は、早めに専門家へ相談することが大切です。
自己判断で放置せず病院に相談し、医師による診断と適切な治療を受けましょう。
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