膝の痛みにヒアルロン酸注射は効果なし?いつからいつまで効く?
膝痛解放! 東京神田整形外科クリニック、理学療法士の森祐弥です。
今回は膝の痛みに対してのヒアルロン酸注射の効果について解説していきます。
「ヒアルロン酸注射って効果がないのでは?」
「ヒアルロン酸注射の効果がいつからいつまで?」
という質問をかなり多くの膝痛の方から頂いていますので、しっかりと解説していきたいと思います。
膝の痛みにヒアルロン酸注射は効果なし?
結論からいうと、文献や臨床現場の両方から捉えてみても、膝の痛みにヒアルロン酸注射は有効な場合が多いです。
Journal of Experimental Orthopaedics
という海外のジャーナルでは、『ヒアルロン酸注射を週に1回を5回行うと膝の痛みや動きが改善した』と紹介されています。
また、当院で変形性膝関節症でリハビリを受けている方の中にも、膝にヒアルロン酸注射を打って膝の痛みが改善している方も多くみられます。
なぜ、ヒアルロン酸注射を打つと膝の痛みに効果があるかということをお話していきます。
ヒアルロン酸注射の効果は大きく2つあります。
① 膝の動きをなめらかにしてくれる
② 膝のクッション作用を高める
膝の関節を覆う関節包の中で関節液(滑液)が作られます。
この滑液はヒアルロン酸やたんぱく質などを含んでいます。
加齢や変形性膝関節症などでO脚などの変形性が進むと、軟骨はすり減り、ヒアルロン酸の量も減ってしまいますので、ヒアルロン酸注射をすることで潤滑油のような働きをして膝の動きをなめらかにしたり、クッション作用の効果があります。
その結果、膝の痛みや動きが改善され膝が楽になるといった効果を感じます。
膝にヒアルロン酸注射をするメリット
以上のことをふまえ、膝にヒアルロン酸注射をするメリットは、
① 初期の膝の痛みや動きを改善する
② 保険険適応〇(*週に1回を5回までは毎週可能)
③ 注射は一瞬で終わるため治療時間が短い
④ リハビリとセットで行うと効果的
となります。
膝にヒアルロン酸注射をするデメリット
しかしながら、すべての人にヒアルロン酸注射が効果的だとはいえません。
ヒアルロン酸注射をするデメリットもあります。
① 5回までは毎週保険で打てるがその後は2週置きになる
② 何度も打ち続けたり、膝の変形が進行して痛みが強い人には効きづらくなる
③ 何度も打ち続けると注射の針をさした組織のまわりが硬くなってくる
④ 効果は一時的
といった点もあげられます。
ヒアルロン酸注射の効果はいつからいつまで?
1つ前のテーマでは、ヒアルロン酸注射の効果は変形性膝関節症の進行具合によって差があるというお話をしました。
では、膝痛の人に対するヒアルロン酸注射の持続時間はどのくらいなのか?について説明していきます。
まず、いつから効き始めるかというと、ヒアルロン酸を打ったその直後から痛みが和らぎはじめますので即効性があります。
いつまで効果が持続するか?というと、ヒアルロン酸注射の持続時間は長くても1~2週間です。
個人差があるので人によっては2~3日という人もいます。
これは、変形性膝関節症の進行程度だったり、体重増加や筋力不足、日常生活での膝への負担量などで差がでてくると考えられます。
ヒアルロン酸注射を打って、膝の中に入りますがやがて分解され体外へ排出されるとヒアルロン酸の効果はなくなってしまいます。
この期間がせいぜい長くても1~2週間といわれています。
まとめ
以上のことから、ヒアルロン酸注射は保険適応になっているのでかなり身近で手軽に受けられる治療であるので最初の選択肢の1つとして検討いただくのが良いかと思われます。
適応範囲としては、特に膝の痛みや変形の初期の人にとっては効果的ですが、進行してくると効きづらくなってくるというデメリットもあります。
効果がいつからいつまでかというとヒアルロン酸注射を打ったその直後から長くても1~2週間なので、リハビリとセットでしっかりと筋力をつけて膝の関節を守っていくことも膝の痛みや動きの改善する上でとても重要となります。
今回は、膝の痛みに対するヒアルロン酸注射の効果について解説してきました。
今後も膝や再生医療に関する記事や動画を配信していきます。
ぜひ、膝専門YouTubeチャンネルの登録もよろしくお願いたします。
こちらではコメントでも相談に乗っていますので、気兼ねなくコメントを送ってください。
それではまた。理学療法士の森祐弥でした