膝がまっすぐ伸びない原因とは?痛みにも効くストレッチをご紹介!
「膝がまっすぐ伸びない」「膝が伸ばせなくて痛い」
膝の曲げ伸ばしや痛みに、お悩みの方は多くいます。
膝がまっすぐ伸びない状態を放置すると、膝以外にも腰や肩にも痛みが出現する危険性があります。
この記事では、足がまっすぐ伸びない症状の原因や、考えられる病気について詳しく解説します。
理学療法士が解説している、症状を改善するストレッチとマッサージの動画も紹介します。
効果的な対処法を知って、しっかり伸びる膝を手に入れましょう。
【目次】
膝がまっすぐ伸びない原因とは?
膝がまっすぐ伸びない状態を、屈曲拘縮といいます。
足を伸ばして座っても膝が浮いてしまう、足を完全に伸ばして立てない状態に身に覚えはありませんか?
膝が曲がった状態で活動していると、疲れやすさや膝痛、腰痛、姿勢の悪化などが生じます。
膝がまっすぐ伸びない原因は、膝関節の組織の問題や筋肉の問題など、複数の要因が絡み合っています。
加齢による関節組織の劣化、体重増加による膝への負荷、スポーツによる膝の使い過ぎも影響しています。
膝関節の靭帯・半月板・骨・軟骨などに問題がある
膝がまっすぐ伸びない原因は、以下のような膝関節の組織の問題が考えられます。
- 膝蓋下脂肪体の硬化
- 関節の炎症
- 骨の歪み
- 軟骨のすり減り
- 靭帯の損傷や炎症
- 半月板の損傷や炎症
特に、半月板と膝蓋下脂肪体は、膝がまっすぐ伸びない症状に影響しています。
半月板の役割は、膝の骨同士が接触しないよう、クッションのように機能して衝撃を吸収し、膝の安定性を維持することです。
半月板が損傷すると、膝に痛みが生じ、膝がスムーズに動かなくなります。
膝蓋下脂肪体は、膝蓋骨という膝の皿の骨の下半分を覆っています。
膝蓋下脂肪体によって、膝の曲げ伸ばしが円滑になり、膝の安定性が保たれます。
問題は、膝関節の炎症や変形によって、膝蓋下脂肪体が線維化し柔軟性を失うことです。
膝蓋下脂肪体が硬くなると、膝の曲げ伸ばしに応じてスムーズに動くはずの膝蓋骨が動かず、膝がまっすぐ伸びない状態が生じます。
膝がまっすぐ伸びない症状の多くは、痛みを伴います。
膝軟骨が削られ、破片が関節内の骨膜を刺激することで、関節が炎症し痛みが生じます。
関節が炎症すると、膝が腫れ、痛みと共に膝がまっすぐ伸ばせなくなるでしょう。
痛みを伴う場合は、膝の病気が隠れている可能性が高いため、早めに整形外科を受診してください。
筋肉が硬い
膝がまっすぐ伸びない原因には、筋肉の柔軟性の低下も考えられます。
筋肉の柔軟性の低下は、日頃の運動不足や長時間の座り仕事、加齢に伴う筋肉の硬化によって起こります。
特に、太ももの裏側の筋肉やふくらはぎの筋肉の柔軟性は重要です。
太もも後面にある大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋は、ハムストリングと呼ばれ、膝関節の屈曲に働きます。
ハムストリングの柔軟性が低下すると、膝を伸ばす動作に問題が起こります。
また、膝の裏にある膝窩筋も大切です。
太ももの外側からすねの内側にある筋肉で、硬くなったり緊張していると膝関節の動きが制限されます。
膝の裏には腓腹筋、ヒラメ筋も走行してるため、柔軟性を取り戻すことで膝の伸展可動域の改善を図りましょう。
膝がまっすぐ伸びなくなる病気3つ
膝がまっすぐ伸びなくなる症状は、病気のサインである可能性もあります。
痛みを伴う場合は、注意が必要です。
考えられる病気の特徴を詳しく説明します。
変形性膝関節症
変形性膝関節症は、膝がまっすぐ伸びなくなる病気の一つです。
主な原因は関節軟骨の老化にあり、肥満や遺伝子も関与しています。
他にも、膝の骨折や外傷、感染症の後遺症として発症する場合もあります。
変形性膝関節症の症状は、以下の通りです。
- 痛み
- こわばり
- 腫れ
- 関節液の貯留(膝に水が溜まる)
- 関節の変形
- 可動域の制限
関節の軟骨は、加齢によって弾力性が無くなり、慢性的な膝の負担によってすり減ります。
軟骨がすり減って、骨膜が炎症することで多くの症状が出現します。
変形性膝関節症の治療は、痛み止めの使用や、ヒアルロン酸・ステロイドの注射、リハビリ、手術、再生医療などです。
特に、再生医療を受ける人は近年増加しており、当院でも力を入れています。
再生医療は、脂肪細胞や血液細胞を原材料として薬を作成する治療法です。
リハビリや注射が効かない方や、手術をしたくない方にもおすすめされています。
症状が進行すると膝が完全に伸びなくなり、正座や階段昇降だけでなく、歩行も難しくなる病気です。
正しく治療するために、症状を我慢せず早めに整形外科を受診しましょう。
半月板損傷
半月板損傷も、膝がまっすぐ伸びなくなる病気の一つです。
主な原因は、加齢による半月板の劣化や、スポーツによる膝への負荷にあります。
膝に体重がかかった状態で捻る動作や、膝を急に伸ばす動作は、半月板を損傷しやすいため注意が必要です。
半月板損傷の症状は、以下の通りです。
- 痛み
- 可動域の制限
- 引っかかり感
- 関節液の貯留(膝に水が溜まる)
- 膝が動かない(ロッキング)
半月板に亀裂や断裂が生じることで、様々な症状が出現します。
半月板損傷の治療は、膝の安静や痛み止めの使用、膝の関節液・血液の吸引、ヒアルロン酸・ステロイドの注射、手術、再生医療です。
半月板損傷に対しても再生医療は効果的であると言われています。
自然治癒は難しい病気のため、整形外科を受診して早めに治療を開始しましょう。
膝靭帯損傷
膝靭帯損傷もまた、膝がまっすぐ伸びなくなる病気の一つです。
膝には、前十字靭帯・後十字靭帯・外側側副靭帯・内側側副靭帯の4つの靭帯があります。発症の原因は、スポーツや交通事故などにより膝に強い衝撃が加わって、靭帯が損傷することです。
内側側副靭帯損傷の頻度が多く、外力の方向によって損傷する靭帯が異なります。
スポーツ中のジャンプ着地や急な方向転換、タックルによる膝の捻りには注意が必要です。
膝靭帯損傷の症状は、以下の通りです。
- 痛み
- 可動域の制限
- 腫れ
- 血腫
- 膝の不安定さ
- 関節液の貯留(膝に水が溜まる)
膝靭帯損傷の治療には、保存療法と手術療法があります。
保存療法では、痛み止めの使用や、サポーターを使用したリハビリを行います。
受傷後すぐでは、痛みの緩和と安静のためにギプスを使用することもあるでしょう。
膝前十字靭帯損傷で今後もスポーツを継続する場合は、手術が適応です。
術後は約6ヶ月以上のリハビリを経て、徐々にスポーツへ復帰します。
スポーツや事故により受傷した場合は、痛みを我慢せずにすぐに整形外科を受診しましょう。
膝がまっすぐ伸びない症状の対処法
膝がまっすぐ伸びない症状の改善には、ストレッチやマッサージが効果的です。
理学療法士による説明付きのYouTube動画も紹介するので、実践してみましょう。
ストレッチ
ストレッチは筋肉の柔軟性を向上させるため、膝がまっすぐ伸びない症状を改善できます。
おすすめのストレッチはこちらです。
このYouTube動画では、膝を伸ばす動きに必要な筋肉のストレッチを解説しています。
膝がまっすぐ伸びない症状と膝の痛みの関係について、理学療法士が分かりやすく説明しているためおすすめです。
- ハムストリングスストレッチ
- アキレス腱ストレッチ(立位)
- アキレス腱ストレッチ(四つ這い姿勢)
3つの膝裏の筋肉をストレッチすることで、膝周りの筋肉を簡単にほぐせます。
ぜひ試してください。
マッサージ
膝蓋下脂肪体をマッサージして緩めることは、膝痛の緩和や膝の曲げ伸ばしをスムーズにする効果があります。
膝がまっすぐ伸びない症状への効果も期待できるため、実践しましょう。
おすすめの動画はこちらです。
このYouTube動画では、膝痛・水が溜まっている・曲げ伸ばしがスムーズにできないなどの症状を改善する、セルフマッサージについて解説しています。
膝がまっすぐ伸びない原因にもなる、膝下(膝蓋下脂肪体)のマッサージも紹介しています。
- 膝下のマッサージ
- 外もものマッサージ
- 前もものマッサージ
3つのマッサージで膝周りの筋肉をほぐし、症状を改善させましょう。
痛みがある場合は、病院を受診しましょう
膝がまっすぐ伸びない原因や病気、対処法を紹介しました。
ストレッチやマッサージを続けても症状が改善しない場合や、痛みがある場合は整形外科の受診をおすすめします。
まっすぐ伸びない膝を放置すると、
- 膝まわりの筋肉が硬くなる
- 膝が痛くなる
- 痛くて運動しなくなる
- 筋力が低下する
- 膝の他にも腰や肩の痛みが出現する
上記の様に、悪いことが繰り返し起こる可能性があります。
「膝が伸びなくても支障がない」と、受診を先延ばしにしてしまうことで症状が悪化します。
早めに適切な治療やリハビリを始めるためにも、気軽に専門家に相談してください。
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