膝からミシミシ音がするときの治し方!原因から予防法まで解説
「膝からミシミシという音が聞こえるが治るの?」
「膝からミシミシ音がするのは病気?」
膝からこれまでに経験したことのない音が聞こえたら、不安を感じてしまう人も多いのではないでしょうか。
ミシミシという音がなぜ聞こえるのか、医療機関を受診せずとも自然に解消するものなのか、気になりますよね。
本記事では、膝のミシミシ音を解消する方法や原因、ミシミシ以外の膝の音まで詳しく解説します。
膝のミシミシ音でお悩みの方はぜひ最後までご覧ください。
膝のミシミシ音は治せるの?
結論から申し上げますと、膝のミシミシ音が治るかどうかは原因によって異なります。
ミシミシといった音が膝の病気によって起こっている場合は、自然には治らない可能性もあるでしょう。
また、「いつの間にか音がしなくなっていた」というケースもありますが、音が消えたからといって病気そのものが治ったわけではないケースもあります。
膝のミシミシ音で悩んでいる方は「治るのかづか」が最も気になるポイントという場合も多いでしょう。
それならば、まず膝からミシミシという音が聞こえる原因を理解しなければなりません。
膝からミシミシ音がする原因について、次章で詳しく解説いたします。
膝からミシミシ音がするのはなぜ?考えられる3つの要因
膝からミシミシという音がする原因は、次の3つが考えられます。
- 膝の軟骨がすり減っている
- 膝の半月板がすり減っている
- 運動不足
それぞれ詳細を見ていきましょう。
要因1.膝の軟骨がすり減っている
膝の軟骨がすり減っていると、ミシミシという音が聞こえる場合があります。
軟骨は骨の端を覆うように存在し、関節がなめらかに動く役割を持っており、その軟骨がすり減ってしまうと骨と骨がぶつかってしまうためです。
膝関節の軟骨がすり減る原因は加齢によるケースが多く見られ、一度すり減ってしまうと、自然に元に戻すのは困難と言われています。
また、軟骨のすり減りは「変形性膝関節症」という疾患につながるため、将来的に生活に支障をきたす場合も。
変形性膝関節症がどのような病気で、どのような治療法があるのかといった詳細については後段にて開設します。
要因2.膝の半月板がすり減っている
膝のミシミシ音は軟骨だけではなく、半月板がすり減っても同様に起こる可能性があります。
半月板がすり減ることによって軟骨をガードするものがなくなり、結果的に軟骨がすり減ってしまうためです。
半月板は太ももの骨(大腿骨)と膝から下の骨(脛骨)の間にある、膝関節のクッションです。
「半月板の損傷」と聞くと事故やスポーツによる外傷のイメージがあるかもしれませんが、加齢によってすり減るケースもあります。
半月板を損傷するとどのような症状が見られるのか、詳細は後段にて解説します。
要因3.運動不足
膝からミシミシ音が聞こえる原因のひとつとして、運動不足があげられます。
その理由は、運動不足によって膝を支える筋肉が衰えてしまうためです。
膝を支えている代表的な筋肉は次のようなものがあります。
- 大腿四頭筋
- 前脛骨筋
- 腓腹筋
膝のミシミシ音が運動不足によるものであれば、トレーニングで改善可能な場合もあるので、筋力アップを目的とした運動を心がけて生活しましょう。
膝のミシミシ音から考えられる疾患
膝からミシミシ音が聞こえるときに考えられる疾患は以下の2つです。
- 変形性膝関節症
- 半月板損傷
それぞれどのような病気なのか、解説します。
変形性膝関節症
変形性膝関節症とは、加齢によって膝の軟骨が弾力性を失い、膝関節が変形する病気です。
女性に多く、高齢になればなるほど発症の確率は高まります。
主な症状は膝の痛みや膝関節へ水が溜まるなどです。
初期段階では違和感程度であったり、歩き出しなどの動作の始めに痛みを感じる程度なことも多いですが、進行すると歩行が困難になる場合も。
変形性膝関節症の治療方法は大きく分けて3つあります。
- 保存療法:薬を内服したり、薬剤を注射したりして痛みを抑える
- 手術療法:膝関節を人工物に変えたり、骨を切って矯正したりする手術をする
- 再生医療:自身の血液や脂肪から治療薬を作成し、体内に戻して修復を促す
症状が軽ければ保存療法を行いますが、それでも治らない場合は手術を検討します。
しかし、近年は「第3の治療法」として、再生医療が注目されており、手術を避けられる可能性が出てきました。
膝のミシミシ音は変形性膝関節症のサインの場合があります。
変形性膝関節症の気になる症状があるようであれば、早めに整形外科をご受診ください。
半月板損傷
半月板損傷とは、膝関節のクッションの役割である半月板が傷つくことによって、痛みを感じたり、曲げ伸ばしの際に引っかかる感じが見られたりする疾患です。
体重が加わった状態で膝を強くひねると、半月板が損傷してしまいます。
具体的には、以下のような動作を原因として、損傷するケースが多いです。
- ジャンプの着地時に膝を強くひねる
- 方向転換する際に体重がかかった状態で膝を強くひねる
- 膝を急激に伸ばす(キック動作時など)
高齢になればなるほど罹患率が上がる変形性膝関節症とは異なり、半月板損傷は若い人でもなる可能性があります。
重症の場合は膝に水が溜まったり、膝を動かせなくなるロッキングが生じたりすることも。
損傷した半月板が自然治癒することはなく、それが原因となって膝が変形してしまう可能性もあるので、心当たりがあるようであれば整形外科を受診しましょう。
半月板損傷の詳しい症状や治療法は以下の記事にて解説しているので、こちらもぜひご覧ください。
【もしかして手術?】半月板損傷の症状と治療法【理学療法士解説】
運動不足による膝のミシミシ音の治し方
膝のミシミシ音が運動不足によるものであれば、以下の行動をすることで改善する可能性があります。
- 膝周辺の筋肉トレーニング
- ストレッチ
- 整形外科を受診する
具体的な内容を見ていきましょう。
膝周辺の筋肉トレーニング
膝からミシミシ音がするときに、痛みがないようであれば膝周辺の筋肉を鍛えましょう。
膝を支える筋肉を鍛えることで、膝への負担を軽減できます。
筋肉は加齢によって衰えてしまっても、鍛え直すことが可能です。
ウォーキングやスイミングなどの適度な全身運動もあわせて行い、基礎体力を向上させましょう。
膝軟骨のすり減りを改善させる運動については下記記事にて詳しく解説しているので、こちらもぜひご覧ください。
ストレッチ
膝のミシミシ音だけでなく痛みも伴う場合は、筋肉トレーニングではなくストレッチを行いましょう。
なぜなら、痛みを我慢してトレーニングをすると、症状が悪化するおそれがあるからです。
痛みは膝が悲鳴をあげているサインなので、無理をしてはいけません。
強い痛みがある場合は安静にし、ストレッチであっても無理はしないようにしてください。
膝をストレッチする方法については、以下の記事にて詳しく解説しているのでこちらもぜひご覧ください。
整形外科を受診する
トレーニングやストレッチを試みてもミシミシ音や痛みが治まらない場合は整形外科を受診しましょう。
膝のミシミシ音の原因が運動不足ではなく、病気が隠れている可能性があるからです。
前段にて解説した変形性膝関節症や半月板損傷は、放置すると歩行困難になったり膝関節が変形したりするリスクがあります。
「ミシミシとした音は運動不足によるもの」と安易に思い込まず、改善が見られないようであれば早めに整形外科を受診しましょう。
ミシミシ以外の膝の音から推測する膝の状態
膝はミシミシという音以外に、以下のような音が聞こえる場合があります。
- ギシギシ
- ジャリジャリ
- ポキポキ
ミシミシではなくても膝から異音が聞こえたら、気になる方も多いでしょう。
本章ではミシミシ以外の膝の音について解説します。
膝からギシギシと音がする場合
膝から「ギシギシ」という音がする場合、ミシミシと同様に軟骨がすり減っている可能性があります。
なぜなら、軟骨がすり減ったときに膝の骨と骨がこすれるとギシギシという音が鳴ることがあるからです。
ミシミシという音と同様に、現時点で発症していなくても、将来的に変形性膝関節症に移行するおそれもあります。
変形性膝関節症の発症を避けるための予防を心がけて生活をしましょう。
膝からジャリジャリと音がする場合
膝から「ジャリジャリ」という音がする場合、ミシミシやギシギシの状態から軟骨のすり減りが進行している可能性があります。
軟骨がすり減った結果、骨と骨がぶつかり合うことで音が生じるからです。
ひどい場合は軟骨が消失しているケースも考えられます。
膝からジャリジャリという音が聞こえたら早めに整形外科を受診するようにしましょう。
膝からポキポキと音がする場合
膝からポキポキという音がする場合は、過度に心配をする必要はありません。
なぜなら、ポキポキという音は病気ではなく、関節内の気泡がはじけて発生すると言われているからです。
関節のポキポキ音は「クラッキング音」と呼ばれ、膝を曲げたり、首を曲げたりする場面でよく聞かれます。
ポキポキという音の他に痛みなどの症状がないようであれば、心配せずとも良いでしょう。
ただし、ポキポキという音以外に膝疾患を思わせる症状があるようであれば、一度整形外科をご受診ください。
膝からミシミシ音がする前に!変形性膝関節症の予防方法
膝の軟骨がすり減って起こる変形性膝関節症は、日常生活で予防することができます。
前述したトレーニング以外に、次のような方法が効果的です。
- 正座や和式トイレなど膝に負担がかかる姿勢を避ける
- 肥満であれば減量する
- クーラーなどで冷やさないようにする
特に正座は膝関節への負担が大きいとされています。
年齢層によっては「かしこまった姿勢」として習慣になっている人もいますが、変形性膝関節症予防のためには意識して避けるようにしましょう。
また、体重は重ければ重いほど膝に負担がかかります。肥満の場合は体重を減らして、膝の負担を軽くしましょう。
まとめ
膝からミシミシと音がする場合、改善するかどうかは原因によって異なります。
軟骨や半月板のすり減りによる膝の病気が原因であれば、進行の程度によっては治療が必要です。
一方で、運動不足による音であればトレーニングによって解消できる可能性もあります。
とはいえ、安易に「運動不足によるものだろう」と考えて放置せず、トレーニング等を続けてもミシミシ音が改善しなかったり、痛みを伴ったりする場合は整形外科をご受診ください。
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