膝の靭帯損傷に再生医療は効果はある?ない?専門医が徹底解説!
皆さん、こんにちは。
東京神田整形外科クリニック、膝治療責任者・理学療法士の神林です。
1人で3000人以上の再生医療を経験している横田先生と一緒に、膝に関する情報を配信していきます。
- 膝の痛みを治したい方
- 膝の靭帯損傷と診断された方
これらに当てはまる方はこの記事を最後までご覧いただくと、膝靭帯損傷の治し方を徹底的に理解することができ、治療に応用することができますので、最後まで是非ご覧ください。
【目次】
当院では膝の再生医療治療に力を入れております。
少しでもご興味を持たれた方は、当院の再生医療治療ページをご覧になってみてください。
東京神田整形外科クリニック
再生医療治療について詳しく見てみる
膝の靭帯について
神林
皆さん、膝に靭帯があることをご存知かと思いますが、簡単に説明させていただきます。
膝の靭帯には4つの大きな靭帯があります。
- 前十字靭帯
- 後十字靭帯
- 内側側副靭帯
- 外側側副靭帯
この4つがあります。
なかでも一番重要なのは前十字靭帯になります。
この4つの人体は膝の安定性機構を担っており、それが破綻すると変形性膝関節症になりやすいです。
横田先生
僕は昔ラグビー部だったんですが、この前十字靭帯が切れています。
タックルで切れてしまいました。
ブチっと音がしましたよ。
皆さん前十字靭帯は手術した方が良いです。
良いのですが僕はしていません。
神林
やっぱり手術療法と保存療法で変わってくるんですね。
横田先生
僕はラグビー部だったんですが、手術するしないはどのくらいスポーツするかによるとスポーツ専門の医師に言われました。
「横田くんはどのくらいスポーツするの?」
と聞かれたので僕は
「医学部の部活なので、レクリエーションのレベルです」
と言うと
「リハビリ大変だからそのくらいだったら割に合わないよ」
と言われました。
そういうものかと思って、そのまま手術せずに保存療法にしました。
前十字靭帯はすごく運動する人は手術した方が良いです。
前十字靭帯を損傷すると安定感がなくなって、膝がぐらぐらしてしまいます。
僕はスキーとかをする時はサポーターをしています。
僕は今50歳で、前十字靭帯を損傷していない方は変形していないですが、損傷している方は変形の程度が3です。
やっぱり靭帯損傷してしまうと変形性膝関節症になりやすいです。
実体験としてもそう思います。
神林
データを見ると8〜9割の患者さんが変形性膝関節症になりやすいと言われています。
その中でどういう治療を選択したら良いのかを皆さんにお伝えしていきます。
靭帯損傷に対して再生治療は有効なのか
神林
靭帯損傷に対して再生医療は有効ですか?
横田先生
やってみて損はないです。
他に良い方法があれば良いですが、本格的にスポーツする人で尚且つ若い人はやった方が良いと思います。
内側側副靭帯や外側側副靭帯はそれほどする必要はないですが、前十字靭帯が損傷してしまうのは良くありませんし、やるべきだと思います。
神林
本気でスポーツしなかったり、普段の生活に戻りたい、膝の痛みを治したいという患者さんには再生医療いわゆるPFC-FD治療やエクソソーム治療などは適用になるんですか?
横田先生
お金もかかるので、1回だけしておいたり、予防的にしておくのが良いのだと思います。
僕の大学時代にはなかったです。
神林
それだけ医療が進歩してきて選択肢が増えたんですね。
横田先生
整形外科を25年以上していますが、特に骨粗鬆症の分野とリウマチの分野が進歩しました。
リウマチの分野は生物製剤というのがあって、注射とか点滴が主流になったのですが、この再生医療というのは自分という生物製剤なんです。
自分由来の生物製剤と思えば、高額料金も仕方ないかなとは思います。
当然保険でしてくれるのが一番ですが、加齢に伴うものに保険適応させようとすると、皆さんがもっと医療費を払うしかありません。
国としては法律だけ整備して、余裕がある人だけやってくれ、どこかの誰かがデータをとって、税金を1円もかけないで論文を書いてくれという感じですね。
僕はやりましたけどね、3000人も見てますから。
もはや患者さんが入ってきてちょっと触るだけで効くか効かないかもわかりますよ。
神林
靭帯が損傷しているとルーズになる方が結構多いですもんね。
横田先生
そうなんです。
僕は英語の論文でMRIのことも書きましたが、前十字靭帯が断裂している人は成績が悪いです。
半月板とかはそこまでの差はないです。
骨の内出血とかもそこまでの差はありません。
ですが前十字靭帯が切れていると不安定です。
損傷くらいでちょっと繋がっていればまだ良いですが、完全にブチっと切れているときついです。
だから損傷は良いとしても、断裂は厳しいです。
そこら辺は2022年の論文でも末期の変形性膝関節症は成績が悪いと書いていますが、MRIで見ると末期は大体前十字靭帯が切れています。
骨が末期なので、骨と骨を繋ぐ靭帯なんて切れて当然です。
神林
MRIを見ても確かにブチっと切れている感じになっていますね。
横田先生
そうなんですよ。
断裂している場合は難しいですが、損傷レベルなら再生医療をやるべきです。
神林
靭帯損傷と診断された方は早期に治療を開始する必要があるんですが、再生医療を入れてあげると半月板が再生したり、膝軟骨が再生したりするので良いですよね。
横田先生
Vincentという富士フィルムのものですると軟骨は少ないですが増えます。
元々は増えないと言われていたので、少しでも増えるというのは良いですね。
ただ、若い時のガラスの軟骨が増えるのかというとそうではなく、繊維性の軟骨だとは思います。
ですが、やっぱり慣れている人が診て、「ここまではいけるけど、ここからは無理」という見切りが重要です。
症状が初期の段階で予防の観点で再生医療をやるのがおすすめです。
そして保険でもどうしてもという場合は手術できますし、ケースバイケースで最適と思われるアドバイスはできます。
靭帯損傷の症状とは
神林
靭帯を損傷するとどんな症状がでてくるのでしょうか?
横田先生の実体験でも良いかもしれませんけどね(笑)
横田先生
僕がラグビー部でやっていた時に当然タックルされました。
そしたらブチっと音がしました。
神林
結構でかい音がすると言いますよね。
横田先生
肉離れもそうですが、本当にブチっという音がしますね。
結構膝が腫れますし、冷やしても腫れます。
当然靭帯は骨と骨を繋ぐものですので、やっぱり少し不安定感がでます。
捻ったりするとガクッと膝崩れが起こります。
神林
確かにリハビリをしていてもそういう方が多いですね。
横田先生
切れてしまったものはもちろん、膝が切れて治るなんてことはなかなかないので、自然に筋肉で固める必要があります。
リハビリで筋肉をつけることと痩せることがとても重要です。
神林
切れている靭帯に対して補強していくとなると、筋肉とか外的なサポーターが必要となってきます。
横田先生
先ほども言いましたが、僕は筋トレやスキーをする時はサポーターをしないと不安です。
たまに忘れてしまうんですけどね…
神林
瞬間的な動きに弱いから難しいところはありますね(笑)
横田先生
やっぱりサポーターは忘れてはいけないですね(笑)
靭帯損傷の治療法
神林
靭帯損傷の治療法としては大きく分けて3つあると言われています。
- 保存療法
- 再生医療
- 手術療法
それぞれを簡単にお話しします。
①保存療法
神林
これはリハビリテーションやサポーターなどと行った装具を使用する治療です。
②再生医療
神林
先ほどから話に出ている再生医療です。
今当院で扱っているのが「PFC-FD治療」「エクソソーム」です。
横田先生
やっぱり一番安いのを最低1回はやっても良いと思います。
損なことは何もないです。
やっぱり医療技術が進歩したと思います。
③手術療法
神林
これは靭帯再建術です。
よく再建されるところはハムストリングスと言って、膝の後ろについている筋肉をとってきて移植したり、膝蓋靭帯というところから少し切って靭帯に移植したりすることが多いです。
横田先生
大きく分けてその2種類ですね。
靭帯損傷した方への治療提案
神林
先ほどお伝えしたような3つの治療法がありますが、やはり皆さん、膝の痛みを治したいというのが主訴でくると思います。
そう言った場合はどういう治療を提案しますか?
横田先生
とりあえず簡単で安い治療をすすめます。
具体的には自分の血液での治療が一番安全で良いと思います。
先ほどもお伝えしたように、手術の対象になるのは若くて運動をいっぱいする人です。
安全な血液の治療で一回注射を打ってみるのがおすすめです。
あとはエクソソームもありますが、それは他人のものなので、血液の治療をしたけれどあまり効果がない人に「他人の若い力を使う」というのはありかと思います。
患者さんも十人十色なので、自分に合ったものを一緒にチョイスするというのが一番良いと思います。
とりあえず一回は再生治療を受けた方が良いと思います。
神林
結構痛みが取れますもんね。
早期発見・早期治療が重要なので気になる方は参考にしてみてくださいね。
靭帯損傷の診断と病院選び
神林
治療するにあたってもちろん診断が必要になりますが、レントゲンではなくてMRIが必要ですよね。
横田先生
柔らかい組織を取る時はMRIでないとダメですからね。
レントゲンもCTもそうですが、硬い骨などを診るには良いですが、軟骨は写りません。
靭帯は完全にMRIでないと見れないので、スポーツの世界はMRIが基本です。
なので自分の論文にもMRIの所見を書きましたが、データ的には全部が写ってしまうのでわかりにくいです。
半月板や骨、他の靭帯もあるのでどれがどのくらい影響するのかは非常にわかりづらいです。
変形性膝関節症の診断を今もレントゲンでするのは、レントゲンが一番シンプルだからです。
変形の程度と治療成績は比例します。
ちゃんとMRIも撮って、前十字靭帯が切れている人は成績が悪いというのは知っているけれど書いていません。
わざわざ書く必要がないからです。
半月板は損傷していてもそれほどの差はありませんが、靭帯は差があります。
ただそれを書いてしまうと論文の本筋からそれてしまいます。
論文は結論が短くて単純であればあるほど良いです。
僕はたくさんの症例を経験していますし、論文に記載していなくてもきちんとデータは存在します。
皆さん、手術も再生医療も経験が多いクリニック・医者に診てもらうのが良いです。
再生医療の認定医も持っていますが、認定医は3人診ればなれてしまいます。
診察するだけでいいので、僕が治療した人を他の先生が診ても、条件を満たして認定医を取ることができてしまいます。
なので、やはり経験してきた数というのは非常に重要です。
神林
このように当院は再生医療の件数が非常に多いです。
特にリハビリテーションに関しては非常に充実しているクリニックですので、再生医療をやった患者さんに関しては、リハビリテーションを併用しながら治療を進めていくと効果が高いです。
経験豊富なところで治療を選択することが本当に大切です。
靭帯損傷治療後のリハビリテーション
横田先生
スポーツのトップレベルでも、靭帯損傷など膝の手術をしている先生が
「(手術後に)復活してくる人はオリンピックレベルです」
と言います。
やはりリハビリを頑張った人だけが這い上がってこれるんです。
実は大谷翔平選手も日ハム時代に肘に血液のPRPをしています。
ですが力が強いので、やはり靭帯損傷には厳しく、結局手術をしましたね。
実は手術をしても復活してくる人と復活できない人がいます。
復活してくる人というのはリハビリを頑張った人だけなんです。
だから他のメジャーリーガーも大谷翔平選手はすごいと言うんです。
よくあるのが私はがんばらないので先生が注射で治してくださいというパターンです。
僕は声を大にして言います。
「あなたの力で治すんです!!!」
僕は「手術半分・リハビリ半分」とよく伝えるのですが、再生医療も同じで「注射半分・リハビリ半分」ですよ。
大谷翔平選手みたいに頑張るのが一番良いです。
痩せてくる人もそうですよね。
神林
本当にその通りです。
横田先生
今年僕が一番印象に残ったのはこんにゃく麺を勧めた女性です。
48歳の方で春に110kgもありましたが、最近会うと24kgも痩せて86kgになっていたんですよ。
毎日こんにゃく麺を食べたらしいです。
麺が好きだと言うので、僕は12月までは諦めてこんにゃく麺に置き換えるように言ってました。
それをきちんと守ってくれて、こんなにも痩せるとは思っていませんでした。
そして彼女は「60kg台になりたい」と言ってくれました。
神林
素晴らしいですね。
横田先生
食べるものを変えるだけでも体型は変わります。
なのでやはり自分の力を信じて、安全にリハビリをしっかりしてください。
リハビリも一緒に頑張ることで治療効果はかなり上がってきます。
神林
ありがたいことに私のリハビリも全国からきていただいている患者さんが多いです。
膝で悩んでいる方は本当に多くて、私のところにきていただいている方も多いです。
そう言う方を私は全力で支えたいです。
膝の症状で悩んでいる方がいらっしゃいましたら、横田先生の再生医療外来だったり、私のリハビリだったり、そういったところに来ていただいて、ご相談していただけたらと思います。
まとめ
今回は膝靭帯損傷の治療法を再生治療を中心にお話ししました。
靭帯損傷をすると変形性膝関節症のリスクも高くなってしまいますし、早期の治療が望まれます。
中でも若くてスポーツをすごくする人には特に再生医療をお勧めしています。
手術の場合もそうですが、再生医療だけでよくなるわけではありません。
リハビリをしっかり頑張った方こそよくなることができます!
膝の痛みでお悩みの方は是非当院へ相談してくださいね。
これからも膝に関する情報を一生懸命配信していきますので、膝痛開放ブログのチェックをお願いいたします。
膝専門YouTubeチャンネルでも配信していますので、ぜひチャンネル登録もよろしくお願いいたします。
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少しでもご興味を持たれた方は、当院の再生医療治療ページをご覧になってみてください。
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