膝の違和感と曲げにくさの原因は?対処法と病院受診の必要性を解説
「膝に違和感があって曲げにくい」「膝に空気が入ったような違和感がある」こんな症状でお困りではありませんか?
痛くないから病院に行くほどではないと、受診をためらっていませんか。
膝の違和感と曲げにくさは、放置すると症状が悪化し大変なことになります。
この記事では、膝の違和感と曲げにくさの原因や病気の危険性、受診の目安について詳しく解説します。理学療法士による、膝に効くストレッチとエクササイズも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
【目次】
当院では膝の再生医療治療に力を入れております。
少しでもご興味を持たれた方は、当院の再生医療治療ページをご覧になってみてください。
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膝に違和感があって曲げにくい状態とは?
膝の違和感や曲げにくさは、膝の関節に抵抗や摩擦が生じている状態を指します。
膝関節の炎症や半月板・靭帯の損傷、筋肉の緊張など、関節・筋肉・靭帯に問題が生じているために起こります。
膝関節は、太ももの骨、すねの骨、膝の皿の骨で構成されます。
スムーズな膝の曲げ伸ばしには、クッションの役割を担う軟骨が重要です。
膝関節は筋肉や靭帯、腱に支えられることで、膝の動きが安定します。
太ももの骨とすねの骨の間にある半月板も、安定性やクッション性、スムーズな動きに欠かせません。
膝関節の構造や機能に問題があると、違和感や曲げにくさ、痛みが生じてしまいます。
膝関節のどの部分に問題が生じているのか、原因を詳しく見ていきましょう。
膝の違和感と曲げにくさの原因3つ
膝の違和感と曲げにくさは、スポーツによる障害や外傷、加齢による身体の変化により出現します。
加齢が原因である場合は、主に筋力低下や体重増加などが要因です。
膝の構造に注目して、原因を解説します。
スポーツによる、靭帯・腱・半月板・軟骨・骨の損傷
膝の使いすぎで生じるスポーツ障害とスポーツ中の事故は、膝の違和感と曲げにくさを起こす原因の一つです。
スポーツでは走る・跳ぶなど、膝を捻る動作や突発的に膝に大きな負荷がかかる動作が多く、膝の怪我が多く起こります。
膝へ急に大きな負荷がかかる、もしくは一定の負荷が継続的にかかることで、筋肉・靭帯・腱・半月板・軟骨・骨が損傷します。
損傷すると炎症を引き起こし、膝の曲げにくさに加えて、痛みや腫れ、熱感を伴うでしょう。
違和感や曲げにくさだけでなく、膝に痛みがある場合は整形外科の受診がおすすめです。
具体的な病名や症状については、次の章で解説します。
膝軟骨のすり減りによる関節の炎症
膝の違和感や曲げにくさの原因の一つに、関節組織の炎症が挙げられます。
関節の炎症は、削られた軟骨の破片が関節内の骨膜を刺激することで起き、痛みや腫れも出現します。
過度な負荷や、加齢による軟骨細胞の減少と代謝の低下によって、軟骨のすり減りは進行します。
軟骨がすり減りやすい人の特徴は、女性の方、肥満の方、過去に半月板や靭帯を損傷した方です。
軟骨は一度損傷してしまうと、完全に元の状態に戻りません。
破壊や変性を起こし、関節の機能低下や痛み、関節炎の進行につながるため注意が必要です。
代表的な疾患に、変形性膝関節症があります。
既に痛みがある場合は、変形性膝関節症の可能性もあるため、次の章の疾患の詳細を確認しましょう。
筋肉の柔軟性の低下
膝の曲げにくさや違和感の原因の1つに、筋肉の柔軟性の低下があります。
太ももの前面にある大腿四頭筋は、膝関節の伸展に働く筋肉です。
大腿四頭筋の柔軟性が低下すると、膝を曲げる動作が困難となります。
反対に、太ももの裏側にあるハムストリングは、膝関節の屈曲に働く筋肉です。
ハムストリングの柔軟性が低下すると、膝を伸ばす動作が困難となります。
筋肉の柔軟性の低下は、日常の運動不足や長時間の座り仕事、加齢に伴う筋肉の硬化によって起こります。
大腿四頭筋やハムストリングスが過度に緊張すると、膝の曲げ伸ばしに支障が出ます。
特に、階段昇降時や立ち上がり動作時に、抵抗感や痛みを感じる場合があります。
病院に行くべき?膝の病気の可能性
膝の違和感と曲げにくさの症状は、治療が必要な病気のサインかもしれません。
加齢によるものやスポーツによるものなど、考えられる病気が複数あります。
病気の特徴を詳しく説明します。
変形性膝関節症
変形性膝関節症は、加齢や膝への過度な負担により、膝関節がすり減って骨膜の炎症を起こす疾患です。
典型的な症状には、痛み、腫れ、関節のこわばり、関節の変形、関節液の貯留(膝に水がたまる)などがあります。
病状が進行すると、正座や階段の上り下りが難しくなり、歩行時のふらつきも出現するでしょう。
この病気は、痛みで日常生活の動作が思うようにできなくなる可能性があるため、整形外科の受診をおすすめします。
膝蓋大腿関節症
膝蓋大腿関節症とは、太ももの骨と膝のお皿の骨で構成される関節が、炎症や軟骨のすり減り、骨の変形、脱臼によって痛む疾患です。
原因は、膝蓋大腿関節の軟骨がすり減り、炎症を起こすことにあります。
加齢や膝への過度な負担、膝蓋骨の脱臼・亜脱臼など、軟骨がすり減る要因はさまざまです。
主にスポーツによる外傷や膝の使い過ぎがきっかけに発症する場合もあります。
ジャンプの着地時や、外部から膝の皿へ衝撃が加わった時に起こりやすいです。
代表的な症状は、膝の皿周囲の腫れや熱感、屈伸運動時の痛みや違和感、膝の皿が引っかかる・こすれるような感覚が挙げられます。
病状が悪化すると、痛みが増強し、骨にまで影響を及ぼすことがあります。
膝蓋大腿関節症もまた、痛みによって日常生活動作に影響を及ぼす可能性が高いため、早期の診断と適切な治療が必要です。
似ている症状の病気に、膝蓋軟骨軟化症があります。
膝の皿の軟骨が、太ももの骨とぶつかり、軟骨がすり減って炎症が起きます。
炎症により、軟骨の軟化やふくらみ、亀裂など変形を生じる病気です。
半月板損傷
半月板損傷は、スポーツ活動中に膝に強い衝撃や負荷がかかることで、半月板に亀裂や断裂が起こる疾患です。
スポーツ中の急激な動きや方向転換が原因となることがありますが、加齢も原因の一つとなります。
中高年の場合、筋力低下や体重増加による慢性的な膝への負担で発症します。
代表的な症状は、膝の痛み、膝の引っかかり感です。
膝が曲げづらい、まっすぐ伸びない、関節液の貯留(膝に水が溜まる)こともあります。
半月板損傷は、時間の経過により痛みが軽減することがありますが、自然治癒は難しいでしょう。
放置により、変形性膝関節症につながる可能性があります。
手術が必要な場合が多いため、症状がある場合は整形外科を受診してください。
スポーツ障害による膝の疾患
スポーツが原因で発症する膝の疾患は多く、主にスポーツ障害とスポーツ外傷が原因になります。
スポーツ障害とは、膝に繰り返し負担がかかり、使い過ぎが原因で引き起こる損傷です。
疲労の蓄積によって、筋肉などが炎症し痛みが生じます。
スポーツ障害によって起こりやすい膝の疾患を紹介します。
膝蓋腱炎(ジャンパー膝)
ジャンパー膝とも呼ばれる膝蓋腱炎は、膝の使い過ぎによって膝蓋骨の下の腱が傷つき、炎症が生じる疾患です。
バスケットボールやバレーボール、フィギュアスケートなどの繰り返し膝を使う運動により発症します。
10〜20歳代の若い人に発症することが多くみられます。
代表的な症状は、膝関節の痛みと腫れ、膝蓋骨の下の腱の圧痛です。
ジャンプや階段昇降、膝の曲げ伸ばしにおいて、膝を伸ばすと痛みが強くなります。
重症であると、腱が完全に切れる膝蓋腱断裂となります。
腸脛靭帯炎(ランナー膝)
ランナー膝と呼ばれる腸脛靭帯炎は、太ももの外側にある腸脛靭帯が炎症する疾患です。
膝の曲げ伸ばしにより摩擦が生じるため、曲げ伸ばしの回数が増えるほど炎症が起こりやすくなります。
ランニングをする方や陸上競技の長距離選手、登山者に多く見られます。
代表的な症状は、膝の外側の痛み、ギシギシするような違和感、膝の曲げにくさです。
痛みは膝を伸ばした時に感じやすく、走行中や走行後などに出現します。
放置により、症状の悪化や慢性化の可能性があるため、受診をして適切に治療しましょう。
鵞足炎(がそくえん)
鵞足炎は、膝の内側に位置する鵞足部分に炎症が起こる疾患です。
鵞足には縫工筋・薄筋・半腱様筋などの3つの腱が集まっており、膝の曲げ伸ばしや内側と外側にひねる動作によって、腱と骨が摩擦を起こします。
走りながらの方向転換により起こりやすく、野球・サッカー・バスケットボール・ラグビーなどで発症します。
代表的な症状は、膝の内側から膝下の痛みです。
膝の曲げ伸ばしや圧迫時に痛みを感じます。
特に、膝を伸ばしきった状態で痛みが生じる傾向にあります。
病状が進行すると、安静時でも痛みを感じ、日常生活に支障をきたします。
軟骨の損傷リスクもあるため、運動時に膝下の内側が痛む場合は、整形外科を受診することをおすすめします。
スポーツ外傷
次にスポーツ外傷について説明します。
スポーツ外傷とは、スポーツ中の怪我や損傷を指し、衝突や過度な負荷によって起こります。
スポーツ外傷の一例は以下の通りです。
- 捻挫
- 打撲
- 靭帯損傷
- 半月板損傷
- 筋肉の痛み
- 骨折
- 脱臼
突発的な怪我は、急性の関節炎を伴うことが多くあります。
急激な炎症のために、膝の腫れ、熱感、激しい痛みが生じます。
発症の直前に、ぶつける、捻るなどの大きな衝撃を膝に受けた覚えがある場合は、外傷によるものと考えられます。
激しい痛みを伴う場合は、我慢せずに受診しましょう。
膝の違和感と曲げにくさを改善!効果的な対処法
膝の違和感と曲げにくさを改善するためには、エクササイズやストレッチが効果的です。
すぐに実践できる、簡単なストレッチとエクササイズのYouTube動画も紹介しているため、ぜひ試してみてください。
痛みや腫れ、熱感がある場合は、炎症しているサインであるため安静にすることが必要になります。
無理に自分で治そうとせず、専門家に相談しましょう。
ストレッチ
筋肉の柔軟性を向上させるストレッチは、膝関節の安定性を向上させ、適切な動きを促進します。
ストレッチで硬くなった筋肉を伸ばし、スムーズな関節の動きを手に入れましょう。
おすすめのストレッチはこちらです。
このYouTube動画では、膝の曲げ伸ばしに重要な大腿四頭筋やハムストリングをほぐすストレッチを紹介しています。
座ったままできるストレッチですので、膝の違和感や曲げにくさがあっても、負担なく実施できます。
- 太ももの前のストレッチ
- お皿のストレッチ
- 太ももの裏のストレッチ
3つのストレッチにより、膝周りの筋肉を簡単にほぐせます。
タイトルの「膝の水抜き」だけでなく、膝の違和感や曲げにくさにも効果のあるストレッチです。
エクササイズ
無理なくエクササイズを行うことで、柔軟性が低下している膝周りの筋肉を強化できます。
違和感なく曲げ伸ばしができる膝のために、大腿四頭筋やハムストリングスの筋力を鍛えましょう。
おすすめのストレッチはこちらです。
このYouTube動画では、膝周りの筋肉をつけるための、正しい運動のパターンを解説しています。
膝に負担のない優しいエクササイズを、理学療法士の指導のもと実施できます。
- 内転筋エクササイズ
- 大腿四頭筋エクササイズ
- ハムストリングエクササイズ
3つのエクササイズにより、膝周りの筋肉を刺激し、膝の違和感や曲げにくさの改善と膝痛の予防ができます。
膝サポーターの使用
「仕事でどうしても階段を使う」「スポーツや部活の練習を休めない」など、膝の曲げ伸ばしが避けられない場合は、サポーターの使用がおすすめです。
サポーターの使用により、ケガの予防や痛みの軽減の効果が期待できます。
サポーターの長時間の使用は、筋力を落とす可能性があるため、必ず膝に負担がかかる時のみ使用しましょう。
膝の違和感と曲げにくさは何科を受診?病院受診の目安
膝の違和感と曲げにくさがある場合は、整形外科を受診しましょう。
膝関節や周囲の組織に問題がある可能性が高いことが理由です。
以下の症状が受診の目安になります。
- 膝の違和感と曲げにくさに加えて痛みがある
- 症状が長く続く
- 腫れや熱感がある
- 発症前に受傷した覚えがある
- 症状が理由で日常生活に支障がある
病気によって治療法や予後が異なるため、自己判断で放置することは危険です。
ちょっとした痛みや違和感のために、受診を迷うことがあるかもしれません。
症状の悪化を防ぎ、いち早く膝の違和感や曲げにくさを治すためにも、早めに医師へ相談することをおすすめします。
まとめ
膝の違和感と曲げにくさは、スポーツ障害や加齢による身体の変化によって起こります。
膝の違和感と曲げにくさの主な原因は以下の3つです。
- スポーツによる膝関節周囲の損傷
- 膝軟骨のすり減りによる関節の炎症
- 筋肉の柔軟性の低下
痛みがない場合は、適切なストレッチやエクササイズ、膝サポーターの使用が効果的です。
痛みがある場合は、病気が潜んでいるリスクがあります。
変形性膝関節症や半月板損傷、ジャンプ膝・ランナー膝などのスポーツ障害による病気の可能性があるため、放置せずに整形外科を受診しましょう。
受診の目安は以下の5つの症状です。
- 膝の違和感と曲げにくさに加えて痛みがある
- 症状が長く続く
- 腫れや熱感がある
- 発症前に受傷した覚えがある
- 症状が理由で日常生活に支障がある
症状が悪化する前に整形外科を受診し、早く健康な膝を取り戻しましょう。
これからも膝に関する情報を一生懸命配信していきますので、膝痛開放ブログのチェックをお願いいたします。
膝専門YouTubeチャンネルでも配信していますので、ぜひチャンネル登録もよろしくお願いいたします。
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